- 574 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:40:06.06 ID:GPr1/6/I0
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その日の空は、とても澄んでいて
満月が柔らかく辺りを照らしていた
( ^ω^)「…」
ξ ゚听)ξ「…」
ξ ゚听)ξ「…こんなところに呼び出して何の用?」
(;^ω^)「お…」
(;^ω^)「…」
息が詰まるのが分かった
澄んだ空気が逆に辛かった
だけど
しっかりと応えなければならないと思った
- 577 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:41:56.04 ID:GPr1/6/I0
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(;^ω^)「…ツ、ツン」
ξ ゚听)ξ「…」
(;^ω^)「…」
ξ ゚听)ξ「…なに?」
(;^ω^)「…あ」
頑張れ、気合だ、気合があれば何でもできる!
たぶん
(;^ω^)「ツン、その…!!」
(;^ω^)「ツンとは昔からいつも一緒で…」
(;^ω^)「バカやって、怒られて、それでも、一緒にいて…」
(;^ω^)「でも、あの……だから……」
ξ ゚听)ξ「…」
ξ ゚听)ξ「バッカじゃないの?」
あれ?
- 580 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:43:10.71 ID:GPr1/6/I0
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(;^ω^)「おぉ?」
ξ ゚听)ξ「セリフ、間違えてんじゃないわよ」
ξ ゚听)ξ「『好きです。付き合ってください』でしょ?」
(;^ω^)「……あ、あぁ」
ξ ゚听)ξ「そんなんじゃ、素直さんに告白できないわよ?」
(;^ω^)「…っ」
( ^ω^)「……告白は、した、お」
ξ ゚听)ξ「…」
ξ ゚听)ξ「…結果は?」
( ^ω^)「…ぶっ飛ばされたお」
ξ ゚听)ξ「……ふられたの?」
(;^ω^)「…よく分かんないお」
ξ --)ξ「…そう」
- 582 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:44:25.42 ID:GPr1/6/I0
-
ξ ゚听)ξ「ねぇ、ブーン」
( ^ω^)「お?」
ξ ゚听)ξ「…告白の練習、付き合ってよ」
(;^ω^)「…え、だってもう」
ξ --)ξ「違うわよ、あんたじゃなくて…」
ξ ゚听)ξ「私の」
- 583 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:45:59.04 ID:GPr1/6/I0
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(;^ω^)「…」
ξ ゚听)ξ「…」
夜の公園
そこにいるのは、ボクとツン
月の光を背にして立つ彼女の表情は分からない
(;^ω^)「…こ、こんなところに呼び出して何の用だお?」
ξ ゚听)ξ「…」
どうしてこんなことになったのか
自分でもよく分からない
(;^ω^)「な、何だお? よよよ用がないなら…」
ξ ゚听)ξ「…」
(;^ω^)「ないなら…」
ξ ゚听)ξ「…」
- 586 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:47:38.67 ID:GPr1/6/I0
-
上手く言葉を紡げない
怖かった
彼女を言葉を聞くのが
気持ちが揺れてしまいそうで、とっても怖かった
(;^ω^)「ない、なら…」
ξ - -)ξ「…」
ξ ゚ー゚)ξ「好きよ、ブーン」
そんなボクの心情を知ってか知らずか
ツンの声はとっても優しくて
少しだけ涙が出そうになった
ボクが
ボクがすべきことは――…
- 589 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:48:59.08 ID:GPr1/6/I0
-
(;^ω^)「…」
( ^ω^)、「…」
( ^ω^)「ごめんだお」
告白の―――…返事だ
ξ - -)ξ「…」
- 594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:52:03.88 ID:GPr1/6/I0
-
( ^ω^)「…」
( ^ω^)「…」
(;^ω^)「…」
(;^ω^)「…」
(;^ω^)「…あの、ツン」
ξ --)ξ「上ぉ出来じゃない」
(;^ω^)「…お」
ξ --)ξ「まだ返事もらってないんでしょ?」
ξ --)ξ「今のあんたなら、きっと良い返事もらえるわよ」
( ^ω^)、「…あ、ありがとうだお」
- 599 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:54:14.11 ID:GPr1/6/I0
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ξ ゚听)ξノシ「ほりゃ、帰るぞ」
( ^ω^)「…」
( ^ω^)「…ツン、ボクは」
ξ ゚听)ξ「…」
( ^ω^)「ボクは、ツンのこと――…」
ξ --)ξ「パフェ」
( ^ω^)「は?」
- 601 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:55:34.96 ID:GPr1/6/I0
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ξ ゚听)ξ「パフェよ、パフェ、ロマのパフェ」
ξ ゚听)ξ「おごりな、向こう一週間」
(;^ω^)「ちょっ!? なんでだお」
ξ ゚听)ξ「なんでも」
(;^ω^)「り、理不尽だお!?」
ξ - -)ξ「……世の中、大体そんなもんよ」
(;^ω^)「…うぇぇぇ!?」
泣き言を言いながら、家路に着く
2人で歩くその道は
満月の光に照らされて、とても綺麗だった
- 602 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:56:54.17 ID:GPr1/6/I0
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運命の日
寝起きは最悪だった
(;´ω`)(…結局、あのあと一睡もできなかったお)
はやる気持ちを抑え、きちんと身支度をして学校に向かう
教室で待っているのは、いつもの面子
('A`)
ξ ==)ξ
(□)ω・`)
(;´ω`)「うわっ!!!?」
(;´ω`)「み、みんな、どうしたお…?」
- 604 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:58:05.88 ID:GPr1/6/I0
-
('A`)「お前も、大分やべぇぞ」
(;^ω^)「…むっ、気合を入れればなんとか」
(;^ω^)「唯一無事そうなのはドクオだけかお」
('A`)「まぁな」
('A`)「ツンは寝不足、ショボンは熊にベアナックル食らったらしい」
('A∋― = ドスッ
('A゚)「あぎゃあああああ!?」
(;^ω^)「どこからともなく、フォークが!?」
ξ ゚听)ξ「物騒な世の中よね」
(;^ω^)「…」
- 606 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 00:59:20.57 ID:GPr1/6/I0
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ξ --)ξ「…はぁ、眠ぅ」
( ^ω^)「…」
ξ ゚-)ξ「…」
ξ --)ξ「気合入れていきないよ」
(* ^ω^)「…おっ!」
ξ ゚听)ξ「さて、私は寝ようかな…」
(□)ω・`)「あ、ボクも」
ξ ゚听)ξ「変なことしたら、ぶっ殺すからね」
(□)ω・`)「死なない程度に気をつけるよ」
( ^ω^)「…」
- 607 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:00:37.23 ID:GPr1/6/I0
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ツンも、ショボンも、('A゚)も
普段通り
でも、ちょっとだけ変わった気がする
( ^ω^)(みんな、ずっとこのままで、ってわけにはいかないお)
ボクもそうだ
顔を叩いて、気合を入れると
ボクは素直さんの教室へと向かった
( ^ω^)(教室へと来たのは、いいけどまた絡まれたりしたら厄介だお…)
( ^ω^)(でも、もう授業始まっちゃうし…)
( ^ω^)(えぇい、突入だお!!)
- 611 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:02:10.45 ID:GPr1/6/I0
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ガラッ
( ^ω^)「たのもー!!!」
( ^ω^)「…」
移動教室だった
(;^ω^)「誰もいないとか…、どんだけ空回りなんだお……」
(;^ω^)「はぁ、出直すかお…」
- 614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:03:38.32 ID:GPr1/6/I0
-
川 ゚ -゚)「おや」
(;^ω^)「へひっ!?」
(;^ω^)「す、素直さん!!?」
この人は、本当に心臓に悪い
川 ゚ -゚)「ブーンか」
川 ゚ -゚)「ここにいるということは、私に用と考えていいかな?」
(;^ω^)「そ、そうですお」
- 617 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:05:01.62 ID:GPr1/6/I0
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(;^ω^)「…」
( ^ω^)「…昨日の返事、聞きにきましたお」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「…」
川 ゚ -゚)「……?」
…この人、忘れてないですか?
( ;ω;)「…あ、あの、ボク……、昨日、あなたに、告白を…」
泣きたく…
てか、泣けてきた
- 623 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:07:39.96 ID:GPr1/6/I0
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川 ゚ -゚)「あ、あぁー」
川 ゚ -゚)「思い出した」
川 ゚ -゚)「その節はすまんかった」
( ;ω;)「すまんって、ダメってことですかお」
川;゚ -゚)「あ、いや、そういうわけじゃないんだが…」
川 ゚ -゚)、「なんせ、ああいう経験は初めてでな…
取り乱してしまった、すまんな」
( ^ω⊂)「…グスッ」
( ^ω^)「あ、いえ、…慣れてますから」
川 ゚ー゚)「そうか、良かった」
(;^ω^)「それで、あの……返事をまだ聞いてないんですが……」
- 627 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:09:03.51 ID:GPr1/6/I0
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川 ゚ -゚)「ん、あぁ、そうだな」
川 ゚ -゚)「…コホン」
川 ゚ -゚)「昨日、色々調べてみた」
川 ゚ -゚)「なんせ、告白なんてされるのは初めてだったからな」
(;^ω^)「そ、そうなんですかお?」
川 ゚ -゚)、「そういうことには、とんと縁がなくてね」
川 ゚ -゚)「好きな者同士が、一緒にいること」
川 ゚ -゚)「それが恋人というものだろう?」
(;^ω^)「おおよそ、それで間違ってないと思いますお」
川 ゚ -゚)「なるほど」
川 ゚ -゚)「つまり、私はブーンが好きなのだから、恋人といって差し支えはないのかな?」
( ^ω^)
- 635 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:10:42.86 ID:GPr1/6/I0
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( ^ω^)「…もう一回ゆっくりと言ってもらっていいですかお?」
ボクは慎重派だった
川 ゚ -゚)「スローか? 難しい注文だな」
川 ゚ -゚)「つ〜ま〜り〜…」
(;^ω^)「普通のテンポでいいですお!」
川 ゚ -゚)「そうか?」
川 ゚ -゚)「私とブーンは、恋人といって差し支えない」
川 ゚ -゚)「そう言ったんだが」
( ^ω^)「…」
川 ゚ -゚)「…?」
(;^ω^)「ママママママジっすかお!!?」
川 ゚ -゚)「マママママママジだ」
- 641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:13:29.99 ID:GPr1/6/I0
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どこからともなく光が差し込んでくる
暖かい
春だ、冬だけど人生の春だ
川 ゚ -゚)「だけどな」
しかし、そこには
そんな幻想を打ち砕く、痛烈な彼女の一撃が待っていた
- 645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:14:56.54 ID:GPr1/6/I0
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川 ゚ -゚) 「私には、ビコーズという恋人がいるんだ」
つ( ∵)
川 ゚ -゚) 「二股はできない、ごめんなさい」
つ( ∵)
( ω ) ゚ ゚
春は終わって、氷河期がきた
短い
あまりも短い春だった
- 656 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/02/13(金) 01:16:42.55 ID:GPr1/6/I0
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( ω )「お…」
( ω )「そ、そうですかお…」
( ω )「…あははは」
( ω )「そりゃそうですよね」
( ω )「二股なんていけないですお〜…」
フラフラと扉の方へ歩いていく
川 ゚ -゚)「ん…?」
川 ゚ -゚)「おい、そっちは窓…」
素直さんの声は聞こえなかった
もう何も聞こえなかた
ボクは人生そのもののように、窓から墜落した
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