◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:34:28.90 ID:LmIFfGNK0<> すいませんでした
ちょっとインフィニティシリンダーで時の流れを垣間見てました。

でも今回はちょっと物語が進んだんじゃないかな、と思います

まとめさんはこちら!
http://hebiya.blog40.fc2.com/blog-entry-5036.html <>('A`)と( ^ω^)は異世界でもう一度出会うようです 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:35:04.61 ID:ad4XQgpoO<> wktk <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:35:09.14 ID:mT98cAM80<> うおおおktkr <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:36:08.86 ID:AHUhn+ZQ0<> いやああああああ俺の一番好きな作品ktkr
明日、早いのに俺オワタ <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:36:27.98 ID:LmIFfGNK0<>
ミ,,゚Д゚彡「あらすじと参ります」

(*゚ー゚)「はい、どうぞ」


ミ,,゚Д゚彡「日陽国に留まるブーンの前に現れた突然の襲撃者は神具アロンダイトを繰る月鏡の管理者ツン
      文字通り鏡の如く刃を作り出す神具の力の前に、一度は敗れたブーンだったが
      太陽の力をその身に宿し復活を遂げ、見事退けた!」


(*゚−゚)「でもそれは…進化の代償は単純に命を削るだけじゃなかった」


ミ,,-Д-彡「一度目は僅かな心の成長、自分が子供であると知る事は童心を無くして初めて知るように
      二度目は確かな心の変革、理想ではなく現実を見る事は幼心を消していく」


(*゚−゚)「願っていたのは変わらない自分、けれど変わっていく、それに自分で気付く事無く…」

ミ,,゚Д゚彡「救いの意味を探し、救える物を探し、その果てに何があるのか! それでは第18会…」

ミ*゚∀゚彡「カイシ!!」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:38:06.17 ID:LmIFfGNK0<>
ミ,;-Д-彡「あべし」

ミ*゚∀゚彡「?」

(*゚ー゚)「……ところでフサ君この子は?」

ミ*゚∀゚彡「フーデス!」

ミ,*゚Д゚彡「実を言うとね…ゴニョゴニョ…」

(*゚ー゚)「うん?………?」

(* − )「…っ!!!」

ミ,;゚Д゚彡「?」

(* − )「…」

(*゚ー゚)「……フーちゃん、って言うの? 私はしぃ、よろしくね?」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:38:35.94 ID:LmIFfGNK0<>
ミ*^∀^彡「♪」

(*^ー^)「♪」


ミ,*゚д゚彡「…」

二人はそうして笑い合い、じゃれあうように遊んでいる
それは凄く微笑ましい光景だ、そう、その筈なのに…何故だろう

ミ,, Д 彡「…あ゛れ゛」

胸の奥から熱い何かが込み上がり、喉がきゅうと締め付けられる
俺は少し遠目に、楽し気に笑う二人を眺めながら……それを必死に堪えていた。



つづく <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:39:07.35 ID:LmIFfGNK0<>
            【 第18会 「おかえり」 】



空にはどす黒い大きな雲、それでも太陽は隙間から焼きつくように地上を照らし
剥き出しの茶色い地面にごつごつとした岩が並んでいるが、一部には見違えるような緑が線状に走り
その線に従うように、何かが遥か遠く先まで伸びている。

それは、向こう岸が酷く小さく見える程に広大な川だった
よく見れば途中にはいくつもの岩が浮かび、浅瀬と深瀬を繰り返すそれが遠く先まで続いている。

そして、何処を見ても遠くの景色は例外なく陽炎が歪ませていた。


(;'A`)「…」


だらだらと汗が流れる、けどこれは単純に熱いだけじゃない。


ここは日陽の国からしばらく離れた地の川原付近、数刻前に巨大な群集が衝突
その中をたくさんの人間が散開し、相対する前進を以って駆け巡っている

多量の咆哮、轟音、金属音に断末魔が混じり合い、地鳴りにも似た音が響き渡っていた。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:39:40.80 ID:cywTVIMY0<> これは支援!!! <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:41:01.34 ID:LmIFfGNK0<>
目の前で次から次へと人が死んでいく、後方からそんな様を見ていたが
いい加減耐え切れず、その渦中へと飛び込もうとする俺をジョルジュさんが引き止めた。
  _,
( ゚∀゚)「ドクオ!! 行くな!!」

(;'A`)「で、でも…っ」
 _,
( ゚∀゚)「下手に動くなって言われただろうが!」

(;'A`)「っ…はい」

戦いが始まる直前。
俺、いや俺とジョルジュさんは、ペニサスさんから後方で待機しているよう指示を受けた

その理由は、戦局をも一人で変えてしまう力は戦いを泥沼化させるからだと聞いた。
それを起こさないための様子見だ。

こちらがなりふり構わぬ行動を取れば向こうも必ずそうしてくる
それはとても危険な行為だ、だから何事もバランスが大事という事なのだろう。


それは分かる、けど…


「―ぁ―あああああ!!!」

(;'A`)「うぅ」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:42:16.91 ID:LmIFfGNK0<>
耳に届く声が怖い、今こうしている瞬間にも誰かが死んでいく
この戦場という場において、自分は戦う力を持っているのに何もしていない
そんな自分が歯痒くて、悔しい、何故、じゃあ何のために今俺がここに居るというのか。

居た堪れなり、隣に立つジョルジュさんを睨むように見てしまう。

  _,
( ゚∀゚)「…」

( A )「!!」

と、すぐさま驚きよりも先に恐怖を感じ、額を汗が伝い思わず表情を緩める
ジョルジュさんは眉間にしわを寄せ、怒りをあらわに正面をじっと睨んでいた。

そして、すぐに考えている事は同じなんだと察した。

それなりに一緒の時を過ごして、この人がどういう人かは大体理解しているつもりだ
VIP国の時も、そして俺を助けてくれた時もそうだった。

会った事も無い筈のギコさん達を助けようと行動して
その殺害に怒り、その死を悲しんでくれた。

だからジョルジュさんは、戦いと人の死が当然であるこの世界で尚、俺と…
いや俺達の世界での考え方と同じ考えを持っている人だと思った
だから今、この現状に歯痒い思いをしているんだろう
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:43:51.15 ID:LmIFfGNK0<>
('A`)「…」

意味も無くこうしているんじゃない、そう自分に言い聞かせ、もう一度前を見据える
すると静かにジョルジュさんは正面を向いたまま、俺に向け何かを呟く
  _,
(  ∀ )「…ドクオ…、ょ………ぞ」

が、周囲を包む騒音にかき消され聞き取れなかった。

(;'A`)「え、あの、なんですか?」

慌てて聞きなおすと、ふぅと一息吐き、強面な表情を少し和らげてから
今度はしっかりとした表情ではっきりと言葉を紡いだ。
 _,
( -∀-)「今はどっちも真っ向からぶつかってっからな、見てる分にゃあれだろうが
     これはまだ普通の人間同士の、堂々とした戦いだ、俺等の出る幕じゃねえ」

('A`)「…」

 _,
( -∀-)「…けど、それを越えた虐殺……いや、もしも異変が起きたら――」
 _
( ゚∀゚)「行くぞ」

('A`)「はいっ」

地鳴りが続き、お互いの声がちゃんと届いているのかどうか。
それさえもはっきり認識できない中で、言葉と同時に俺は強く頷いた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:45:00.27 ID:ISGL3qpR0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:45:44.60 ID:LmIFfGNK0<>

……。


('、`♯川「ふっ!!」

湖鏡兵「…!!!」

先頭付近、対峙した敵兵へ向け放たれた一閃。
一息に首を撥ねられ、声を上げる間もなく男は絶命した。


('、`;川(…?)

ペニサスは既に十数人目の敵兵を切り伏せると、不意に周囲を見渡した
そこで疑惑が浮かぶ、あるべき筈の姿無い、居るべき筈の者が居ない、その不信感。

('、`;川(ツンが居ない…? どうして…)

ツンとは過去の争いの頃から湖鏡国の若き天才剣士として、何度も自分の前に立ちはだかった人間だった
最近では更に地位を上げ、今では全兵たちを束ねる長となっていた筈
それが今、ここに居ない…ならば現在、この湖鏡の兵達はいったい誰に動かされていると言うのか

「―――――おおお!!!!」

('、`;川「っ!」

そこへ更に複数の敵兵が襲い来る。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/07/31(火) 23:45:56.00 ID:+weM9/hy0<> 紫煙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:45:59.11 ID:kSebQje6O<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:46:50.11 ID:LmIFfGNK0<>
胸中にざわざわと嫌な予感が溢れ、不信感を募らせるも
戦いの最中ではそれを気にしてもいられない。

それが何を意味するのか、最悪の事態は容易く想定できる
だが例え理解したとしても、今はこの場を収めなければ何も行動できない
ペニサスはもう一度剣を強く握り締め、声を張り上げ向かい来る敵兵へ向け駆け出した



その時だった。



さきほどから荒野で続いていた同じ光景

相対する方向へ向け、人が駆け、衝突し、倒れる

そんなただの繰り返しの映像の一部が、僅か一瞬で挿し換わる


突然、敵も味方も無く、沢山の人間がまるで人形の様に宙へと浮かび上がった

<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:48:02.13 ID:LmIFfGNK0<>
(;'A`)「あ…えっ…?」


浮かび上がった人形はそのまま空を舞い、落ちていく
何故かその間の映像はやけにゆっくりに見えた。

巻き起こったのは一見すれば風
砂埃を立ち昇らせ、爆音を響かせるその様子は風が吹き飛ばしたのだと思わせる


(;'A`)「あっつ…てて、なんだこれ…」


だが異変はその様子だけに留まらず、周囲にも発生した。

感じたのは鼓膜が押し潰されるような感覚と強烈な耳鳴り
見渡せばその場に居たほとんどの人間は同じ様に耳を押さえていた


(゚、-;川「うっ……っっ」


更にその現場付近に居たペニサスには、その影響が如実に出た
眩暈がするほどの耳の奥に対する圧迫感
必死に耐え、その原因を探るべく意識を向ける…と

人が蹴散らされ、開けた空間が広がる先に、一つ、人影を見つけた。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:49:16.19 ID:LmIFfGNK0<>
(゚、゚;川「あれ…は…」


人影は何か、棒状の物を手にしているのが分かった
だがそれ以上に言い知れぬ悪寒を覚えた、それは単純に得体の知れない畏怖によるものか


  ――それとも――


( ФωФ)「…降臨、満を持して」


影は手にした棒状の物体を大きく振り被った
それはまるで弓を引くように、ぎりぎりと上半身を捻り、腕をゆっくりと後方へ引く

すると、何処からともなく綺麗なハープの音色が響き始めた。


(゚、゚;川「いけない!!」


それを見たペニサスは声高に退却を指示した
そして自身も危機を逃れるべく、飛ぶように駆ける。


  ――これから起こるであろうと事への直感であったか――
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:50:42.85 ID:ISGL3qpR0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/07/31(火) 23:50:43.77 ID:OECSUOQZ0<> 異世界でもう一度の最初からずっとリアルタイムで追ってるのに、
状況がわからない俺が支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:51:06.72 ID:LmIFfGNK0<>
( ФωФ)「ゆけ、我がツバサよ」


そう一言呟き、限界まで引いたそれを、全身の回転を伴い投擲。

同時に聞こえたのは、パンパンッと数度に渡り連続して弾ける空気の音。

音速超過により発生した空気の壁を突き破り
超高音を伴い、有り得ない速度で飛翔したそれは


     槍



( 、 ;川「く…ぅ…っっ…!!!」


(;'A`)「ま、また!!」


再び先と同じ光景が繰り広げられた、射線から逃げ遅れた人が悲鳴と共に宙を舞い
槍が通り過ぎた後には、僅かに遅れて砂煙が巻き上がる

('、`;川「これは……まさ、か」

耳鳴りに痛む耳を押さえながら人影をもう一度見れば、ゆっくりと片手を掲げ上げるのが見えた。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:53:13.47 ID:LmIFfGNK0<>
そして中空を先の槍が回転しながら人影へと飛来し
一点のずれも無くその手の中に納まった。

( ФωФ)「うむ、よき働きであった…」

次いで槍の先端、輝いていた刃の発光が静かに消えていく。

そしてゆっくりとした動作で腕を下ろすと、労う様な素振りを見せた後
背筋を伸ばし、後ろ手に微笑を浮かべながら全体を見回し始めた。


(;'A`)「あ…あ…」

突然、本当に唐突に訪れた異変に、俺はしばらく動く事も忘れていた
間違いない、あれは管理者だ、そんな事を考えるのが精一杯な思考をどうにか振り切り
今すべき事をしなくては、と思い立ち隣に居る人間に声をかけるべく横を向いた。

('A`;)「じょ…あ、あれ?」

(;'A`)「ジョルジュさん!?」

だが、そこには既にあるべき姿は無く
慌ててその姿を探せば、遥か前方を駆ける後姿を見つけた。

(;'A`)「くそっ!!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/07/31(火) 23:53:31.83 ID:OECSUOQZ0<> 投下速度速いよ速度
支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:53:50.31 ID:1OL9LtWy0<> パンパンッ <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:54:10.75 ID:LmIFfGNK0<>
異変が起きたら行くぞ、あの人は確かにそう言っていた
だから文字通り、当然の様にすぐさま向かっただけの話

負けるものか、と小さな勇気をかき集め、その背中を追い駆けた。


……。


( ФωФ)「…なんと、無様な…」

周囲を見渡すと呆れたような溜息を吐き、ゆっくりと首を左右に振りつつ呟いた
見下すような視線の先には二つ、線状に抉れた地面が伸び
その周囲には敵味方入り混じった人々が倒れ伏している。

( ФωФ)「もうよい、今日はここまで、だ…さあ、帰るぞ皆の衆」

誰もが今起きた事態に我を忘れ、彼へと視線を向けている
だがそれにも、広がる惨状にも何の興味も無いのか、それだけ告げると背を向け歩き始める

と、その背中を声が呼び止めた。


「おぅ何処いくんだ、ちょい待てや」

( +ω+)「…」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:55:40.33 ID:oZahfupm0<> アッ <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:56:03.33 ID:LmIFfGNK0<>
そんな声にピタリと歩を止め、その場で静かに立ちすくむ
ジョルジュは変わらず背中を向ける男を睨みつけ、親指で自らを指し
次に両手を広げポーズを取りつつ叫んだ。
  _,
( ゚∀゚)「俺! 参上!!!」

( +ω+)「無礼な…」

男はそんな声に一言呟き、静かに振り返った。


( ФωФ)「まあよい、どうした俺とやら」
  _,
(;゚∀゚)「んがっ…俺はジョルジュだ、変な勘違いすんじゃねえ!」

( ФωФ)「そうかジョルジュ、それで何用だ、我はもう帰ると決めたのだが?」
  _  
( -∀-)「はっ…まあそう言うなよ、てめえの持ってるそりゃ、あれだろ?」

( ゚∀゚)「………唸響」

( ФωФ)「ほう…いかにも、我は唸り響く槍、グング二ールが管理者ロマネスク」
       
自らをロマネスクと名乗った男は両手を背中に組んだまま、静かに見据える
対するジョルジュは懐から取り出すと同時に肥大化した槌を手に軽く身構えた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:56:13.75 ID:37Kqa5opO<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/07/31(火) 23:57:21.72 ID:6jmTZx1P0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/07/31(火) 23:58:01.56 ID:OECSUOQZ0<> 何と言うジーク支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/07/31(火) 23:57:59.51 ID:LmIFfGNK0<>
( ゚∀゚)「ロマネスクね、んじゃ早速で悪いが…」

( ФωФ)「…ミョツルニル、なるほど、破砕か」
  _
( ゚∀゚)「返してもらうぜ、そいつはこっちの盗難品なんでな」

( ФωФ)「何を言っている、これは我が半身、それを盗物扱いしようとは何事か」

(♯゚∀゚)「ごちゃごちゃうるせえ! とっとと渡しやがれ!!」

ジョルジュが駆け出し、すぐさま距離を詰めると振り上げた槌を打ち下ろす。

(♯゚∀゚)「おらあ!!」

( ФωФ)「無粋な真似を…」


だが槌は白い線影を残し空を切る、ロマネスクは僅かに身を逸らしそれを回避していた。

続けて、ジョルジュは振り抜いた腕の力を抜き、地を踏む足に力を込め
僅かに下げた体制から飛ぶように下からの連撃を繰り出す。

ロマネスクはそれに合わせて一歩後退、紙一重の空間を槌が風切り音を立て通り過ぎる
そのまま後方に跳躍、距離が離れ更に追撃を狙わんとしたジョルジュは身体を震わせ停止した。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:00:07.07 ID:QlOqtN2x0<>
ギリギリの差ではあったが、それは完全に攻撃を読み切った動きだった。


(♯゚∀゚)「…てめぇ、なんで仕掛けてこねえ」


開いた距離の中、熱の篭った瞳と涼しげな瞳が交差する
ジョルジュは相変わらず手を後ろに組んだままの彼の様子に苛立った様子で問う。

( ФωФ)「我は帰ると言ったぞ」
  _,
(♯゚∀゚)「ざけんな!! あんな真似して、いや、のこのこそれを持って来といて逃がすと思ってんのか?」

( ФωФ)「大人しく言う事を聞けジョルジュ」

(♯゚∀゚)「うるせえっっ、つーか気安く呼ぶんじゃねえ!!」

( ФωФ)「ふぅ…やれやれ、何時の世も下々の人間は我侭ときている、困ったものだ」
  _,
(♯゚∀゚)「そりゃてめぇでございましょうが!」

( ФωФ)「とにかく帰ると決めたのだ、ゆえに我は帰る」
  _
(♯ ∀ )「…あ゛あ゛あ゛、こいつむかつく」

握りこぶしを震わせ悶えるジョルジュ
その後方から息を切らせながら駆け寄る人影があった。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:02:02.94 ID:QlOqtN2x0<>
(;'A`)「ジョルジュさん!!」

(♯゚∀゚)「ドクオ来るな、下がってろ」

(;'A`)「え、で、でも」

(♯゚∀゚)「こいつは俺がやる、あの神具も前に俺の不手際で盗まれちまったもんだ
     それになにより、あんにゃろうは気にくわねえ」

(;'A`)「…はい」

ドクオは背中越しに話す声に従い、距離を取って立ち止まる
だが、やはり居ても立っても居られないのか、おもむろに剣を抜き放つと静かに前に向け構えた
すると見る見る内に赤い刀身が熱を帯び、徐々に淡く発光し陽炎を生み出す。

そんな様子をロマネスクは黙して見ていたが、不意にやれやれと口を開く。


( ФωФ)「…全く、我に出会えた喜びの余りはしゃぐのは分かるがそろそろ落ち着け」
  _  
(♯-∀-)「ああ?」


(*ФωФ)「名残惜しくとも別れがあればまた、再び会う事もあろう、悲しむ事は無い
       さあ、安心したら存分に我を見送るがよい!!」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:03:03.52 ID:5Dg2bdT90<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:04:09.39 ID:QlOqtN2x0<>
ロマネスクは片手を優雅に広げそう言い放った
その様はまるで暗闇の中スポットライトに照らされるスターの様。


( 'A`)「…」


ドクオは後方からそんな敵の言動を唖然とした様子で眺め
対してジョルジュは黙り込み、小刻みに震える腕を上げ槌を掲げた
と同時に瞬く間に巨大化したそれがゆっくりと後方へ下がり、背負うような形をとる。


(♯゚∀゚)「くたばr」

( ФωФ)「うむ、うむ、ではさらばだ」


そんな二人を眺め、何かに満足したのか数度頷き
再び背を向けると優雅に歩き始めるロマネスク

ジョルジュは慌てた様子でそれを呼び止めた。

(♯゚∀゚)「あっ!てめ! ちょ! ちょっと待てこら!」

だが今度は立ち止まる素振りも見せず、両手を後ろに組み直し
かけられる声を完全にスルーしてゆっくりと遠のいていく。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:06:26.79 ID:QlOqtN2x0<>
  _,
(♯ ∀ )「だぁああァっっ、無視すんじゃ…!!!」


「ねええええええええ!!!!!」


叫び、駆け出し、背を向けるロマネスクへ向け巨大な槌が弧を描き振り下ろされた。

地震の様な轟音に周囲を包む爆音が響き、地がひび割れ、大量の砂煙が舞い


やがて。


煙が晴れた先には、めり込んだ槌を中心に巨大なクレーターが広がり

そこにロマネスクの姿は既に無かった。



……。


<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:08:10.09 ID:QlOqtN2x0<>
('、`*川「良かった…お二人ともご無事でしたか」

('A`)「はい、こっちは何とも」

('、`*川「…それで、先のはやはり」
  _
( ゚∀゚)「ああ、管理者だった…それも双国で盗まれた唸響のな」

('、`*川「そう、でしたか……それでその管理者はどうなったのですか?」


(;'A`)「それは…その」

あの後、ロマネスクとやらを探すも見つけられず、戻ってみればこちらでも同様に戦いは終わっていた。

どうやら俺達があの管理者に気を取られている間に敵も撤退を始めたらしい
そして今は負傷者の確認や応急処置で皆声を張り上げ、忙しなく動き回っていた。

  _  
( -∀-)「逃げられた、んでそっちはどうだい?」

('、`;川「まだ何とも…あの妙な攻撃での被害が把握できていませんので」

( ゚∀゚)「…てーと?」

恐らくは神具の力であろう先の攻撃。
あの沢山の人を吹き飛ばした妙な力のせいで状況は相当混乱しているようだ。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/08/01(水) 00:08:41.04 ID:VSwB4vTE0<> もう、ジョルジュの声が関さんでしか再生されない支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:10:04.54 ID:QlOqtN2x0<>
('、`*川「あ、ですが一つだけ…」

('A`)「?」


傷ついた兵達は戦闘で負った傷よりも耳からの痛みを訴える者が多く
中には出血をしているものも居るらしい。


(;'A`)「そういえば、俺もなんか急に耳鳴りがして変な感じが…」

('、`;川「私もです、それに…既に聴覚を失った者もいます」
  _
( ゚∀゚)「どうにも…厄介な代物みたいだな、あの神具は」


(; A )「……」

何となく…単純な人の生き死にではなく、こういった戦いで生じる障害に恐怖を感じた。

同時に、人の死に自分が相当慣れてきているんだと気付く
我ながらおかしな話だ、人が死ぬ事はしょうがないと思って、障害が残るという事に恐怖を感じている

('A`)(麻痺…してるのかな)

人が死ぬ事も、そして自分が誰かを殺す事も覚悟はしている
けれどそれが良くない事だと言う事は忘れたくない、いや忘れちゃいけないんだと思う
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:13:14.33 ID:QlOqtN2x0<>
もう一度、周囲を見渡すと様々な光景が目に飛び込んでくる

言葉では語りきれない様な悲惨な状況だけが広がり

('A`;)「っ…!」

中には思わず目を反らしてしまう物もあった


それは、まだ息がある敵兵にとどめを刺す瞬間。


既に動けない相手に対する無惨な行為
けれど…どうしてそんな事を、なんて言うつもりは無い

ただそれを酷いと思える自分はまだ大丈夫だと

その行為を、気付けば…自分だけを正当化する為の理由にしていた

( A )(最低だな…俺……)


( ゚∀゚)「さて、そんじゃどうしたもんかね」

('、`*川「あの、ところで」

( ゚∀゚)「?」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:14:16.60 ID:QlOqtN2x0<>
('、`*川「…この場所に、いえ、敵の中にとても腕の立つ剣士は居ませんでしたか?」
  _,
( ゚∀゚)「どういうこった?」

('、`;川「その、気になる事がありまして」

( ゚∀゚)「んー、どうだかな…どんな奴だ?」

('、`;川「こう、カールのかかった長髪で、一見女の様な顔立ちをした者なんですが…」
  _,
( ゚∀゚)「や、流石にわかんねーなぁ…とりあえずは見てねーよ」

('、`;川「そう、ですか…」

( ゚∀゚)「そいつがどうかしたか?」

('、`*川「…その者の名はツン、湖鏡の兵を束ねる将です、そして私も彼の姿は見ませんでした
     だから、ここに居なかったと言う事はもしかしたら…」
  _,
(;゚∀゚)「おま、それって…」

('、`;川「はい、こちらは陽動である可能性があります」
  _,
( ゚∀゚)「……ちょい急いで戻った方がいいか?」

('、`;川「とは言いましても、こちらの警戒の目を掻い潜っての物なら少数行動でしょうし
     待機中の兵に太陽…ブーンさんも居てくれますし、大丈夫とは思いたいのですが…」 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:14:51.88 ID:3oWF6fb3O<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:15:58.01 ID:s4/s4xwpO<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:16:23.18 ID:QlOqtN2x0<>   _,
( ゚∀゚)「狙いが分からない以上はなんとも言えねぇ、か」

('、`*川「ええ、ですから負傷者の応急処置が済んだらすぐに向かいましょう」

( ゚∀゚)「だそうだ、ドクオ」

(; A )「…」

  _,
( ゚∀゚)「ん?」

(; A )「……」


( ゚∀゚)「おい、ドクオ」

(  A )「…………」

(♯゚∀゚)「おい、こら!立ちながら寝るな!!」

(;'A`)「…はっ!」

('A`;三;'A`)「えっ、はい! え、あれ? なんですか!」
  _,
(;-∀-)「…」

('、`;川「…」 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:18:30.65 ID:QlOqtN2x0<>

……。


場所は変わって日陽国、巫女二人が住まう神殿。


その最奥には緩やかな斜坑で地下へと続く、狭い通路が伸びていた

日差しの通らないその場所は薄暗く、石の壁に取り付けられた灯りが厳かに先へと続く道を照らしている


更に進めば、扉が一つ。

開けば風が通り抜け、大きな空間が広がっていた。


木製の壁、木製の棚が並ぶその場所には、まるで屋外のように風が吹き、四方から淡い光が降り注ぐ
高めの天井には沢山の球状の物体が取り付けられ、それら一つ一つが接続を操りその空間を作り出し
棚には藁で織られた四角い籠が並び、内三つには衣服が綺麗に収納されている
その奥にある扉を抜ければまるで別世界。

そこは湯気が立ち込める洞穴だった。

左右を黒い岩石の壁に包まれているが、不思議な事に前方の一部と天井に壁は存在しない
ただその代わりに青く煌く水の壁が流れていた、どうやらここは川底の真下に存在するようだ。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:21:00.17 ID:QlOqtN2x0<>
そしてそこに一糸纏わぬ姿の女性が三人、中心にあるお湯の張られた窪みへと腰掛けていた。


从*-∀从「あ〜…熱いぜ熱いぜ、熱くて死ぬぜ」

ζ(゚Δ゚;ζ「み、見事に真っ赤ですね…」

ハインリッヒは火照った体を石の床に投げ出し
ろくに前を隠そうともせず背に感じる冷たさに酔いしれ
その隣ではタオルで申し訳程度に前を隠す二人が座り込んでいる。

从*゚∀从「そうかい?」

ζ(゚ー゚*ζ「それはもう、ねえ、クーさん?」

デレは微笑みながら、何処か楽しそうに隣へと問いかける
だが、返って来たのは暗く陰気な声だった。

川 ゚ -゚)「…ん、そうだな…」

ζ(゚‐゚*ζ「…」

そんな返答に気まずい空気が流れ、しばしの間が流れる
静寂の中、水の滴る音と流れる川の音がだけが響いていた。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:22:55.60 ID:QlOqtN2x0<>
从*-∀从「……うし」

と、何かを決意したかの様な表情でハインが身を起こした
そして何を思ったか、妙な事を口走る。

从*゚∀从「なあクー、前から聞きたかったんだけどさ」

川 ゚ -゚)「…なんだ?」

从*゚∀从「…ぶっちゃけ、ドクオとは何処まで進んでるんだ?」

川;゚ -゚)「は…」

ζ(゚Δ゚*ζ「あっ! それ私も聞きたいです!!」

ζ( ー *ζ(そしてあわよくば人を落とすコツを…!)

ζ( ー *ζ(ふふふふふふっ…)

从;゚∀从「あん?」

一人、口元を歪ませ吹き出すのを堪える様な仕草を始めるデレ
ハインはそんな様子を怪しげに眺めている。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:24:39.94 ID:QlOqtN2x0<>
川;゚ -゚)「何処まで…とは、どういう意味だ?」

从;゚∀从「そりゃお前…こう、あんな事やこんな事や挙句の果てにはそんな事まで!? みたいな」

川;゚ -゚)「ふむ…」

从*゚∀从「で、どうなんだい?」

川 ゚ -゚)「いや、別に何も…」

从*゚∀从「またまた、嘘つくなよ、あんだけいっつもベタベタしといて無い訳無いだろ」

川 - )「無い物は無い、それよりやめてくれないか、今はそんな話はしたくない」

クーはそれだけ言うと俯き、黙り込む。
そして再び静寂が訪れるかと思いきや、ハインは独り言の様に言葉を続けた。

从 -∀从「…そうか、じゃあいいや、とっとと本題に入ろう」

川 - )「…」

从 ゚∀从「なんかあったろ? お前等、話してみろよ」

川;゚ -゚)「な…どうして」

从;-∀从「どうしても何も…あんだけ分かり易い態度取っておいてそりゃ無いだろ」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:25:58.43 ID:QlOqtN2x0<>
川;゚ -゚)「…」

从 ゚∀从「それにまあ、なんつーの、俺って人間観察が趣味でもあるんでね、気になってたんだ」

川 - )「…」

从 ゚∀从「大体お前がいつまでもこんなじゃこっちまで滅入っちまうよ、話せば楽になるぞ?」

訪れたのは、しばしの間、お互いの顔を合わせようともせずに静かな時間が流れる
するとやがて観念したようにクーが口を開き、少しずつだが自らの不安を吐露し始めた。

ドクオが戦うと言っているのが嫌だと言う事
ドクオが自分から離れていってしまう気がしている事
そして先日、はっきりと自分が拒絶された事を

それらをハインはただ静かに頷きながら聞いていた。

やがて一通り愚痴を言い終えたのか、クーは再び黙り込む
そんな彼女に向け、ハインは普段どおりの調子で言った。

从 -∀从「そっか…捨てられちゃったのか…可哀想に」

ζ(゚‐゚;ζ「ちょ、ハインさん、それはちょっと…」

川 - )「っ…」

从;゚∀从「お、おいおい!真に受けるのかよ!!」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:27:17.18 ID:QlOqtN2x0<>
川 - )「いや、実際…その通りなのだろう……私は…見放されてしまったようだ」

ζ(゚Δ゚;ζ「な、何言ってるんですか! そんな事ないですよ!」

川 - )「…どう、だろうな」

从;-∀从「あー、あんまりこう言うのガラじゃないんだけどさ」

川 ゚ -゚)「…?」

从 -∀从「お前がそんなんじゃ、見捨てられて当然なんじゃないか?」

川;゚ -゚)「ぇ…」

从 ゚∀从「ドクオからして見ればさ「寂しいから」なんて理由で側に居られてもさ
     辛いだけなんだろ、それが自分の好きな奴なら尚更さ」

川;゚ -゚)「な、そんな事は無い、私は…私もドクオの事は好きだ、だから…」

クーは徐々に語尾を弱めつつ話す、まるで自分に言い聞かされるように
対しハインリッヒは見透かすような目で横目に見つめたまま言葉を続ける。

从 ゚∀从「ほんとか? じゃあさ…前にお前があいつに対して言ってた事
     ちょい耳に入ったんだけど、自分が何を言ったか分かってるか?」

川;゚ -゚)「なんだと?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/08/01(水) 00:27:36.91 ID:X63UMYT10<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:29:12.27 ID:QlOqtN2x0<>
从 -∀从「お前は『ドクオまで居なくなったら嫌だ』と言ったんだぞ?」

川;゚ -゚)「それの何が…」

从;-∀从「わかんねーかなぁ…お前、言っちまえばそれあいつの事なんか見てないって事じゃないか」

川♯゚ -゚)「な…なんだと!?」

先程から好き放題な言い様にいい加減腹を立てたのか
クーは頬を赤く染め、怒気を含んだ口調で反論をするも、続く言葉に声を失った。

从 -∀从「お前が怖がってるのはさ、ドクオが居なくなる事じゃない、何かを失う事自体が…いや
     あいつを通して見ている物が無くなるのが怖いんだろ?」

川; - )「……!!!」

从 -∀从「お前は一体何を見てるんだ? 捨てられた? そんだけ愛されててよくもそんな事が言えるな
     これじゃお前なんかよりドクオのがよっぽど可哀相だ」


打ちのめす様な言葉の連続に、一度は紅潮させた表情が蒼白に染まる。

それは事実だったから、何時かのあの日、ドクオに重ねて失ったあの人を見ていた様に
今もまたドクオの中に過去の日々を、自分と、あの国の生活を見ていたのだと。

だが、それを認めたくない心は躍起になって逃れる術を探す。 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:30:17.72 ID:5Dg2bdT90<> 間違いなく俺は寝られない・・・
支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:30:44.08 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:32:17.78 ID:QlOqtN2x0<>
川;゚ -゚)「…だが、現にドクオは私に何もしていないぞ…」

从 ゚∀从「ん? どういう事だ?」

川;゚ -゚)「ドクオが私を本当に好きで居るなら、身体の一つや二つ求めるのが普通だろう?
     だがあいつは一度たりともそんな真似、いやそんな素振りも見せなかった…
     ならそれはつまり本当はずっと前から私は見放されていt――」
从♯゚∀从「あほみたいな事ぬかすな!!」


从♯゚∀从「大事で、大切で、好きだから! そんな寂しいのを理由に受け入れるような…
     ただ状況を利用する様な真似したくないんだろ!」

川;゚ -゚) 「そんな事は無い、私は本気でドクオの事を…」

从 -∀从「失いたくないから何でもする、とか思ってるんじゃないのか?」

川;゚ -゚) 「ぅ…っ」

从 ゚∀从「…ほらみろ、それこそ何も見えてない証拠じゃないか
     あいつがどんな奴かなんざ、付き合いの浅い俺でも見てれば分かるぞ」

川 - )「…なら…」

数刻の間、そして次の瞬間には瞳に涙を浮かべ
人が変わったように癇癪声を上げた。 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:34:13.10 ID:QlOqtN2x0<>
川 ; -;)「なら私は一体どうすればいい、どうしろと言うんだ、何も、私には何も無い…
      居場所も、人も、小さな約束も…全て、何もかも無くなってしまった…」

从 ゚‐从「…」

川 ; -;)「そして……死に場所さえもだ、もう、私には今自分が何故生きているのかすら分からない…」

从 ゚‐从「本当に、そうなのか?」

川 ;ー;)「っ…はは…何かあると言うなら教えてくれ」

从 ゚‐从「…ドクオの奴がさ、今日の戦いに混ざるとか言い出した時に言った事、聞いてるか?」

川 ; -;)「…いや」

从 -∀从「あいつさ…こう言ったよ」



 俺は今もあの人達と共にあるから

 だからあの人達の誓約を俺も守りたい


 そして、もう二度と、あんな悲しみを繰り返させない為に、その道を作りたい


ζ(゚‐゚*ζ「あ…」 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:35:28.44 ID:QlOqtN2x0<>
从 -∀从「正直俺には…というか皆そうだろうけど、その意味も、誰にあてた言葉かも分からん事だった…
     でも確かな決意を持って言ってる事だけは分かった、だから皆それを認めた」

从 ゚∀从「それでお前はどうだい? …分からないか?」

川 - )(誓い………)

从 -∀从「俺はさ…もしかして、あれはお前に言ったんじゃないか? って思ってるんだ」

川 - )(……誓、約?)


それは、今となっては懐かしささえも覚える言葉だった。


かつて、ギコと言う男は言った。


誓約の騎士団、その心はかつての英雄の下にあると

フッサールが定めた誓いを守る、ただそれだけだと


それは、たった一人の少女を必ず守ると

そんな、たった一つの願いを込めた誓いだった、と

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:37:45.89 ID:WMXW04sV0<> 今北

フーって懐かしいなぁ・・・房津か
しえーん
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:38:20.30 ID:QlOqtN2x0<>
川 ; -;)「あ……っ」

クーは不意に気付いた様に一瞬天井を煽り見る
そこに何を見たか、大粒の涙をこぼし、俯き嗚咽を漏らした

ドクオが何を考えてそうしたか、まだそこまでは理解できない
けれど、それが誰の、何を思っての行動であるか、垣間見えた様な気がしていた。

川 ; -;)「…っ…うう…」

从 ゚∀从「…」
ζ(゚ー゚*ζ「…」

彼女はひたすらに泣いている
そんな様子を二人は何も言わず、黙って見守っていた。

やがて、止まらぬ涙を何度も拭いながら彼女は問いかける。

川 ; -;)「く……ハインリッヒ」

从 ゚∀从「…なんだい?」

川 ; -;)「私は…本当に愚かだ、何度繰り返しても学習できない愚かな人間だ…
      だからどうしても分からない…教えてくれ
      私はどうすればいい? どうしたらドクオと共に歩める?」

从 -∀从「言ったろ、俺にはドクオが言ってる事は理解出来ないし
     それに散々言っといて悪いが、別にお前が間違ってるなんて思っちゃいない」
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:41:01.99 ID:QlOqtN2x0<>
川 - )「…」

从 ゚∀从「けど、だから、お前が本心から思う事をぶつけてやればいいんじゃねーかな」

川 ゚ -゚)「本心?」

从 -∀从「ああ、別に急に変わる必要はないさ、ただ自分に素直に生きれば、それでいいと思うぜ
     ただ今回はちょっと状況が状況だから少し話を、と思っt」
川;゚ -゚)「……え!?」

从;゚∀从「あ、なんだ? なんか変な事言ったか俺?」

川 ー )「……ふっ」

从;゚∀从「ありゃ…?」

川 ゚ー゚)「前にも……同じ言葉を言われた事があるよ」

从 ゚∀从「…そっか」


自分に素直に生きろ。


ギコと、別れの間際に聞いた言葉だった
もう二度と聞けないと思っていた声が、間違いなく聞こえた <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:42:57.48 ID:QlOqtN2x0<>
誰かを通して見ることでしか無かった物は、自分の中にも確かにあったのだ
だから素直に生きると言うのは難しくてよく分からないけど、それでも…
今度は歩かなくてはいけないんだ、誰かにしがみつくのではなく、自らの足で。

川 ゚ -゚)「……ありがとう、二人とも」

从 ゚∀从「ああ」

ζ(゚Δ゚;ζ「え!? そ、そんな私は何も…」

川 ゚ー゚)「いや、黙って付き合ってくれた、そのお礼だ」

ζ(゚Δ゚;ζ「あ、う…」

ζ(゚ー゚*ζ「…はい」


と、その時…不意に入り口付近で激しい物音が立った


川 ゚ -゚)「…ん?」

何かが落下し、倒れた様な騒音。

从;゚∀从「…なんだ?」

ζ(゚Δ゚;ζ「もしかして………のz!!」
从;゚∀从「待て! 言うな、まだ分からん!」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:43:25.63 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:44:10.36 ID:QlOqtN2x0<>
ζ(゚Δ゚;ζ「でで、でも!」

从li゚∀从「バカ、やめろ、今までずっと……なんて考えたくもないんだ!!」

ζ(>Δ<;ζ「私だって嫌ですよぉ!!!」

ひとまず湯の中に飛び込み、必死に身を縮ませながら騒ぐ二人を他所に
クーは浮かんだ涙をぐいと拭うと立ち上がり、まるで仕返しだ
とでも言わんばかりに、タオルで前を隠し堂々と入り口へと進んでいく。


从li゚∀从「お、おいクー!! 何する気だ!!」

ζ(゚Δ゚;ζ「待って!危ないですよ!!」

川 ゚ -゚)「ふん、何だそんな物音の一つや二つ…確かめれば早いだろ」

そうして二人の制止も聞かず、扉を開け放つクー
その瞬間、彼女の表情が凍りつき、微かに驚愕の声を上げ静止した。

川;゚ -゚)「…………なっ…」

ζ(゚‐゚;ζ「…え?」

从;゚∀从「な、なんだ、どうしたんだキバヤシ!!」

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:44:29.88 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:46:32.39 ID:QlOqtN2x0<>
川;゚ -゚)「………!!!」

問いかけても息を飲むばかりで答えようとしないクー

そんな彼女の様子に戦慄を覚えると同時に興味を惹かれ、二人もゆっくりと身を起こし
立ち上がると恐る恐る入り口へと近づいていく、そして入り口奥の様子が視界に映った、その瞬間。


从li゚∀从「…!!」
ζ(゚Δ゚liζ「!!!」


そこには、真っ赤に染まったボロ雑巾の様な衣服を纏い。

片腕と頭を失った人間が倒れていた。


「 ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ 」


そして、神殿の外にまで響く程の絶叫が上がった。


……。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:48:07.80 ID:xxNSA49oO<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:48:09.22 ID:QlOqtN2x0<>
「……ン……ぇ…き…」

ん…。

何だろう、誰かの声がする

「し……だ……………よ…」

何を言ってるのかはよく分からないが、聞き覚えのある声だ

この声は……。


(;´・ω・`)「ブーン!」

( -ω-)「ぅ…ん…」

(´・ω・`)「ああ、良かった…気がついた?」

( つω`)「ぁ? ああ、おはすー…」

目を開くと、遠く先に天井と顔見知りの姿が視界に飛び込んできた。
続いて軽く頭を振れば薄暗い空間の奥には見覚えのある壁が並んでいる
突然の事に記憶が混濁し、僕はしばらくぼうっとする頭でそれを眺めていた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:48:34.54 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:51:07.06 ID:QlOqtN2x0<>
(;´・ω・`)「…おはよう……ていうか大丈夫?」

(;^ω^)「って…あれ、ショボ? …あれ?」

少しして、ようやく頭が回り始めたのか先の事を思い出す
確かツンとか言う管理者と戦って、それで逃げられて、それで…

(;^ω^)「ここは…」

(´・ω・`)「ここは神殿の入り口だよ、とりあえず普通に喋れるならひとまず平気みたいだね」

(;^ω^)「神殿…え、なんで? え?」

…確か急に眩暈がして、そこらの木の下に倒れたはず
それが何故、気付けばここに戻ってきているのか、それにあれは結局どうなったのか?

などと考えていると、僕の考えを察したようにショボが口を開いた。

(´・ω・`)「国内に侵入してきた敵とやらはもう引いて行ったみたいだよ
      それで君は、なんか町外れの林の中で倒れてたんだって、それを付近の施設の人が見つけて
      その知らせを受けた兵の人達がここまで運んできてくれたんだ」

( ^ω^)「そうか……お」

施設の人と聞いて、ちょうど思い当たる節がある
という事はみんな無事に済んだのだと思い、軽く安堵の息が漏れる。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:51:29.95 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:52:30.83 ID:QlOqtN2x0<>
(;^ω^)「さて、と……いてて」

(;´・ω・`)「ちょ、まだ寝てた方が」

とりあえずこんな所に寝たままと言うのも伐が悪い
そう思い身体を起こすとショボは心配そうに声をかける。

( ^ω^)「?」

軽い痛みはあれど特に体に不調は感じない、だから何をそんなに? 
と疑問に思いながらも上半身を見直し、絶句した。

(;゚ω゚)「!!」

赤い、なんか色々赤かった。

それがどこまで自分の血で、他人の血なのか、そこまでは分からないが
とにかく僕の全身は真っ赤に染まり、皮膚には赤黒い染みがそこら中にこびり付いていた。

(li^ω^)「ひえぇ…」

(;´・ω・`)「なんだ、今更気付いたの?」

(li^ω^)「いや、そういう…」

訳じゃ無いが、こうして改めて見ると非常に気味が悪い
そうしてショボは呆れた様な、どこか安心したように溜息を吐いた。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:53:02.24 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:54:26.45 ID:QlOqtN2x0<>
(´・ω・`)「…まあ何があったかは知らないけど、あまり驚かせないでよ?」

(;´-ω-)「いきなり背中に背負われて帰ってきたかと思えば血まみれでさ…
      それで見てみれば別に外傷も無いし、かと言って全然起きないし、色々びっくりしたよ」

(;^ω^)「ごめん、お」

(´・ω・`)「まあいいさ、無事ならそれで…それより」

( ^ω^)「ん?」

(´・ω・`)「そんな格好じゃいつまでも居られないでしょ、ちょっとお風呂にでも行って体洗ってきなよ」

( ^ω^)「そうだな…そうする、おっ」

そうして石畳に寝転んだ体に反動をつけて一気に立ち上がる
元気だと言う事を見せようと思いそうしたが、その瞬間、酷い眩暈が襲った。

(; ω )「…っ…く」

(;´・ω・`)「ちょっと、ほんとに大丈夫なの?」

ぐらぐらと揺れる視界の中、軽くふらつく体をショボが支えてくれた
なんだろう、やはり血を流し過ぎたのだろうか?
考えてる内にそれも間もなく収まり、大丈夫だと体を離した。
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:55:41.39 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:56:01.20 ID:QlOqtN2x0<>
( ^ω^)「じゃあ、ちょっと行ってくるお」

(´・ω・`)「うん、じゃあ僕は皆に報告してくるからさ、気をつけてね」

( ^ω^)「把握」


……。


そうしてショボとも別れ、一人薄暗い道を進んでいく
その間、何故か頭に霧がかかったような感覚を覚えた


(  ω )(頭が…ぼーっとする…なんだ、これ)


何か体に異変があるわけじゃない、ただ、とにかく何も考えられない
冷静で、それでいて真っ白な思考のまま狭い通路を進み、扉を開く

穏やかな風が吹く空間に辿り着き、少しだけ気が楽になった気がする
とにかく、後はこの穢れた身体を洗い流そう、そうすればもっと楽になれる

そう思い進み、棚の前まで来ると上着を脱ぐ
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:56:25.35 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:58:39.50 ID:QlOqtN2x0<>
脱ぐ…脱ごうとして、上手く行かず、片腕と頭だけが隠れた状態で何かに足を取られ
慌てて何かを掴もうとした拍子に棚に並んでいた籠やら何やらを落としてしまう。

(li ω )「!!」

物々しい音が立ち、更には自身もバランスを崩し、世界がゆっくりと回っていく
そして騒音と共に床へと思い切り倒れこんでしまった。

(li ω )(あ゛〜…なんか…駄目だ…)

どうにも横になっているのが楽で、ついそのままだらけてしまう
すると何処からか悲鳴のような声が聞こえた。

(li ω )「ん…?」

そして、扉の開く音。

「…………なっ…」

何やら絶句したような、呻き声のような物が聞こえた。

<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:59:08.30 ID:W/IATLYi0<> 支援 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 00:59:25.18 ID:+PMeuxAh0<> アッー! <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 00:59:29.97 ID:QlOqtN2x0<>
「…え?」

「な、なんだ、どうしたんだキバヤシ!!」


続いて何やら聞き覚えのある声。


「………!!!」

「…!!」
「!!!」

何事かと身体を起こそうと身悶えるも、この体制からではもぞもぞと蠢く事しか出来ない

そして次の瞬間。

耳をつんざくような絶叫が響き、そのあまりの衝撃に僕は再び意識を失ってしまった。



……。



それからしばらくして、通達が来た。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:01:57.73 ID:QlOqtN2x0<>
それからしばらくして、通達が来た。

なんとか無事に湖鏡の侵攻を食い止める事に成功し
ドクオ達はもうすぐこちらへ帰ってくる、という事だった。

ちなみに僕は身体を流しに向かった筈なのだが…
何故か気付けば気を失い、床に伏していた所を再びショボとクーさんに起こされた


川;゚ -゚)「起きたか?」

(;^ω^)「………あれ?」

(;´・ω・`)「…君さ、なんか別れる度に血だらけだったり傷だらけだったりするよね
       もしかして呪われてるんじゃないの?」


言われてみれば確かに何やら身体中が痛い、けれどあの変なぼうっとする感覚は消えていた
不思議に思い辺りを見渡せば、何やら頬を染めた二人の姿があった。


ζ(//-//ζ「……」

从//-从「……」


…何かあったのだろうか。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:03:00.10 ID:QlOqtN2x0<>
そして更に時は過ぎ、ドクオ達が帰って来た。



のだが。



( ゚∀゚)「よー、無事戻ったぜ」

('∀`)「…ただいま」


そこで僕等はとんでもない事態を目撃する事になる。


川 ゚ -゚)「…」

(;'A`)「あ…っ」


クーさんは黙ったままぐんぐんドクオの下へと歩み寄り。


(;'A`)「クー、その…俺…」

川 - )「…この」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:04:04.25 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:05:04.32 ID:QlOqtN2x0<>
立ち止まる素振りも見せず、歩く勢いもそのままに。


川♯゚ -゚)「馬鹿者がーーーっ!!!!」

`(♯)「あべし!!!!!!」


強く握った拳を振り上げ、ドクオの頬へと思い切り叩き込んだ。

流石にそれは予想外だったのであろう
何の身構えを取る間もなく受けた一撃に、ドクオは派手にすっ飛んだ

そしてクーさんもしゃがみ込み、手首を痛そうに押さえている。

 _
(;゚∀゚)「…は?」

ζ(゚Δ゚;ζ「…」


時が、止まった

正にザ・○ールドの力が世界を支配する力だと証明するかの様に。
<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:07:15.85 ID:QlOqtN2x0<>

(;゚ω゚)「え…」

(;´・ω・)「…ええ?」

そんな凍った時間の中で、ハインだけが動き、クーの下へと駆け寄った

从;゚∀从「ちょーーーっ!! おいクー!! なにやってんだ!!??」

川;゚ー゚)「ふっ、何…思いの丈をぶつけさせてもらっただけだ」

从;゚∀从「いや、そんな、おま…」

川*゚ー゚)「素直に…少し分かった気がするよ、今は凄くすっきりしているからな」

从;゚∀从「あ、あは、あはははっ…」

从;-∀从(…流石は元女王様…ってか?)

ハインは何やら引きつった笑みを浮かべ、何だか楽しそうなクーさんを眺めている。
と、今度は違う箇所からも笑い声が聞こえてきた。

(メ'∀`)「はっ、あはははは!!」

(;^ω^)「ドクオ…?」
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:08:56.46 ID:xxNSA49oO<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:10:59.34 ID:QlOqtN2x0<>
(;´・ω・`)「ちょ、もしかして打ち所が…」

そのままただ笑い続ける様子には流石に気が触れてしまったとしか思えない
というか突然の事態にほとんどの人間が固まっている。

(;^ω^)「大丈夫かお?」

僕等が心配になり駆け寄ると、ドクオは勢い良く身を起こした

(メ'A`)「ああ、全然」

そして、彼女へ向きなおすと、笑顔を浮かべ何処か嬉しそうにこう言った。

(メ'∀`)「クー」

川 ゚ー゚)「なんだ」






         「おかえり」





<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:11:52.86 ID:W/IATLYi0<> 支援 <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:12:12.56 ID:QlOqtN2x0<>


【次回予告】スイカッテイウナー!!




<>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:13:55.64 ID:QlOqtN2x0<> ミ,;゚Д゚彡「げっ、やっぱコピペじゃないと予告の位置がおかしいぞ」

ミ,;゚Д゚彡「では、久方ながら、今日の予告ゲストAAをお願いします」

>>92 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:14:33.24 ID:+PMeuxAh0<> ('∀`) <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:14:35.83 ID:xxNSA49oO<> 阿部さん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<>sage<>2007/08/01(水) 01:14:47.09 ID:VSwB4vTE0<> 安価近いよ安価


安価なら復活した川 ゚ -゚) <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:14:53.73 ID:QV6vGJRaO<> (´・ω・`)
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:14:59.84 ID:Igr1y61O0<> ぶーん <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:26:37.04 ID:VSwB4vTE0<> ほ <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:26:54.55 ID:xxNSA49oO<> ほ <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:28:18.47 ID:QlOqtN2x0<> ミ,,゚Д゚彡『さーて、次回のお話は!?』

('∀`)『あははっ、戦いに次いだ戦いもどうにか一段落ついたし、しばらくは穏やかに日々は続くのですよー』

ミ,;゚Д゚彡『ぎょっ…!! なにこの、なに? 何キャラなのそれ!?』

('∀`)『戦いは良くないよー、戦争をやめろ!!』

ミ,,゚Д゚彡『これは…やはり打ち所が悪かったのか…それとも夏だから…』

('∀`)『熱いだろう、毛皮とれば?』

ミ,;-Д-彡『…け、結構です』


(´・ω・`)「その、お願いしたい事があるんです」


ミ,,゚Д゚彡『一時の平穏を過ごす中で、ショボンのお願いとは?』

('∀`)『そして、やがて知るのは、嵐の前の静けさでしか無かった事』

ミ,,゚Д゚彡『では、次回!! 異世界でもう一度 第19会 「願う日々、明日の自分」 』

('∀`)『読んでくれなきゃ、泣かないよー』


ミ,;-Д-彡『…誰が?』
                  つづく、、、I <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:28:54.31 ID:xxNSA49oO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:29:33.71 ID:wR5HywEH0<> 予告に和んだ
乙! <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:32:54.99 ID:+PMeuxAh0<> ('∀`)otu <>
◆6Ugj38o7Xg <><>2007/08/01(水) 01:33:15.99 ID:QlOqtN2x0<> 以上です、こんな遅くまで支援に乙をありがとうございます
そして最後の方ペースダウンしてすいません、予告書くのも遅くてすいません
謝り出すとキリが無いのでこの辺で

では、あらためてありがとうございました、次は頑張って早くするぜ!
<> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:33:52.86 ID:VSwB4vTE0<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:35:08.29 ID:s2fWQJUqO<> 乙 <> 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。<><>2007/08/01(水) 01:36:52.11 ID:W/IATLYi0<> 乙 <>