('A`)と( ^ω^)は異世界でもう一度出会うようです
- 1 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:01:14.33 ID:AVj2yslJ0
- こんばんわ、今回はちょっと色々アレです
遅れたのは運命喧嘩さんのせいだ!
地の文書きたい衝動がですねあれこれ
そういうことでごめんさい
まとめさんはこちら!
ttp://hebiya.blog40.fc2.com/blog-entry-3762.html
- 2 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:05:16.28 ID:AVj2yslJ0
-
ブーン達が唸響く槍を預かりに出かけてから8日が過ぎた頃
その知らせは突然届いた
「神具が奪われた!? いったい誰に…」
「わからぬ」
「お爺様、それでみんな無事なんですか…?」
「どうにか無事のようじゃ、じゃが…」
「妹者が…そうか」
誰かはよく分からないが、妹者さんって人がかなりの重症を負ったと言う
それを聞いた弟者さんは口調こそ穏やかだったけど…震えていた
そして未だその謎の部隊は駐留し、動くに動けない状況、らしい
「…」
「こうなっては、仕方が無いかの」
「?」
「ぬしの、いや『おぬし等』の力を借りたい」
- 3 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:06:02.16 ID:AVj2yslJ0
-
『等』という言葉に違和感を感じ、思わず左右を見てしまうが
荒巻さんの視線はひたすら一点を見つめている
…つまり
「俺の?」
「そうじゃ、行ってくれるか?」
「いや…だって俺が行ったところで何の役にも…」
「自信を持つがよい、この数日間…思えば短い期間じゃったが
ワシは驚かされっぱなしじゃったよ、おぬしの成長、いや才能に」
「そう、ですか?」
「ほっほ、そうじゃとも、事実ワシが教える事なぞ元より無かったような物じゃしのぅ」
「…そんな」
気恥ずかしくなって、俯く
そんな俺に少し声のトーンを落とし、問う
「…それに、行きたいのじゃろ?」
「はい」
即座に顔を上げ、迷わずそう口にした
- 4 名前: わさび栽培(関東) :2007/03/19(月) 19:06:19.71 ID:HBgyJEmKO
- 支援
- 5 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:06:25.17 ID:AVj2yslJ0
-
不安はある、恐怖感もある
けどそれ以上に使命感があった
助けたい、俺を救ってくれたあいつを、親友を
今度は…俺が、俺が助けるんだ
そんな俺の返事に荒巻さんはゆっくりと頷き、応えた
「うむ、ならば頼むぞ『破壊の管理者』よ」
その場に居る全員の視線が俺に向く
期待、懇願、悲哀、そんな色々な想いが込められたそれぞれの視線を受けながら
「その…やれるだけ、やってみます」
そう答えた
と、まあそれはともかくとして
(;'A`)「…え? 俺一人で行くんですか?」
- 6 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:06:43.58 ID:o6J4XsBAO
- wktk
- 7 名前: タイムトラベラー(関東) :2007/03/19(月) 19:07:13.86 ID:KhZARuTEO
- wktk
- 8 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:07:27.93 ID:AVj2yslJ0
-
【 第10会 「太陽の国」 】
(そうだなー…知ってる? 人間って本当に脆い物でさ
どっかの神経傷つけるだけで身体のどっかが麻痺しちゃったりするんだよねー)
どこからそんな声が出てくるんだろう
少女が言葉にならない悲鳴をあげた
少女の足に黒い剣が突き立っている
遅れて、まるでその黒が溶け出したように、赤黒い液体が床を染め始める
『血』
ジョルジュさんが何かを叫んだ
(許さない? 何を今更、ん? ああー何だ、今までの事は許してくれてたの?
ひどいなー、もう今まで死んじゃった人達の事はいいんだー)
- 9 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 19:08:48.14 ID:kWIzRIrwO
- 支援!
- 10 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:10:43.66 ID:AVj2yslJ0
-
(あれれー? 僕に構ってていいのー? 早くなんとかしないと、この子死んじゃうよー?)
(ははー、それじゃあ僕は一足先に行ってるよー)
(どこって…わかんない? じゃあヒントをあげる、太陽だ)
(追えるかなー? 外には僕の仲間が大勢居るよ、どうする?
今破砕も渡してくれればもれなく助かるよ?)
(あはははははっ!!! そうっ、そうこなくっちゃ!
良かった、渡されたら皆殺しにしようと思ってたよ!)
(じゃあ、頑張ってねー)
楽しそうに、本当に嬉しそうに笑う
耳障りなその声は、妙に記憶に残っている
…………。
- 11 名前: みどりのおばさん(愛知県) :2007/03/19(月) 19:13:21.85 ID:XmvC3EZH0
- 支援
- 12 名前: 共産党幹部(関西・北陸) :2007/03/19(月) 19:16:40.48 ID:JyStWwKnO
- ワクテカ
- 13 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:17:01.02 ID:AVj2yslJ0
- ミ,;゚Д゚彡「あわわ…空気が重い…けどあらすじの時間ですよ」
( ∵)「ここであらすじとか空気くらい読んだらどうですか?」
ミ,,;Д;彡「うるさいよー!!俺のせいじゃない!作者が最初に書き忘れたんだ!」
( ∵)「双国に辿り着いたのもつかのま、彼等に試練の時が訪れた」
ミ,,゚Д゚彡「謎の敵に包囲され、逃げられない現状、進入した仇的モララー
果たして人質となった妹者ちゃんの命は!?」
( ∵)「あなた生きてる言ってたじゃないですか」
ミ,,;Д;彡「うわあああんもう嫌!それでは開始!!」
- 14 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:18:13.25 ID:AVj2yslJ0
-
あれから二日間が過ぎた
自室のベッドで眠る少女と、その傍らですがりつく様に泣いている彼女
もうずっとこの調子だ
从-∀-ノ!リ「…」
从;-从「…う…うぅ……ひっく…」
こうしていると、どちらが酷い有様なのか分からなくなる
静かに寝息を立てる妹者ちゃんと、悲しく呻くハイン
( ω )「…」
真っ青な顔、微かな呼吸音
あの出血量の割りに命に別状はないらしい、それがせめてもの救いか
今は本当に安らかな寝顔を見せている
これはジョルジュさんのおかげだった
ミョツルニルには人に安らぎと祝福を与える力があるらしい
現にジョルジュさんがその槌をかざすと柔らかな光の粉が降り注ぎ
それを受けた少女は苦しそうな表情を和らげ、静かな眠りについた
- 15 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 19:18:30.86 ID:kWIzRIrwO
- 支援
- 16 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:19:25.28 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 17 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:20:34.06 ID:AVj2yslJ0
-
(´・ω・`)(元々、槌っていうのは儀式的な物にも使われていたからね)
(;´ω`)(じゃ、じゃあこれでもう安心なのかお?)
_,
( -∀-)(いや…こんなのはただの気休めだ、別に傷が癒える訳でもねえ)
精神的な物だとジョルジュさんは言う
それでも神具っていうのは凄い物だと感心した
どちらにしろ
…あの悲痛な表情を、悲しい声を、僕はきっと一生忘れられないと思う
从;-从「ごめん…ごめんな…私の、私のせいだ…」
( ω )「…………」
必死に言葉を探す、僕に何が出来るだろう
きっと何も言えない、何も癒えない、それは分かっている
言葉の限界がもどかしい
それがただただ悔しくて、気付けば目頭に熱い物が込み上げてくる
滲む視界、喉に力を込めて必死にそれを押さえた
- 18 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:22:01.02 ID:AVj2yslJ0
-
そんな中、ゆっくりと扉が開く
(;´ω`)「…兄者さん」
静かに部屋の中へ入ってきた王様は、開口一番に言った
( ´_ゝ`)「ハイン、君は一体何しにここまで来たの?」
(;´ω`)(え…)
从;-从「…」
( ´_ゝ`)「いつまでそうやって泣いてるつもり?」
項垂れる彼女の体を無理矢理に引き起こす
( ´_ゝ`)「答えろ、何の為に来た」
从;-从「っ…!」
今にも殴りかねない勢いで胸元を掴み上げる王様
そんな迫力に気圧され、彼女の表情が更に歪む
これは…いくらなんでも酷いんじゃないか
思わず足が前に出た
- 19 名前: アリス(長屋) :2007/03/19(月) 19:22:08.60 ID:hZCDTPiH0
- 紫煙
- 20 名前: アリス(長屋) :2007/03/19(月) 19:22:35.84 ID:hZCDTPiH0
- 紫煙
- 21 名前: のびた(長屋) :2007/03/19(月) 19:23:21.10 ID:eiw7yDgZ0
- 最高に面白い 私怨
- 22 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:23:59.91 ID:AVj2yslJ0
-
(;´ω`)「あの、それはちょっと」
(♯´_ゝ`)「黙ってろ!!」
浴びせられる怒声、言葉も途中に詰まってしまう
(;´ω`)(な、なんで…)
優しい人だと勝手に思っていた
そりゃ怒る気持ちも分かる、そんなのは当然だろう
だけど…こんなの傷ついている女の子に対する行動じゃない
幻滅にも似た感情が渦巻く
(♯´_ゝ`)「ハイン、お前はこんな事を止めたいからここに来たんじゃないのか?」
从;-从「…う゛ん」
掠れた声、苦しげな声
(♯´_ゝ`)「ならお前のするべき事は何だ、ここでいつまでも女々しく泣いてる事か?」
从;-从「…」
(♯´_ゝ`)「ちゃんと答えろ…」
从;-从「ち…がう」
- 23 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:24:10.38 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 24 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:25:27.32 ID:AVj2yslJ0
-
(♯´_ゝ`)「…お前の考えてる事くらい分かるぞ
もう全て嫌か? 代わりに自分がこうなりたかったか?」
从;-从「だ、て…わたしの…せぇ…で…」
(♯´_ゝ`)「そんな事は知らん、言っておくがお前が進もうとしている道の先には
確実に今より悲惨な現実が待っているぞ?
その度にお前は立ち止まるつもりか」
从;-从「…っ」
(♯´_ゝ`)「どうなんだ、ちゃんと答えろ!
途中で挫けてもいい、なんて中途半端な気持ちで居るのか!?」
从;-从「ちっ…がうっ、『俺』は…!」
(♯´_ゝ`)「なら自分で立ち上がれ…俺達はお前に言ったはずだ
お前が世界を変えたいと願うなら、どんな事でも手も貸すと」
(♯´_ゝ`)「だから俺はお前を信じて、神具を渡すと決めた…
これがどういう事か分かるか?」
从;-从「…っ!!」
- 25 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:27:00.29 ID:AVj2yslJ0
-
(♯´_ゝ`)「俺はこの国の何だ? どういう立場の人間が言ってみろ」
从;-从「ぁ…う」
(♯´_ゝ`)「俺はお前を信じて、この国を危険に晒す事も覚悟して
その上で行動してるんだぞ? それをお前は裏切るのか!」
从♯ -从「う…うああああああ!!!」
彼女は自らを捕らえる腕をふりほどき、一歩下がる
そして兄者さんを未だ乾かぬ瞳で睨みつけた
( ´_ゝ`)「…分かるね? ハインリッヒ」
彼は怯む素振りも見せず、その視線を正面から受け止め
優しく諭すように説く
从;∀从「っ…うるさいうるさい!! ちくしょう好き勝手いいやがって! 覚えてろ!」
( ´_ゝ`)「うん、よーく覚えておくよ」
- 26 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:29:59.04 ID:AVj2yslJ0
-
気付けば兄者さんは微笑んでいた
気付けばハインも涙ながらに、その口元は確かに笑っていた
( ω )「……」
僕は…気付かれないようこっそりと部屋を出た
廊下で一人、壁に寄り掛かりながら立ちすくむ
( ω )「…な…んで、だろお…」
何故か、僕の心は悔しさでいっぱいだった
ハインも元気になったみたいだし、何も気にする事はないはずなのに
( ω )「……僕は…ただのガキだお」
何故か分からない? そんなの嘘だ、本当は気付いてる
悔しい、何も言えなかった自分が
悔しい、何も知らなかった自分が
- 27 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 19:30:36.07 ID:kWIzRIrwO
- 支援
- 28 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:31:08.34 ID:AVj2yslJ0
-
僕は何も出来ないと思いつつ、それが最良だと思ってたんだ
なのに兄者さんは叱咤し、激励した
あんなやり方間違ってると思ったのに…違ったんだ
慰める事が救いじゃない、人間という物の差…それを見せつけられた
自分が酷く小さく感じる、存在が希薄に感じる
( , ω )(僕は…)
頬を熱い物が伝う
やがて、床に落ちた何かの音が微かに僕の耳に届いた
…………。
- 29 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:32:57.94 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 30 名前: ハンター(関西地方) :2007/03/19(月) 19:33:12.56 ID:pIvouGJb0
- いやぁぁぁぁ来てた支援
- 31 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:33:28.20 ID:AVj2yslJ0
-
(´・ω・`)「…おかえり、どうだった?」
( ^ω^)「兄者さんが励ましてくれたから元気になったみたいだお」
(´・ω・`)「ほんと? それは良かった、相当気にしてたみたいだもんね
ここ二日何も口にして無かったし」
( ^ω^)「そうだおもうきっと大丈夫だお」
(´・ω・`)「…ブーン」
( ^ω^)「なんだお?」
(´・ω・`)「……何かあったの?」
( ^ω^)「何もしてないお」
(´・ω・`)「…」
ショボは僕をじっと見つめている
たまらず僕は目をそらした
そんな僕を見たショボは大きく溜息を一つ吐き
独り言のように呟いた
「問題は絶えない、か…」
僕は聞かない振りをする事で精一杯だった
- 32 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:35:01.79 ID:AVj2yslJ0
-
…………。
それから何事も無く更に二日が過ぎた
状況は何一つ変わっていない、この国を包囲していると言う集団は未だ駐留している
国間を行き交う人達や街の人々には警備の為だと偽る事で混乱も起きていない
そのおかげか、最近は街中でその一味と思われる連中をよく目にするらしい
何一つ…変化は無い、これなら普通に逃げられるんじゃないだろうか
そうも思ったけど、ジョルジュさんは言った
_,
( ゚∀゚)(まあ…狙いは俺だろうな…てか
ぶっちゃけな、俺一人なら逃げ切れる自信はあんだけどよ)
それじゃあ僕等が帰れなくなる、それは非常に困る、色々困る
と言うわけで結局身動きが取れない状態にあった
(;´ω`)「あああ…本当に本当に本当に僕等はどうなっちゃうんだお〜♪」
(;´・ω・`)「変な歌作らないでよ…」
- 33 名前: みどりのおばさん(愛知県) :2007/03/19(月) 19:36:00.76 ID:XmvC3EZH0
- 支援
- 34 名前: ハンター(関西地方) :2007/03/19(月) 19:36:31.42 ID:pIvouGJb0
- SIEN
- 35 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:36:48.39 ID:AVj2yslJ0
-
歯痒い時だけが続く、そんな時
「失礼しますよぅ、お連れの方々が到着しましたよぅ」
この声はイヨウさんだ、扉越しにノックと共に聞こえてきた
(´・ω・`)「お連れの方々?」
(;゚∀゚)「まさか…」
(;^ω^)「?」
……。
(;´・ω・`)( ゚ω゚)「ドクオ!!」
(メ'A`)「…や、久しぶり」
少し照れたように手を上げるドクオ
見れば酷い有様だった
(;´・ω・`)「ちょ、どうしたのその腕!?」
(;'A`)「いや、その特訓でさ、ちょっと」
- 36 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:38:03.14 ID:AVj2yslJ0
-
しどろもどろの言葉、それは今までも見てきた物なのに
…何日か離れていたせいだろうか
その言葉の一語一句に、何処か力強さを感じる
そして何よりも…その腰に下げられ、歩く度に金具を鳴らす赤い剣
(;´・ω・`)「いったい何をしたの?」
(メ'A`)「え…と」
…。
(;゚∀゚)「おいおい…何で結局全員集合してるんだよ…」
ζ(゚ー゚*ζ「だって(ブーン様が)心配なんだもん…」
_,
(;-∀-)(なんか今妙な間があったな…)
( ゚∀゚)「んで、じいさん、あいつはもういいのかい?」
/ ,' 3 「うむ、ちゃんと伝授したぞい、男子三日会わねば活目せよ…ての、ほっほ」
(;゚∀゚)「……一つ聞いておくが、まさかドクオにもアレを…」
/ ,' 3 「 当 然 じ ゃ 」
- 37 名前: 図書係り(コネチカット州) :2007/03/19(月) 19:39:49.58 ID:fjBY9WK5O
- wktk
- 38 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:40:26.94 ID:AVj2yslJ0
-
_,
( ∀ )「じ…じじいに任せた、俺が、馬鹿だった……」
ζ(゚Δ゚;ζ「お、お兄ちゃん! 気を確かに!」
/ ,' 3 「ほっほっほ!そんな事を言っていられるのも今の内じゃよ」
_,
( ゚∀゚)「?」
…。
(;´・ω・`)「はあ? 必殺技ぁ?」
(メ'A`)「う、うん…荒巻さんが言うには何か一つ出来る事をすべきだって、それで」
(;´ω`)「それで…どんなのだお?」
川 ゚ -゚)「…それがな、もう滅茶苦茶で」
/ ,' 3 「それは見てからのお楽しみじゃ、ぬし等、準備せい」
(;´ω`)「お?」
- 39 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:41:59.71 ID:AVj2yslJ0
-
( ゚∀゚)「急いで出発するぞ、ちぃとやばい事になってきてる」
(´・ω・`)「どうしたんですか?」
( ゚∀゚)「…どうやら湖鏡国に動きが見えたらしい、狙いは太陽の国…日陽
俺達はこれから日陽国まで行って支援だ」
(;´ω`)「し、支援…?」
(;´・ω・`)「ちょっと待ってくださいよ! 出発も何も
今まで足止め喰らってたんじゃないですか!」
( ゚∀゚)「状況が変わった、どうやら何とかなりそうだ…」
ジョルジュさんはそう言うとドクオの方へ振り返る
( ゚∀゚)「こいつが居れば、な」
釣られるように全員の視線がドクオへ向く
(;'A`)「え………? 俺?」
……。
- 40 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:42:04.49 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 41 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 19:42:22.04 ID:kWIzRIrwO
- 支援
- 42 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:43:29.30 ID:AVj2yslJ0
-
そうして、僕等は急いでランシップ2船に食料やら何やら詰め込み、門をくぐった
ここまで来る間…ずっとジョルジュさんはやたら怖い目をしながら周囲を警戒していた
話しかけられる雰囲気じゃなくて、疑問だったけど…
外に出て納得した
そこには壁があったから
人の群れ、集団が作る壁
その壁は僕等を囲むように広がりながらこちらへ進んでくる
僕の体は抑えようもなく、震え上がった
((;´ω`))「ななっ!? 何人居るんだお!?」
(;´・ω・`)「ど、どうするんですかジョルジュさん!!」
( ゚∀゚)「慌てんな、何の為にわざわざ川の近くを選んだと思ってんだ
……ドクオ、見せてもらうぜ」
- 43 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:45:25.01 ID:AVj2yslJ0
-
/ ,' 3 「良いか、そして腹の底から叫ぶのじゃ」
_,
(;-∀-)「…じじい……そこまでやらせる気か」
/ ,' 3 「そして自分を信じろ、大事なのはイメージする事じゃ
できて当然、呼吸をする如くじゃぞ」
(メ'A`)「…はいっ」
川;゚ -゚)「ドクオ…」
(メ'A`)「クー、大丈夫…俺を信じて、何でか分からないけど
絶対に何とかなる気がするんだ」
川 ゚ -゚)「…」
(メ'A`)「それから…ブーン、ショボン」
(;´ω`)「?」
(;´・ω・`)「え?」
- 44 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:46:26.30 ID:AVj2yslJ0
-
(メ'A`)「俺が守るよ、皆、俺が守る…」
(メ'A`)「絶対だから!!」
ドクオはそれだけ言うと巨大な集団へ向け駆けて行く
((;´ω`))「ど…」
僕は制止の声も、励ます言葉も言えなかった
またしても何も出来なかった
あんなにも頼もしい事を言ってくれるドクオの手はあんなに震えていたのに
………。
- 45 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:48:06.38 ID:AVj2yslJ0
-
自分でも、すごく不思議な気分だ
目の前には俺を殺そうと迫る人の群れ、怖い、凄く怖い
身体が震える…止まらない
なのに心は静かに、ただただ静かに燃え上がる
この安心感は何だろう、この頼もしさはどこから来るんだろう
この後から後から湧いてくる、この感情は何だろう
(,, Д )『それは武者震いだよ』
何故か頭に響く声は、今は亡き、恩人の声
そして最後に脳内再生された
確かに、間違いなく
『行け!!』
そう言ってくれた!!
- 46 名前: トリマー(九州) :2007/03/19(月) 19:49:17.50 ID:aTfW26lFO
- 支援
- 47 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:49:30.37 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 48 名前: 公務員(北海道) :2007/03/19(月) 19:50:46.47 ID:oaUX8HO/O
- 支援
- 49 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:50:58.75 ID:AVj2yslJ0
-
頭に流れる音声に導かれる様に、その赤い剣を引き抜く
(メ'A`)「接続開始…!」
地面に小さな亀裂が出来た
目の前には大きな水の球体
手の先には燃え上がる炎
地の亀裂は広がっていく、水が、どこまでも遠くまで
剣の炎は燃え盛り吼える、炎が、どこまでも輝くまで
敵との距離が近づき始める、微かに声が聞こえる
罵声、雑言、もう…何も聞こえない
- 50 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:54:19.48 ID:AVj2yslJ0
-
立ち込めるは水蒸気、視界は薄く白
赤剣を両手に持ち、前に身体を屈め、右に大きく構える
「オオオオオオオオ!!!!」
迫るのは怒号
(♯'A`)「その身に 焼きつけろ これが……」
負けじと叫ぶ、折れぬよう、挫けぬように
(♯'A`)「灼熱の炎だっ!!! 業 魔――
後ろ手に構えた剣を真下に向けるように、全力で振りぬく
炎が、地に触れ、地面に溜まりきった水が爆発を起こす
砕けた地面は、歪んでいく
瞬時に水を握る手の先に展開、ほぼ同時に空気が圧迫され、水は彼を守るように丸く広がる
- 51 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 19:55:24.03 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 52 名前: 専守防衛さん(長野県) :2007/03/19(月) 19:55:27.84 ID:FGdgB4YG0
- 支援
- 53 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 19:57:50.42 ID:AVj2yslJ0
-
目の前に溢れる炎
だが怯まず
振りぬき、掲げた炎の剣、それを
――灰 燼 剣 !!!」('A`♯)
真上から地面に叩きつける
声が轟く爆音に呑み込まれ、消える
地面ごと巻き込んだ爆発、炎が暴れ、燃える飛礫は飛駆し
拡大しつつ前方にある地面を持ち上げ吹き飛ばす
『炎の風』が全てを赤く染め上げ、大量に打ち出される炎の弾丸
次いで一斉に立ち上がる白い煙、水蒸気が全ての視界を完全に奪い
やがて視界が晴れていく
――見えるのは、大きく抉られた地面と揺らめく陽炎――
――そんな歪む視界の先にある、大穴の開いた人の壁――
- 54 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:00:04.35 ID:AVj2yslJ0
-
(;'A`)「はあっ…はあっ…!!」
正面を睨み続ける、まだ沢山居る…それならもう一度、何度だって…
けれど、おかしい…何の声も、音も、聞こえない
今の爆発音で耳がいかれてしまったんだろうか
「…ヒッ…」
そんな事を不安に思っていると、ふいに甲高い声が聞こえた
「アアアアアアァァ」
それは悲鳴
目の前で逃れられない絶対的な死を見てしまった者に、最早戦う意思等は無かった
けれど、何よりも聞こえてきた声で…俺は全て理解した
「・・・イ・・・・シャタ・・・アアア」
(メ'A`)「…え?」
「炎の…風…ひいいいいい破壊の管理者あああああああ!!!」
誰が言い出したかなんて分かる筈もない、けど…そう彼等は気付いてしまった
この世界で、今尚その名を残す恐怖と、力の象徴「炎の風、破壊の管理者」
- 55 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:01:04.20 ID:AVj2yslJ0
-
(メ'A`)「…そうか…そうなんだ…」
ようやく…気付いた、荒巻さんが言った、『君達』の意味が
この安心感、立ち向かう勇気をくれているのは…その名なんだ
(メ;A;)「ギコ…さん、フッサールさん……………ありがとうございます!!」
溢れる想いは止めず、耐えず、口にする
その言葉を口にした瞬間、俺は泣いていた
あなた達が居てくれたから
あなた達に守られているから
あなた達と共にあるから
俺は、俺の大切な人達を俺の手で守れるんだ
そうして俺は逃げ惑う人々を見つめていた
…顔も知らぬ英雄と、恩人であるあの人を想いながら
- 56 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 20:01:21.84 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 57 名前: トリマー(九州) :2007/03/19(月) 20:01:38.36 ID:aTfW26lFO
- 支援
- 58 名前: 公務員(北海道) :2007/03/19(月) 20:03:12.37 ID:oaUX8HO/O
- 支援
- 59 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 20:03:56.53 ID:kWIzRIrwO
- 支援
- 60 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:04:07.16 ID:AVj2yslJ0
-
そこへ
( ゚∀゚)「ドクオ!! 乗り込めえええ!!」
(メ;A;)「って…ええええ!?」
これは酷い
何が酷いって船二隻が猛スピードでこちらへ駆けて来る
感傷する暇くらいくれよ…
心の中で悪態を吐きながら、涙を拭い前へ走り出す
横に船が並び、手が差し出された
( ゚∀゚)「ほれっ」
(;'A`)「う、わわわわ!!」
手を掴んだ…いや掴まれた瞬間身体が浮きあがる
気付けば俺は船に足を乗せていた
(;'A`)「ととっ…と!」
- 61 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:06:04.54 ID:AVj2yslJ0
-
つまづきながらもどうにか堪えた
(;'A`)(…今のが一番怖かった…)
川;゚ -゚)「ドクオ!!」
(;'A`)「ぎゃあああ!?」
が、タックルを受け、結局倒れ込んだ
(;'A`)「いたたたた…何この扱い…」
川;゚ -゚)「無事か? 無事なんだな?」
酷く動揺した様子で俺に馬乗りになるクー
…いやこう、ねえ? もうちょっとロマンチックに行かないものですかね
川;゚ -゚)「…?」
少しだけ、迷った…クーに、先の事を、俺の想った事を伝えるべきなのかどうか
- 62 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:07:12.97 ID:AVj2yslJ0
-
(メ'∀`)「…大丈夫、『俺達』は側に居るよ、ちゃんとね」
迷って、そう告げた
今はまだきっと…言うべき時じゃ無いと、そう思ったから
( ゚∀゚)「おーっしゃあー!! んじゃ行くぜ! 目指すは太陽の国だぁ!!」
「おー!!」
そして…………。
- 63 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:08:16.43 ID:AVj2yslJ0
-
僕は
( ω )「……」
- 64 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 20:08:38.16 ID:o6J4XsBAO
- 支援
- 65 名前: トリマー(九州) :2007/03/19(月) 20:09:27.23 ID:aTfW26lFO
- 支援
- 66 名前: トリマー(新潟・東北) :2007/03/19(月) 20:09:50.39 ID:cLu09N7cO
- しえん
- 67 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:10:13.70 ID:AVj2yslJ0
-
僕は、そんな皆と、ドクオの背中を見つめる事しか出来なかった
彼は強くなった、本当に強くなったんだ
だからもう、僕なんか必要じゃないんだね…
結局皆、助けたいって思った人は自分か、僕以外がどうにかする、どうにかなる
僕は居ても居なくても、きっと同じ
なら僕は…何の為に、ここに居るんだろう
胸が…痛い
もう……帰り…たい…
- 68 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:11:28.68 ID:AVj2yslJ0
-
【次回予告】
- 69 名前: 大道芸人(catv?) :2007/03/19(月) 20:15:53.43 ID:3TFJxXdH0
- sien
- 70 名前: きしめん職人(コネチカット州) :2007/03/19(月) 20:16:44.12 ID:h7brriPWO
- 待ってたぜ(;∀;)
- 71 名前: イラストレーター(コネチカット州) :2007/03/19(月) 20:16:58.89 ID:vRlm6KOzO
- ブーン・・
- 72 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:17:44.31 ID:AVj2yslJ0
- 救いたいって願う事は
(;'A`)「も…モナー…さん」
おこがましい事
(;゚∀゚)「くそっ!数が多い!!」
僕が勝手に夢見る
( ・∀・)「やあ、調子はどうー?」
理想論だ
だけど
( ;ω;)「強く…強くなりたい…
僕だけ何も出来ないなんて嫌だ…っ」
だからこそ僕は
「お前の名前は?」
異世界でもう一度 第11会 「太陽の剣」
太陽を この手の中に
- 73 名前: トリマー(九州) :2007/03/19(月) 20:18:18.31 ID:aTfW26lFO
- おつ!
- 74 名前: ネコ耳少女(コネチカット州) :2007/03/19(月) 20:20:04.13 ID:vRlm6KOzO
- 乙です!
- 75 名前: きしめん職人(コネチカット州) :2007/03/19(月) 20:21:04.25 ID:1ahszhjkO
- 馴れ合い厨(笑)
- 76 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:21:47.43 ID:AVj2yslJ0
- 以上でした!
おおう、やはりこの予告は一レスじゃきつい…
支援ありがとうございました!
10時までは居ますので質問とかありましたら御所意に
- 77 名前: みどりのおばさん(愛知県) :2007/03/19(月) 20:22:57.96 ID:XmvC3EZH0
- 乙
http://up2.viploader.net/upphp/src/vlphp033488.jpg
- 78 名前: きしめん職人(コネチカット州) :2007/03/19(月) 20:23:44.86 ID:fjBY9WK5O
- 乙
なるほど名前か
- 79 名前: 金田一(東海) :2007/03/19(月) 20:25:11.01 ID:o6J4XsBAO
- 乙!
- 80 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:27:19.01 ID:AVj2yslJ0
- >>77
ひぃぃ…なんか物凄いのが来た…
ありがとうございますです
- 81 名前: 2軍選手(関東) :2007/03/19(月) 20:34:54.69 ID:kWIzRIrwO
- 乙!
- 82 名前: ハンター(関西地方) :2007/03/19(月) 20:38:50.13 ID:pIvouGJb0
- >>77
うめえwwww
- 83 名前: 留学生(栃木県) :2007/03/19(月) 20:44:51.13 ID:AVj2yslJ0
- 駄目だ、必要以上に言うまいと思ってたけど耐え切れん
すげえなんだこれすごすぎるとりあえず100回壁紙にした
全部
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