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川 ゚ -゚)エスパークーのようです
1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:35:52.50 ID:K3bXuzV90
初めての人のための三行紹介

大日本エスパープロジェクトことダイプロに所属するクー
組織目的は新規エスパーの発掘とその管理、国からの依頼も受けます
とりあえず新しい展開に向けての第一歩


ぬこよりワンコの第十二話


まとめ

( ´_ゝ`)さんかくぽすとさん
http://sankakupost.blog55.fc2.com/blog-entry-83.html
ブーン芸VIPさん
http://boonsoldier.web.fc2.com/esp.htm



2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:38:01.58 ID:K3bXuzV90

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) 新人。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力

( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力

从 ゚∀从 プロジェクト書記長。なんでも半分こにする

从'ー'从 アイドル。嫌でも人目を惹いてしまう

( ∵) 悪魔人形。今はクーの鞄のキーホルダー

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中


3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:38:13.08 ID:8YKz0m9mO
ぬこよりチンコの第12話

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:41:39.67 ID:K3bXuzV90

―ダイプロミーティングルーム


( ・∀・)「さて、今日みんなに集まってもらったのは他でもない」

( ・∀・)「―緊急事態だ」


(,,゚Д゚)「えー」

川 ゚ -゚)「またですか?」

(*-ー-)「緊急事態のバーゲンセールね」

( ><)「狼少年になっちゃうんです」

从 ゚∀从「補佐ス・テ・キ(はぁと)」


( ・∀・)「……」

( ・∀・)「次 口答えしたヤツ、トイレ掃除一ヶ月な」


「……」

川д川「(あえて発言したほうが“おいしい”かしら)」

ξ;゚听)ξ「(…だめだよ)」

5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:45:58.95 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「うむ」

( ・∀・)「緊急事態とは言ったが、例の如く任務だ」

( ・∀・)「ただ―」

( ・∀・)「今回の任務は少々難易度が高い」

( ・∀・)「出来うる限りの人数を投入するつもりだ」

( ・∀・)「あ」

( ・∀・)「怪我をしてもウチ労災とかでないから、気をつけてくれ」

(,,゚Д゚)「(なんだ、マジ話か)」

川 ゚ -゚)「(ナベちゃんのコンサートチケット取ってこい! とか、そういう話だと思ったがな)」


( ・∀・)「何か言ったか?」


川 ゚ -゚)「いえ、何も言っておりません。モララー補佐殿」


6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:46:53.41 ID:OISVfbfrO
支援

7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:48:41.81 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「で、今回のターゲットなんだが」

( ・∀・)「こいつだ」


川 ゚ -゚)「この男ですか」

( ><)「優しそうな顔をしてるんです」

(,,゚Д゚)「人は見た目によらないってことだな」


( ・∀・)「――いや、ターゲットはこの男ではない」

( ・∀・)「この男が抱えてるものだ」


8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:50:30.15 ID:K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「え?」

(,,゚Д゚)「は?」

(;><)「だってこれは…」

ξ*゚听)ξ「ちょっとー、私にも見せてよー」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「犬…?」


( ・∀・)「そうだ」

( ・∀・)「今回のターゲットはこの犬だ」


9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:51:41.28 ID:K3bXuzV90



川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第十二話:ワンワンパニック−




10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:52:11.95 ID:Ti7++WwLO
ktkr

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:55:16.63 ID:ysa2Cyen0
支援してやんよ

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:55:53.22 ID:K3bXuzV90

(*-ー-)「……犬、ですか」

( ・∀・)「そうだ」

川 ゚ -゚)「人間以外にもエスパーがいるとは…」


( ∵)


川 ゚ -゚)「まぁ、人にカウントしてやる」

(,,゚Д゚)「しかし犬かよ。 珍しいこともあるもんだ」

从 ゚∀从「―いんや」

从 ゚∀从「犬つーのは昔から、霊力だの不思議な力を持ってる言われてるぜ」

从 ゚∀从「犬の遠吠えには破魔の力があるつーし」

从 ゚∀从「犬神って言葉もあるぐらいだ」

从 ゚∀从「超能力が使える犬がいたとしても、別に不思議なことじゃねーな」


13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:56:53.09 ID:sCoy68hm0
支援

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:58:23.14 ID:K3bXuzV90

(*-ー-)「…」

从 ゚∀从「…なんだよ」

(*-ー-)「相変わらずだけど冒頭とのギャップが…」

从 ゚∀从「あ?」

(*-ー-)「うんん、いいの気にしないで」

(,,゚Д゚)「しかしなぁ」

(,,゚Д゚)「捕獲作戦……っすか?」

( ・∀・)「そうだな、できれば捕獲してもらいたい」

( ・∀・)「難しいかもしれんがな」


15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 18:59:55.84 ID:K3bXuzV90

( ><)「…」

( ><)「あれ?」

( ><)「この男の人、どこかで見たことあるんです」

川 ゚ -゚)「そう言われれば…」

ξ*゚听)ξ「この人……」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「飼い主の名前は盛岡デミタス」

( ・∀・)「ウチの、ダイプロの、一般職員だ」


(,,゚Д゚)「あぁ!!」

ξ*゚听)ξ「言われてみれば!」

川 ゚ -゚)「この情けない顔は」

( ><)「そうなんです!」

川д川「マイナーね〜」

(*-ー-)「…みんな容赦ないわね」


16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:01:48.89 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「確かにあまり印象に残るような男ではないな」

( ・∀・)「この犬、あぁビーグルという名前なんだが」

( ・∀・)「元々は捨て犬だったのを、彼が拾ったらしくてな」

( ・∀・)「大人しい犬で、デミタスにも懐いていたらしい」

( ・∀・)「賢い犬だと可愛がっていたらしいが…」

( ・∀・)「ある朝、起きた時」

( ・∀・)「彼は“異変”に気付いた」


川 ゚ -゚)「異変…?」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「目が覚めて首の違和感に気付くと、そこには」


( ・∀・)「“首輪が付けられていた”」



17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:02:53.59 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「首輪…」

(*-ー-)「ですか?」

( ・∀・)「そう、鉄製の首輪だ」

( ・∀・)「慌てて外そうにもビクともしない」

( ・∀・)「それどころか」

( ・∀・)「首輪にかけていた手は“自然と地面のほうへ”」

( ・∀・)「慌てて誰か人を呼ぼうするも」

( ・∀・)「喉からは“奇声が出るばかり”」

( ・∀・)「彼は慌てた」

( ・∀・)「『なんだこれは―』」

( ・∀・)「『どうなっている―』」

( ・∀・)「普通なら錯乱して、下手をすれば発狂してもおかしくない状態だ」


18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:03:11.90 ID:Ti7++WwLO
支援

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:03:18.28 ID:sCoy68hm0
支援

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:04:34.87 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「その点、彼は冷静だった」

( ・∀・)「こういった不思議な現象を彼は知っている」

( ><)「……超能力」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「エスパーによる攻撃を受けている」

( ・∀・)「そう判断した彼は必死で駆けた、“四つん這い”でな」

( ・∀・)「自らの職場に、そう」

( ・∀・)「大日本エスパープロジェクト。ここにだ」


( ・∀・)「――元凶を引き連れているとも知らずにな」

川 ゚ -゚)「…!」

(,,゚Д゚)「まさか!!」


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:08:06.09 ID:K3bXuzV90

川д川「そのまさか〜」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「彼はここにその元凶たる犬を連れてきてしまった」

( ・∀・)「貞子の結界は、普通の人間に対し絶対的な効果を発揮するが」

( ・∀・)「相手はエスパーなら、効果を果たさない」

川 ゚ -゚)「(よく考えなくても穴だらけの警備だな)」

(*-ー-)「(まぁ……これがウチの“方針”だから)」


22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:10:50.84 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「……ってことは中に?」


( ・∀・)「いや」

( ・∀・)「犬の身長だからな」

( ・∀・)「自動ドアが反応せずに、入れなかったようだ」


(,,゚Д゚)「…」

( ><)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「なんて紛らわしい前フリだ」


23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:11:01.35 ID:Ti7++WwLO
支援

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:14:12.32 ID:K3bXuzV90



―ダイプロ隔離部屋


「…だ」

「…ここか」

(    )「……!」


「本当に……か?」

「見れば分かる」

(    )「ぅぅう〜っ!!!」


「な、何か呻ってるんです!」

「大丈夫だ」

「…入るぞ」

ガチャ


( ・∀・)「―盛岡デミタス」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:16:18.35 ID:K3bXuzV90

(;´・_ゝ・`)「…ふぅっ、ふぅっ」


( ・∀・)「大丈夫だ」

( ・∀・)「見覚えがあるだろう?」

( ・∀・)「お前の仲間だよ」


(´・_ゝ・`)「…」

(´・_ゝ・`)「…くぅん」


(,,゚Д゚)「…こいつは」

川 ゚ -゚)「まるで…」

( ・∀・)「そう」


( ・∀・)「“犬”だ」


26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:17:30.65 ID:K7fQOT9Q0
しえん
コレはウンコしたくなると大変だな

27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:18:08.23 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「彼は自分の愛犬によって、“犬にされてしまった”」

( ・∀・)「姿形は人間のままだがな」

川 ゚ -゚)「ですが、先程の話で自らの意思でここを目指したと…」

( ・∀・)「あぁ」

( ・∀・)「最初は人間としての自我もあった」

( ・∀・)「身体は四つん這い、言葉を無くて、舌で息をするようになっても」

( ・∀・)「自分に起きたことを我々に伝えてくれた」

( ・∀・)「手で地面を引っかきながらな」

(*-ー-)「テレパシーで聞いたほうが、早かったんじゃないですか?」

( ・∀・)「うむ」

( ・∀・)「試してみたんだが、波長が一致しなくてね」

( ・∀・)「普通こんなことはないんだが」

( ・∀・)「そうだな……“回線が違う”感じだ。“別のチャンネルと繋がってる”というのかな」


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:19:50.68 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「それで、今この人は…」

( ・∀・)「あぁ、犬同然だ」

( ・∀・)「徐々に侵食されていくらしいな」

( ・∀・)「こうなるまで一時間弱」

( ・∀・)「その間に我々は情報を聞きだし整理して、今君達に伝えている」

川д川「そういうことね〜」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「貞ちゃんは知っていたのか?」

川д川「出入り口で騒ぎがあれば分かるし」

川д川「あ、貞ちゃんアンテナって呼んでね〜」

川д川「この部屋は私も良く使っていたから〜」

川 ゚ -゚)「(何のために隔離部屋を使ってたんだろう…)」


29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:22:32.01 ID:K3bXuzV90

( ・∀・)「情報が確定するまで黙っておいたんだ」

( ・∀・)「ターゲットの能力は“首輪をはめた相手を徐々に犬にする能力”」

( ・∀・)「推測だがな」

( ・∀・)「残念ながら、どのようにして首輪をはめられたのかは分からない」

( ・∀・)「非常に危険な任務と言える」

( ><)「つまり、ボクたちが“こう”なる可能性もあるということなんです」


(´・_ゝ・`)「…きゅぅん」


(,,゚Д゚)「絶対にごめんだな」

(,,゚Д゚)「とっとと捕まえちまおうぜ」

川 ゚ -゚)「そうだな」


30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:22:56.45 ID:Ti7++WwLO
支援

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:24:45.36 ID:K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「他に被害者は?」

( ・∀・)「今のところ報告は入っていないが…」

( ・∀・)「時間に猶予はない」

( ・∀・)「これ以上被害が出る前に、ターゲットを捕まえろ」

川 ゚ -゚)「言わずもがな」

(,,゚Д゚)「だな」


( ・∀・)「以上! 解散!」



32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:25:46.41 ID:K3bXuzV90




(,,゚Д゚)「―で」

川 ゚ -゚)「うん」

(,,゚Д゚)「いつもの面子になるわけだ」


川 ゚ -゚) (,,゚Д゚) ( ><) ξ*゚听)ξ


川 ゚ -゚)「しょうがないな」

ξ*゚听)ξ「毎度のことだから」

川 ゚ -゚)「どうする、と言ってもやることは一つか」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(,,゚Д゚)「追っかけて取っちめる」

川 ゚ -゚)「正直ぶっつけだが、有益な情報を得られそうにもないしな」


33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:27:58.92 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「じゃ、ビロードよろしく」

( ><)「はいなんです!」

( ><) スゥ

( <●><●>) デュワッ

( <●><●>) ジジジジジジジ

( <●><●>)「…北」

( <●><●>)「ここから1km先、北東に“ひずみ”が見えます」


34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:29:36.12 ID:K3bXuzV90

( <●><●>)「…」

( <●><●>)「ひずみは移動中…」

( <●><●>)「このまま進むとVIP商店街のほうです」

(,,゚Д゚)「商店街!?」

川 ゚ -゚)「人ごみは面倒だな」

ξ*゚听)ξ「急ぎましょ!」



(,,゚Д゚)「みんな、オレに捕まれ!」

(,,゚Д゚)「――跳ぶぞ!!」



35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:30:17.15 ID:K7fQOT9Q0
支援

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:31:49.60 ID:46ea0Cx70
支援


37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:33:21.32 ID:Ti7++WwLO
支援

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:33:29.83 ID:K3bXuzV90




我輩は犬である

名前はビーグル


私を拾った男がつけた凡庸でひねりのない名前

しかし、私にとってはどうでもいいいことだ

名前などさしたる意味を持たない

音が耳に触れる振動だけで良い

「おい」と呼ばれようと「ビーグル」と呼ばれようと、“呼ばれた”ことには変わりはない

私の仲間はそこまで判断できない

私は少しだけ頭が良かったが、やはりどうでもいいことだ


39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:35:51.29 ID:K3bXuzV90

小さい頃の記憶はない

気付けば残飯を漁っていた

何年も何年もそうやって暮らしてきた気がする

不思議と身体の衰えは感じなかった

きっと時間の感覚も、私にとっては意味のないことなのだろう


この能力(ちから)に気付いたのはいつだったか

運命の輪

私はこう呼んでいる

半径50m以内ならば、どこでも自由な場所に出せる

手錠のような作りになっており、これを首にはめた相手に対し

“本能を植え付ける”

私の、私の仲間の、犬としての本能をだ


40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:37:44.17 ID:K3bXuzV90

私を拾った男が『超能力』だと言っていた

縄張り争いの威嚇道具程度にしか考えてなかったが

随分大層なものらしい

何故私にこのような能力があるのか

何故人間にしか効力を示さないのか

そんなことはどうでも良かった

ただもっとこの能力を試したかった

群れている人間共の首を絞め

ひれ伏せたかった

私たちと同じ目線で同じ世界を見せたかった


逃げる兎を追いかけるように

地面を掘り宝を隠すように

そう、これは本能なのだ


41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:38:57.88 ID:K7fQOT9Q0
しえん

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:39:11.81 ID:4DOKmP/P0
支援

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:41:29.67 ID:K3bXuzV90



―商店街入り口付近


「いたぞ!!!」


▼ ェ ▼「―!!」


(,,゚Д゚)「スザー!!」


ギュキュキュキュー!!


(,,゚Д゚)「あいつか!? ビロード!」


( <@><@>)「…」

ξ* )ξ「…」

川 ゚ -゚)「大丈夫か? 二人とも」


44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:42:32.64 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「なんだ? だらしねぇぞ、お前ら」

川 ゚ -゚)「もっと安全運転、もとい安全跳躍はできないのか」

(,,゚Д゚)「できねぇ!!」

川 ゚ -゚)「…」


▼ ェ ▼「…」

ダッ


(,,゚Д゚)「あー!! 逃げるな、この野郎!」

川 ゚ -゚)「…っち、幸い表通りまでまだ距離がある」

川 ゚ -゚)「追うぞ。 ツン、ビロード大丈夫か?」

(;<●><●>)「…いけます」

ξ;゚听)ξ「…バカギコ」

川 ゚ -゚)「よし、いこう」


45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:42:56.03 ID:Ti7++WwLO
支援

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:43:52.72 ID:bhL8al4dO
支援

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:44:24.96 ID:K7fQOT9Q0
支援
半径50mとか無敵だな

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:45:05.31 ID:K3bXuzV90




なんだ

あいつらは?

雰囲気から察するに私を捕まえるつもりらしい

逃げなくては

追われたら逃げる

これも本能だ





49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:46:23.15 ID:K3bXuzV90



いや

なぜ逃げる必要があるのだ

私には能力がある

知恵もある

そうだ

逃げる必要は


―ない



50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:48:30.07 ID:K3bXuzV90




(,,゚Д゚)「逃がすかぁ!!」


ズザー!!

▼ ェ ▼「!」


ξ*゚听)ξ「あ!」

川 ゚ -゚)「裏路地に入ったか」

(,,゚Д゚)「っち」

川 ゚ -゚)「ギコ、動きが直線的過ぎる」

川 ゚ -゚)「相手のほうが小回りが利く、予測して先回りしないと、とてもじゃないが捕まえられないぞ」

(,,゚Д゚)「そんなこと言ってもさぁ」

ξ*゚听)ξ「そうよ」

ξ*゚听)ξ「ギコにそんな器用なこと出来っこないよ」

(,,゚Д゚)「…」


51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:48:59.36 ID:K7fQOT9Q0
支援

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:49:36.91 ID:Ti7++WwLO
支援

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:49:48.60 ID:K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「私じゃ動きを補足出来ない。お前が頼りだ、ギコ」


―成程、あいつがリーダーか


(,,゚Д゚)「クーちゃんがそう言うならオレ頑張る」

川 ゚ -゚)「なんという単細胞」

ξ*゚听)ξ「ばーか」


―馬鹿はお前らだ


( <●><●>)「―!!」

( <●><●>)「気をつけてください!! まだ逃げてません!!」

( <●><●>)「すぐ近くに―!!」



―遅い



54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:51:41.17 ID:K7fQOT9Q0
支援

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:52:54.71 ID:K3bXuzV90


―ッキィン


川 ゚ -゚)「!!?」


ガシャン!!!


川 ゚ ゚)「っ…!!!」


(;<●><●>)「しまった…!!」

(;,゚Д゚)「クーちゃん!!」

ξ;゚听)ξ「クー!!」



川;゚ -゚)「…!!」


川;゚ -゚)「……くぅん」



56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:55:41.92 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「くそが!! ビロード、犬は!?」

( <●><●>)「確認中です…!!」

(,,゚Д゚)「くっ…!」

ξ*゚听)ξ「クー、大丈夫?」


川;゚ -゚)「…くぅぅん」


(,,゚Д゚)「ぐっ…」

(,,゚Д゚)「ビロード」

( <●><●>)「はい」

(,,゚Д゚)「オレらは奴を追う」

( <●><●>)「わかりました」

(,,゚Д゚)「ツンはクーちゃんを看ててくれ」

ξ*゚听)ξ「でも…」

(,,゚Д゚)「いいから」


57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:56:47.27 ID:K7fQOT9Q0
支援

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:58:07.18 ID:8YKz0m9mO
支援

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:59:03.17 ID:glKSkjNf0
久しぶりに見た
支援

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 19:59:35.05 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「絶対捕まえる」


川;゚ -゚)「…くぅん」


(,,゚Д゚)「すまねぇ」


川;゚ -゚)「くぅんくぅん…」


(,,゚Д゚)「仇はとるよ」


川;゚ -゚)「…!! くぅんくぅん!!」


(,,゚Д゚)「分かったって。心配してくれるのは嬉しいけど、早く捕まえないと…」



61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:01:24.17 ID:aEMwtKVsO
俺のバター犬になってくれ!

62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:01:56.65 ID:8YKz0m9mO
>>61やらしいな

63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:02:08.90 ID:K3bXuzV90


川#゚ -゚)「…がぅ!!!」


がぶり


(,, Д )゚ ゚「ぎゃあああああああ!!!」


ξ*゚听)ξ「あぁ!! ダメだよ、クー! おイタしちゃ」

( <●><●>)「いい咬みっぷりです」

(メ,,゚Д゚)「なにすんだよ、クーちゃん」

川#゚ -゚)「ぐるるる!!」



― 一同が視線を下げる

―地面を爪で引っかいて文字が書いてあった


『ハナシをきけ、このバカ』




64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:02:55.47 ID:K7fQOT9Q0
完璧犬扱いだな

65 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:03:04.28 ID:Ti7++WwLO
>>61
オレもオモタ
首輪……

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:05:05.45 ID:K3bXuzV90




川 ゚ -゚)「…」

『きがついたら、テジョウみたいなものがクビにせまっていた』

『ワタシのテレポートのデカタとにている』

『ユダンしているとイッシュンだろうな』


(,,゚Д゚)「油断しなきゃいいんだろ?」

(,,゚Д゚)「クーちゃんみたいに」


川 ゚ -゚)「…」


がぶり

アギャー


ξ*゚听)ξ「ほんとバカ」


67 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:05:23.04 ID:YnDJR2RjO
とりあえずけしからんことになってきた

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:07:16.13 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「クー、大丈夫?」


川 ゚ -゚)「…」

『ダイジョウブ』

『しかし、もうすぐジもかけなりそうだ』

『―そうだ』

『ヤツのコエをきいた』


ξ*゚听)ξ「コエってあの声?」


『あぁ、クチからだすコエだ』

『たぶんホサがいってたチャンネル〜とかいうやつか』

『“ホンノウにサカラウ”、とかいっていたが』

『たしかにホンノウというか、チセイをかんじるコエだったな』

『しんちょうにこうdあそdじあs』

川;゚ -゚)「…!!」


69 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:07:55.62 ID:4DOKmP/P0
支援

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:08:15.07 ID:K3bXuzV90

ξ;゚听)ξ「クー!?」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…くぅん」


(メ,,゚Д゚)「字、書けなくなったか」

ξ*゚听)ξ「…うん、そうみたい」

ξ*゚听)ξ「聞いてたよりも大分進行が早いよ」

ξ*゚听)ξ「このままだと…」

(,,゚Д゚)「…」


71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:10:08.78 ID:K7fQOT9Q0
支援


72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:11:42.03 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「ビロード、場所は掴めたか」

( <●><●>)「はい。裏路地の先、廃工場に向かってます」

(,,゚Д゚)「よし」

(,,゚Д゚)「…いくか」

ξ*゚听)ξ「正面からいくの? いくらなんでも無理よ」

(,,゚Д゚)「作戦はある」

(,,゚Д゚)「心配すんな。いくぞ、ビロード」

( <●><●>)「わかってます」


73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:12:29.49 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「不安ね」

川 ゚ -゚)「…くぅん」


ネェネェ オトーサン
アノ オネーチャン クビワシテルヨー
ナニイッテ ウヒョォォォ


ξ*゚听)ξ「…移動しようか」

川 ゚ -゚)「…きゅぅん」


74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:13:42.81 ID:K3bXuzV90



―廃工場


(,,゚Д゚)「さて―」

( <●><●>)「作戦ですか?」

(,,゚Д゚)「あぁ、ヤツはいんだろ?」

( <●><●>)「えぇ、距離は100m」

( <●><●>)「無闇に突っ込んでも逃げられるか、“首輪”の餌食になる可能性が高いと思います」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「首輪の餌食か…」

(,,゚Д゚)「上等だ」


( <●><●>)「え?」



75 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:14:59.78 ID:Ti7++WwLO
wktk支援

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:15:11.73 ID:K3bXuzV90




追いかけてきた

どうやってここが分かったのか知らないが、バカなやつらだ

結局は私の能力の前にひれ伏すだけなのだ


―?

あれはさっき突っ込んできた人間のオスか

こちらに向かって歩いてくる

私がいる場所が分かるのか?

私は完全に姿を隠している

今、相手の場所が分かるのは“匂い”を覚えているからだ

位置、距離、間違いない

勘かそれとも何か別のものか、兎も角このバカは私を目指している


飛んで火に入る夏の虫とはこのことだ


77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:17:11.26 ID:K3bXuzV90




(;<●><●>)「ギコさん!! 何をやっているんですか!!」

(;<●><●>)「危険です!!」

(,,゚Д゚)「あー、大丈夫大丈夫」


―何を根拠に言ってるのかは知らんが

―その身をもって知れ…!!




―ッキィン


(;,゚Д゚)「きた…!!」


(;<●><●>)「避けてください!!」



ガシャン!!!


78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:18:30.07 ID:K3bXuzV90

(,, Д )「…がっ…!!」


(;<●><●>)「ギコさん!!」


―やはり、ただのハッタリだったか


(,, Д )「…ぐっ」


―ふん、地面に這いつくばって呻いていろ

―…

―“這いつくばって”…?


(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「ぐるるるるる…!!」


―!

―まさか…!!


79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:19:35.00 ID:8YKz0m9mO
支援

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:19:53.11 ID:Ti7++WwLO
支援

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:20:05.13 ID:leuAlblvO
支援

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:20:10.82 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「ががうっ!!!」

ダッ!!


ガシャ――ン!!!

▼ ェ ▼(っ!!)

▼・ェ・▼(なんだと!? そのまま突っ込んできた…!?)

(,,゚Д゚)「ぐるるる…」

(,,゚Д゚)「わんわん!!」

▼・ェ・▼(ぐっ…!)

▼・ェ・▼(このままでは不味い…! 態勢を立て直す)

キャウン
ダッ


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:20:34.82 ID:glKSkjNf0
しえn

84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:22:40.79 ID:K3bXuzV90

( <●><●>)「ギコさん…! 大丈夫ですか?」

(,,゚Д゚)「わん!(おう)」

(,,゚Д゚)「わんわんわん!(同じ四つ足なら小回りも利くだろう?)」

(,,゚Д゚)「わんわん!(犬になりきる前に捕まえてやるぜ)」

( <●><●>)「何て言ってるのかさっぱりだけど、ハートは伝わってきました!(たぶん)」

( <●><●>)「追いましょう!!」

(,,゚Д゚)「わん!(おうよ!)」


85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:23:53.99 ID:K3bXuzV90




ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「クー」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「クーってば」

川 -Д-)「…くぁ」

川 - -)「にゃむにゃむ…」


86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:24:36.00 ID:CI6hg1GB0
支援

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:25:30.41 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「寝ちゃダメよ! 寝たら死ぬよ!!(?)」

川 - -゚)「…!」

川 ゚ -゚)「くんくん」

ペロペロ

ξ*゚听)ξ「きゃ」

ペロペロ

ξ*゚听)ξ「こら、クー。くすぐったいってば…」

川 ゚ -゚)「くぅん」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「…?」

ξ*゚听)ξ「もう意識ないの? ……クー」


88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:26:43.67 ID:K3bXuzV90




不味い

私は追い詰められていた

まさかあの状態で追いかけてくるとは

完全に不覚をとった

今は逃げるしかあるまい

どうにかしなければ



…!

この匂いは…!

先程のメス共か

あの女のほうは早ければもう“オチて”いるだろう

もう一匹のメスも然したる障害にはなるまい

逆に奴らを人質にとればあるいは…


89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:28:11.23 ID:ee/q8pQEO
wktk

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:29:57.67 ID:K3bXuzV90




川 - -)「にゃむにゃむ…」

ξ*゚听)ξ「もう」

ξ*゚听)ξ「このまま寝かしとこうかな」

川 - -)「…プスー」

ξ*゚听)ξ「…」




ピクッ


川 ゚ -゚)「!!」

ξ*゚听)ξ「? クー、どうしたの?」


▼・ェ・▼(…)


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:30:30.43 ID:WNwLPy2RO
しえん

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:31:27.79 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「あ、可愛いー」


ξ;゚听)ξ「って、まさか!」

川 ゚ -゚)「ぐるるるる…!」

▼・ェ・▼(反抗的だな、本能で敵だと見抜いたか)

▼・ェ・▼(まぁいい)

▼・ェ・▼(そこのメスも“オチて”もらおう)



―ッキィン


ξ*゚听)ξ「―!!」



ガシャン!!!




93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:31:32.84 ID:8YKz0m9mO
鬼畜犬だな支援

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:31:54.11 ID:S3lZOS9bO
ぬるぽ私怨

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:32:41.87 ID:WNwLPy2RO
ガッしえん

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:33:34.91 ID:K3bXuzV90




(,,゚Д゚)「わんわん!!(待てごらぁ!!)」

(,,゚Д゚)「わん、わんわん!(ビロード、次はどこだ!?)」

( <●><●>)「はいよー、ギコ号」

(,,゚Д゚)「わん!!わんわん!!(てめぇ! 人の背中で浮かれてんじゃねぇ!!)」

( <●><●>)「この通りをしばらくまっすぐ、突き当りを左です」

(,,゚Д゚)「わん!(おう!)」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「わん、わんわん!(お前、オレの言葉が分かるのか?)」

( <●><●>)「だから、この通りをしばらくまっすぐで、突き当りを左です」

(,,゚Д゚)「…」


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:33:56.81 ID:Ti7++WwLO
支援

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:36:17.27 ID:K3bXuzV90

( <●><●>)「…あれは」

( <●><●>)「っ! なんでこんなところに…!」

( <●><●>)「ギコさん、急いでください」

( <●><●>)「この先にクーさんたちがいます!」


(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「わんわんっ!!!(しっかり捕まってろ!!)」



99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:36:17.00 ID:cOuz1o0HO
よっしゃ!やっとこのスレに立ち会うことができたぜ!

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:40:47.23 ID:K3bXuzV90






どういうことだ

確かに『運命の輪』は人間のメスを補足した

それなのに何故



何故、“一瞬で別の場所に移動した”のだ…?




101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:41:13.54 ID:WNwLPy2RO
しえん

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:42:20.05 ID:K3bXuzV90

何度放っても首に回す前に消える

そして少し離れたところに現れ、乾いた音を鳴らすのだ

なんだこれは

まるで手品なような

私の手元が狂っている等というレベルではない




まさか


さっきのメスがやっているのか?



103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:43:23.42 ID:S3lZOS9bO
私怨ってレベルじゃねーぞ

104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:43:48.43 ID:eFNU6QlWO
支援

105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:45:26.35 ID:8YKz0m9mO
支援

106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:46:42.94 ID:K3bXuzV90




ξ*>凵)ξ「―!!」


ξ*>凵)ξ「…」




ξ*-听)ξ「…?」




107 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:46:48.76 ID:hytvjrH6O
スタンドバトルみたいで大好き

108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:48:11.40 ID:Ti7++WwLO
オモスレー支援

109 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:48:26.02 ID:K3bXuzV90

―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!


―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!


―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!


ξ*゚听)ξ「…なに、これ…?」

川 ゚ -゚)「ぐるるる…」


110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:50:00.46 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「ぐるるる…」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「まさか……クーがやってるの?」


―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!


▼・ェ・▼(ぐっ!! いい加減に…!!)


111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:50:51.38 ID:8YKz0m9mO
支援

112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:52:36.98 ID:K3bXuzV90


…ザッ

(,,゚Д゚)「…うぅぅ(するのはテメェだ)」



▼・ェ・▼(!?)

▼・ェ・▼(しまっ――)


(,,゚Д゚)「あぉおおん!!」





キャゥゥ――ン




113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:53:26.36 ID:fAh58/5O0


114 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:53:51.94 ID:WNwLPy2RO
しえん

115 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:54:09.25 ID:eFNU6QlWO
支援

116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:54:24.59 ID:8YKz0m9mO
支援

117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:54:41.36 ID:K3bXuzV90




川 ゚ -゚)「んー」

川 ゚ -゚)「節々が痛い」

(,,゚Д゚)「全くだぜ」


―翌日、ダイプロミーティングルーム


( ><)「それにしても良かったんです」

ξ*゚听)ξ「ホントホント」

ξ*゚听)ξ「二人ともずっとこのままかと思ったわ」

川 ゚ -゚)「さすがに犬のままは勘弁してほしいな」


118 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:55:43.89 ID:K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「オレは割と快適だったけどな」

(*-ー-)「いつもの言動が動物染みてるせいかしら」

川 ゚ -゚)「言えてるな」

ξ*゚听)ξ「ケダモノよね」

(,,゚Д゚)「…」

( ><)「いつになく辛辣です」

ξ*゚听)ξ「ビーグルを捕まえた後、発情してマウンティングしそうになったバカにはちょうどいいでしょ」

川 ゚ -゚)「そのお陰で首輪が外れたとはいえ、ケダモノに違いはないな」

(,,゚Д゚)「…」


119 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:57:55.17 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「そうだ、クー」

川 ゚ -゚)「うん?」

ξ*゚听)ξ「私がビーグルに襲われそうになったとき、助けてくれたのって、やっぱりクーなの?」

川 ゚ -゚)「ツンに向けられた首輪が消え続けた、というやつか」

ξ*゚听)ξ「うん。それで別の場所に首輪が移動してた」

ξ*゚听)ξ「まるでクーのテレポートみたいに」

川 ゚ -゚)「う〜ん」

川 ゚ -゚)「と、言われてもな。全く覚えていない」

川 ゚ -゚)「それに空中に現れる首輪を連続で飛ばし続けるなんて、今の私には無理だ」

(*-ー-)「……動物的直感ってやつじゃないかしら」

川 ゚ -゚)「…直感、ですか?」

(*-ー-)「そうね、野生のチカラとでも言うのかしら」

(*-ー-)「自我をなくしても、ツンちゃんを守るということは忘れなかったみたいね」


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 20:58:52.25 ID:4DOKmP/P0
支援

121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:00:20.42 ID:K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「守ってもらわなくても、自分で撃退できたもん」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「でも……ありがと」

川 ゚ -゚)「なんだか照れるな」

(,,゚Д゚) ←蚊帳の外

( ><)「そういえば、ビーグルはどうなったんです?」

川 ゚ -゚)「ん?」

川 ゚ -゚)「確かハインさんが預かると言ってたが…」


( ∵)『…』

( ∵)『ビーグル……同情するぜ』



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:01:42.42 ID:K7fQOT9Q0
支援

123 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:01:59.84 ID:K3bXuzV90




くそっ!

くそっ!!

こんな屈辱を受けたのは初めてだ!!

人間なんぞに背後を許すとは…!!




大体ここはどこだ?



124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:03:28.59 ID:K3bXuzV90

ん?

誰だお前は?

なんだ、その手に持っているのは




いや

待て

それは機械用…




いや

いやぁぁぁぁぁあああ!!!



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:05:19.71 ID:8YKz0m9mO
ビーグルざまぁ

126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:05:27.73 ID:K3bXuzV90



―後日、ダイプロ前


从▼ー▼从「…」

从▼ー▼从「ごめんくださーい」

('A`)「はーい」

('A`)「…」

从▼ー▼从「あーの」

('A`)「…どちらさまですか?」

从▼ー▼从「えーと、素直クールさんはいらっしゃいますか?」

('A`)「…」

('A`)「どういったご用件でしょうか?」

从▼ー▼从「ん〜、ちょっと遊びにきたんですけど」

('A`)「…」


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:07:23.14 ID:4DOKmP/P0
支援

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:07:41.40 ID:K3bXuzV90

('A`)「すいませんが、その様な者はウチにはおりません」

从▼ー▼从「え〜、でもさっき〜」

('A`)「すいません、ウナコーワ(※虫除けスプレー)と聞き間違えたみたいです」

从▼ー▼从「え〜」

('A`)「お引取りください」

从▼ー▼从「せっかく来たのに〜」

('A`)「…」

('A`)「…(何か聞き覚えがある声だな)」


129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:08:49.32 ID:K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「ん?」

从▼ー▼从「あ!」

(;'A`)「げ」

川 ゚ -゚)「なんだ、渡辺か。どうした?」

从▼ー▼从「クーちゃん!」

(;'A`)「素直さん、困りますよ。そんなにホイホイ顔を出されると!」

川 ゚ -゚)「私は構わん」

(;'A`)「オレが困ります」

川 ゚ -゚)「ふむ。ならば気をつけよう」

川 ゚ -゚)「渡辺、遊びにきたのか?」

从▼ー▼从「うん!」

('A`)「あれ? 知り合いなんすか?」

('A`)「ん? ……わたなべ…?」


130 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:09:44.26 ID:8YKz0m9mO
ドクオ出番少ないな

131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:10:30.01 ID:K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「そうか、ドクオくんは知らないんだな」

川 ゚ -゚)「渡辺、サングラス」

从▼ー▼从「あ、そっか。 サングラス付けっぱだったからか〜」

从▼ー▼从「不審者みたいだね」

从'ー'从ノ▼−▼ ソォイ

从'ー'从「えーと、クーちゃんの友達の渡辺です」

从^ー^从「よろしくお願いします」 ←営業スマイル

('A`)「…」

('A`)


(゚A゚)



「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:12:04.24 ID:S3lZOS9bO
>>130
最近ドクオが主人公なの多いしいいじゃないか

133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:12:24.80 ID:K3bXuzV90

('A`)「それじゃあ、ナベ……じゃなかった、渡辺さんもエスパー22聖の一人なんですか?」

从'ー'从「ん〜? エスパー22聖?」

从'ー'从「よく分かんないけど、私もエスパーだよ?」

('A`)「すげぇ!! すげぇっす!!」

('A`)「(ダイプロで働いてて良かった…!!)」

从'ー'从「新人さんなんだ?」

川 ゚ -゚)「ん…色々あってな」

从'ー'从「そっか」

川 ゚ -゚)「あぁ」

从'ー'从「…」

川 ゚ -゚)「ミーティングルームに行くか? みんないるぞ」

从'ー'从「うん!」


134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:13:29.82 ID:8YKz0m9mO
>>132うん…まぁ…


135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:14:03.33 ID:K3bXuzV90

从'ー'从「…」

从'ー'从「…?」

从'ー'从「クーちゃん」

川 ゚ -゚)「ん?」

从'ー'从「なにあれ?」



▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション ウィーン ガション



川 ゚ -゚)「あぁ」

川 ゚ -゚)「メカビーグルと言ってな」

川 ゚ -゚)「ウチの新しい番犬だ」

从'ー'从「へ〜」


136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:15:00.43 ID:Ti7++WwLO
支援

137 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:16:08.82 ID:K3bXuzV90

从'ー'从「こっちおいで〜」


▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション

▽◎ェ◎▽ ウィーン ウィンウィン


从'ー'从「きゃあ、可愛い」


▽◎ェ◎▽ ガション ガション


川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「ほら、行くぞ」

从'ー'从「あ、うん」

从'ー'从「じゃあね、ワンちゃん」


▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション



138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:16:34.65 ID:K3bXuzV90

('A`)「…」

('A`)「ナベちゃんが触った犬…」


▽◎ェ◎▽ ウィーン ウィーン

▽;◎ェ◎▽ ガショ ガショ ガショ


('A`)「…逃げるなよ」


ウィーン ガショ―――ン



第十二話了

139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:17:41.22 ID:4cIdeoMxO
ビーグル南無

140 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:20:59.40 ID:K3bXuzV90
十二話はここまです
ドクオの出番はまだ先です


十三話もできれば今週中に
それでは支援ありがとうございました



141 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:22:55.98 ID:4DOKmP/P0


142 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:23:30.85 ID:K7fQOT9Q0


143 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/10(水) 21:23:31.25 ID:dD3SvlHAO



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