ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:02:39.28 ID:rx33umKq0<> 遅れました。申し訳ない。
ttp://boonsoldier.web.fc2.com/tomeru.htm
<>( ^ω^)がξ゚听)ξを止めるようです
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:03:56.05 ID:rx33umKq0<> 第十五話
目の前で何が起こっている?
何故、クーが血だらけになっている?
何故、クーの胸にナイフが刺さりそこから真っ赤な血が出ている?
何故、クーが死にかけている?
(;^ω^)「クーさん!!」
僕は銃をセント・ジョーンズに向け叫んだ。
川 - )「ブー……ン、逃げろ……」
(’e’) 「なんだァ……?お前まだいたのかァ」
(;^ω^)「クーさんから離れるお!!」
(’e’) 「勇ましいこったなァ。ケケケ」
(;^ω^)「ぐ……」
早く。早くなんとかこいつから逃げなければならない。
こうしているうちにもクーから血は流れ続けている。急所は外したようだが、このままで出血で死んでしまう。 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:06:02.06 ID:rx33umKq0<> (;^ω^)「早く!離れるお!じゃないと撃つお!!」
(’e’) 「撃つ、だってェ?ククク」
(;^ω^)「な、なんだお!?」
(’e’) 「ブヨブヨしたクソガキがほざいてんじゃねぇぞ!!いっちょまえに銃なんて持ちやがって。なめてんのかてめぇ」
(;^ω^)「……く」
確かにそうだ。
僕は銃の扱いはまだ全くの初心者。
あのクーでさえやられたのだから、僕が勝てる見込みなんて万に一つも無い。
だが、ここで逃げるわけにはいかない。
なんとしてでもクーを助け、この場を離れなければならない。
クーの命はもちろんだが、僕にはまだ、やるべきことが残っている……!!
(;^ω^)「早く、離れるお!!」
(’e’) 「てめぇ……まだ言うか」
(;^ω^)「……なにを」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:08:46.55 ID:rx33umKq0<> 狙いは、定まった。
射撃場で、あの的には当てられたんだ。この距離で外すはずが無い。
あと必要なのは、勇気だ。
引き金を引く勇気。
引き金を引いたことにより起こる未来を、背負っていける勇気。
それだけだ。
(;^ω^)「……ぐ」
引き金に指をかける。異常に銃が重く感じる。
かすむ視界を瞬きでなんとか回復する。
(’e’) 「……お前、どこまで俺を馬鹿にすりゃあ気が済むんだ……!!」
川 - )「ブー……ン、はやく、逃、げ……」
(’e’) 「てめぇは黙って死んでりゃいいんだよォッ!!」 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:11:13.90 ID:rx33umKq0<> セント・ジョーンズが倒れているクーを蹴る。執拗に、何度も、何度も。
その場に、クーの痛々しい悲鳴が響く。
川 - )「ぁぁっ、ぐっ、あうっ、あ、ああああああああああああああ……っ!!!!!」
(;^ω^)「やめるお!!」
何も考えず、何も思わずに僕は引き金を引いた。
銃声と共に、猛烈な反動が腕に伝わる。しっかりと構えていなければ脱臼するほどの威力だと、クーが言っていたとおりだ。
だが、僕の放った弾はセント・ジョーンズには当たらなかった。
弾は激しく目標をそれ、壁を砕け散らせた。
(;^ω^)「……う」
(’e’) 「なめんなクソガキがぁっ!!」
こちらに向かってくるセント・ジョーンズ。
恐ろしさから、僕はただ狙いもつけずに弾丸を放った。
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:13:11.31 ID:rx33umKq0<> (;^ω^)「ああああああああああああああああああああッ!!!」
当たらない。
セント・ジョーンズの速度が異常なのも理由だろうが、当たらない理由はほかにあった。
僕は、無意識のうちに狙いをそらしている。
殺さないように。
当たらないように。
そうだ、僕には、覚悟が出来ていないのだ。
人を殺し、その罪を背負う覚悟が。
(;^ω^)「っ!!」
カチン、と、銃が音を鳴らした。
弾切れの合図。
僕にとっては死を告げる音だった。 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:14:26.38 ID:rx33umKq0<> (’e’) 「悪運尽きたなァ!死ねやァ!!」
ナイフを構えたセント・ジョーンズが迫る。
(;^ω^)「うああああああああああああああああああっ!!!!」
カチン、カチンと、弾の入っていない銃を引き絞る。
ぎらり、とクーの血がついたナイフが光った。
嫌だ。
死にたくない。
死にたくない。
まだ、死にたくない。
<>
ネットカフェ難民(神奈川県)<><>2007/04/18(水) 00:14:31.47 ID:/EuHk0CG0<> 支援 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:14:57.77 ID:rx33umKq0<> だってまだ18年しか生きていないじゃいか。
まだまだ、やりたいことはいっぱいある。
……やらねばならないこともある。
目を閉じた。
ドクオ、ショボン、ヒッキー、モナー先生、伊藤先生……
そしてカーチャンの顔が浮かんだ。
最後に顔が浮かんできたのはツンだった。
死を、感じた。その時だった。
「悪運尽きてんのはてめぇだよっ!!!」
喚起ダクトから人が飛び出してきた。 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:16:45.48 ID:rx33umKq0<> 響く声。
同時にガキン、という金属同士がぶつかり合う音。
(’e’;) 「てめぇ……まだ生きてやがったのかァ!?」
「てめぇのナイフなんざ効きゃあしねぇよ」
僕はこの声の主を知っている。
(;゚∀゚)「あぶなかったなぁ、ブーン!!」
(;^ω^)「ジョルジュさんっ!!」
僕の前に立ちはだかり、セント・ジョーンズのナイフを銃で受け止めた背の高い男。
ジョルジュだった。
(’e’;) 「く……」
飛びのくセント・ジョーンズ。
ナイフを構えなおし、ジョルジュと向き合った。
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:17:55.49 ID:rx33umKq0<> (;゚∀゚)「てめぇ、よくもクーを」
(;^ω^)「ジョルジュさんっ!クーさんが!クーさんが!」
(;゚∀゚)「ああ。すぐに済ませるからちょっと待ってろよ」
(’e’;) 「てめぇ……!!」
(;゚∀゚)「雑魚は黙ってろよ。不意打ちで俺をしとめた気になってんじゃねぇよ」
(’e’;) 「なにを……!!」
そうは言っても、ジョルジュの体からはポタポタと血が流れていた。
(;^ω^)「……!!」
(’e’;) 「強がってみても、傷は浅くないようだなァ」
(;゚∀゚)「てめぇなんざ手負いでも余裕だぜ。ハンデだハンデ」
そういって銃を構えた。
クーと同じ、M92。
(;゚∀゚)「ブーン、クーを頼む。止血くらいは出来るだろ」
(;^ω^)「は、把握だお」
(’e’) 「何をゴチャゴチャとォッ!!」 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:19:24.29 ID:rx33umKq0<> (;゚∀゚)「早く行け!!」
叫ぶやいなや、ジョルジュは弾丸を放つ。
打ち出された弾丸は、空を切りセント・ジョーンズに向かいーーーナイフではじかれた。
(;゚∀゚)「うおっ!!マジか!?」
(’e’) 「元自衛官だろうがなァッ!満足に人も殺せないようなやつには、俺は殺せねぇんだよォッ!!」
振られたナイフを、ジョルジュはバックステップでかわした。
その隣を、僕はクーに向かって駆ける。
(’e’) 「誰が通っていいっていったよォッ!!??」
(;^ω^)「!!」
(;゚∀゚)「てめぇの相手は俺だろうが!!」
僕に向かってきていたナイフを、ジョルジュは撃ち抜いて弾いた。セント・ジョーンズの手から、ナイフが落ちる。
(’e’;) 「!!」
(;゚∀゚)「今だ!」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:20:08.03 ID:rx33umKq0<> (;^ω^)「クーさん!」
川 - )「ぶ、ブーン……」
(;^ω^)「もう大丈夫だお!ジョルジュさんがきてくれたお」
胸に刺さるナイフをつかみ、引き抜いた。クーは少し呻き声をあげた。
(;^ω^)「(……腕からもそうだけど、胸からの出血がひどいお。早く、止血しないと)」
手持ちのハンカチなんかでは到底間に合わない。
僕は上着を脱ぎ、歯で破るとクーの胸に押し付けた。
川;V-V)「す、すまない。ブーン」
(;^ω^)「何を言っているんだお」
破って出来たもう一枚の布を、クーの腕に巻きつけた。
川;V-V)「ジョルジュは?」
(;^ω^)「……大丈夫、ですお」
(’e’) 「……ナイフを銃で落とすかァ普通」
( ゚∀゚)「いやぁ。たまたまさ」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:21:07.96 ID:rx33umKq0<> (’e’) 「たまたまだァ?」
( ゚∀゚)「ああ。お前の頭を狙ったつもりが、たまたまナイフに当たっちまったのさ」
(’e’) 「……抜かせ」
静かに言うとセント・ジョーンズは跳躍した。ジョルジュに向かい、真っ直ぐに。
バァン!!
銃声と共に空中のセント・ジョーンズへ弾丸が走る。
撃ちだされた弾丸はセント・ジョーンズには当たらずに天井の電灯を砕き、ぱらぱらとガラス片と撒き散らした。
その中から、セント・ジョーンズはナイフを構えてジョルジュに飛び掛る。
(;゚∀゚)「っ!!」
(’e’) 「らァッ!」
すんでのところでジョルジュは斬撃をかわした。前髪が、少し切れた。
それだけでは終わらない。セント・ジョーンズのナイフが追撃してくる。一振り、二振りと、目の前をナイフが通過する。
三回目の斬撃を、銃のバレルで受け止めた。
しかしセント・ジョーンズが使っているのは二刀のナイフ。自由なほうのナイフをジョルジュに向かい突き立てた。
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:22:13.88 ID:rx33umKq0<> だがナイフがジョルジュに到達する前に、セント・ジョーンズは腹に強い衝撃を感じた。
ジョルジュの、腹部に対する前蹴りだ。
(;゚∀゚)「離れろ!くそっ!」
前かがみになったセント・ジョーンズに向かい銃を突きつけるジョルジュ。
(;゚∀゚)「!!」
(’e’) 「ぉあッ!!」
追って飛んできたのはセント・ジョーンズの蹴り。銃を持っていない方の腕でそれをガードすると、再び銃口を向け、引き金を絞った。
(’e’) 「!!」
バァン!
赤い血が、宙を舞った。
トン、とセント・ジョーンズは後ろにとんだ。その腕からは、ポタポタと血が流れている。
(’e’;) 「ぐ……」
( ゚∀゚)「迂闊だったな」 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:22:48.60 ID:rx33umKq0<> ’e’;)「てめェ……よくもォッ!!」
セント・ジョーンズはナイフを突き出す。
だが、突き出された腕を、ジョルジュはつかむ。勢いをそのままに引き寄せると空いた腕で腹部に肘打ちを食らわせた。
そしてそこを支点にして、つかんだ腕を思いっきり引っ張りあげた。
セント・ジョーンズは、宙を舞った。
床に叩きつけられた後一転、二転と転がり、壁にぶつかり体は止まった。
(’e’;) 「……ぐ、な、なに……?」
(;^ω^)「す、すごいお……」
( ゚∀゚)「立て」
(’e’;) 「くそ……」
起き上がるセント・ジョーンズ。ナイフを取り出そうと、腕を動かした。
だが、その腕はブラン、と垂れさがるだけだった。
(’e’;) 「!?」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:24:32.72 ID:rx33umKq0<> ( ゚∀゚)「無駄さ。投げたられときに、肘をくじいたはずだ」
(’e’;) 「……」
( ゚∀゚)「これで、もう両手は使えないな」
終わりだな、と、隣でクーが言った。
(’e’;) 「くそ……」
( ゚∀゚)「……そういう訳だ。ギコ一等海佐、これで終わりです」
(;^ω^)「ギコ……?」
( ,,゚Д゚)「ほいよ。お疲れさん」
(;^ω^)「え?ギコさん?」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:25:23.95 ID:rx33umKq0<> いつの間にか、後ろにギコが立っていた。その後ろからは武装した自衛官が何人も立っている。
( ,,゚Д゚)「このビルは自衛隊が奪取したよ、大尉。プギャー中将の悪運も尽きたなぁ」
(’e’;) 「……な」
( ゚∀゚)「…ギコ一等海佐、クーを」
( ,,゚Д゚)「ああ。ブーム、頼む」
| ^o^ |「だいじょうぶですか クーさん」
川;V-V)「なんとか……」
( ゚∀゚)「まぁ、そういうわけだ。セント・ジョーンズ大尉」
( ,,゚Д゚)「連れて行け」
ギコが部下に命令を出し、セント・ジョーンズは抵抗する素振りも見せないままに確保された。
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:26:00.82 ID:rx33umKq0<> *
( ・∀・)「あぶないところだったね。ドクオ君、ショボン君」
从;゚∀从 「モララー司令……?」
(;^Д^)「な、なんだこれは……?」
プギャーやその部下のまわりを、数人の自衛官が囲んでいた。
( ・∀・)「中将が無断で軍を動かしているという情報を、アサピー中将がつかまれたのです」
(;^Д^)「な……!?アサピーだと?もう、日本にいたのか?」
激しく狼狽しているプギャー。その時、モララーの後ろから、コツコツと誰かが歩いてくる音が聞こえた。
(-@∀@)「お久しぶりです、プギャー中将」
軍人らしからぬ、温厚そうな見た目を持つ男。だが、その風格は間違いなく軍人のそれだった。
階級賞はプギャーと同じ、中将を示している。
(;´_ゝ`)「アサピー中将……?」
(´<_`;)「なんと」 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:26:54.62 ID:rx33umKq0<> (;'A`) 「い、一体誰なんですか?あの人は?」
从;゚∀从 「アサピー中将。米第五艦隊の司令官さ」
(-@∀@)「プギャー中将。あなたは軍法会議にかけられることになりました」
(;^Д^)「……な」
( ・∀・)「第七艦隊が攻撃を受けた時に、退避命令を出さなかったがために多数の死者を出した件」
(-@∀@)「そして、此度の軍の無断使用です。……では、モララー司令」
( ・∀・)「はっ」
モララーが手を上げると、プギャーを囲んでいた米兵はすべて自衛官により連行され、遂にはプギャーただ一人になった。
(;^Д^)「……馬鹿な」
( ・∀・)「暴かれるときがきたのですよ、中将。あなたの数々の横暴が」
(;^Д^)「わ、私は認めないっ!!セント・ジョーンズ!何処だ!?助けに来い!!」
( ゚∀゚)「セント・ジョーンズならもう連れて行かれたぜ」
<>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:27:30.58 ID:rx33umKq0<> (;^Д^)「な」
(;'A`) 「ジョルジュさん!」
不意に、現れたのはジョルジュ。血の滲んだ包帯が、ところどころに巻かれていた。
( ゚∀゚)「……危なかったですね、局長」
从;゚∀从 「あ、ああ、でもなんで」
( ゚∀゚)「ギコ一等海佐が助けてくれました。クーとブーンも無事です」
( ^ω^)「……そういうことだお」
('∀`) (´・ω・`)「ブーン!!」
( ^ω^)「ドクオ、ショボン。無事でよかったお」
(;^Д^)「……馬鹿な」
(-@∀@)「横須賀基地の独房は、なかなか酷い環境だそうですね、プギャー中将」
( ・∀・)「ええ。いまの形になったのはプギャー中将の命令によりますがね」
(-@∀@)「あなたの身で確かめて見るといいですよ。中将」
( ・∀・)「連れて行け」 <>
ゲーデル(千葉県)<><>2007/04/18(水) 00:27:56.01 ID:rx33umKq0<> プギャーは最後まで何かわめき散らしていたが甲斐なく連行されていき、技術研究本部を襲っていた非常事態は一応の終結を迎えた。
夜はふけているが東京らしくあたりは明るく、日付が既に変わっていることに気がつかなかった。
新しい日がやってきたのだ。
今日になれば、ツンは再び活動を始める。第五艦隊も横須賀に入港した。今日の夕方には自衛隊の特別艦隊も横浜に到着する。
役者はそろった。
最後の結末を迎える日が、始まった。
ーーーーーーーーー第十五話「最後を迎える最後の日」完 <>
40歳無職(樺太)<>sage<>2007/04/18(水) 00:29:34.48 ID:1WaIk6+UO<> おもしろかた <>
ネットカフェ難民(神奈川県)<><>2007/04/18(水) 00:29:55.77 ID:/EuHk0CG0<> 乙 <>
ドラッグ売人(埼玉県)<><>2007/04/18(水) 00:30:05.73 ID:LdV6nTxN0<> 乙!! <>
うどん屋(樺太)<><>2007/04/18(水) 00:53:54.74 ID:liKWdHwpO<> あと何話くらいだ? <>
巫女(アラバマ州)<><>2007/04/18(水) 01:04:12.47 ID:WKgfhtHQ0<> 乙!
続きが早くみたいぜ <>