- 176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 10:21:10.85 ID:27u6leUZO
( ^^ω)「……」
考え込む。
一体、ハイン君は何故あんなに怒ったのだろう。
いや怒ったのかどうかはいまいち分からないが、機嫌を損ねたのは確かだ。
作風が変わっただけで、ああも嫌がられてしまうのは、ちょっと納得出来ない。
( ^^ω)(訊いてみよう)
僕は携帯電話を取り出し、ハイン君にメールを出した。
どうしてあんなに怒ったの、と。
( ^^ω)
( ^^ω)「……んんん……?」
10分。1時間。2時間。
返事は、一向に来ない。
いつもなら、びっくりするほど早く返ってくるのに。
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 10:26:54.96 ID:27u6leUZO
たまたま返せない状況にいるだけか。
あるいは。
( ^^ω)「……」
――結局、その日、返事が来ることは無かった。
( ^^ω)「ホマ……」
翌日になっても僕は携帯電話が気になって気になってしょうがなかった。
ふとしたときに開いては、メールの確認をする。
やはりハイン君は何も答えてくれない。
そんなに怒っている?
それとも僕の訊き方が悪かった?
- 179 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 10:38:00.36 ID:27u6leUZO
女の子とメールをするなんて素直さんとハイン君が初めてで、
こんなことになったのも初めてなんだ。
分からない。
どうするべきなんだろう。
( ^^ω)「……」
もう、ハイン君は僕と話してくれないんだろうか。
嫌われてしまったんだろうか。
ぽっかり、穴があいてしまったような気がする。
友達を失うのは、こんなにも辛いのだと、初めて知った。
- 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 10:39:16.96 ID:27u6leUZO
それから。
ハイン君からの連絡が全く無いまま、
時は、24日へと進んでいった。
- 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 10:50:19.32 ID:27u6leUZO
ハイン君のことが気になりながらも、僕は、素直さんと定食屋にいた。
川 ゚ -゚)「ん、美味しい」
( ^^ω)「ホマ……」
カレーライスを食べても、味に集中出来ない。
掌に尋常じゃないレベルで汗をかいている。
(;^^ω)(深呼吸、深呼吸)
――素直さんを、誘おうと思っているのだ。
デートに、なんて立派なものじゃなく。
ただ、明日の夜だけ、どこかで一緒にいてくれたら、それでいい。
そうだ、駅前に、一緒に買い物にでも行こう。
僕がプレゼントを選ぶなんて恐くて出来ないから、
素直さんが欲しいと言ったものを、僕が買ってあげよう。
まるで女の子に貢ぐオッサンのようだが、それぐらいしか出来そうにない。
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 11:06:51.14 ID:27u6leUZO
(;^^ω)「……す、し、すすす素直さん!」
川 ゚ -゚)「はい」
(;^^ω)「あの、あのあのあのあああああ、明日……」
川 ゚ -゚)「明日?」
(;^^ω)「あ、あ、あ……明日……予定、ありますか……」
訊けた。よし。
素直さんの様子を窺うと、彼女は小首を傾げて、鞄から手帳を取り出した。
川 ゚ -゚)「急ですね……ちょっと待って下さい」
(;^^ω)「うあ」
――しまった、たしかに急だ。
若い女性の、それもクリスマスの予定なんて、
もっと前から確認するべきだった。
みんながみんな、僕のように、好きに暇を作れるわけじゃない。
- 187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 11:15:41.60 ID:27u6leUZO
( ´`ω)「すみませんホマ……こんなの慣れてない……というか初めてで……」
川 ゚ -゚)「……」
スケジュールを確認し終えたらしい素直さんは、手帳をぱたんと閉じ――
にこりと、笑った。
川 ゚ー゚)「夕方からなら、空いてます」
( ^^ω)「え……」
川 ゚ー゚)「……私、内藤さんのそういうところ、いいと思いますよ。
正直で」
( ^^ω)「そ、そうホマ?」
川 ゚ー゚)「ええ」
川 ゚ー゚)「私、自分の都合のいいように嘘をつく人、大嫌いですから。
内藤さんみたいに本当のことを言える人は、好感が持てます」
( ∩∩ω)
泥沼だ。
- 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 11:33:53.80 ID:27u6leUZO
とりあえず約束までこぎつけた。
明日の夕方、駅前で待ち合わせて、どこかで適当にご飯を食べて、
その後ぶらぶらと歩き回ろうということになった。
川*゚ -゚)『楽しみです』
帰り際、そう言った素直さんの顔が、脳裏に焼き付いて離れない。
( ^^ω)「……」
定食屋から家に帰るまで、そして家に帰ってからも、ずっと。
胸が、どきどきしている。
でも、恋だとか、そんなのじゃない。
素直さんに本当のことを言うべきか、言ったらどうなるか。
それを考えると、妙な焦燥感が迫り上がってきて、
心臓が、痛いぐらいに激しく鼓動を刻むのだ。
- 194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 11:54:20.50 ID:27u6leUZO
軽蔑するか。
案外、受け入れてくれるのか。
――『私、自分の都合のいいように嘘をつく人、大嫌いですから』――
( ^^ω)「……」
彼女は嘘つきが嫌い。
そのことを知っていながら更に嘘を隠し続けたら、
それこそ彼女の嫌いな『自分の都合のために嘘をつく人』になってしまう気がする。
後で言えばいいという問題でもない。
寧ろ、長引かせれば長引かせるほど危険だ。
それに、僕が話すより前に、何かしらの要因によって
彼女が真実を知ってしまったら?
そんなの、最悪もいいとこだ。
- 196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 12:12:40.55 ID:27u6leUZO
――不意に、携帯電話から軽快な音が流れた。
メールの着信音。
( ^^ω)「!」
急いで開く。
頭に浮かんでいたのは、ハイン君の顔。
でも。
『差出人:素直クール
件名 :無題
本文 :明日のことについて確認していいでしょうか?』
( ^^ω)「……ホマ」
- 198 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 12:29:42.31 ID:27u6leUZO
何をがっかりしているんだ、僕は。
そもそも、ずっと素直さんについて考えていたのに、
どうして今更ハイン君が出てきたんだ。
( ^^ω)「いいですよ、と……」
返信。
しばらく経って、再び素直さんからメールが来る。
やはり、ハイン君の返信の速さは凄まじいものだったのだなと、何とは無しに思った。
それから何度かメールを送り合い、予定の調整をする。
『分かりました。楽しみにしていますね。』
全て決め終え、素直さんからそんな返事が送られてきた。
一区切りついた。
おやすみなさいと告げ、メールを終わらせるべきか。
( ^^ω)
――メールを、送る。
『一つ、言うべきことがあるんですが』
- 201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 12:34:34.52 ID:27u6leUZO
『何ですか?』
手の汗を服で拭い、携帯電話を持ち直した。
震えそうな親指で、一文字一文字、ゆっくり打ち込んでいく。
『僕は、小説家です
マルタスニムは瀬川なんです』
- 203 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 12:48:59.93 ID:27u6leUZO
10分後。
素直さんから、返事が届く。
(;^^ω)
顔が熱い。
胸が、首が、手首が、どくどくと跳ねる感覚。
メールを開く。
かこ、と、携帯電話のボタンが小さな音をたてた。
『嘘をついていたんですか。』
――頭の中を、強く揺さぶられたような感じがした。
- 206 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 12:59:25.22 ID:27u6leUZO
(;^^ω)「……!」
違う。いや、違わない。
でも。ああ。
『嫌われたくなかった』
『私も嫌いたくなかったです。』
「嫌いたくなかった」。
過去形。
それは、じゃあ、つまり。
- 209 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:05:10.77 ID:27u6leUZO
『ごめんなさい
何と言えばいいか、分かりません』
本当に、僕は何を言えばいいのか分からない。
分からない。
『内藤さんは善い人だと思います。
だからこそ、とても悲しい。』
( ω)
僕が返す前に。
続いて、メールの着信音が響いた。
『明日のことは、申し訳ありませんが、考え直させて下さい。』
- 212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:26:41.17 ID:27u6leUZO
(´・ω・`)『はあ……それは、何というか。
……お気の毒です』
翌日、担当さんから電話がきた。
素直さんと出掛けるかどうか知りたかったのだという。
しかし、ありのまま昨日のことを話すと、
担当さんは、たちまち沈んだ声になってしまった。
(´・ω・`)『でも、それは先生の責任じゃありません。
クーさんの好みを調べずに紹介した僕が悪い』
( ^^ω)「いいや、それでも嘘をついて隠していたのは僕ホマ。
……僕が馬鹿やったんだホマ」
(´・ω・`)『……』
( ^^ω)「それじゃあ、また今度。メリークリスマスホマ」
(´・ω・`)『……メリークリスマス、先生』
- 215 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:32:46.70 ID:27u6leUZO
通話を切って、携帯電話を放り投げた。
床に転がり、ぼうっと天井を眺めた。
約束は、結局、母も僕も守れなかった。
寂しい。
悲しい。
情けない。
( ^^ω)「……」
窓を見る。
暗い。
――昨日あんなことを言わなければ、今頃素直さんと一緒にいたのだろうか。
- 217 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:38:40.45 ID:27u6leUZO
( ^^ω)
一人ぼっちだ。
- 219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:39:38.04 ID:27u6leUZO
- 221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:41:04.85 ID:27u6leUZO
どん、どん。
- 224 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:43:02.87 ID:27u6leUZO
ドアが叩かれた。
どんどん。どんどん。
安普請のアパートなのだから、そう強く叩かないでほしい。
「先生」
( ^^ω)
――何だ。
君か。
- 227 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 13:50:06.76 ID:27u6leUZO
从 ゚∀从「めりくり顔面奇形」
( ^^ω)「メリークリスマスホマ」
鼻も、頬も、耳も真っ赤にして、
ハイン君はぞんざいな挨拶をくれた。
よく見れば、体が小さく震えている。
長いこと外にいたらしい。
招き入れると、早速お茶を要求してきた。
( ^^ω)「どうぞホマ」
从 ゚∀从「ん」
マグカップを両手で持ち、彼女は暫く温かみを堪能した。
- 232 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 14:08:13.20 ID:27u6leUZO
( ^^ω)「珍しいホマね、こんな遅くに」
从 ゚∀从「昼とか夕方には、あの美人とデートしてそうだから来なかったけど、
真夜中なら確実に家にいるだろうと思った」
( ^^ω)「どうして?」
从 ゚∀从「外泊する度胸、先生には無いだろ」
( ^^ω)「……たしかに。
でも今日は一日中ここにいたホマ」
そう言ってやると、ハイン君は間の抜けた顔をした。
「何で?」と問う声が本当に不思議そうで、少し面白い。
( ^^ω)「かくかくホマホマ」
从 ゚∀从「しかじかリヒリヒ。……面倒な女に引っ掛かったもんだね、先生」
( ^^ω)「素直さんはそういう人で、僕がヘマやらかしたってだけホマ」
ハイン君は、呆れた表情で僕を見る。
この間のことなんてまるで無かったかのように、いつも通りだ。
- 236 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 14:20:25.58 ID:27u6leUZO
从 ゚∀从「……ま、あの美人は先生には勿体なかったし、
いいんじゃないの、これで」
( ^^ω)「ホマ……」
从 ゚∀从「それとも先生、本気で惚れてた? 寂しい?」
( ^^ω)「……」
どうなんだろう。
このまま素直さんと何の関わりも持たなくなったとして、
僕は悲しむのだろうか。
そりゃ、たしかに寂しくはあるけれど。
僕の胸を満たす寂しさは、約束を守れなかったことの方が強いと思う。
ええと。
……そうだな、
( ^^ω)「ハイン君と話せなかったときの方が、寂しかった気がするホマ」
从 ゚∀从
あのときは、何かを無くしてしまったような虚しさがあった。
今は、無い。
- 242 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 14:33:17.06 ID:27u6leUZO
やはり付き合いの長さの問題なのかもしれない。
時間は数ヶ月程度の違いだけど、気持ちの面ではだいぶ違うのだ。
( ^^ω)「だから、恋はしてなかったかも……」
_,
从 -∀从
(;^^ω)「……どうしたホマ」
マグカップをテーブルに置いて、ハイン君はひどく難しい顔で目を閉じた。
悪いこと言ったかな、僕。
_,
从 -∀从「……」
携帯電話を取り出し、ハイン君は、やけに凄いスピードで何事か操作し始める。
なるほど、メールの速さも納得の動きだ。
从 ゚∀从
最後に決定キーを力強く打ち、携帯電話を閉じた。
何をしたのかと僕が訊こうとしたとき、
僕の携帯電話が、メールの受信を知らせた。
- 247 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 14:45:21.78 ID:27u6leUZO
( ^^ω)「?」
まさか素直さんというわけもあるまい。
誰だろうと疑問に思いながら開くと――
誰からのものであるかという疑問は解け、
一体どういう意味だという疑問が生まれた。
『差出人:ハインリッヒ高岡
件名 :Re:
本文 :涙が好きだ。
だから、私は涙で出来てる君が好きなのだ。
君は涙で、涙は君――』
……この厨二臭溢れる文は見覚えがある。
いつぞやに僕が書いた短編の一部だ。
というか改めて見ると、かなり恥ずかしい。何だこれ。
- 250 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 14:52:54.92 ID:27u6leUZO
そういえば、件名に『Re:』とある。
返信?
( ^^ω)「……」
一番最近、僕が彼女に送ったメールは、たしか、
あの日――ハイン君が不機嫌になって帰った日のものだ。
どうしてあんなに怒ったの、とかいうような。
( ^^ω)「ハイン君――」
从 ゚∀从「ちょっと黙ってオレの話を聞け」
( ^^ω)「はい」
問おうとすると、とても恐い顔で睨まれた。
これは黙るより他ないではないか。
- 252 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:04:08.65 ID:27u6leUZO
从 ゚∀从「あんた、言ったよな。
そのときの気分によって作品内の雰囲気が変わるって」
( ^^ω)「……ホマ」
从 ゚∀从「じゃあ、あんたの作品は、あんた自身の心も表してるってこった」
そういうことになるのか?
まあ、ならないとも言えないし、とりあえず頷いておく。
从 ゚∀从「……オレは、あんたの書く話が大好きだ。
どれもこれも、大好きで仕方ない」
( ^^ω)「ホマ」
从 ゚∀从「……気付けよ」
(;^^ω)「?」
从#゚∀从「――あんたが作品そのもので!
オレは、作品が大好きなんだってば!!」
- 257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:11:38.71 ID:27u6leUZO
( ^^ω)
( ^^ω)「どういうことなの……」
从#゚∀从 ブッチン
あれ、何か血管切れるような不吉な音が。
从#゚∀从「オレは、あんたが好きなんだよボケェエ!!」
叫び、ハイン君がテーブルに拳を振り下ろす。
マグカップが倒れ、お茶がぶちまけられた。
( ^^ω)
从#゚∀从
……ん?
え? 今のって、え、え?
- 262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:27:50.90 ID:27u6leUZO
从 ゚∀从「……先生が書いた新作のショートショート。
あの美人の批判をばりばり意識してんの、丸出しだった」
少し落ち着いたのか、声のボリュームが下がる。
いや、君が落ち着いても、こっちは大混乱なんだけども。
从 ゚∀从「話は面白かったよ。
でも、嫌だった。……嫉妬だ。ヤキモチだよ。
あの人は、先生にとって、そんなに大きな存在なのかって腹が立ったんだ」
(;^^ω)「あ、あう」
从;-∀从「……くそ、あんたが変なこと言うから、
思わず告白しちまったじゃねえか」
(;^^ω)「へっ、変なこと……?」
从 ゚∀从「オレと話せなくて寂しかったって。
あんなん言われたら嬉しくなるだろうがよ、畜生」
- 269 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:38:55.77 ID:27u6leUZO
そう、寂しかった。
あのとき、とてつもない虚無感に襲われた。
――心臓がうるさい。
顔が熱い。
頭が真っ白だ。
(;*^^ω)
从*-∀从
ハイン君は真っ赤になって、そっぽを向いた。
僕は、愛だの何だの、よく分からない。ろくに知らない。
だから、これが本当に「そう」なのか、判断はつかないけれど。
素直さんとハイン君に対する感情が全く違ったことだけは、
今更ながら気付いてしまった。
- 271 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 15:46:23.72 ID:27u6leUZO
从*゚‐从「……もう、改めて言うけど。
好きだよ、先生」
時計を見る。
つい先程日付が変わったようだ。
クリスマスに間に合わなかったことは残念だけど。
でも、それよりも。
抱えきれないほどの幸福の方が、勝っている。
(*^^ω)「多分――僕も、君が好きホマ。ハイン君」
- 279 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 16:01:37.04 ID:27u6leUZO
(´・ω・`)「結局そっちとくっつきましたか」
( ^^ω)「まあ、そうなったホマ」
(´・ω・`)「お幸せに」
( ^^ω)「ありがとうホマ」
僕の部屋で作品の打ち合わせをしながら、担当さんに洗いざらい話すと、
担当さんは、ほっと息をついて祝福してくれた。
2日後は大晦日。
世間はやたらと忙しそうだ。
(´・ω・`)「そうそう、クーさんから伝言なんですが」
( ^^ω)「……ホマ」
(´・ω・`)「『大変失礼なことをしてしまった、
考えてみれば、自分が内藤さんの前で作品を否定したのが悪かった。
もし許してくれるなら、また今度、お食事に行ってくれませんか』と」
( ^^ω)「……そうホマか」
(´・ω・`)「反省してるみたいでしたよ。
あの子も連れて、クーさんとご飯食べに行ったらどうでしょう」
( ^^ω)「そうしてみるホマ」
- 281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/10(金) 16:09:22.51 ID:27u6leUZO
「せーんーせー!」
(´・ω・`)「お、来ましたね」
( ^^ω)「ホマホマ」
どんどん、乱暴なノック。
――ドアを開けると、いつもの通り、笑顔の彼女が立っていた。
( ^^ω)クリスマスには間に合わなかったようです
おわり
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