9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 19:42:33.01 ID:e+ze5D2JO

( ^ω^)(――世の中、武器でも使わなきゃ満足に闘えない弱者ばかりだ)

( ^ω^)(真の強者は、己の拳のみで勝利を掴む者)

( ^ω^)(俺は、真の強者になる)

( ^ω^)(この拳で敵を捩伏せる)

( ^ω^)(――拳の、王になる)




ξ゚听)ξ「こらこらブーン君、お昼寝の時間でしょ。
      ジャングルジムから下りて、みんなとお昼寝しましょうね」

( ^ω^)「くくく……」



 ――内藤ホライゾン、あだ名、ブーン。

       5歳――



     ( ^ω^)が拳の王となるようです


13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 19:54:01.87 ID:e+ze5D2JO

(´・ω・`)「ブーンくん、どこ行ってたの?」

( ^ω^)「ショボンか。何、己の胸に決意を固めただけよ」

(´・ω・`)「? どういうこと?」

( ^ω^)「ふ、幼子には理解し難いか」

ξ゚听)ξ「ブーン君も幼子でしょ。はい、お布団かぶって寝ましょうね」

( ^ω^)「眠くなどない」

ξ゚听)ξ「もう……じゃあ、ブーン君が寝るまでお話でもしようか」

( ^ω^)「そんな子供だまし、我には効かぬ」

ξ゚听)ξ「いいから。――むかーしむかし、あるところに――」


 〜数分後〜


( ‐ω‐)ウツラウツラ

ξ゚ー゚)ξ「よしよし」



14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:04:39.65 ID:e+ze5D2JO

 〜園庭〜

 キャーキャー ワーワー

(;A;)「えーん、えーん」

( ^ω^)「どうした、ドクオ」

(;A;)「ブランコ、順番なのに、並んでたのに」

( ^ω^)「解せぬ」

(´・ω・`)「ドクオくんがブランコに乗る番だったのに、ニダーくんが、わりこんだの」

( ^ω^)「愚図が。ちんたらしているからそうなるのだ」

(;A;)「うう……」

( ^ω^)「……待っていろ。今、俺が奪い返してやる」

(;A;)「え……」


( ^ω^)「――この、拳で、な」



18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:07:38.12 ID:e+ze5D2JO




:(#::#)ω;):「あの野郎ブランコから飛び蹴りしてきやがった」

(;´・ω・`)(弱―――――――!!!!!)





20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:14:17.98 ID:e+ze5D2JO

ξ゚听)ξ「はい、おとなしくしてね」

(#::#)ω;)「いた、痛い、消毒液痛い」

(;A;)「ブーン、痛い? ごめんね、おれが弱いから、ごめんね」

ξ゚听)ξ「ほら、ブーン君が痛がると、ドクオ君の心も痛くなっちゃう」

(#::#)ω;)「む……」

(#::#)ω⊂)グシグシ

(#::#)ω^)「ふん、こんなもの、屁でもない」

(;A;)「ほんと?」

(#::#)ω^)「俺はお前と違って強いのだ」

(;A;)「良かった……」

ξ゚ー゚)ξ「ん、えらいね」


25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:19:05.61 ID:e+ze5D2JO



 〜それからそれから〜

<#;#)∀;(##>「ドクオごめんニダ」

(;'A`)「えっ、……え? ニダーくん? 顔がパンパンだけど」

<#;#)∀;(##>「ツンせんせいに怒られたニダ」


:(;^ω^):

:(;´・ω・`):   ガタガタガタガタブルブルブルブル

:(;'A`):




28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:30:18.03 ID:e+ze5D2JO

 〜夕方〜

(゚、゚トソン「ショボン」

(*´・ω・`)「あ、ママー」

(゚、゚トソン「先生、今日もありがとうございました」

ξ゚听)ξ「いえいえ。お仕事お疲れ様です。
      ショボン君は今日もいい子でしたよ」

(゚ー゚*トソン「あら。ショボン、えらいですね」

(*´・ω・`)「えへへ。先生、またね」

ξ゚ー゚)ξ「また明日ー」

(*´・ω・`)「ブーンくん、またあした!」

( ^ω^)「うむ」

 カラカラ ピシャン

ξ゚听)ξ(……今日も、ブーン君が最後まで残ったか)

30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:36:40.70 ID:e+ze5D2JO

ξ゚听)ξ「ブーン君、先生と遊ぼっか」

( ^ω^)「軟弱な女と何をして遊べというのだ」

ξ#゚ー゚)ξ

(;^ω^)「せんせー積木しよー!!」



 カチ カチ カチ カチ …

ξ゚听)ξ(もう、外も真っ暗……)

( ^ω^)「……」

ξ゚ -゚)ξ、(ブーン君、寂しそう)

 カラカラ

(*^ω^)「!」

(;ФωФ)「すまん、ブーン! 待ちくたびれたであるか!」

( ^ω^)「ふんっ、あと少しで、この女を俺のものにするところだったのにな」

(;ФωФ)「妙なこと言うな! 先生、すみません」

ξ゚听)ξ「いえいえ」
35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 20:48:31.70 ID:e+ze5D2JO

( ФωФ)「いつもいつも助かってるのである」

ξ゚ー゚)ξ「ブーン君は面白い子だから、私も楽しいです。
      それに、今日は、いじめられちゃったお友達を
      助けてあげようとしたんですよ」

(*ФωФ)「ほう! えらいぞブーン! さすが、我輩の子である!!」

(*^ω^)「な、撫でるな。子供扱いするんじゃない!!」

ξ*゚ー゚)ξ クスクス

(;ФωФ)「あ……これはお恥ずかしいところを」

ξ*゚ー゚)ξ「いいえ。
      悪いことをしたら叱って、良いことをしたらたっぷり褒めてあげて下さい。
      子供にとって、それが一番良いですから」

( ФωФ)「むう、成る程。ではブーン、今日のご飯はお前の好きな唐揚げにしよう」

(*^ω^)「……親父にしては、気がきくではないか」

( ФωФ)「何なのその言い方……。では、失礼します」

ξ゚ー゚)ξ「はい。また明日ね、ブーン君」

( ^ω^)「俺と会えるのを楽しみにしているがいい」

 カラカラ ピシャン
39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:04:22.33 ID:e+ze5D2JO

ξ゚ー゚)ξ

ξ゚听)ξ「……」

ξ--)ξ(――杉浦ロマネスクさん。ブーン君の、本当のお父さんじゃ、ない)

ξ--)ξ(ブーン君のあの振る舞いは、強がりなのかな)

ξ--)ξ(赤ちゃんの頃に御両親を亡くして……寂しいのかもしれない)

ξ--)ξ(それでも、捻くれずに、いい子に育ってる。……ちょっと変な子だけど)

ξ--)ξ(きっと、杉浦さんの育て方が良かったのね)

ξ--)ξ(私も、ブーン君が優しいまま育ってくれるよう、頑張らなきゃ)




(*ФωФ)⊃⊂(*^ω^)




42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:13:52.87 ID:e+ze5D2JO

 ワーワー キャーキャー

川 ゚ -゚)「……」キィ、キィ

( ^ω^)「むっ、珍しくブランコが空いているな」

川 ゚ -゚)「!」

(´・ω・`)「あ……」

( ^ω^)「どうしたショボン」

(´・ω・`)「クーちゃんだ」

川 ゚ -゚)「……」

(´・ω・`)「……そっか、だからブランコあいてるんだ……」

( ^ω^)「何故クーがいるとブランコが空くのだ」

川 ゚ -゚)「……」

(´・ω・`)「……えっと」


44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:17:02.34 ID:e+ze5D2JO

川 ゚ -゚)「……」スクッ

 タタタタタ……

( ^ω^)「……園の中に入ってしまった」

( ^Д^)「あいついなくなったぜ。やっとブランコであそべるなwwプギャーwwwww」
  _
( ゚∀゚)「だなーwwwww」

( ^ω^)「……お前ら、どういうことだ」

( ^Д^)「だってあいつ気味悪いもんwww暗くてさーwwwww」
  _
( ゚∀゚)「ちかくに寄ると、ネクラがうつるwwwww」

(´・ω・`)「……」

( ^ω^)「……」

( ^Д^)「んだよ、じっと見てwwwww」

( ^ω^)「……女々しいな」ボソッ
  _
( ゚∀゚)「あ?」


49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:30:36.16 ID:e+ze5D2JO

( ^ω^)「たかだか無口な女に、そうも怯えるとはな」

(#^Д^)「何だって!?」

(;´・ω・`)「ぶ、ブーンくん……」

( ^ω^)「『根暗で気味悪くて恐いから』近寄らないのだろう?
       逃げてるだけではないか」

( ^ω^)「男はな、すぐ隣に恐るべき脅威が居たとしても!」

( ^ω^)「まったく動じず、そこに鎮座し、腕組み豪快に笑ってやるものだ!!」
  _
(#゚∀゚)「てめえ!!」


   「――そ、そうだ!」

( ^ω^)「!」

(;'A`)「く、クーちゃんが、おまえらに何かしたわけでもないのに、
    お、おまえら、か、かか、かってにバカにして! 男らしくないぞ!」

(#^Д^)「……こいつら、うっぜえ……」


51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:33:39.75 ID:e+ze5D2JO

( ^ω^)「……くくく、ドクオ、見直したぞ」

(;'∀`)「へ、へへ……おれ、ブーンみたいになりたいんだ……」

( ^ω^)「良かろう。ならば――」


( ^ω^)「手始めに、奴らを懲らしめてやろうではないか。
       ――拳でな」

(;'A`)「お、おう!!」










(#::#)ω;)「何なの? ブランコから飛び蹴りするの流行ってるの?」

(##)A;)「痛いよう……」

(;´・ω・`)「きみたちってヤツは……」


58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:43:12.86 ID:e+ze5D2JO

川 ; -;)

ξ゚听)ξ「みんな、クーちゃんとあんまりお話ししないから、
      クーちゃんのこと、よく知らないだけなのよ。
      クーちゃんが悪いんじゃないからね?」

川 ; -;)) コクン

(;´・ω・`)「せんせー! せんせー!」

川 ; -;)「!」

ξ゚听)ξ「どうしたの?」

(;´・ω・`)「ブーンくんとドクオくんがケガした!」

(#::#)ω;)「これは敗北などではない。勝利への道の一部だ」

(##)A;)「わかった……」

ξ;゚听)ξ「あーあー」

川;゚ -゚) アワアワ


62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 21:51:31.13 ID:e+ze5D2JO

ξ゚听)ξ「はい、ちょっと染みるよー」

(#::#)ω;)「お前は『ちょっと』という言葉の意味を知っているのか?」

ξ゚听)ξ「消毒液やってー、絆創膏貼ってー。
      はい次、ドクオ君ね」

(##)A;)「うー……しみる……」

ξ;゚听)ξ「……あっ、絆創膏足りない……」

川;゚ -゚)「!」

川;゚ -゚) ゴソゴソ

川;゚ -゚)⊃[□] パッ

ξ゚听)ξ「あ、クーちゃん絆創膏持ってるの? 分けてもらっていい?」

川;゚ -゚)) コクコク

(##)A;)「ありがと……」

(#::#)ω^)「備えあれば憂い無し。褒めてやろう、クー」

川 ゚ -゚)「!」

川*゚ -゚) テレテレ
70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:03:15.78 ID:e+ze5D2JO

ξ゚听)ξ「で、今度は何があったの? ドクオ君まで怪我して……」

(´・ω・`)「ブーンくんたちね、クーちゃんを悪く言ったプギャーくんたちと
      ケンカしたの」

川 ゚ -゚)「!!」

ξ゚听)ξ「……あら」

(#::#)ω^)「あやつらの心根の腐った言葉と笑い声が耳障りだっただけだ」

(##)A`)「ブーン、すごく怒ってたよ」

ξ゚ー゚)ξ「……そう。かっこいいね、2人共」

川 ゚ -゚)「……」クイクイ

(#::#)ω^)「何だ」

川 ゚ -゚)「……ぁ」

川*; -;)「ぁ、ありがとう……」

(#::#)ω^)「別にお前のためにしたわけではないわ」

ξ゚听)ξ「こーら」

(#::#)ω^)「……どういたしまして」

71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:12:56.86 ID:e+ze5D2JO

(##)A`)「クーちゃん、いっしょにあそぼう」

川*ぅ -;)) コクコクコクコク

(´・ω・`)「なにしてあそぶ? おそとに行く?」

川*゚ -゚)「ん、んと、えっと……」チラチラ

(##)A`)「ブロック?」

川;*゚ -゚)「ぶ、ブーンくんたちがあそびたいやつでいい……」

(#::#)ω^)「……あの馬鹿共のせいで体が痛む。
        外で駆け回るのは遠慮したいな。
        ――室内で、"神々の創造破壊遊戯(ブロック遊び)"でも、するか」

川*゚ -゚)「! う、うん!」

ξ゚ー゚)ξ「……ふふ」

75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:18:52.53 ID:e+ze5D2JO

ξ゚听)ξ「じゃ、みんな仲良く遊んでてね。
      先生はちょっとプギャー君達をシメt……叱ってくるから」

(#::#)ω^)「シメてくるって言いかけなかったか」

ξ^竸)ξ「ん?」

(#::#)ω^)「何でもないお!」

:(;##)A`):

:(;´・ω・`):  ガクガクガクブルブルブル

:川;゚ -゚):

77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:29:00.57 ID:e+ze5D2JO

 〜夜〜

(;ФωФ)「また最後か……すまん、ブーン」

( ^ω^)「のろまめ」

ξ゚ー゚)ξ「今日はですね、女の子をカクカクシカジカ」

(*ФωФ)「おお、えらいである!」

(*^ω^)「……ふん」





(*ФωФ)⊃⊂(*^ω^)テクテク

(*ФωФ)「我輩自慢の子であるよ、ブーン」

(*^ω^)「……おっおー」
82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:39:38.21 ID:e+ze5D2JO

(*^ω^)「だって、ロマ、言ってたお……。
       男は強くなれって……。強くなれば、弱い人を助けられるって……。
       だから、僕、強くなりたいんだお……」

( ФωФ)(素になっておる……眠たいのであるな)

(*^ω^)「ロマは強いお。僕を助けてくれたお。
       僕、ロマみたいになるお……」

(*ФωФ)「……ははは、そうであるか」

(*^ω^)「おー……」

( ФωФ)「ブーン、おんぶしてやるである」

(*^ω^)「おんぶ……」

(*^ω( ФωФ)「よいしょ」

(*^ω( ФωФ)テクテク テクテク

(*‐ω( ФωФ)テクテク テクテク

 スヤスヤ
(*‐ω( ФωФ)テクテク テクテク

(*‐ω( ФωФ)「……実の息子ではないのに、こうも可愛いものであるか」

(*‐ω( ФωФ)「強くなるであるよ、ブーン」
87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 22:52:41.95 ID:e+ze5D2JO



( ;ω;)『いたいお、いたいお』

 ――この愚図が

( ;ω;)『おーん、おーん』

 ――泣くな! うるさいったらありゃしねえ!

( ;ω;)『お、お……うー……』

 ――ったく、姉さんの子供だからって引き取るんじゃなかったよ

 ――おいガキ、お前のせいで、お前の親は死んだんだよ

 ――そのせいで俺達まで困ってんだ

 ――全部お前のせいなんだぜ

 ――わかってんのか?

( ;ω;)『ご、ごめ、なさい、お……』

 ――俺が良いって言うまで、そこで正座してろ

( ;ω;)『おーん……』


90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:01:56.76 ID:e+ze5D2JO

  ピンポーン

 ――ちっ、誰か来たな。おとなしくしてろよ、クソガキ

( ;ω;)『うう……』

  ガチャ

  バタン! ガタッガタン
  ギャアギャア ガタガタッ

( ;ω;)『……なんだお……?』

  ドタドタ

  バン!!

( ФωФ)『……見付けた』

( ;ω;)『おっ……!?』

( ФωФ)『君がホライゾンであるな。……傷だらけではないか』

( ;ω;)『だ、だれですかお……?』

( ФωФ)『杉浦ロマネスク。……君の母親の、弟である』



91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:13:14.94 ID:e+ze5D2JO

( ;ω;)『ろま……?』

 ――おい、兄貴! 久々に顔見せたかと思えば、何なんだよ!

( ФωФ)『久々に顔を見たかと思えば……とんだ屑に成り下がっていたな、弟よ』

 ――姉さんの葬式にも来なかった癖に……!

( ФωФ)『我輩は親父に嫌われているからな、
       姉さんが死んだことさえ知らされなかったである。
       ――さて、ホライゾンは我輩が引き取らせてもらう』

 ――はあ?

( ФωФ)『生前から姉さんは言っていた。
       もしも自分達に何かあったら、我輩に息子を任せると。
       決してお前に渡してはならぬと。
       その「もしも」が現実になったことに気付くのが、遅れてしまったがな』

 ――今更何を――

( ФωФ)『何なら姉さんが書いた書面も見せてやるぞ。
       ……ホライゾン、おいで』
94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:21:08.90 ID:e+ze5D2JO

( ;ω;)『お……』

 ――ふざけんじゃねえよ!!

( ФωФ)『……』

  バキィッ

( ;ω;)『おっ!?』

 ――い、ってぇ……!

( ФωФ)『兄に向かって椅子を振りかぶるか。
       とことん見損なったぞ、この阿呆が』


(#ФωФ)『……分かるか! 貴様が武器を持とうと、我輩の拳には敵わぬ!
       貴様の身勝手な我が儘が、
       我輩の、大事な甥を――否、「子供」を守る力に敵う筈がないのだ!!』


98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:34:18.71 ID:e+ze5D2JO



( ФωФ)⊃⊂( ^ω^)テクテク

( ФωФ)『……ホライゾン』

( ^ω^)『はいお』

( ФωФ)『姉さん……お前の母は、とても体が弱かった。
       お前を産んだことで、たしかに死んでしまう程に衰弱した』

( ФωФ)『だが、彼女は、自分の命が危ういことを知っていながらお前を産んだ』

( ФωФ)『自分の身をなげうっても、お前に、この世界を見せてやりたかったのだ』

( ФωФ)『……どちらにせよ、姉さんは長生き出来ぬ体であったからな』

( ^ω^)『……よく、わかんないですお……』

( ФωФ)『お前が産まれた「せい」で死んだのではない』

( ФωФ)『お前が産まれた「おかげで」、喜びの中に死ねたのだ』

( ФωФ)『ホライゾンは、姉さんに最大の幸せをあげたのであるよ』

101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:44:41.37 ID:e+ze5D2JO

( ФωФ)『そして、君の父は、心がとても弱い人だった。
       妻を失って正常を保てるような人では、なかったのである』

( ФωФ)『彼が自ら命を絶ったのは、彼自身の、弱さのせいだ』

( ФωФ)『それでも、お前を道連れにはしなかった』

( ФωФ)『彼も、お前を愛していたのである。
       絶望の中にも、お前を想う気持ちはあったのだ』

( ФωФ)『だーれも、お前のせいで不幸になった者など、いないであるよ』

( ^ω^)『……』

( ФωФ)『分かったであるか?』

( ^ω^)

( ;ω^)

( ;ω;)『……はいお』


111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/04(土) 23:53:51.99 ID:e+ze5D2JO

( ФωФ)『体が弱い人や、心が弱い人。
       そんな人達が、世界にはとても多い』

( ФωФ)『だから強くなるである、ホライゾン』

( ФωФ)『体も心も強ければ、弱い人を守り、助けることが出来る』

( ФωФ)『何より、自分を守れる』

( ФωФ)『いいであるか?』

( ;ω;)『……つよく、なるお……』

( ;ω;)『ぼく、つよくなるお……』

( ФωФ)『……うむ。やはり、お前は姉さんの子である』

( ФωФ)『強い心は、最初から備わっていたであるな――』






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