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( ^ω^)ブーンがセイントになったようです
1 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:25:08.90 ID:vh6HcH7A0
http://boonsoldier.web.fc2.com/seinto.htm

で纏められていますが、数ヶ月多忙でショボーンしていた為最初から投下します(´・ω・`)
所々手直ししてあります。

厨臭いのはスルーしてください(´・ω・`)


さて、セイントも今日でいよいよ終了
これだけの分量で約一年かかるとかどんだけ〜☆ってやつか

正直ムチャクチャです
早く終わらせてしまいたいので書きなぐった感じです

スンマソン

2 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:25:55.70 ID:vh6HcH7A0
いやなんだこの>>1
最初から投下じゃなくて、十一話から
ちょっとした理由で十一話は、「壱話」になっとります。

3 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:27:02.97 ID:vh6HcH7A0
第壱話「絶望の悪魔」


ミルナたちがオズヴァの地を踏みしめたとき、偶然か目の前にショボたちがいた。
これからオズヴァの町で情報を収集し、ヴァンパイアたちの根城を突き止める予定だったらしい。
だが、幸運にもこちらには内通者であるミルナがいる。

クーとショボはミルナを見た瞬間、涙を流すほどの感激をし、話をしたがっていたが、ミルナは真剣な表情で一言、今は時間がないといった。
だからショボたちには簡単なことのあらましだけを説明し、後はオルミアを止めてからということで、どうにか場はおさまった。

「オズヴァの郊外に、ヴァンパイアと魔術士と共にアジトを構えている場所がある。
 案内しよう。そして、そこに到着するまでの間に主要なことは全て話す」

ミルナの言葉に従い、五人はオズヴァの郊外へと足を進めた。

4 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:28:32.08 ID:vh6HcH7A0
「時間がないとは?」

ショボが早速訊ね、ミルナも黙ってそれに答える。

「ヴァンパイアの核というものの研究がされている」

「核ですかお?」

「そう、核だよブーン。
 今オルミアたちが行っている研究とは、無敵のヴァンパイアを作り出すためのもの。
 退魔銀も炎も効かない……そんな化け物を作り出して、世界を支配しようとしているんだ」

「世界を支配だと? まるでトリーシャ様の伝説ではないか」

クーがふと言ったことが、なるほど納得できた。
そもそもヴァンパイアという、架空の存在が実際にいるのだ。
トリーシャの伝説が本当であってもおかしくはない。その昔、世界を覆った闇がヴァンパイアと言うのならば、なんとなく頷ける。

「トリーシャ様伝説か。懐かしいな。
 だが、核のヴァンパイアが完成したならば、そうはいかんだろうな」

ミルナが苦笑する。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 19:29:44.97 ID:rLQH32Ao0
うぉぉぉぉぉぉぉぉ萌えあがれ!!俺のコスモよ!!!

6 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:30:10.63 ID:vh6HcH7A0
「ってことはあれか。時間がないって言うのは、その核が完成間近だと」

「そうだ、ドクオ君。核はもう何時完成しても良い段階に来ている。
 復活する前に、その退魔銀で灰にしなければならない。深刻な問題だ」

ミルナはツンとドクオを見ながら言った。
二人に戦慄が走る。自分の背負っている責任の重大さに、直面して初めて気づけたのだ。

「核を完成させようとしたのはオルミアの研究だ。
 だが、中にはロマネスクと言う、自らをヴァンパイアに肉体改造しようとした術士もいた」

「自らを、ヴァンパイアに?」

ミルナが頷く。

「ヴァンパイアの体組織は人間と似ているが、違う。
 ロマネスクは、あるヴァンパイアの細胞を自分の血液中に打ち込み、繁殖させた」

「それで……どうなったんですか?」

ツンの問いにミルナは、悲しいような目をして答えた。

「術士であったロマネスクは、術を失った。
 だが、その代償にヴァンパイアの持つ強靭な身体力を得たようだ。
 おそらく、これから正面衝突する際に出現するだろう。両目に十字のごとき傷がある。覚えておけ……っと」

ミルナが突然足を止める。
つられて後方にいた全員が足を止め、ミルナの視線のほうを見る。


7 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:31:15.93 ID:vh6HcH7A0
「あの神殿だ」

その視線の先には、低い丘があった。
空にはいつの間にか暗雲がたちこめてきて、その丘の上に立つまるで廃墟のような建物の不気味な雰囲気を、より醸し出していた。
一見すれば城の様なその概観だが、壁は風化したかのようにボロボロだし、崩れ落ちている部分もある。
誰も近づかないだろうと、そう思えた。

既にその城との距離は目と鼻の先。
全員が唾を飲み、体を震わせた。

8 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:32:37.43 ID:vh6HcH7A0


「いよいよ、最終決戦ですかお」

思い返せば、色々あった。

「やってやるぜ。一流の剣士様として、な」

修道院を出たあの日から。

「僕達の目的を果たすため。行こう」

たくさんの仲間と出会い。

「これで、全て終わるのね」

たくさんの別れをし。

「私達に出来る最善を尽くそう」

そうして辿り着いた、この場所。




9 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:33:52.52 ID:vh6HcH7A0


「だがしかし、簡単に行けるようではないな」

ミルナの声にハッとし、全員が武器を構え、戦闘態勢に突入する。
気がつけば、もう身体は辺りから嫌と言うほど伝わってくる殺気でピリピリしていた。

「ミルナさん。どういうことですかねえ、これは」

周りの森を掻い潜るようにして出てきたのは、黒フードを深く被った人間達だった。
魔術士。全員が直感する。

「どうも何もないさ。オルミアの研究を潰しにきたんだよ」

動じず言い返すミルナ。
だが、相手は気に食わない様子で、フードから目を覗かせ、ミルナをにらみつける。

「さいですか。では、死んでください」

その男が指笛を吹いた瞬間、今度はあちらこちらから人間とは形容しがたい生物が姿を現した。
紫色の不気味な翼、鋭利に伸びきった爪。ヴァンパイアに相違なかった。

「総員でかかります。
 神殿の警護は最強のあの方がやってくれてる。とりあえず、最優先はあんたらを始末することだ」

総員と言う言葉には似つかない人数。
数は数十しかない。そう言えば、ヴァンパイアの数は少ないとジョルジュが言っていた。
それに加え、魔術士も全体的な人数は少ない。
その人数的な余裕のなさが、唯一の救いだった。

10 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:35:21.00 ID:vh6HcH7A0
だが、そうはいってもこちらは五人。
圧倒的な戦力差は目に見えている。
ただでさえ時間がないというのに、これほどの人数を相手していては元も子もない。
頬を冷や汗がたれるのを、全員が感じていた。

しかし。


「ここは私に任せたまえ。君たちは先に行き、核を倒すんだ」

ミルナが杖を握りながら言う。
しかし、いくらミルナがデレに近いほどの最強の術士といっても、一騎当千などという言葉のとおりには行かない。
いつかは不意をつかれ、やられてしまうことは簡単に予想できた。

「ミルナ様、一人では!」

ショボが心配して声をかける。
だが、ミルナはショボの方になど目もくれず、ヴァンパイアと魔術士の群を見続ける。

その真っ直ぐな視線に、ショボも、他の全員も悟った。
ミルナの意思、そして自分達のすべきことを。

「みんな、行くぞ!!」

ショボを先頭に、全員が頷き、神殿へ向かって駆け出す。
が、勿論それを魔術士達が許すはずはない。



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 19:35:27.43 ID:Yxgjkv7iO
wktk支援

12 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:36:41.64 ID:vh6HcH7A0
「術が駄目なら俺たちが行くぞ!」

立て続けにヴァンパイアの群れがショボたちに向かい、更にその一部が自分を殺そうと迫ってくる。
だが、ミルナはその場から一歩も動かず、静かに詠唱を続けるのみ。

「死ねぇ!」

そして、ヴァンパイアの毒牙がミルナの喉元を切り裂こうとしたとき、ミルナの杖から発せられる一筋の閃光。
レーザーの如く真っ直ぐ伸びたそれは、目にも留まらぬ速度でミルナに向かってきたヴァンパイア全ての身体を貫通し、ショボたちに向かうヴァンパイアの群の中で爆ぜた。

爆ぜた光はドームを作り、その中にいたヴァンパイアたちは全員が姿を灰に変えていた。
見れば、ミルナの杖に付く宝玉は銀色。紛れも無い、退魔銀だった。

「さて、どうするね?」

その隙にもう、ショボたちは神殿へどんどんと近づいていた。
今からショボたちを追ってもミルナに足止めされ、その間に彼らがどんどん奥へと進んでいくだけ。
魔術士も、一部残ったヴァンパイアもそれを理解していたので、やはりその矛先はミルナへ向かうこととなった。


13 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:37:56.56 ID:vh6HcH7A0
「ミルナさん、まさかあんたに雅の術が聞いていないとは思いませんでしたよ」

魔術士のうち、一人が呆れた表情でミルナに言う。

「ふ。私を甘く見すぎなんだよ、君たちは」

ミルナもその魔術士を睨み付けてやりながら言った。

「こっちみんな。でもね、ミルナさん。
 あんたはあの子供たちに過度な信頼を寄せすぎてる。それが仇になりますよ」

魔術士の妙な発言。
これには、流石のミルナも眉間に皺を寄せ、顰めっ面をした。

「どういうことだ」

ククと不気味に笑う魔術師は顔を上げ、

「神殿の警護にはビコーズ様だけでなく、ロマネスク様も付いているんですよ!
 それにオルミア様だっているんだ! やつらは死ぬしかありませんって」

「ロマネスクだと!? 神殿の中にいたのか……ッッ!!」

その言葉を聴いて、ミルナの頬を冷や汗がたれる。
死んでいるのにもかかわらず、心臓の鼓動が高鳴っているようで、ミルナは胸を押さえている。
酷く滑稽な姿だった。

14 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:39:33.55 ID:vh6HcH7A0
「魔術士最強のビコーズ様。それにヴァンパイアの力を手に入れたロマネスク様。
 確かに彼らは退魔銀を持っていますが、この二人には何の効果もありません。
 それに、核はもうすぐ誕生するのです。彼らならば、足止めするのには十二分すぎます」

魔術士最強。
その通りだった。ロマネスクのことは先ほどショボ達に話したが、ビコーズの事は言っていない。

魔術士最強といわれるビコーズは、その術力を活かして十数年前から魔術士を取り仕切るリーダーだ。
そのビコーズは人間、退魔銀の力は通用しない。
更に、五人がかりでビコーズの相手をしたとしても、ビコーズは単体でもミルナと同じほど強いし、何よりロマネスクも同じ神殿の中にいる。
ロマネスクとビコーズのいる場所が離れていたとしても、戦いの音を聞けば即座に二人は合流することが出来るだろう。

最強と呼ばれる二人に揃われてしまったら、それこそもう太刀打ちは出来ない。
更に言うと、この男の言うとおり、核が目覚めるまでに時間は無い。
最強に付け加え、時間とも勝負しなければならないということだ。

「さて、戦闘の続きとしましょう。
 我々もあなたを倒し、神殿に行かねば」

魔術士は勝ち誇った顔で言った。

「…………」

ミルナにはもう、彼らを信じるほか無かった。
ならば、自分に出来ることは唯一つ。

「行かせないさ。私の命……もう一度尽きるまでは!!」



15 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:41:17.10 ID:vh6HcH7A0




ショボたちが最初に神殿に入ったときに見えたのは、どこぞの城で見るような荘厳なロビーだった。
部屋を照らしているのは、天井に無数につくシャンデリア。床に一面に敷かれた真っ赤な絨毯。
他にも壁にかけられた絵画などが目に付き、ここが本当にあのはたから見たら不気味な建物の内部化と困惑してしまうほどだった。

だが、その部屋の中心に。
部屋の雰囲気には似つかわしくない男が一人。
ぶっきら棒な無表情の顔に、深く被った黒フード。
その手には、真っ黒な宝玉の埋め込まれた杖。
一目で魔術士だと理解して、ブーンたちは警戒する。

「何物だ」

核が誕生するまで時間は無い。
全員が理解している。だからショボは短く言った。

「私はビコーズ。魔術士です」

男が顔を上げて答える。
そして、目を見開いた。ツンの顔を、真っ直ぐに見つめて。

心なしか、ツンはこの男を何処かで見たことがあるような気がしていた。
十年ほど前。母を失ったあの頃の記憶。


16 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:42:48.77 ID:vh6HcH7A0
「君はもしかして……デレの娘ですか」

ビコーズの表情が苦笑をしたようになる。
だが、その言葉に対してツンだけは。許せないような苛立ちを覚える。

間違いない。母親を殺した犯人。
魔術士はこの人物であるのだ。ツンの第六感的なものがそう告げていた。
歯をギリギリと食いしばり、怒りで震える腕を動かし、退魔銀の杖を懐から取り出すツン。
その目に宿っているのは、真っ直ぐな……憎悪。

「ブーンたちは先に行って。私がこの男を食い止めるわ」

ツンの一言に、思わずブーンたちは唾を飲んだ。
目の前の魔術師からほとばしる圧倒的な威圧感、身体を取り巻く強大な術力のオーラは、その場にいる誰もが感じられた。
だのにツンは、それと一人で戦う気でいると。

「無茶言うな! 僕も残るよ!」

ショボがそういい、残りの三人に扉を目指せ、とビコーズの後ろにいる扉を指差して指示する。
だが、そんなショボに向けられたのは、ビコーズとツンの冷たい視線だった。

17 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:44:04.80 ID:vh6HcH7A0
「邪魔しないでショボ。これは私の戦い……敵討ちよ」

「邪魔しないでいただきたい。デレの娘、興味がある。ぜひとも戦いたい」

立て続けに自分にふりかかる言葉にショボは苛立ちを覚えたが、何を言っても意味は無いとすぐに悟り、

「みんな、行こう。
 でもツン、これだけは覚えておいてくれ。
 今の君の表情は、リスボン崩壊で君に当たってしまった僕と同じだ。
 憎悪なんかに任せて行動したんじゃ、ぼろが出る。僕たちは君を信じているから……この場は任せたよ」

と言い、自らが先頭に立って走り出した。

「………っ」

ブーンもドクオもクーも、心配した様子でツンを見ていたが、その複雑な表情を見ると何もいえなかった。
仕方なく三人もショボに続き走り出した。

18 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:45:51.97 ID:vh6HcH7A0
「……止めないの?」

ツンが言う。
確かにそうだ。ビコーズの目的は神殿の警護。
核に向かう彼らを止める……それが本来の目的のはずなのに。

「止めませんよ。私の興味を一番ひくもの。
 それはヴァンパイアでも核でもなく……あなたですから」

ビコーズは忍び笑いをしてみせる。


「一つ聞かせて」

ツンの真っ直ぐな声。

「母さんを殺したのは……あなた?」

「そうですよ」

間をおかずに返ってきたビコーズの返答。
先ほどショボに言われたことを気にして心を落ち着かせていたが、その形相は一瞬にして戻ってしまった。


「あなたを殺す!!」

ツンがすぐに詠唱をし、火球をビコーズに飛ばす。
その火球の威力は、以前エルと戦ったときに見せたものとは比較することが出来ないほどに速く、そして大きかった。

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 19:45:56.53 ID:Yxgjkv7iO
支援

20 名前:まとめのひと :2007/07/07(土) 19:47:08.91 ID:c42b87P60
なんか外で飯食う話になってるみたいなので
少し出かけてきます

帰ってくるまで出来たらスレを残していてもらえれば・・・

21 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:48:14.90 ID:vh6HcH7A0
おkです
セルフホッシュでのこしときます('A`lll)

毎回荒らしも支援も何もなくて平和すぎると逆になんかなんかですね('A`lll;)

22 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:49:38.47 ID:vh6HcH7A0
「ッ!」

ビコーズは身を翻してそれを避けるが、ホーミングの如く火球は旋回し、再度ビコーズの身体を目指す。
向かってきた火球をもう一度かわし、ビコーズもすぐに水の呪文を詠唱。
自分に向かってきた火球を消し、そして背後からツンがもう一発放った氷の矢を素早く避ける。

「やりますね。さすがはデレの娘。
 定理もさることながら、術力もデレより高い……」

ビコーズの口元が不気味に微笑む。

「どうです? 私たちとともに来る気は……」

「ないわ」

キッパリと言い放つツン。
ビコーズはそんなツンを見てもう一度高らかな笑いをすると、

「では戦うとしましょうか。魔術士最強と呼ばれる私と、最強の術士デレの娘のあなた。どちらが強いのかを!!」

言葉と同時、ビコーズの身体を目に見えない空気の流れが渦巻き囲む。
術士だから見えるその境地、ツンも風に警戒し、詠唱をはじめる。

23 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:51:11.64 ID:vh6HcH7A0
「デレの後を追わせてあげましょう!」

ビコーズの気持ち悪い笑い声とともに、真空の刃が迫る。
それが近づく間近、ツンは精神集中のために閉じていた目を見開き、次に杖を前方に構える。

「風だか何だか知らないけど、吹き飛びなさい!!」

次の瞬間、ツンの目の前に一瞬現れた小さな光の球は、瞬きをする間もなく爆ぜた。
そして、轟音とともに地面を抉るほどの衝撃が大地を揺らす。
爆風でビコーズの風は相殺され、豪華な城壁やら床やらがこっぱみじんに吹き飛び、砂塵の如く視界を阻む。

だが、その視界を一瞬にして晴らすほどの風がツンに向けてもう一度迫り来る。

「くっ!」

煙幕の中から、風の軌道を読むことができる。
だが、いかんせん速い。詠唱する暇も無く、避けることしか出来ない。

「どうしました? 避け続けているのにも限度があるでしょう!」

「ハァハァ……ッ!!」

風の刃は大きく、飛び、掻い潜って避けているツンは明らかに疲れの兆しを見せていた。
ツンは詠唱に即効性がある炎の魔法を好んでいたが、風を避け、第二波が来るまでの時間は時計の秒針が動くよりも早い。
このままでは体力を消耗し、いずれは風によって身体を分断されることは目に見えている。

24 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:52:56.63 ID:vh6HcH7A0
「張り合いがありませんね。残念です。では、これで終わりにしましょうか」

ビコーズの一声。
同時に、今までとは桁にならないほどの大きさの風が見える。
その大きさは部屋を分断しそうなほどに。高さは天井まで、幅は両の壁まで。

素人が目に見ても分かるほど、ツンの目前にある景色はゆがんで見えた。
だがこれはある意味でチャンスかもしれないと。ツンの頭には、逆境を生かす考えが浮かんでいた。

「うあああああ!!」

次の瞬間、ツンは風に向かって真正面から走り出した。
ビコーズにはその姿、歪んでいても確認することはできる。
その滑稽な姿に、ビコーズは苦笑を隠しきれなかった。

「良い足掻きっぷりですね。では、彼らを追うとしますかね」

ビコーズは勝ちを確信した。
だから敵に背中を向けてしまった。


それが、最強の唯一の敗因だったろう。

25 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:55:03.38 ID:vh6HcH7A0
「かっ……は……?」

ビコーズが自分の体を貫く痛みに気づいたのは、胸から突き出た銀色の鈍い剣先を見てだった。
そこから止め処なく溢れる赤い血。
何が起こった? 痛みよりもビコーズはそれが気がかりになり、思うように動かない首をゆっくり後ろに向ける。

そこにいたのは紛れもなくツンだった。
衣服の所々が真空の刃で切り裂かれている。
その様子を見る限り、先ほどの攻撃は受けたはず。何故死んでいない。

いや、それよりも……。

「仕込み杖……だと!?」

ツンの腕から伸びた銀色の長い刃。
退魔銀の杖の頭のほうをツンはしっかりと両手で持ち、鞘の抜かれた刀身をビコーズの腹にしっかりと付きたてていた。

「一体……どういう事ですか……」

今になってやっと痛みが鮮明になってきたようで、ビコーズの息が荒々しくなってきた。
その表情は、わけがわからないと言った。まさにそう形容するべき様なものだった。
そんなビコーズの表情を眺めながら、ツンはニッと笑ってみせる。

26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 19:56:20.73 ID:oqEalmN8O
支援するぜ

27 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:56:45.71 ID:vh6HcH7A0
「今までの攻撃は鎌鼬だったから、真正面からは受けられなかったわ。
 でも、最後の最後で……あなたは消耗しきった私をなめて、風圧で潰そうとしたのよね。
 それがあなたの、最大のミスよ!!」

ビコーズの腹に突き刺さったその剣を、ツンは勢いよく横に薙ぎ、わき腹まで一気に引き裂いた。
引き裂かれた腹からは、叩ききられた内臓が露出している。
快癒をしても、もう助からない。目に見えていた。

「身体強化魔法は炎の魔法よりも詠唱に即効性があるわ。
 風に飲まれるその時まで詠唱はかかったけど、脚力と腕力を向上させて、剣を盾に無理やり風を掻い潜ったわ。
 正直賭けだったけど、何とか成功したみたいね。風が視界を歪めてくれていたから、あなたも反応できなかった。
 この勝負、完全にあなたの不覚よ。そして、これで『魔術士』も終わりね」

血塗れた剣の刃をビコーズのフードで拭い、鞘に納めた。
その仕草を見て、まだ息のあったビコーズはどうしてか笑っていた。

「何がおかしいのかしら」

ビコーズの頭に杖の先端を向け、言葉をかける。
少しでも不自然な態度をとったら頭を爆発させる。
ツンはそういう事を表していたし、ビコーズもそれには気づいていた。
だが、やはりビコーズは笑っている。

「ふっ。こんな私が最強だなんて、井の中の蛙もいいところでしたね
 しかしその杖が仕込み杖だったとは。全く気づきませんでしたよ」

「あんたは知らなくて当然よ。
 刀として使うことはないと思っていたけど、意外なとこで役に立ったわね」

28 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 19:58:39.46 ID:vh6HcH7A0
「ふ……私の完全敗北……か」

ビコーズの声は、今にも擦り切れそうだった。
その目も、もう焦点が定まっていない。

だがその掠れた声で、なおもビコーズはしゃべり続ける。

「デレを殺したのは確かに私だ。これは当然の報復なのかもしれませんね。でも」

「でも……?」

ツンが訊ねかけた瞬間、ビコーズは虚ろな目を見開き、この世のものではないような声を張り上げて笑い出した。

「はははははは!! 最後に貴様のようなつわものと戦って死ねたのは本望ですよ!! はははははh」

笑い声が終わる前に、ジュッと一瞬だけ乾いた音がした。
次の瞬間には、もうそこにビコーズの姿は無かった。

「ハァ、ハァ……」

大量の汗をかきながら、杖を握る手に込めた力をぬかないツン。
ビコーズを一瞬で蒸発させたのは、彼女のありたっけの魔力だった。

「気持ち悪いのよ……下種」

息を切らしたツンは、もう立っている事も出来ないほどに疲労し、その場に倒れこんだ。


第壱話:完

29 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:00:40.71 ID:vh6HcH7A0
凄く……平和です
では続いて12話(最終話)です

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:02:02.74 ID:1IcSH43e0
wktk

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:02:13.96 ID:4CT+gHD50
しえん

32 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:02:35.50 ID:vh6HcH7A0
第弐話「最後の決戦」


「っ!」

廊下を駆け抜け、次の部屋に差し掛かったとき、ゆらりと一人の男が殺気を持った目でこちらを見るのが先頭を走っていたショボには見えた。
その両目には縦に真っ直ぐ伸びる古傷。
瞬きをし、男が目を閉じるたびにそれが十字に見える。その特徴は、ミルナがいっていたロマネスクと言う男に間違いない。

ショボは足を止め、ロマネスクと対峙する。
続く全員もその場に止まろうとするが、ショボはすぐに後ろを向き、

「ブーン、ドクオ! 二人は先へ行くんだ! 
 核をぶち壊せるのはその退魔銀の剣、そしてブーンの術力しかないんだ!」

ブーンとドクオは勿論、一瞬戸惑った顔をしてショボを見る。
そして二人とも次にクーの顔も見たが、クーも真剣なまなざしで二人に頷いて見せた。

「わかった。気をつけろよ」

「ドクオたちも!」

ドクオはショボとクーに言葉を残し、ブーンとともにロマネスクの後ろにある扉へ足を向ける。
それを阻止しようと走り出すロマネスク。だが、ロマネスクが進行することをショボとクーが許さない。

33 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:04:35.58 ID:vh6HcH7A0
「行くぞクー! 僕の制御を頼む!」

ショボの掛け声。
声は掠れている、ショボの身体は震えている。

恐怖ではない。武者震いだ。
ショボは目の前の出来事に感動し、これまで辿ってきた道のりに感動し。
ミルナの死を目撃したあの日から、ずっとこの時、この瞬間のために。

「おおぉぉおおおお!!」

ジョルジュの遺した炎が勢いよく燃え、業火は剣を溶かしそうなほどに熱い。
ロマネスクとドクオたちの間に炎は大きな壁を作り、その進行を許さない。

ミルナからロマネスクの事を聞いていたから対処が出来た。
普通の魔術士ならば、相対する水の術で打ち消すことが出来る。
だが、ロマネスクは自らの身体をヴァンパイアに改造しようとした術士。

不完全なヴァンパイアとなったロマネスクは、体術のレベルは凄いが、術を使用不可能になっている。
ならば、お得意の体術さえも潰してしまえばいい。ヴァンパイアも人も、炎が弱点だ。

34 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:05:59.15 ID:vh6HcH7A0
「私も全力を尽くそう……。
 これがトリーシャ様に対する私の純粋な思いだ!」

その炎を巻き上げる風は、クーの術だ。
舞い散る酸素の流れが炎の勢いを絶やさず、風がそれの威力を増す。
真っ直ぐに燃えるショボの炎を、クールに制御する。見事な連携だった。

そのうち、ロマネスクを囲むようにクーが変形させたその炎の壁をロマネスクが無理にくぐろうとしたならば、身は即座に灰と化すだろう。

完全なる王手。
ロマネスクに逃げ道はなかった。
この円形の炎のドームの中で死を迎える。
それが彼の道であったが、実際は消耗戦であったりする。

「…………ッ」

汗を顔に浮かべ、息を切らすショボ。
あまりにも多すぎる質量の炎の術を、ずっと放出していなければならない。
ショボの術力が尽きる前にロマネスクが死ぬか、ブーンたちが核を倒すか。

どちらが先かは、誰にも分からない。






35 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:08:04.18 ID:vh6HcH7A0



扉を開くと、もう道は一本しかなかった。
豪華なシャンデリアが天井から視界を照らし、壁には肖像画がかかっているような廊下を必死に駆け抜け、やがて見えた扉を勢いよく開ける。

「ここが……?」

ドクオが声を漏らす。

目前に広がる光景は、先ほどの荘厳な飾り気ある部屋とは打って変わっていた。
部屋全体は暗く、じめじめとしていて、どこからか隙間風が入っているのだろうか、肌寒い。
部屋の壁の辺りには、不気味な水溶液の入ったカプセルが立ち並び、横には何かを動かすような機械も見える。

そんな部屋の中で、唯一光を放つ物体が、部屋の中心にあった。
遠くから見ても分かる。大きなカプセルに包まれた、薄青い培養液のようなものの中に、人間が一人。
二人は呼吸を整え、その物体に近づいた。

「こいつが核ってわけか」

ドクオが剣を抜きながら言う。
どういうわけか、オルミアもいない。ここで核を壊せば、全てが終わる。
だが、現実はやはり甘くは無かった。

「壊させはしない」

声にハッとすれば、次の瞬間二人の目の前には、ローブを着た見知った顔をした女が立っていて、呆ける二人を即座に殴り飛ばした。


36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:09:34.47 ID:4CT+gHD50
しえん

37 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:09:40.71 ID:vh6HcH7A0
「ぐぁっ!」

二人とも力の方向に飛ばされ、扉の辺りの壁に背中から叩きつけられる。
痛みが全身を覆ったが、ブーンが即座に快癒をかけ、即座に立ち上がり、戦闘体制をとることは出来た。

「不意打ちとは卑怯な。あんたがオルミアか」

ドクオが剣を構え、オルミアと対峙しつつ言う。
ドクオはオルミアを見たことがなく、どんな女なのかと思っていたが、目の前にいるのはローブを羽織、美しい顔立ちをした女性。
とてもヴァンパイアには見えないが、先ほど自分を殴り飛ばした痛みがまだ身体にある。

「人は見かけによらんな」

短くはき捨てたドクオに、オルミアは微笑みかける。
だがその微笑みは、悪意のこもった。ブーンとドクオは、身震いした。

「あなた達と無駄話をするつもりは無いわ。核を壊すつもりなら、即座に殺させてもらう」

やはりあれが核であったか。
と、納得したドクオだが、今度はそれ以上に目の前の人間に注意を引かれる。

なんと、オルミアの虹彩が紅く染まり、両の手が黒く変色し、その先から鋭利な長い爪が姿を現したのだ。
そして次には、ブチリと繊維の切れる音がしたと同時に、オルミアの背中から紫色の翼が生えてきたではないか。



38 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:10:17.91 ID:vh6HcH7A0
「これが……ヴァンパイア……」

ブーンとドクオは、その姿に妙に見覚えがあった。
あの町で戦ったエル。エルと酷似している。当たり前だ、ヴァンパイアだもの。
だが、そのエルとは決定的に違う点があった。

顔の形ではない。オルミアの肌は、いつの間にかその全てが真っ黒な何かで覆われていた。
こちらも見覚えがある。あの時洞窟で戦った山賊、チンポッポに酷似している。
あの時はどうにか助かったが、チンポッポの肌は何物よりも硬く、何者をも受け付けなかったと覚えている。
やはりチンポッポはオルミアの刺客であったか。納得すると同時に、ブーンもドクオも焦慮の色が顔面に浮かんだ。

「さあ。楽に死なせてあげましょう」

やがて真っ黒な身体に紫色の翼、鋭い銀の爪を持った怪物がくぐもった声を発した。
ドクオもブーンもそれぞれ武器を握る手に力を込める。




39 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:11:52.77 ID:vh6HcH7A0
(さて)

ドクオが一瞬のうちに戦い方を考慮する。
オルミアとドクオの距離は遠くはない。
部屋自体があまり広くない分、間合いの距離のつかみ方が難しかった。
それに何より天井が低いため、オルミアの翼は攻撃回避と言う点ではあまり役に立たないが、地形を無視しし、それなりの速度を持って戦われることは厄介であった。

(どうしたもんか)

円形の部屋の中心に、最強のヴァンパイアの核がある。
自分達の目的はそれの破壊、だがオルミアの目的はそれの保護だ。
戦で大将を打てば勝利となるように、オルミアを倒さずとも、核を潰せばその時点で自分達の勝利。
だが、オルミアもそれだけは死守してくるだろう。

その逆を突く。
ドクオの考え出した結論はそれだった。

「うし、ブーン! サポート頼む!」

「おk!」

ドクオは短くいうと、次の瞬間には動き出していた。
ブーンも同時に、オルミアとは距離を取り、術での迎撃、補助が出来る体制をとる。

「無駄なことを」

すぐにオルミアも小さく旋回し、ドクオへと向かう。
が、オルミアも馬鹿ではない。
ドクオの目線が核に向いていることに気づいたオルミアは、ドクオと核の直線状に素早く回り込み、鋭利な爪でドクオの肌を切り裂こうとする。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:12:52.68 ID:bhbQJn6GO
マジレスするとつまらない^^

終わってから見直してごらん?^^

あまりのつまらなさに吐気がするよ^^

41 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:13:19.52 ID:vh6HcH7A0
だがしかし、ドクオは一流の剣士。
並ならぬ反射神経を駆使し、退魔銀の剣で攻撃を受け流し、そのまま寝かせた剣を返しての一撃。
横にしたVの字の如くうねった剣は、だがやはりオルミアの腕によって止められていた。

「ぐ……!」

退魔銀の剣をもってしても灰にならない。
一撃浴びせてみて、やっと実感した恐怖だ。本当に無敵な研究していたのかよ。
加えて、ドクオの力にびくともしない皮膚。
この感覚に、ドクオは覚えがある。チンポッポと戦ったときの感覚だ。

ドクオの脳に蘇るあの時の光景。
あの時自分は気絶し、ブーンに聞いた話では、チンポッポはやがて自分の身を崩してしまった。
でも、その時のようにいかないのは、ドクオも十分承知している。
どうするか。このまま鍔迫り合いを続けても意味はない。


その時だった。ドクオの後方から迫り来る一筋の雷光が彼の目前まで出てきたのは。

「!!」

42 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:14:42.10 ID:vh6HcH7A0
オルミアもドクオも、同時に間合いを開けるが、電撃の筋はオルミアへの進撃を止めることがない。
言わずもがな、ブーンの後方支援だった。

ブーンは何も考えずにその雷撃を打ったのだろうが、ドクオの頭にはそれの所為で一つの策がフラッシュバックしていた。


「ブーン。もう一度雷撃を、お前の全身全霊を込めて頼む」

オルミアが雷撃をたやすくその右手で受け止めたとき、ドクオはオルミアに聞こえないように、ブーンに小さな声で言った。
ブーンもいちいち理由を問うことはしない。唯うなずき、もう一度詠唱に入る。

「小癪なことを」

詠唱をするブーンを見つけ、オルミアがそちらへ向かう。

「阿呆が! ブーンにかまってる暇あんの?」

だがしかし、ドクオはブーンを庇おうとはしない。
あくまで目的はオルミアを倒すことではない。核を潰すこと。

ドクオが剣先を向けたのは、オルミアが何としても守りたい核。
オルミアもそれに気づくなり、すぐに舌打ちをしてドクオの前方にすぐ追いつく。
今にも核のカプセルを突き刺しそうなところまで来ていたドクオの剣は、オルミアが突き出してきた爪によって受け止められるはずだったのだが、ドクオはオルミアが自分を追い越した瞬間に身体ごと軌道を変える。
オルミアはその様相外の動作に動揺し、一瞬だけ身を止めてしまう。

43 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:16:12.53 ID:vh6HcH7A0
「今だ!!」

ドクオはそのまま、走った勢いとともに向かいの壁を蹴り、円形の部屋の壁を添う形で飛び、同時に剣の遠心力を最大限に駆使し、寝かせたまま振りぬく。
剣は、壁際に設置されていた、水溶液が満タンに入ったカプセルを次々と薙ぎ、その中身を放出させる。
核に注意を向けていたオルミアは部屋の中心辺りにいたので、容赦なく、勢いよく噴出する水溶液を浴びせられた。

「くっ!」

そしてオルミアが水を振り払おうとしたその一瞬、何よりも速く駆け抜ける一筋の巨大な閃光が。
ブーンが魔力を最大に込め、放った電撃の筋。
それは、気をそらしたオルミアの身体に容赦なくふりかかり、その身を焦がす。

「しかしこの程度の電撃など!!」

不意をつかれたオルミアは全身でその雷撃を受け止めるも、だがやはりオルミアにその手は通用しなかった。
水溶液により電流の通りやすさを増したとしても、やはりチンポッポと同じく効果はあまりない。

ならばドクオの目的は?
勿論、雷撃によるショックを狙ったわけではない。

44 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:17:46.56 ID:vh6HcH7A0
「うおおおぉおぉぉおお!!」

壁を蹴った勢いを殺さぬまま、ドクオの剣がオルミアに向けられる。
オルミアもすぐに反応し、爪で攻撃を受け止めようとする。

だが。

「クッ………!!」

いくら表面を硬質化して防御を高めようと、オルミアはその全てを硬質化させているわけではない。
先ほど雷撃を受け止められた胴は確かにそれを無効化させたが、そこから貫通するかのように、雷撃は無防備な翼にダメージを残していた。

神経は、全てが繋がっている。
彼女にその意識はないだろうが、電撃は翼から全身を伝い、ほんの一瞬の麻痺症状が出る結果が生まれた。
全てがドクオの算段どおり。ドクオは唯この一瞬だけを狙っていた。
オルミアが反応しない体の中、唯一動かせる目で見たのは、口元をにっと吊り上げたドクオの顔と、退魔銀の剣。

「終わりだあぁああ!!」

ドクオが剣を振り下ろすと同時に、その腕に暖かい光が降り注ぐ。
ブーンの補助、身体強化術。腕の筋力を無理やり増強させる荒い技だ。

ドクオの一撃は先ず、硬質化していない両の翼を根元から切断。
その瞬間、そこから噴出したどす黒い潜血から身をかがめるように姿勢を崩す。
そして軸足に力を込め、剣を思い切り返し、電撃を浴びきった胴を懇親の力で叩ききろうと剣を向ける。

45 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:19:15.46 ID:vh6HcH7A0
「おおおぉおお!!」

硬い。だが、斬れる。
ドクオは直感的にそう感じる。
だから、腕の筋肉が悲鳴を上げても、胴を叩ききろうとするその剣に込める力を抑えなかった。

「ぐうううおあおおおお!!!」

オルミアの絶叫。
見れば、確実にドクオの剣は少し、少しずつオルミアの胴を切り裂いていっている。
ブーンから見れば、まるでそれは木こりが斧による一撃だけで木を切り倒そうとしているようにも見えた。

しかし、ドクオの剣は次の一瞬には、詰まったものが取れたかのように、勢い良くオルミアの胴を裂いた。

「あああああああああああああ!!!!!!!」

オルミアが叫び狂う。
見れば、その身体は光に包まれながら、段々と灰に化していっているのが分かる。
分断された腹の辺りから、上半身も下半身も、全てが。
灰の粉塵は、どこから吹くのかわからない風に吹き飛ばされ、四散していった。

やがて、下半身が全て灰に化した時、オルミアの上半身はもはや頭だけを残すものとなっていた。
そのオルミアの頭と。ドクオもブーンも眼があった。


形容できないほど、恐ろしい形相だった。
この世に悪魔と呼べるものがいるならば、間違いなくオルミアだろうと。
二人は直感的にそう思った。
思った瞬間、その頭も消え、オルミアを包んでいた光も全て消え、気がつけばそこは、元のじめじめした部屋に戻っていた。

46 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:21:06.60 ID:vh6HcH7A0
「終わっ……た」

ドクオが剣を落とし、背中から身を落とし、大の字になって寝そべる。

「快癒……してやるお」

ブーンも大きい術の反動か、少し息を切らしながらドクオに快癒をかける。
ドクオは自分の身を包むその暖かい光に、昨日ミルナがかけてくれた快癒を思い出していた。

「腕、動くかお?」

ブーンの声に応え、ドクオは両の腕をぶらんと動かして見せた。
身体増強による腕力の強化は筋肉に多大な疲労を与えただろうが、快癒の影響もあって、なんとか動かせるほどではあるらしい。
ブーンはホッと一息ついたが、しかしその目は次にはドクオでなく、ある物に向けられていた。

ドクオも頷き、剣を取り、杖にして起き上がる。

「さて、俺たちの最後の仕事だ」

「うん。これで最後、だお」

二人とも、部屋の中心にある核へと近づく。

その瞬間、ピキリと鈍い音。
核のガラスが割れ、中のヴァンパイアが自我をもって飛び出そうとした、まさにその刹那だった。
ブーンには考えられないほどの反応の速さでドクオが剣を一直線に突き出し、そしてその刃先は確実に核の心臓を捉えていた。

47 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:22:13.89 ID:vh6HcH7A0
「…………」

核のヴァンパイアも何も反応できなかった。
ただ、あっけにとられたような顔で、すぐにその身を全て灰にした。

もう少し遅ければ、退魔銀に完璧に耐性をつけたヴァンパイアが誕生していた。
ブーンは思わず冷や汗をかき、ドクオもそれを見終えた後に、剣を落とした。

「これで終わりだな。あー、つかれた。腕やっぱいってえ」

そしてもう一度寝そべるドクオを見ながら、ブーンはやっと全てのことが終わったのだと。
安堵して、ドクオとともに寝そべった。

「っていうか僕ら、もう国民的英雄だお」

「バーロー。ヴァンパイアの研究のことなんて政府も知れない極秘裏で動いてたんだ。
 今更国に報告したところで誰も信じちゃくれないさ。いわば俺らはあれだな、影の英雄だ」

ドクオの言うことはもっともだった。
魔術士もヴァンパイアも殲滅した今、この国をどうにかしようとする連中もいなくなったけど。
それを誰かに言ったところで信じてもらえるわけがないのだ。



48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:23:02.64 ID:Yxgjkv7iO
支援

49 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:23:30.86 ID:vh6HcH7A0
「しっかしまあさ」

「ん? なんだお?」

「俺らって言うのは、第二次トリーシャ様みたいなもんなんだな」

ドクオの言葉に、思わず笑みがこぼれた。
トリーシャ。ブーンも憧れていた存在。その人に近づけたことに。

だから二人とも、ただそれだけで。
自己の満足だけで、後のことはどうでも良く、不思議な安堵感に包まれていた。


第弐話:完

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:24:07.07 ID:Yxgjkv7iO
支援

51 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:24:36.14 ID:vh6HcH7A0
ブーンがセイント(聖者)になったようです。

エピローグ「神官の手記」


この世に悪があるとしたら、それは人の心だと。
そういった人間もいた。あながち、間違っちゃいないと思う。
人間がいなければ、悪という感情は生まれないだろうから。

だから、本当の悪が何だったのかは僕にも実際よく分からない。
トリーシャ様が昔倒した悪と言うのはヴァンパイアで、オルミアたちがもし、その子孫だったのなら、オルミアたちにとってそれは正義になったのだろう。
要するに感じ方の問題なのだ。だから難しい。

まあ、どうでもいいことではあるが。

52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:25:49.78 ID:Yxgjkv7iO
支援

53 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:26:12.55 ID:vh6HcH7A0
結局その後、ミルナ様の姿はもう見ていない。
外に出たとき、魔術士もヴァンパイアも全員殲滅されていた。
けど、ミルナ様の姿もなかった。おそらく、僕らがオルミアを倒したからだろう。
もともとミルナ様は死人。オルミアの力を受けていたにすぎない。
悲しかったが、平和の代償だった。ショボもクーも、ほんの一瞬再開できただけでも幸せだったと納得してくれた。


ドクオはと言うと、やはり詰め所に戻ったようだ。
ブーンの警護をしている時に、詰め所には報告もよこさずそのまま付いてきていたのだから、ドクオの扱いは行方不明になっていた。
そして不幸なことに、リスボン崩壊が同時期に起きる。
何日たっても帰ってこないドクオを、仲間達は皆リスボンで死んだものだと思っていたから、ドクオが町に帰ってきたときはたいそう驚かれたものらしい。

そうそう、彼の持っていた退魔銀の剣だが、やはり僕が預かっている。
また何か起こったときのために、今度は僕がこの剣を持つにふさわしい人間を見つけ、育てていかなければならないのかもしれない。

54 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:26:49.81 ID:LUaf88SXO
支援

55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:27:22.69 ID:Yxgjkv7iO
支援

56 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:27:47.29 ID:vh6HcH7A0
ショボとツンは、リスボンへ戻った。
崩壊しきったリスボンだったが、復興を願う二人の気持ちの下、今では立派に栄えた都市となっている。
だが、二人の存続は不明であったりする。
リスボンを立て直す計画を立て、協力してくれる仲間を募ってはいたのだが、リスボン復興作業中、人も多くなってきた頃合にぱったりと姿を消してしまったそうな。
結局リスボンは復興したのだから、もしかするとひっそりとリスボンに住んでいるのかもしれないし、どこか山の奥にでも住居を構えているのかもしれない。

だから、ショボとツンとはあれ以来もう会っていない。
退魔銀の杖も、ツンの子孫に受け継がれていくのだろう。少なくとも僕は、それで良いと思う。



そしてクーと僕はと言うと、実を言うと両方孤児で。
それでミルナ様に引き取っていただいたものだから、山奥の修道院が潰れてしまった今、行き場所がなかった。

仕方なくオズヴァから一番近かった帝都に住み着き、教会に住み込みで働くようになった。
そしてその内、術力が認められ、僕は今のこの地位を獲得したと言うわけだ。
ちなみにクーも神官として、帝都の教会で現役中。

まあ、大神官なんて僕にはお似合いじゃあないけどね。
僕より優秀だったクー、そしてミルナ様よりも上の地位に行ってしまうなんて、何だか気が引ける。
ちなみに右目は、義眼をしているものの、やはり視力は二度と戻らなかった。

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:28:11.22 ID:j3XBNGfS0
支援

58 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:29:14.21 ID:vh6HcH7A0
まあそんなこんなあって、世界は今も平和です。
最初にも言ったが、僕はやっぱりこんな身分になっても神様の存在なんか信じちゃいない。
神様がいるなら、全てを善へと導いてくれるのだろうから。
そうしたら、何かで悲しむ人も、悪という言葉さえも存在しないだろう。

あくまでこれは僕の論理。
もしかしたら、神様はいるのかもしれない。

だけど、未来って言うのは神様っていう寄り辺が作ってくれるものじゃない。
僕達一人一人が作り上げていくものだ。
その経緯が、僕は大事だと思っている。


僕がセイントになったのは、突拍子もない偶然だけど。
そんな偶然だって、人が作り上げた必然なんだ。


そのことが善だったか悪だったか……?
それは、あなたの中で決断してみてください。

                           〜大神官ブーンの手記 終章より〜



( ^ω^)ブーンがセイントになったようです:完

59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:29:25.98 ID:LUaf88SXO
支援

60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:30:15.65 ID:Yxgjkv7iO
支援

61 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:31:10.32 ID:Yxgjkv7iO
支援

62 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:31:57.95 ID:vh6HcH7A0
はい、これにてセイント終了です。
支援してくださった数少ない友達ありがとう。
どうにか終えることが出来ました。

正直、ムチャクチャな終わり方でした。
プロットも立ててないし、暫くかいてなかったから腕も鈍っちゃって。
地の文を書きながら、同じ表現の使いまわし等めだって、本当にへたくそになったなと実感しました;

もう、あれですよ。
リプレイとか抗護の作者とか尊敬します。
自分、日常も戦闘も書くの本当に下手。
テンポよく書ける大御所作者達がうらやましくて、同時にかなわないなぁと実感してしまいました。

まあいいや。
終わりよければ全てよし。
ありがとうございました。

63 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:32:54.40 ID:vh6HcH7A0
D:Yxgjkv7iOは間違いなく僕の友達…。

八月にはおそらく次回作を投下します。
ではそれまで。

っと、まとめのひとが帰ってくるまでセルフ保守せねば。

64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:36:01.84 ID:j3XBNGfS0

久しぶりにおまえさんの作品が読めて、嬉しかったんだぜ

65 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:37:35.79 ID:vh6HcH7A0
Thanks
適当な作品でごめんよ

ちなみにモチーフにした作品はIndeTerminatePLUSです
ぱくってはいないけど、このゲームに影響されて書きました('A`)

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:39:04.10 ID:sgwcRLGsO
吸血鬼狩人の続きは書かないの?

67 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:39:57.84 ID:vh6HcH7A0
吸血鬼狩人は自分の作品ではありませんので……いやはや

68 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:41:04.08 ID:Yxgjkv7iO
乙!次回作は放置しないでくれよwww期待してるぞ。

あと、保守はまかせろ。

69 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 20:43:29.97 ID:vh6HcH7A0
夏は半ニートなんで放置しないっすwwwサーセンwww
次回作はちゃんと顔文字つきで書きます。

保守すまぬ

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:45:41.08 ID:hwIQFvHTO

次回作にも期待

71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:50:40.01 ID:6CPuzQHT0
( ´_ゝ`)「そのまま死んでいいよ。私は困らない」 

72 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 20:56:42.84 ID:Yxgjkv7iO
保守

73 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:01:00.60 ID:sgwcRLGsO
>>67
勘違いスマン
ところで魔道士の続き(ry

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:01:39.53 ID:Yxgjkv7iO
保守

75 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 21:01:46.45 ID:vh6HcH7A0
( ^ω^;)

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:08:35.62 ID:Yxgjkv7iO
へは

77 名前: ◆X5HsMAMEOw :2007/07/07(土) 21:14:18.38 ID:vh6HcH7A0
('A`)

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:14:25.66 ID:Yxgjkv7iO
保守

79 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:17:40.61 ID:xZXzDy/JO
保守兼乙

80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:22:29.34 ID:r/SNePBs0
豆男はデブらしい保守

81 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:22:53.27 ID:D+pUWf8q0
あじゃぱー

82 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:27:21.77 ID:Yxgjkv7iO
保守

83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:33:38.22 ID:Yxgjkv7iO


84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:38:53.30 ID:Yxgjkv7iO
( ゚д゚ )
(´・ω・`)
( ^ω^)

85 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:44:01.11 ID:Yxgjkv7iO
保守

86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:45:28.31 ID:qSNgpTE/0
ID:Yxgjkv7iO 落とせよ

87 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:49:38.02 ID:ukWqfK2xO
待っていたぜ!完結おめでとう!
   /⌒ヽ
  ⊂( ^ω^ )
   ヽ ⊂ )
   (⌒) |
    三`J
    どどどどど…

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:50:41.37 ID:BALiHES3O
ちんこを晒せば人は集まる。
そしてスレは自動的に保守状態になる。
あとは言わなくても分かるよな

89 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:51:26.53 ID:ukWqfK2xO
次回作、期待してるぜ!
  /⌒ヽ      
 ( ^ω^)     
 (っ ≡つ=つ  
 /   ) ババババ
`( / ̄∪

90 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:57:08.12 ID:Yxgjkv7iO
>>86
>>20


91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 21:58:50.27 ID:j3XBNGfS0
ほほ

92 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:04:53.55 ID:Yxgjkv7iO


93 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:11:17.66 ID:Yxgjkv7iO
MONSTER

94 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:16:49.55 ID:Yxgjkv7iO
保守

95 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:22:28.61 ID:Yxgjkv7iO
保守

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:30:59.46 ID:Yxgjkv7iO


97 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:40:10.64 ID:Yxgjkv7iO
MONSTER

98 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:46:26.71 ID:Yxgjkv7iO
保守

99 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:52:24.60 ID:Yxgjkv7iO
保守

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:53:55.91 ID:glfqQBFA0
やっと、100いったな。

101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:54:55.22 ID:j3XBNGfS0
100おめ

102 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 22:58:13.48 ID:Yxgjkv7iO
セイントスレが初めて100突破したか。
無理矢理感は拭えないが。

103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 23:06:12.56 ID:Yxgjkv7iO


104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/07(土) 23:09:40.55 ID:Yxgjkv7iO
保守

105 名前:まとめのひと :2007/07/07(土) 23:10:51.44 ID:c42b87P60
すみませんおまたせしました・・・
保守がんばってくれたID:Yxgjkv7iOさん、どうもです
すぐまとめますね


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