( ^ω^)ブーンは死んでいるようです
- 1 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:44:23.33 ID:d1Wx74hb0
- g <ナイスバディ
- 2 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:45:18.11 ID:d1Wx74hb0
- #08 ニフティ
- 3 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:49:20.45 ID:d1Wx74hb0
- ハンドルがぐるんぐるん回る、黒の乗用車。運転する女の目からは、滾る血潮のような涙。
彼女の中で葛藤を繰り広げた意思達は、額に浮き出た血管に、まさに地図上の山脈の如く、そりゃもうくっきりと跡を残しております。
……人がいいって、悲しいね。
川 ゚ -゚)「WRYYYYYYYYYYY!!!!」
すみません、クーさん、これはそんな話ではなかったハズですが。
いつから車道でドリフト決めるような人になったんでしょう、さっき見た時の美人だった顔はどこいったんでしょう。
(´・ω・`)「やはりヒタヒタ堂の鯛焼きは美味いな!」
( ^ω,^)クチャクチャ
( ゚∀゚)「お高いだけあるぜ」
ξ#゚听)ξ ……貴様ら私に対する当て付けか!?
('A`)「いや、しかしマジうめぇなこれ」
川#゚ -゚)「……貴様ら黙って食え……」
- 4 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:49:46.24 ID:d1Wx74hb0
- なんだか、横向きで、タイヤが本来回転なんかしない方向へ車体が動いている気がします。……通常でしたらタイヤにフラット面出来まくりんぐですよ。というか、嫌な予感がします。
草原はいつしか住宅街にかわり、途中灰の山を通り過ぎ、そしてやってきました僕らの街!
久しぶりの風景に、嫌悪感を抱いていたのも忘れ、僕は狭い車内なのにちょっと小躍りしてしまう。とてもなつかしくなって、軽く涙もちょちょぎれちまいます。
……だけどそれは見せられないです、男の子だもん。
(;^ω^)「待て待て待て待て待て」
涙が零れないように上を向いてふ〜んふふ〜んふ〜ん♪などとテンションが上がってきますと、そこへ飛び込む衝撃――――
(;゚ω゚)「めそぽたみあああぁぁぁぁぁぁっっ!?」
そのまま急停車した場所は、何処の豪邸にでもありそうなデカい門の際。……しかし、ピタリと止まりました、これはすばらしいテクニック。
車内にいた僕らは、何処で事故ったんだ、まさにそんな感じに、頭からあちこちに突っ込んだ状態。
悪い事に、僕はツンを抱えたままだったので、衝撃によりお腹が圧迫され、このデカい門が開く前に、僕の門が開いちゃいそうです。
- 5 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:50:11.55 ID:d1Wx74hb0
- 川 ゚ -゚)「ヒート、いるか?」
なんだかんだで、戻った頃には黄昏どき、闇にのまれとても小さく見えるチャイムをクーが押すと、それに対応した声が聞こえるハズなのですが、しばらく返事がありません。
川 ゚ -゚)「おい、ヒート」
途端、あまりに声が聞こえないので耳を済ませていたクーの鼓膜を振動が走る。
『鯛焼きかっっっ!?』
川 ゚ -゚)「……鯛焼きだ」
『よし、じゃあ入れぇ!!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……酷く雑な擬音ですが気にしないでください。
ξ゚听)ξ にしてもデカいわね……
見上げるほどの高さの格子がぎいぎいと開いてゆく。なんという洋館、セレブリティ……広々とした庭を可愛い小犬達が駆け巡り、花は咲き誇り……そして、刃物に血痕、銃弾の跡や火薬の臭い……
セレブリティって、こんなんでしたっけ?
- 6 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:51:12.39 ID:d1Wx74hb0
- 財布を揺すりながら泣き顔になったクーが車を庭の中まで持ってゆくと、またすぐに鉄の格子が閉まる。だがしかし、僕の門は中々閉まりません。
ノパ听)「誰だ貴様らはぁぁぁぁっ!?」
そんな状態に飛び蹴りが来るとは思わなんだ、ついに決壊するストッパー! 失われた理性が、また力を発揮する瞬間が来ようとは!
( ゚ω゚)「D A P P U (ry」
すみません、すみません。
黄土色の悪魔が顔を覗かせ、ハローハロー叫びやがります。圧迫された腹が唸り、食い止めていた最後の砦が、今無惨に崩落しようとは! 小ならまだよかった……さらば、我が青春!
ノハ#゚听)「てんめええぇぇぇぇぇぇぇゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!! 脱糞すんじゃねぇぇぇぇぇぇゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!!」
(;^ω^)「らめええぇぇぇぇぇぇぇゑゑゑゑゑゑゑゑゑゑ!!」
突如現れた拳銃が僕の顳へ。こいつ、なにしてはるんですかぁ!?
ノパ听)「……ここで漏らしたら貴様の頭からも色んなモンが漏れるぞ?」
ナニナニナニ? ……こわい。
- 7 名前: こんぶ漁師(樺太) :2007/04/13(金) 21:51:17.85 ID:QM3WJugwO
- これって一話?
- 8 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:51:49.14 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「あ、みなさんよくきたなぁぁぁぁっ!? とりあえず中まで案内するぜえぇぇぇぇっ!」
周りに客やらがいるのを忘れていた彼女はハッと我に帰り、僕に突き付けた拳銃を降ろし、クー達を洋館の中へ案内する。
腹を押さえ(抑え)怯える僕だけ特別扱いですか、そうですか。
最後の砦の崩落を食い止めながら、中へ続く短い列の一番後ろについて入る。門からの長い長い道を行けば、玄関が見えてくる。
道を長く長くしないで、まずはトイレをください。
ノパ听)「はい、ここ研究所」
(;'A`)「……ここ家じゃねぇのかよ」
彼女の自宅かと思ったら、あらら、研究所。
街に住んでいても、普段からあまり注意深く見てなかったからか場所もイマイチ把握出来てなかった。同じ街にあったのに存在に気付かないなんて、やはり僕らの目はふしあなですかね?
そして、んなことよりトイレは何処ですか?
( ゚∀゚)「はいはい帰宅帰宅、っと」
そう言うとジョルジュは真っ先に中へ。彼らにとっては家同然。
しかしかなり大きい建物ですが、研究所の存在を知っていても、建物の存在はわからないとかあるはずがない、きっといわくだらけの研究所とやらだ、また何かあるに違いない。
例えば、トイレにステルス機能がついてたり……
ノパ听)「……ぶつぶつ五月蝿いっっ!」
(;^ω^)「と……トイレっっ!」
ノパ听)「……漏らすなよっ!? ついてこい!」
- 9 名前: 住所不定無職(茨城県) :2007/04/13(金) 21:51:56.06 ID:LTkt5AXr0
- この手のスレは面白くないのに
保守するバカがいるから困る
- 10 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:52:29.68 ID:d1Wx74hb0
- 僕は背を丸くして懇願する。彼女は一瞬間をおき、すぐに慌てふためき、僕の腕を掴み入口から向かって右へと引っ張る。すると、半分意思とは関係なしに身体がずるずると動き出した。
この瞬間、彼女に対しての僕の中での印象が、『あまり関わりたくない人』から、『悪い人ではないがコワイ人』、にランクアップしていた。
川 ゚ -゚)「とりあえず、顔色の悪い君は医療室行こうか?」
('A`)「……デフォです」
川 ゚ -゚)「……そうか」
―――――――――――――――
長い長い赤い絨毯。(当たり前だが、)昔のベルサイユ宮殿のように庭で用をたせなかった僕は、引きずられるようにトイレへ向かう。
彼女が玄関で慌てたっきり、二人の間にはしばらく沈黙が続いたが、この案内役の女性はあまりに暇なのか、まじまじ僕の顔を見て、いきなりこういった。
ノパ听)「……ところで名を聞いてなかったな! 名前を教えてくれぇぇぇ!!」
僕が出会う人は皆お喋りなんでしょうか。
……今回は多少五月蝿いけれど、やはり名乗ってあげるが世の情け。
( ^ω^)「ラブリーチャーミーなかたき役!」
- 11 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:52:52.60 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「いや、 名 前 だけでいいから」
(;^ω^)「……ブーンだお」
ξ;゚听)ξ ツンです
ノパ听)「……お、そこの骨もちゃんと話せるのな!?」
そのツンの声に、女性は異常な食いつきを見せる。
……つか待ってくれ、今、なんかいった?
まさかまさか、
(;^ω^)「まさか、貴女も死人だと言うんですか!?」
ツンは魂だけの存在、声帯のついていない髑髏で声が出るワケがない。だから、死人以外でツンと話せるのは僕だけだったハズ、今度ばかりは幽霊だと言われようとびびらない予定だった。
ξ゚听)ξ いいえ、彼女は生きてるわよ?
ノパ听)「確かに生きてるぞ、ただ霊感的なモノに優れてるだけだっっ!」
これは予想外、びびりはしなかったものの、違う意味で驚いた。
生前の僕なら信じなかった霊能力の持ち主が実在した……一回死ななきゃわからないことも沢山あるもんだと、僕は心底そう感じ、何かに納得するよう頷いた。
- 12 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:53:23.02 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「申し遅れた、私はヒートという!」
ヒートと名乗る女性、誇らしげに胸を張る。
とりあえず、話は聞けるだけ聞きましょう。
僕はあらたまって、彼女に、あのぅ、と声をかける。
ノハ*゚听)「なんだ? 告白か?」
( ^ω^)「それはない」
ノパ听)「むむ…違うのか」
少々がっかりしたような表情でそう言ったあと、僕に向かってこう叫ぶ。
ノパ听)「着いたぞおおぉぉぉぉぉぉっっ!!」
あぁ、着いたのね。
いつの間にやら、目の前にはトイレ、ウォータークローゼット、べんべん便器な部屋。
僕はツンをヒートに預け、扉を叩き割るかのようなスピードで開き、すぐさま閉める。
- 13 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:54:01.54 ID:d1Wx74hb0
- (;^ω^)「……すみませんねぇ」
扉を挟んだ向こう側、ヒートはツンを抱え、靴をトントンしながら立っている。しばらくの沈黙の後、彼女はまた口を開く。
ノパ听)「聞きたい事って、なんだ?」
ξ゚听)ξ ……貴女は『タスクフォース』ですか?
僕が口を開きかけると、ツンが割って入る。また僕は口をもごもご。
ノパ听)「いや、私は違うぞ。拳銃だって、脅しのためだけに持ってるだけだっ!」
カチッ、と拳銃の引き金を引く音。だが弾は出ない、なんだ、ただのフェイクか。
ホッとして、気張る力にも気合いが入ります。
ノパ听)「で、ブーバーンは聞きたいことないのか?」
( ^ω^)「ブーンです」
初めてだぞ、ブーバーンなんて言われたの。
( ^ω^)「……貴女は、ゾンビに対してどんな感情を抱いてますお?」
- 14 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:54:22.73 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「マスオ?」
(;^ω^)「あ、いや、やっぱいいです」
その質問に、靴をトントンさせる音が聞こえなくなる。
ノパ听)「ゾンビなんか大嫌いだよ……」
その口調には、ひょっとかして憎悪が溢れていたのかもしれない。黙っていると、やがてトイレの扉に拳を何度も立て、悔しい、悔しいと漏らし始めた。
気丈そうに見えたが、意外に繊細なところ、僕は好きだぜ!?
……なんていったらツンに脳内で金切り声をあげられます。
ノパ听)「そういえば話はだいたい聞いたぞ、ブーンとやらはゾンビだったな?」
ヒートは拳を扉につけたまま、
( ^ω^)「……ですお」
ノハ*゚听)「お前は悪い奴に見えない、結婚してくれ!」
ξ#゚听)ξ
あなた、飢えすぎです。
- 15 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:54:55.48 ID:d1Wx74hb0
- (;^ω^)「えっ、あっ、おっおっおっ」
ノハ#゚听)「冗談だ、ピザが」
ξ*゚听)ξ
……彼女がゾンビに対して憎しみを抱いているらしいが、今現在、僕は僕の存在のが憎いよ。
( ^ω^)「ゾンビ撲滅の手伝いならしますお」
ノパ听)「化け物……いい奴だな」
( ^ω^)「ブーンです」
ノブを大にひねり、グッバイ黄土色! おかげでお腹もスッキリ。
ノパ听)「手、洗えよ!」
( ^ω^)「勿論」
ノパ听)「……なぁ、本当に……」
( ^ω^)「ん?」
ノパ听)「本当にビューンはゾンビなのか?」
( ^ω^)「てめぇわざとだろ」
- 16 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:55:19.37 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「それから……」
そのまま言葉は途切れ、なんだか切ない顔で僕に抱き着くヒート。な、なにしてはるんですかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
金切り声が脳内で、そりゃもう、クリスタラーがダークスター連発してきてだんだんうざくなってくるくらいのスピードで、ひゅんひゅん駆け巡ります。
だけども僕はそれ以上に、ヒートの表情と行動がこの決して高鳴らない胸にときめきのようなものを感じさせた瞬間、『本日は閉店しました』ばりに、声をシャットアウツ!
あぁ、夢なら覚めないで!
ノパ听)「……」
口元が動くとともに頬が釣り上がり、それから僕から離れる。
脳内でツンの声をシャットアウトしていた壁が取り払われた途端、止むことのない声が脳を揺さぶる。
ξ;゚听)ξ「ブーン! 逃げてぇぇぇぇえええっ!!」
それとともに気付く、腹部の痛み。
(;^ω^)「……てんめぇぇぇぇっ!」
腹に刺さったバタフライナイフ。僕はそれを引き抜き、困惑気味ながらも床へ叩きつけた。
あぁ、夢なら覚めて。
ノパ听)「やっぱりゾンビだな……っっ!!!」
- 17 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:55:54.17 ID:d1Wx74hb0
- ヒートはズボンのポケットから拳銃を取り出し、弾を込める。
……畜生、弾もってやがったのか!
ノパ听)「弱点は頭だったな? ……死ねぇぇぇぇえええええええええっ!!!!」
彼女が叫ぶと、引き金にかかった指が微かに動いた。
- 18 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:57:51.24 ID:d1Wx74hb0
- ('A`)「……ブーンの奴遅いな……」
川 ゚ -゚)「たまってたんだろ?」
( ゚∀゚)「性的な意味でもな」
(´・ω・`)「……ヒートも鯛焼き食わないのかなぁ」
談話室。暖炉の炭に火を焼べながら、彼らは暇を潰していた。
川 ゚ -゚)「……何も4人で炭をどうこうしなくてもよかろう」
( ゚∀゚)「じゃあ俺がやるよ」
('A`)「……いいじゃん、皆で楽しくやろうよ」
(´・ω・`)「ブーン君もついでに行こうかと思ったんだが……仕方ない、ドクオだけ先に行くか」
時計の針はいつの間にやらぐるんぐるん周り、外も真っ暗で、大分冷え込んできている。時間的にも待ちきれないショボンは、そのまま静かに立ち上がり、歯をガチガチとシバリング、ポケットに手をつっこんで温かい部屋からでてゆく。
- 19 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:58:15.68 ID:d1Wx74hb0
- (´・ω・`)「……きなさいな」
('A`)「はいな」
ドクオもその後をついてゆく。勿論、寒くてたまらない。
(´・ω・`)「もうすぐ春なのにね」
('A`)「……こんなもんですよ」
ショボンとドクオが退出する。扉が閉まり、残された二人は火の調節をしながら、こんなことを話していた。
( ゚∀゚)「……ドクオのこと、どう思う?」
川 ゚ -゚)「顔色が悪い」
( ゚∀゚)「いやぁ、そうじゃなくてさぁ……なんつーの? タスクフォースの立場からして……」
ジョルジュが立ち上がり、近くの椅子に腰かける。それを確認するなり、クーも手を休め立ち上がった。
川 ゚ -゚)「顔色が悪い」
- 20 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:58:39.31 ID:d1Wx74hb0
- ( ゚∀゚)「……だよなぁ……」
彼は床にくしゃくしゃにしてあった新聞紙を手にとり、火の中に投げ入れ、呟く。クーは立ち上がったまま、その火の様子を黙ってみていた。
それから特別話す事もなく、お互い黙っていると、ゆっくり扉が開かれた。
ノパ听)「ただいまぁぁぁぁぁっ!」
ヒートだ。妙に息を切らしながら、一番近くの椅子に腰をかける。
川 ゚ -゚)「ブーンはどうした?」
ノパ听)「……まだウンコしてんだろ」
( ゚∀゚)「まぁ、女の子なのにはしたないわねwwwwwww」
だらんと、股を開いてけだるそうに座るヒート、ジョルジュは「よっこらセックス」と立ち上がると、そこまでゆっくり歩いていき、
( ゚∀゚)「確信犯、か」
ヒートの投げ出されたその腹に蹴りを入れる。
- 21 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:59:13.55 ID:d1Wx74hb0
- 川 ゚ -゚)「ジョルジュ!」
ノハ#゚听)「てんめぇぇぇぇええええええっ!!!」
( ゚∀゚)「ハハハ、手首に血の固まったようなものがついてるね」
ヒートの反撃(グーパンチ)を軽々と躱し、ジョルジュは笑ってみせた。
( ゚∀゚)「……さっき、あなたは人を殺しましたか?」
その問いにヒートは狂ったように笑い、その血の塊を舐めとる。そして、ポケットから拳銃を取り出し、ジョルジュへ向ける。
ノパ听)「最初から死んでんだろぉぉぉおおおお!?」
発砲! しかし、狙った場所にジョルジュはいない。
火を焼べた暖炉の炭が弾ける。
( ゚∀゚)「タスクフォースなめてんだろ、お前」
ヒートの後ろにまわり、蹴りをお見舞いし、すぐにそこから姿を消す。慌てて狙うも、そこに彼はいない。
( ゚∀゚)「狂気っすねwwwwwww」
ノパ听)「奴はゾンビだぞ!? お前こそ気が狂ってやがるっ!!」
- 22 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:59:34.75 ID:d1Wx74hb0
- さらに上から踵、ヒートの頭に足が振り下ろされる。
ノパ听)「くっ!!」
普通に狙っていては埓があかないと、ヒートは乱射を始める。だが、弾数も最初からそれほどない拳銃だ、すぐに弾が尽きる。
ノパ听)「はぁっ……はぁっ……」
川 ゚ -゚)「落ち着け」
一歩も動かずその様子を見ていたクーは、自分の足に被弾した跡を見つめる。すると、傷はじわじわと治ってゆくではないか。
それを気にするでもなく、当たり前のようにジョルジュもヒートも落ち着きをとり戻し、また椅子にかける。
( ゚∀゚)「俺に攻撃が当たるかよ」
ノパ听)「流石タスクフォースだけはあるっ……!」
川 ゚ -゚)「超回避……か」
( ゚∀゚)「お前の超回復のが凄いじゃねぇか……まるでゾンビだぜ」
川 ゚ -゚)「女に向かってゾンビみたいはないだろう」
- 23 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 21:59:54.63 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「デリカシーないな、お前ぇぇぇええ!」
ちょっと前までの戦闘など忘れてしまったかのように、明るく笑い飛ばす彼らがいる部屋の中。よくよく見ると銃弾の跡が沢山ついている。
喧嘩の度に銃をぶっ放すような輩が沢山いる研究所で育った彼ら、やはり一般人より感覚がズレているようだ。
ノパ听)「いいこと教えてやるよ」
ヒートはまた先程のようにだらんと、首だけが背もたれに当たる体制に座る。そして一息ついて、あるがままに投げ出した身体から唸るように声を上げる。
ノパ听)「便器マン、死んではいない」
―――――――――――――――
- 24 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:00:24.05 ID:d1Wx74hb0
- (;^ω^)「……ゼェ……ゼェ……ブーンだっつってんだろお……」
ξ゚听)ξ ……元気ねぇ
腹から溢れ出した血液は黒血となって、真っ赤な絨毯でもそれがわかるような染みになる。
銃弾は確かに、頭にヒットした。
だが、頭といっても僕のではなく、一応ツンのだ。
咄嗟にツンでガードしてしまってすみません。
ξ゚听)ξ 欠けても大丈夫だったんだから穴あけても平気……かぁ……私をなんだと思ってんよの
(;^ω^)「……不死身……かお」
ξ゚听)ξ 私、不死身なのね? ……死んでるけど
(;^ω^)「それは……ブーンも同じだお……」
ξ゚听)ξ ……ま、今回は許してあげる……傷、大丈夫?
(;^ω^)「ありだとだお……頭クラクラするけど、ハンバーグ食ったらきっとなおるお……」
- 25 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:00:46.16 ID:d1Wx74hb0
- ξ゚听)ξ ならよかったわ
ツンの骨を貫通した銃弾は、本来より威力が落ち、それが頭に突き刺さったまま止まった。
ヒートはそれを見るなら舌打ちをして目の前から姿を消したのだが、なんでだろう、彼女にこんなことされても、とても憎む気にはなれなかった。
寧ろ、とどめをささなかったのは何故だろう、それを考えたら、本気で殺しには来てないくらいわかるさ。
(;^ω^)「……腹減ったお……」
ξ゚听)ξ ……って、もう傷が閉じ始めてるわね……
ゾンビになって今回気付いたのは、傷の治りがはやいこと。ただし、傷口が焼けるような熱い感じになる。死んで目覚める前、最初感じた、あの感覚に似ている。
僕は傷がある程度閉じたのを見計らって、ツンを抱いたまま、よたよたと壁伝いに来た道を歩き出した。
淡い黄色っぽい光が灯る、長い長い赤い絨毯に時々血を垂らしながら、僕はこれからについて考えた。……こんな状況でも、僕は結構余裕である。
タスクフォース、といったな。彼らはいわば戦闘が出来る研究員、とまでは話からわかったが、そこからがイマイチわからない。
どんな力があるのか。
ただ強いだけなら、対した話ではないが、何しろ研究所自体が不気味すぎる、違法行為だったり、はたまた未知の薬品や武器だったり、そういうので戦ったりするのだろうか。
しかしながら、少なからずジョルジュは丸腰だった。ポケットにそれらしき膨らみもない、何処にも武器が見当たらない。
ショボンはファイルと携帯を持っていたが、それを戦いに使うのかどうかだ。
そうしてみたら見えてくる。彼らは、ゾンビの扱いになれているからこそ、戦闘が出来るのではないか。
血が出過ぎて頭に上手く血が回らないが、そこまで考えた時、やっとこさ玄関辺りまで辿り着いた。
さてさて、皆さん何処かしら。
―――――――――――――――
- 26 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:01:16.69 ID:d1Wx74hb0
- 高そうな材質の椅子に、高そうな材質の机。そこに肘をついて座っている彼こそが、『タスクフォース』を束ねる長、モナーである。
実力もタスクフォース一、勿論、研究所内でもそこそこな権限を持つ。
( ´∀`)「今日はどうしたモナ?」
随分とのんびりした喋り方で、モナーは尋ねる。
(´・ω・`)「彼に、タスクフォースの証明を与えて欲しい」
( ´∀`)「推薦か……彼にはどれほどの力量があるかわからないが、どうなんだモナ?」
('A`)「俺? ……あ、いや」
(´・ω・`)「彼はただの役立たずです」
こりゃまたひでぇ。
モナーはなめ回すような目付きで、ドクオをじろじろ眺める。それから、またゆっくりした口調。
(;´∀`)「彼にはなんの能力もないモナか?」
(´・ω・`)「顔色が悪いくらいですね」
(;´∀`)「それなのに、何故?」
モナーが心配そうに尋ねる。するとショボンは、真面目な顔で声を張る。
(´・ω・`)「熱いハートがあるからさ!」
- 27 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:01:51.55 ID:d1Wx74hb0
- 流れる時間、続く沈黙、腫れ上がる股間、冷めた空気。
モナーは悩んでいる。精神的に苦しそう、下を向いて眉間に皺を寄せたまま、時間は過ぎる。
そしてようやく出た結論、顔を上げたモナーの重い口が開かれる。
(*´∀`)「よし、じゃあ発行しちゃう! 上に連絡しとくモナ♪」
一瞬にして、晴れやかな笑顔。これでもか、ってな眩しい笑顔。
それにしてもこの男、ノリノリである。
今にも鼻歌でも歌い出しそうな雰囲気で受話器を取り、ボタンをリズミカルに弾く。
(;'A`)「……」
いいんですか、いいんですか、本当にそんなんでもいいんですか?
いいんですよ、いいんですよ、熱きハートがあれば!
まさにそんな感じ。
(´・ω・`)「ということで頑張りたまえ」
(;'A`)「ハァ…」
生返事。というか呆気に取られて、言葉が出てこない。
- 28 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:02:13.64 ID:d1Wx74hb0
- モナーの部屋を出て、ドクオは頭の整理を始める。だがしかし、これ以上整理しようがない。だのに、整理されてないように感じるのは何故?
寒いのとは別に、震えが止まらない。
(;'A`)「……熱いハートもないのに」
(´・ω・`)「頑張りたまえと、私はいいました、そして君は返事をしました。つまり?」
('A`)「ダダッダーッシュ!」
(´・ω・`)「鋼の魂で頑張りたまえ」
('A`)「……インスタントステージビーム……か……成程、合点承知」
拝啓、内藤ホライゾン様
俺ことドクオは、なんだか研究所勤務が出来そうです。
研究員にはなる気はしませんが、頑張ります。
- 29 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:02:41.27 ID:d1Wx74hb0
- ―――――――――――――――
僕は玄関から正面に歩きました。
そしてなんということ、すぐに見付かりました。
( ^ω^)「ただいまー」
川 ゚ -゚)「遅かったな」
ノパ听)「ウンコがな!」
(;^ω^)「誰のせいだと思ってんだお」
何事かあったけど、やっぱり何事もなく談話室へ到着。
ここに来て疲れがどっと溜まった気がします。空いている一番近くの椅子にだらんと腰をかけると、ヒートみたいなのに気付いて、少しばかり姿勢を正す。……あー怠い。
( ゚∀゚)「……ブーン、ヒートはいいのか?」
( ^ω^)「……気分が乗らないんだお……」
ξ゚听)ξ ……余裕ね
お腹が空いた。
僕はとりあえず食べ物を探す。だがやはり、都合よくはないものでした。
- 30 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:03:01.20 ID:d1Wx74hb0
- ノパ听)「……いいのかっ!?」
( ^ω^)「僕まだアンタに殺されてないし……何よりしんどい」
お菓子は出ないんでしょうか。百味ビーンズでもいいから、何か食べたいです。
いや、飯時ですから、ハンバーグがいいです。出てこないかなぁ、ハンバーグ……
川 ゚ -゚)「そろそろ時間的にも……ブーンの申請は後にして、夕食にするかね?」
ナイスタイミング! ゆー、ナイスタイミングよ!
人知れず僕はガッツポーズ。
- 31 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:03:36.61 ID:d1Wx74hb0
- ( ゚∀゚)「食堂……いやぁ、この時間から行くと人大杉だろ」
ノパ听)「外食かぁぁぁぁ」
川 ゚ -゚)「ブーンは何食いたい?」
( ^ω^)「はんば
ノパ听)「とりあえず寿司でもいくかぁぁぁぁぁ!」
( ゚∀゚)「ヒートの奢りな」
ノパ听)「嫌だねぇぇぇぇっ!」
(;^ω^)「はん
川 ゚ -゚)「寿司か、じゃあ支度してくる」
(;^ω^)「……」
ξ゚听)ξ どどんまい
- 32 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:04:23.10 ID:d1Wx74hb0
- それにしても、身体から血液が出過ぎると、こんなにもアンニュイな気分になるなんて。身体だけじゃなく、脳も働かない。
心臓が動いてないのに、血液が何故固まらないかとかはさておき、お寿司か。デリカテッセンのような店でハンバーグにしたい気分だが、ここの一員になるんだ、今回だけは付き合うことにしよう。
手際よく予約を済ませ、手際よくショボンに連絡を取り、手際よく車を出す。寸分の狂いもないといったら可笑しいかもしれないが、まさにそんな感じ。
相変わらず、いつだって緊迫感に欠けたジョルジュは、シートベルトを締めながら、ミラーを挟み後部のヒートに声をかける。
( ゚∀゚)「ヒート……相変わらずくそみそだな」
ノパ听)「私は男ではないし、BLが好きなワケでもNEEEEEEEEEEEEET!!」
(;゚∀゚)「違うって!」
川 ゚ -゚)「なんでもかんでも一緒くたに扱うものではないぞ、っていいたいんだろ」
(;゚∀゚)「あー、それそれ!」
ジョルジュは手元の酒をかっくらう。つうか、この酒、まだあったんですか。
( ^ω^)「……くそみそ、ねぇ……そうでもないかもしれませんお」
- 33 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:04:46.36 ID:d1Wx74hb0
- ショボンから、後で行く、との連絡を受け、先に車は発車した。その車内でも、まだ引っ張るか、その話。
頭に「こいつをどう思う?」とか言いながら現れた男前な欲望の化身を振り払い、僕は陳腐な台詞を吐く。
ちなみに、何も意図的な意味なんて含んでおりません、そのまんま、お察しの通りです。
手を下したにしろ、やはり最後までやらなかった、つまり頭を潰さなかったのには、きっと何かある。
こういう時は都合がいいもので、もしかして僕に気があるんじゃねぇの? とか、恥ずかしいからつい意地悪しちゃう部類の人間なんだ! とか、
妄想は尽きないのです。
しかし、拳銃だったりナイフだったり、とんだ愛の形ですこと。つうか、そもそも愛だとしたら歪みすぎだろ。
ξ゚听)ξ ……ヒートさん?
ノパ听)。oO(……ん?
ヒートはいつの間に念話で話せるようになったのか、ツンの声に口を閉ざしたまま反応した。
それを確認してから、ツンはヒートに問う。
ξ゚听)ξ ブーンに銃を向けたのは、貴女の意思じゃないわよね?
ノパ听)。oO(……ベン・ジョンソンに銃を向けたのは
ブーンですよ、僕は。
ノパ听)。oO(私の意思だ。紛れもなく、な。
- 34 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:05:13.59 ID:d1Wx74hb0
- ヒートは曇りのない明るい瞳で、目付き鋭くそう言った。
ジョルジュとクーがハマチについて熱く語っているその後ろで、またなんともいいがたい雰囲気の会話が繰り広げられております。
ξ゚听)ξ では命令ね? 誰か貴女に命令したのね?
ヒートはツンの審問に、やれやれ、といった様子を見せる。それから諦めたようにこう続ける。
ノパ听)。oO(何もかもおみとおしって奴かい? ……そうだよ
ξ゚听)ξ デミタスね?
ノパ听)。oO(なんと、デミタス氏を知っているとな?
真理をズバズバつかれ、丸裸にされたかのような気分になったヒートは顔を真っ赤にして、さらに続ける。
ノパ听)。oO(彼が噛んでるいるのは相違ないが……
ξ゚听)ξ 違うの?
ノパ听)。oO(あぁ……違う。
なんだろう、デミタス=極悪人のイメージが崩れてゆきます。やめて、崩さないで。
正直これ以上の話は僕には到底無理な話でした。
……これからの記憶媒体はツン、そういうことにしておいて……アーアー何もキコエナイ。
- 35 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:07:21.43 ID:d1Wx74hb0
- 川 ゚ -゚)「……後ろのお二人さん、着いたぞ?」
多少温度が人より低い感じの声が耳に入り、別世界にいた感覚は逆行して、いつしかまた車の中。見れば子犬のような顔でクーがこちらを見て首を傾げている。
( ^ω^)「……どうかしましたかお?」
川 ゚ -゚)「……いや、ヒートが珍しく全く喋らないな、と」
クーはヒートの額に手をあてる。
あぁ、確かに不自然だった。あれだけ五月蝿かった声がピタリと止んでしまったとなれば、調子でも悪いんじゃないかと疑いたくなるわ。
( ゚∀゚)「大将が待ってるぜ! はやくしなよれ!」
熱がないのがわかると、クーはまた首を傾げる。何か悪いモンでも食ったか、まるでそんな風な事を言いたそうな顔をしたまま、クーは車を降りる。
( ゚∀゚)「……ねぇ、早くしない?」
(;^ω^)「はぁい……」
急かすようなジョルジュの声に生返事、クーに続いて車を降りると、そこにはなんの変哲もない寿司屋が建っていた。
……そりゃねぇよ!
- 36 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:07:48.58 ID:d1Wx74hb0
- ―――――――――――――――
その店の大将は終始怯えたような表情で寿司を握り続けた。
そりゃあ、こんな黒服集団(遅れて到着した二人含む)+喧しい女(タスクフォースの一員ではないので黒くない)with骨持ちゾンビ(ゾンビとはばれてはいない)に粗相なんて働いた日にゃ、命がいくつあってもたりない。
大将、貴方も僕のようなゾンビになりませんか?
(#^ω^)「てんめーこんにゃろ!」
ノハ;゚听)「今さらなんだよぉぉぉぉっ!?」
お腹に何か入ったら、さっき一旦は見逃した彼女の罪、どうしてもゆるせなくなりました。とりあえず腹に一発。ドスッ、とサンドバッグを殴ったような音がします。
僕は寛大ですから、その一発だけで赦してあげます。
川;゚ -゚)「やめないか、ブーン」
( ^ω^)「スッキリしたお」
(´^┏o┓^`)コワイコワイ
……女でも躊躇いなく殴るまさに外道。いやいや、流石に腹にグサリされて、そのまま赦すなんてありえないでしょう。
しかし、ゾンビの力は凄まじいです。ヒートが一発でぐったりしてしまいました。
……それからまた何事もなかったかのように、寿司を摘んでワイワイ。
- 37 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:08:15.29 ID:d1Wx74hb0
- 隣、ヒートとは反対に座るドクオはお茶を啜りながら、僕の肩を叩く。
('A`)「ブーン、タスクフォースって案外サッパリしてるかもよ?」
ξ゚听)ξ 違う意味でね
( ^ω^)「どうだったお?」
('A`)b「何の問題もなく入れちまったようだぜ!」
(´・ω・`)「うん、ドクオがあんなアッサリ許しもらえるとは思いもしなんだ」
('A`)「……アンタ達が誘ったんだろ、元々は……」
( ^ω^)「じゃあ僕も問題ないお」
ξ゚听)ξ あら、そうかしら?
不敵な笑いを浮かべるツン。
毎回毎回突っ掛かる……含みがあるような言葉で、僕の動揺する姿を楽しんでいるのだろうか。
実は、毎回特別な意味なんてないけれど、それとわかりつつ動揺してしまう僕もいるワケで……僕がいけないのかな?
ξ゚听)ξ あら、今回ばかりは違うわ? ……確かに、アンタの動揺した顔、面白いけど
僕は口にカツオをほうり込もうとした所で手を止める。……ツンさん、はっきり言いなさい。
ξ゚听)ξ ブーンはゾンビじゃない、人間ではないわ
( ^ω^)。oO(それがどうかしたかお?
- 38 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:08:35.75 ID:d1Wx74hb0
- ツンの呆れたような仕種が脳裏に浮かぶ。
ξ゚听)ξ ……トラとかライオンをペットにするとする、だけど、いつ暴れ出すかわからない。こんなの誰が飼う?
( ^ω^)。oO(相当なMか、本当に猛獣LOVEな人じゃない限り飼わないお
ξ゚听)ξ それそれ。アンタ、猛獣扱いよ? きっと。
それってちょっとでもおかしな行動取れば射殺されるってことですか。はいはい、脅すのが上手い上手い。
……冗談だよな?
(´^┏o┓^`)ガンバレ、ワカイノ!
(;^ω^)「はぁ……」
―――――――――――――――
- 39 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:09:00.99 ID:d1Wx74hb0
- ( ´∀`)「……君には何か能力的なモノはあるモナ?」
(;^ω^)「……」
ショボンに連れていかれた部屋で、いきなり僕はこう問われた。あるといえばあるし、ないといえばない。
(´・ω・`)「彼はウィルスを制御出来るんです」
予め、彼には僕がゾンビであることは伏せてもらっている。まぁ、ツンの煽りに些かの不安があったからで、他意はない。
( ´∀`)「つまり、意思を持つゾンビって奴モナ?」
……いきなりバレてるしね。
まぁ、タスクフォースの一員でなかったヒートにも知られてはいたので、研究所内ではとうに話は広まっていただろう。ちょっとした有名人気分である。
これくらいまでなら予測は出来た。
(*´∀`)「……いいね、カッコイイモナ!」
モナーは両手万歳で大はしゃぎ。子供ですか、貴方は。
それからこの空間における『地位的なイメージ』を取り戻すための咳一つ、高そうな椅子から立ち上がり、こちらに掌を差し出す。
(*´∀`)「名前、聞かせてくれるモナ?」
(;^ω^)「ブーンですお」
(*´∀`)「きめぇ」
(;^ω^)「……」
- 40 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:09:27.91 ID:d1Wx74hb0
- 僕と握手をかわし、モナーは電話のボタンをプッシュ! プッシュ!相手が電話に出るまでのその間、こちらに一言。
( ´∀`)「一つだけ、誓約モナ」
(;^ω^)「お?」
( ´∀`)「ゾンビの研究のため、時々、身体は貸してもらうモナ……死なない程度にね」
(´・ω・`)「アッー!」
(;^ω^)「違ぇ」
モナーは電話をかけおえると、受話器を置き振り返って、こちらに親指を立てる。
アンタ、最高だよ! と言わんばかりの笑顔で微笑む、ナイスガイ。
この誓約が意味する事など、僕にはまだ、到底わかりやしないことだった。
―――――――――――――――
ノパ听)「力の限界、かぁぁぁぁぁっ!!」
ξ゚听)ξ お招きありがとうね……意外にいい部屋じゃない
ノパ听)「いやいや、そんなことはないですよぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
大仏黒子のように銃弾が貫通したツンを預けられたヒート。真っ白なベッドにダイブ。
ノパ听)「……話の続きしようじゃないの」
ξ゚听)ξ 力の限界、だったかしらね
- 41 名前: 派遣の品格(愛知県) :2007/04/13(金) 22:09:51.19 ID:d1Wx74hb0
- ここにくるまで話を続けてきたが、まだまだ尽きないようだ。
ちなみに、すれ違う研究員に痛い目で見られていたのは言うまでもない。
ヒートは念じればよかったのだが、わざわざ声を出す馬鹿なのでした。
ツンも霊魂生活に慣れて来たようで、波動以外にも第6、7……感まで使いこなせるようになったようだ。
ただし、自由に動くことは出来ないし、元々の五感も完璧な形で残っていない。
ノパ听)「私に、彼のサポートを頼む、とな?」
ヒートはベッドに座り込み、ツンの骨を隣に置き、優しく話しかける。それはまるで別人のような口調。
ξ゚听)ξ 私、こんなんでしょ? だからね……
それは、とても馬鹿らしい会話。
ξ゚听)ξ ブーンを殺して。
- 42 名前: 予備校講師(山梨県) :2007/04/13(金) 22:31:49.60 ID:5PnP6x3Q0
- http://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp045042.jpg
- 43 名前: 高専(北陸地方) :2007/04/13(金) 22:31:51.56 ID:5r8RobuV0
- 尾張?
全部
最新50