- 3
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:33:07.40 ID:rtobljix0
- 5日目
―11:09:59―
_
( ;゚∀゚)「そりゃ、すぐに会うとは言ったが…」
いくらなんでも…昨日の今日は無いだろ?
ちょっと焚き付け過ぎたか?
('A`;)「つ…ツン!?」
( ;・∀・)「なんでこのタイミングで…」
トラックはついに俺らに追いつき、並行して走る。
追いついた時に、サイドの窓が開く。
そこから顔を出したのは魔性の女。
ξ゚听)ξ「あら、ジョルジュ。ここで会うなんて偶然ね」
やべぇ…目的は俺かよ。
_
( ;゚∀゚)「あ…いや、デートなら後日に回してくれるとありがたいかな〜…」
ξ*゚ー゚)ξ「大丈夫よ。私も仕事中だから」
_
( ;゚∀゚)「へ、へぇ…何?お引っ越しでも頼まれた?」
- 5
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:34:59.95 ID:rtobljix0
- ξ*゚ー゚)ξ「う〜ん…まぁそういうところかな。ちょっと大荷物の運搬を頼まれちゃって♪」
_
( ゚∀゚)「そうか…。できればその荷物について教えてくれると嬉しいかな」
ξ*゚ー゚)ξ「あ、だったら見る?」
ツンはそう言うと、運転席の傍にあるスイッチを押した。
トラックの荷台の側方がゆっくりと機械音を立てながら上がっていく。
本当に、運転中にトラックの中身を見せる気かこの女。
そこから顔を出したのは、この曇った白い空に似つかない真黒な物体だった。
ξ*゚ー゚)ξ「これねーすごいでしょ♪テロリスト御用達のロケットランチャー。一応、威力は最小限にしてあるけど…上部だけ特別に運んでるんだよ」
_
( ;゚∀゚)「へー……俺もついに優秀カーストか。お前のおっぱいもロケットだったらよかったのにな」
ξ*゚ー゚)ξ「よーし。じゃあ1発試してみようか♪」
「じゃあ」って言ったあたりからスイッチ押しやがったこの腐れ外道。
黒く光った巨大なハチの巣が、こっちに首を傾ける。
- 7
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:37:03.04 ID:rtobljix0
- ( ;・∀・)「おい…この距離でまさか…」
_
( ;゚∀゚)「なーに大統領がビビってるんだよ。こんなのハッタリに決まってんだろ?」
首の動きが止まる。
なんかウィーンとか言い出したぞ。コイツ。
_
( ;゚∀゚)「だってこれ商品だろ?まさかアイツが使うわけねぇよww」
ξ*゚ー゚)ξ「そんなこと言っても、無駄ですよー。」
ξ*゚ー゚)ξ「お・きゃ・く・様♪」
あーなるほど。
このロケットは俺宛てなのね。納得。
いったい誰からだよってジョークねジョーク…
( ;・∀・)「んなわけあるかあああああああああああああああああ!!」
_
( ;゚∀゚)「ですよねえええええええええええええええええええええええええ!?」
ξ#゚V゚)ξ「しねええええええええええええええええええええええええええええええ!!」
- 9
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:40:05.29 ID:rtobljix0
- 俺は華麗にブレーキを踏む。
100km以上で走っていたの為、体にかかる慣性で俺の体は椅子に吸い込まれる。
ロケットは火花を散らし、道路の防音壁に突っ込んでいった。
激しい爆音を撒き散らし、壁からは真っ黒な爆炎が膨れ上がった。
これのどこが威力最小限だよ。
_
( ;゚∀゚)「えっ、マジで飛ばしやがったアイツ!!」
コンクリートの破片が飛んでくる。
俺は華麗なハンドル捌きで飛んでくる障害を回避した。左サイドミラーがぶっ壊れた程度で済んだ。よかった。
ここはマリオカートか?
ξ#゚听)ξ「逃がさないからなっ!!」
_
( ;゚∀゚)「おまっ…!いくらフリーウェイでもやっていい事と悪い事があんだろーが!!」
ξ#゚听)ξ「ここは上級ドライバーだけが走る事の許されるハイウェイよ!」
_
( ;゚∀゚)「ハイなのはお前の頭か!?それとも危険度か!?」
( ;・∀・)「口よりもハンドル動かせ!」
トラックはどこまでもこの車を追っかけてくる。それはもう粘着質に。
リムジンの横に張り付き、再び荷台が動き出す。機関銃が10…11…いや、それ以上か。側台に綺麗に並び、今にも発射されんばかりの威圧感を出していた。
ξ#゚听)ξ「私の胸のどこがまな板だぁあ!?」
ボルテージの矛先はそれかよ。
- 10
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 21:42:47.27 ID:rtobljix0
- ( ;・∀・)「おい!ジョルジュ!!爆弾を忘れるな!」
不意に後ろから声がする。
ああ、そうだった。今この車の後ろは密室でしたね。
_
( ;゚∀゚)「悪いな。今、大統領に構ってる暇は無いんですよー…」
( ;・∀・)「ふざけんな!あと48分後にこれ爆発するんだよ!」
_
( ;゚∀゚)「知るかよ。テメ―で何とかしろ!」
( ;・∀・)「できねーから言ってんだろうが!」
ふぅ、とモララーはため息をつき椅子に深くもたれ掛かる。
バックミラー越しの大統領は酷くお疲れのようだ。
明後日の方向を見ている表情。諦めにも似たような顔。
んな、まさかな。コイツが諦めるなんて愚図な思考を持ち合わせているわけがない。
- 13
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:45:27.76 ID:rtobljix0
- ( ・∀・)「おいジョルジュ」
再度モララーから声が。
_
( ;゚∀゚)「なんだよ。今さら降ろさねーぞ」
( ・∀・)「違う。俺の声に耳を貸せ」
_
( ;゚∀゚)「…?」
ハンドルに意識の大半を使っているので、一瞬こいつの言っている意味がわからなかった。
…が、次第にモララーの言葉が脳内に染み込み、理解に達した。
_
( ゚∀゚)「…お前と手を組めってのか?」
( ・∀・)「そうだ。俺はこの国の全ての地理を把握している。あいつ等を堕し抜くことくらい動作もない」
_
( ゚∀゚)「…いいか?俺はこの車を占拠しました。お前はその人質兼交渉相手です」
その2人が手を組む?馬鹿げている。
男と女のラブストーリーならまだ分かるがな。
( ・∀・)「じゃあ聞くが、お前はどうやってこの状況を切り抜けるつもりなんだ!」
モララーは声を荒げる。何カッカしてんだよおっさん。
さすがに生には必死か。
- 14
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 21:48:48.67 ID:rtobljix0
- _
( ゚∀゚)「……そう言って、お前は軍でも呼ぶつもりなんだろ?させねぇぜ」
( #・∀・)「今の脅威は俺よりもあの狂人共だろ!?」
確かにそうだ。例え敵でも、この箱の中にいる以上、俺らは運命共同体(笑)だ。
ツンの勝利は俺ら共々の死を意味する。
とくに俺だけではコイツらのサーカスを避けることはできないだろう。
_
( ;゚∀゚)「……おい。爆弾の残り時間はいくつだ」
( ・∀・)「…45分と10秒だ」
_
( ;゚∀゚)「………オーライ。わかったよ。タイムリミットの間だけ俺とお前は愛すべきパートナーだ」
( ・∀・)「胸糞悪いな。反吐が出る」
仕方がない。停戦協定だ。
この国の最上に居座る男と共に命をを掛ける。
最初で最後の共同戦線。
デッド・チェイス・レースの開幕だ。
- 17
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:51:38.26 ID:rtobljix0
- ◆6:スピード 後編
4日目
―12:23:55―
開いた口が塞がらない。
そもそも俺が聞いた質問の答えとはまるで関係性が無いってのに。
だが…この話を終わらせる事が出来ない。
( ;´_ゝ`)「嘘だろ…?だってフォックスさんは…」
川 ゚ -゚)「ああ、確かにあの人は心筋梗塞と言った。だが…」
川 ゚ -゚)「言っただけだ」
クーはカウンター様式の高机に肘をつき、ため息交じりに話す。
(´<_`; )「ま、まさかフォックスさんが俺達に嘘を付いたって言うのか?」
川 ゚ -゚)「その可能性は高い。さらに言えばフォックスさんが殺害したということも考えられる」
これは一体何の冗談だ?
あのフォックスさんがモナーさんを殺した?馬鹿げている。
- 18
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 21:54:17.39 ID:rtobljix0
- ( ;´_ゝ`)「…証拠はどこにある?」
川 ゚ -゚)「まだ可能性の域を超えていない…が、その仮説に至った経緯ぐらいならば話そう」
(´<_`; )「ああ…聞かせてくれ」
俺と弟者の生唾が同時に喉に流れ込む。
クーは静かにその仮説を語り始めた。
川 ゚ -゚)「私は、毎月1度、モナーさんの診察、治療を行っている。私ならば何か発見した場合、その場で治す事が出来るからな」
( ´_ゝ`)「天才とでも言ってほしかったのか?」
川 ゚ -゚)「黙れ。ウイルス打つぞ」
俺は意地でも無意味に口を開かない事を決意した。
川 ゚ -゚)「最後に診察を行ったのは、17日前、先月の診察の時の事だ。」
(´<_`; )「先月は大丈夫だったのか?」
川 ゚ -゚)「ああ。多少、血圧の乱れは感じられたが特に問題は無かった。ペースメーカーも異常なく作動していた………が」
- 20
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 21:56:17.16 ID:rtobljix0
- 川 ゚ -゚)「問題はその後だ。医者の私が問題ないと診断したのにも関わらず、モナーさんは5日前に亡くなった」
それはありえないんだ。…と彼女は続ける。
医学にはてんで素人の俺だが、さすがにそれが異変であることぐらいわかる。
( ;´_ゝ`)「フォックスさんは?あの人はずっとそばにいたんじゃなかったのか?」
川 ゚ -゚)「その通りだ。もし、最後に会ってから亡くなるまでの間、体に異変があるのならば、私に連絡が行くはずなんだ」
(´<_`; )「………しかし、来なかったと」
川 ゚ -゚)「その通り」
そんな…どういうことだ?
俺はいったい誰に騙されたんだ?
しぃか?クーか?フォックスさんか?
(´<_` )「……確かに、フォックスさんは怪しいな。だが、それは違う」
川 ゚ -゚)「違う?何がだ」
弟者は淡々とクーに言葉を投げかける。
(´<_` )「そもそも兄者があんたに聞いた質問は『俺達を追う理由』だ。今の話に俺らは一切出てこない」
川 ゚ -゚)「まぁ話は最後まで聞け。私はフォックスさんだけが犯人だとは言っていない」
- 22
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:00:37.02 ID:rtobljix0
- 思いだした。
確かにクーは、「Player」の誰かに殺されたと言った。
しかし、フォックスさんは「Player」のメンバーではないのだ。
「Player」の名前の由来はカジノからきている。
我々「Player」にチップと言う名の戦える武器、いわゆる「能力」を配ってくれたのが「Dealer」であるモナーさん。
その「Dealer」をサポートするのが、ルーレットで使われる「Wheel」の役目だ。
彼はその「Wheel」に務める、モナーさんの専属秘書にすぎない。
川 ゚ -゚)「仮にフォックスさんが犯人だと仮定しても、その犯行はまだ闇に包まれたままだ」
(´<_` )「何もわかっていないのか?」
川 ゚ -゚)「……ああ。だが必ず証拠は掴んでくるだろう」
なぜかその言葉には主語が含まれていなかった。
誰が?と聞こうとしたが、話がこじれそうなので後で聞こう。
- 24
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:03:47.55 ID:rtobljix0
- クーは続ける。
川 ゚ -゚)「私は、当初フォックスさんを疑ってなどいなかった。なにせモナーさんが最も信頼しているからな」
川 ゚ -゚)「では『Player』の中で、フォックスさん、私…の次にモナーさんに接しているのは誰か」
(´<_` )「…なるほど。そういうことか」
弟者は理解したように相槌を打つ。
川 ゚ -゚)「そうだ君達だ。私は…君達が犯人ではないかと疑っている」
その事実はは俺達に驚かせる時間を与えてくれなかった。
あまりにも予測できる範疇を超えている。
俺達が犯人?そいつはびっくりだ。
まさか俺が殺したとはね。自分でも知らなかったよ。
(´<_` )「…とは言われてもなぁ…」
( ´_ゝ`)「ああ…俺らは犯人ではないとしか言いようがないな…」
- 25
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 22:07:01.34 ID:rtobljix0
- 川 ゚ -゚)「気にしなくていい。私も君達が犯人だという確たる証拠を用意する事が出来ていない。」
川 ゚ -゚)「ただ君達は、モナーさんに一番近かった、この条件に当てはまり易かっただけだ」
すまない、とだけ付け加えて、ギコが眠る部屋から出て行く。
俺達ものその背中に続いて部屋を出た。
川 ゚ -゚)「私の意見をまとめよう。まず『モナーさんは老衰で亡くなった可能性が高い』」
川 ゚ -゚)「…が、一方で『殺された可能性』もある。」
川 ゚ -゚)「その犯人…いや、代用に【Joker】と呼ぼう」
ジョーカー。トランプのコードネームを与えられた俺達にとってはピッタリの名前だ。
裏切り者…まさしくそいつはジョーカーだ。
決して定まらない不確定の存在。
しかし…
この女、どうして犯人だと思う俺らにその事を伝えたんだ?
- 27
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:07:57.49 ID:rtobljix0
【◆( ・∀・)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】
- 32
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:29:13.59 ID:rtobljix0
- ―11:16:49―
俺は今、真正の馬鹿をこの両目で見た。
高速のど真ん中でロケットを豪快に飛ばす馬鹿。
高速の側壁には穴が開き、周囲の車両を巻き込み、高架下の住宅を火の海に変えた。
爆発が高速内で起きなかっただけでも良しとしよう。
ツン…テロ行為隠す気0じゃねーか。
('A`;)「あいつ……狂ってやがる……」
俺は放心状態になり、しばらく運転していたという行動と、モララーを殺すという目的を忘れていた。
そのまま、車のスピードは落ちて行き、気が付けば、件のトラックの真隣りで走っていた。
もちろん、そのトラックの運転手は俺の存在に気が付く。
ξ゚听)ξ「あら、ドクオじゃない。何してるの?」
('A`;)「ちょっと遠くの街でバッタリ会ったクラスメートみたいに話しかけるな」
ξ゚听)ξ「もしかして…あんたもジョルジュを?」
なんだ?コイツはジョルジュ目当てなのか?
- 36
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:33:16.34 ID:rtobljix0
- 'A`)「ちげーよ。俺は仕事中だ。大統領暗殺のな」
ξ゚听)ξ「ふーんやっぱ同じ車に乗ってたのってモララーだったんだ。…じゃあいいわ。手伝ってあげる」
('A`)「は?…手伝う?」
この女は何を言ってるんだ?
手伝う?……もしかして…俺の夜の日課をか?
け、けしからん。
ξ゚听)ξ「だからモララーはついでに私が殺しといてあげるっての。まとめてね」
その一言は童貞の次に俺をキレさせる言葉だ。
- 37
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 22:35:53.82 ID:rtobljix0
- ('A`)「おい。いつ俺がお前に獲物をやるって言ったよ」
ξ゚听)ξ「何を言ってんの?ジョルジュとモララーが一緒にいる限りターゲットは一つじゃない」
('A`)「あいつ等は俺の獲物だ。手を出すな。素人が」
ξ゚听)ξ「獲物とか…馬鹿じゃないの?弾の節約ができてよかったじゃない。前向きに考えなさいよ」
('A`#)「黙れよ…あまり調子乗ってるとお前も消すぞ」
ξ゚听)ξ「何に怒ってんの?まぁ勝手にやれば?弱くて話にならないと思うけど」
('A`#)「ああ。お前もう死亡決定な。生かす価値がまるで無いわ」
ξ#゚听)ξ「もういいわ。あんたより先に殺すから。そのあと垢掃除ね」
('A`#)「俺を垢呼ばわりとは下呂の分際でなかなかやるなぁ。さっさと死ねよ」
やっぱり俺が再建した「Player」には女は入れないようにしよう。
糞共ばかりだ。
- 38
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 22:38:42.73 ID:rtobljix0
- 5日目
―11:16:49―
電車に揺られること2時間。僕は目的の地へ辿り着いた。
大都会、昼ごろの駅前。
慌ただしい通行人の群れと、一瞬で過ぎ去って行く大通りの乗用車達。
自動改札を人が潜らないタイミングなどなく、どこを見ても常に行き交う人々が目に映る。
僕が目指していた場所、それは特別目立ったような地に建っているような店ではない。
僕が駅から歩きだしたとき、頬に冷たいものが当たった。
( ^ω^)「お……雨かお…」
さて、どうしたものか…。
今は小雨だが、この雲の様子では帰る頃には本降りになっているだろう。
最寄りのコンビニで傘を買う、というのも一つの手だが、僕の食費が1レスでも削られるのは勘弁だ。
( ^ω^)「まぁ…走って帰るしかないおね」
そうだ。気象庁に電話をかけて、午後には雨が止むかどうか掛けてみようか。
- 42
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:41:05.99 ID:rtobljix0
- 僕は駅前通りを5分程まっすぐに進む。
持久力の乏しさには定評のある僕だから、ちょっと歩くだけで疲れてしまう。
( ;^ω^)「ぶふぅ……フゴヒュヒュ…」
口から洩れたため息の音は、中高年男性の屁のごとく。
正直切ない。
今度こそダイエットをしようと決める。
まぁオチは目に見えている。
リバウンドすら起きないだろう。
そんなことを考えているうちに、目的地へ辿り着いた。
7階建てのビル。名は『』
このビルの中は全て音楽で埋め尽くされている。
1〜2階のレコード店、3階の楽譜譜面コーナー、4〜6階にある世界から寄せ集められた楽器の数々。
そして最上階にはレッスンスタジオと、簡易ステージが設けられているそうだ。
- 44
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:43:55.34 ID:rtobljix0
- 僕が今日、用があるのはこのビルの地下。
入口わきにある、狭い下り階段を一段一段降りて行く。
壁には、様々なライブのビラが貼られている。
中には2年前のものまであった。この階段は長い間放置されているようだ。
( ^ω^)「衛生管理がなっていないおね…」
僕はこう見えても潔癖好きだ。
23時間以上風呂に入らない奴が触ったチップを使いたくはないし、
スーツも、旅の時は2日置きに脱ぎ捨てる。
こういうところに来るのは本当に気が滅入る。
そして、ようやく目的の地である地下の店の前に辿り着いた。
ところどころメッキが剥がれた赤いドアに一本の釘が刺さっている。
その釘に掛けられた看板。
『JAZZ BAR〜7 Bridge〜』
- 46
名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りし
ます:2010/04/16(金) 22:47:00.06
ID:rtobljix0
- ( ^ω^)「ジャズ・バー…せぶんぶりっじ…」
楽器屋のビルの地下にはバーがあった。
このバーこそが僕が求めていた到着点だ。
今こそアイツに問いたださないといけない。
開店時間は17:00から。そんなの知るか。
僕は何も躊躇わずに扉を開ける。
カランコロンと、扉につけたベルが鳴る。
中はまだ準備中なのだろう。
ライトも点々と付いており、接客するつもりが微塵も感じられない。
薄暗い店の中。人の気配は無い。
一番最初に目に入ったのはバーカウンターだ。
そして、部屋のフロアには2〜4人用のテーブルが数十台配置され、中央奥にはやや広めの台座が設けられていた。
( ^ω^)「あれは…ステージかお?」
よく見ると、奥にドラムセット、そばにグランドピアノがセットされていた。
僕はピアノのもとへ行き、鍵盤を開ける。
配列よく並べられた白と黒のブロック。
僕はそのうちの一つを人差指でゆっくりと押す。
- 49
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:49:44.17 ID:rtobljix0
- フロアに響くピアノの音。
僕は音痴なのでこれがどの音なのかわからないが、ただその1音がとても美しく聞こえた。
「そのピアノは5年前から調律していなくてね。音が崩れてきているんだ」
背後から声が聞こえてきた。
僕はその声が誰なのかわかっていたので振り返ろうとはしなかった。
( ^ω^)「ほ〜…僕は音楽なんて詳しくないからよくわからんかったお」
「…なんだったら1曲弾こうか?自分で言うのもあれだけど、結構ピアノには自信があるんだ」
部屋のライトが点く。
真っ暗な室内に、ムードある明かりがカウンターを、テーブルを、ピアノを、僕を照らした。
( ^ω^)「おっおっおっww結構だおwwwそんな事よりも酒でも飲ませてくれお」
「参ったなぁ…開店時間まで5時間以上もあるのに…」
( ^ω^)「そんなの同じ『Player』のよしみで何とかしろおwwwショボン」
(´・ω・`)「やれやれ…君っていつも勝手だよねぇ…ブーン」
- 51
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 22:52:38.09 ID:rtobljix0
―11:18:31―
ξ#゚听)ξ「うぉおらあああ死ね!!」
重機関銃の脅威が降り注ぐ。
その被害は俺らだけではなく、その場にいた、無関係の連中にまで及んだ。
俺の金づるを…ふざけやがって。
あの女マジでイカれてやがる。一般人の前で発砲なんて…いや発砲どころの騒ぎじゃないけども。
警察が動き出すのも時間の問題だな。
そうなれば幾分俺らに勝機が訪れる。
( ・∀・)「よし…次の出口で降りろ」
_
( ゚∀゚)「おーけー……次だな」
俺達は一時的な協定を結び、この災難を乗り越えることにした。
俺がナビ及び参謀を務め、ジョルジュが運転をする。
今の現状でできる事はこれぐらいしかない。
車を左車線に寄せ、出口に出る。
もちろんあのアホ共もついてきたが。
- 52
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 22:55:01.14 ID:rtobljix0
- トラックは車体がでかいだけあって、小回りが利きにくい。
高速道路はその分一方通行なので、ツンにとって最も有利になる地というわけだ。
さすがにこのままやられっぱなしも不味い。
俺達は高速を離れることにした。
_
( ゚∀゚)「よし…これでドライブに関しては懸念材料が消えたな」
( ・∀・)「運転だけだろ?高速を降りるとそれはそれでデメリットがある」
_
( ゚∀゚)「あ?それってどういう…」
その瞬間、50m先に何かが転がっているのが見えた。
何だあれは…?あ…アボガド?
いや…違う。あれはアボガドなんかじゃない。
( ;・∀・)「おい!加速しろ!!早く!!」
_
( ;゚∀゚)「ああ!?、なんなんだよ!?」
ジョルジュは俺の忠告を聞き、めいっぱいスピードを上げる。
どうみても手榴弾です。
- 53
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 22:57:51.18 ID:rtobljix0
- 回避できるか…?
アボガドの上を越えて間も無く、背後から火柱が立った。
_
( ;゚∀゚)「うおぉあ!なんだ!?」
('A`)「ちっ、バレたか」
横を見ると、ドクオがすぐそばまで迫ってきていた。
窓を開け、手榴弾を車の前に放り込んだようだ。
あいつ…確か俺の事を狙っていると言っていたな…。
どこのどいつだ。ドクオに依頼をしたのは。
ドクオは右手に構えたサブマシンガンを窓ガラスに目掛けて撃つ。
窓ガラスにヒビが入り、銃弾がいくつもめり込む。
さすが我が国を代表する防弾ガラス。フッサール社製の性能が実証された瞬間だ。
( ;・∀・)「ジョルジュ!タイヤだけは気をつけろ!走れなくなったら一貫の終わりだぞ!」
_
( ;゚∀゚)「そんなの言われるまでもねぇよ!そんなことより次はどこへ行けばいい!?」
前を見ると、もう料金所が迫っている。
其々のゲートには数台の車が並んでいた。
正しい通り方は諦めたほうがいいだろう。
- 57
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:01:30.88 ID:rtobljix0
- _
( ;゚∀゚)「くそ…しつこい童貞野郎だなぁ!」
( ;・∀・)「大丈夫だ。今は防弾ガラスがある…」
_
( ;゚∀゚)「あぁわかってるよ!このガラスがある限りは無事だ」
('A`)「ほ〜…じゃあこんなのはどうだい?」
ハッと右を見るとドクオがくっついて来ていた。
奴の手には、二丁の長い拳銃が供えられていた。
('A`)「俺が撃ってきた右サイドの窓…とくに後ろはもう限界だろう」
不味い。俺は慌てて頭を下げる。
鳴り響く銃声。
俺の頭の上にキラキラとガラスの破片が降り注ぐ。
この窓は壊されてしまったようだ。
早く次の行動に移らなければ。
- 58
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:03:42.64 ID:rtobljix0
- ( ;・∀・)「ジョルジュ、大型車のゲートだ」
_
( ;゚∀゚)「りょーかい!っとお!」
さすがは一流の占拠犯と言うべきか。
逃亡の能力は人一倍長けているのだろう。
ハンドルを軽快に切り、一般のトラックの列の僅かな隙間に入り込み、ゲートに潜り込む。
ゆっくりと降りるバーが行く手を防ぐ前に、リムジンは料金所を通過した。
あと数センチずれれば接触していただろう。
( ;・∀・)「お前…やるな…」
_
( ;゚∀゚)「男に褒められても嬉しくねぇよ」
ゲートはエラーにより、サイレンを鳴らす。
どうやら、あの2人はまだ降りれそうにもないようだ。
( ・∀・)「よしジョルジュ。チャンスだ」
_
( ゚∀゚)「…チャンスだ?」
( ・∀・)「あいつ等の脅威を逆手に取る」
- 59
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:05:28.59 ID:rtobljix0
- ―11:24:06―
('A`)「料金所か…厄介だな」
200m先にある6台のゲート。
左端がETC。真ん中の4つが一般車。そして最右が大型車となっている。
モララー達は大型車用出口を選び、トラックの間を割り込み無事に抜けたようだ。
俺はどちらかと言えば追う側なので、一足で遅れてしまった。
もうゲートは乗用車で埋まっており、普通に並んでしまうと、どうしても大幅な遅れが出来てしまう。
仕方がない。荒いやり方だが…。
俺は荷物をまとめ、ケースを掴み、バッグを背負う。
車のアクセルの上に重しを乗せ、扉を開ける。
車はぐんぐんとスピードを上げ、ゲートに突っこんでいく。
ゲートまでの距離が20m程になる瞬間、俺はパッと外に飛び出し、アスファルトの上を転がる。
車はゲートに直撃し、大きな爆発を起こし大破した。
('A`;)「あっち!…ぐっ、この威力は想定外だ…!」
顔に火花が飛びかかり、頬に火傷を負った。
ゲートは炎上。一般車は余りの事に呆然としている。
よし、チャンスだ。
- 60
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:07:11.79 ID:rtobljix0
- 俺はすぐに駈け出し、ゲートに並ぶ最前の車に銃を片手に襲いかかった。
('A`)「すまない。黙って車を降りろ」
俺は鍵の掛かって無かった運転席側のドアを開け、銃を突きつける。
中には運転中の男(イケメン)と、助手席に座っている女(割とタイプの顔)が座っていた。
女性は爆音に怯えていたのか、男にがっしりと捕まっていた。
('A`)「………」
('A`)「やっぱいいです」
俺は二人に向けてトリガーを引いた。
時間がない。すぐに運転席の動かなくなった男をその場に捨て、ハンドルを掴む。
安心しろ。麻酔銃だ。
まぁそこで寝ていたら引き殺されるかもしれんが。
それよりも女の方は…
('A`)「………」
('A`*)「……おっぱいくらい揉んでもいいかな…?」
- 63
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:10:33.68 ID:rtobljix0
- 車を発進させ、ジョルジュ達を追いかける。
差は広がってしまったが、追いつけない距離ではない。
すぐに攻撃再開だ。
結局、俺にはおっぱいを揉む勇気は無かった。
ただただ怖かったんだ。
('A`)「そうだ…ツン。あいつはどうした?」
辺りを見渡す。
俺は車を乗り換えた。だが、アイツはどうするんだ?
バックミラーに映っているのは燃え盛るゲート。
ゲートの火が車に移り、爆発が爆発を呼ぶ。
火の移りが妙に早く、大型車ゲートももETCゲートも火の手で埋まってしまった。
('A`)「…まぁあれじゃあトラックは通過できねぇだろうな」
ここでツンはリタイアか。
あんなに装備を揃えてきたのに可哀相な奴だ。
- 65
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:12:51.45 ID:rtobljix0
- よし。邪魔が減ってよかっ……
('A`)「ん?」
その時、もう一度爆発音が聞こえた。
炎上した乗用車がアクション映画のように上空へ吹きとんだ。
まさか…
炎の中に1台のトラックの影が浮かび上がる。
凄まじい勢いで、出口を通過して来る。
ξ#゚听)ξ「おらあああああああああああああああああああああ!!」
例のトラックが何もかもを無視して突進してきました。
炎の壁を突き破り、迫ってくるその様子はまさに鬼。
火炎車ってやつか?
ξ#゚听)ξ「ばいばい」
そう言って彼女はスイッチを押した。
いつの間にか荷台の上から顔を出していたロケットが俺に目掛けて放たれる。
- 67
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:15:15.81 ID:rtobljix0
('A`;)「うおぉ!!ばっ…てめぇ!」
俺は車を加速させる。
どうして高速の出入り口はこうもカーブなんだ。
スピードが出せないだろう。
まぁ出すんだけども。
アクセルとブレーキを踏みこなし、この狭い道路で大きく弧を描く。
カーブということもあり、かわすことはそれほど難しくは無かった。
しかし、2発目…3発目…4発…
('A`;)「ちょっ…多いな!殺す気か!」
ξ#゚听)ξ「気じゃないわよ。殺すのわかる?」
この野郎…途中から割り込んできたと思えば…。
コイツに作られた俺のストレスはもう我慢の限界を超えていた。
('A`#)「そうか…。よしまずはテメ―から殺す」
ξ#゚听)ξ「殺すだけしか能がない害虫が。粋がってんじゃねーよ」
- 68
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:16:40.45 ID:rtobljix0
- 俺は銃を軽く放り投げる。
宙に舞い、天井にぶつかる寸前一定の高さまで来てまた落ちて行く。
その間に、シフトレバーを握り、操作。
切り替えが終わると、素早く助手席に置いてある鞄の中から換えのマガジンと手榴弾を2個取り出し、サブマシンガンの落下地点に手を添える。
その間約2秒。
高速の出口を抜け、ジャンクションに差し掛かる。
タービン型のインターチェンジの為、高架下の一般道までにはしばらく時間がかかりそうだ。
ようやく、モララー達の車もこの目で捕えた。
獲物にかぶりつく前に、ひとまずツンを切り離す必要がある。
俺は後ろを振り向き、銃弾を乱射する。
ξ゚听)ξ「そんなおもちゃで私を殺せると思ったの?」
タイヤにはガードが施されており、窓ガラスはもちろん防弾仕様だ。
つまり、トラックを止めることは不可能。
最初から簡単に撃ち落とせるなんて思ってねぇよ。
お前が大胆な事をやる時は、決まって準備だけは用心深かったからな。
- 70
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:18:54.04 ID:rtobljix0
- 腕の角度、銃口の向き、トラックの位置を記憶し、運転に戻る。
こうすれば攻守走を全て一度に補う事が出来る。
俺の目的がお前の命だと思ったか?
ξ;゚听)ξ「くっ………ヒビで前が…!」
俺が潰したかったのはお前の視界だ。
走行中に銃を構える場合、最も気を付けなければならないのは目標の位置だ。
殺すだけしか能がない?馬鹿か。
殺しに関して俺以上はいねぇんだよ。
- 75
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:20:56.54 ID:rtobljix0
- 4日目
―14:48:39―
爪'ー`)「まぁ、そこらへんに座ってくれ。お茶を用意する」
そう言うと、フォックスは吾輩を残し、奥に行ってしまった。
3日ぶりのモナーさんの書斎。
広々とした、12畳ほどの部屋。両脇の壁一面の棚に世界のさまざまな言語で綴られた本が隙間なく収納されている。
床には豪華なカーペット。天井には美しいシャンデリア。中央には来客用の4つのソファーと、テーブルが置かれていた。
そして、窓際に構えたいつもモナーさんが座っていた木製のデスク。
本棚の独特な檜の香りと窓から見える景色が、生前のモナーさんを思い出させる。
( ФωФ)「……モナーさん」
デスクの上に一つだけ飾られたフォトフレームを見つけた。
吾輩はデスクを半周し、そのフレームに収められた写真を見る。
そのフレームの下に張られた金板には小さな文字が彫られていた。
- 76
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:22:48.58 ID:rtobljix0
- 『第1期「Player」 20XX年○月×日』
10年前に取られた一枚の写真。
吾輩達が集まり写真を撮った最初で最後の日。
この日から「Player」の活動が始まったのだ。
当時一番若かったしぃとジョルジュはまだ義務教育さえも終えていなかった。
ツン、ショボン、モララー、ブーン、ドクオ。
葬儀に集ったメンバーも誰一人として欠けることなくこの1枚に収まった。
懐かしい日。孤児院にいた頃は仲睦ましく親しんだ仲も、「Player」に入ったこの日から急に関係がこじれ始めた。
今さら仲を戻せとは言わない。仲よりも自分の利益こそを優先するべきだ。
爪'ー`)「懐かしいだろ?モナーさん…あれからずっとそこに飾っているんだ」
顔を上げると、トレーを持ったフォックスが目の前にいた。
紅茶の酸味あるほのかな香りが鼻を通る。
( ФωФ)「モナーさんは吾輩たちの事をずっと信頼していたのだろうか…」
爪'ー`)「そうだろうね。あの人は君達の活躍をいつも誇りに思っていた。」
- 77
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:24:43.85 ID:rtobljix0
- ( ФωФ)「……だったらなぜ」
( ФωФ)「何故貴様はモナーさんを裏切った?」
吾輩は目の前にいる男を強く睨む。
爪'ー`)「……よしてくれ。私は一度も彼を裏切ってなどいないさ」
フォックスはティーカップを掴み、中の液体を口に入れる。
( #ФωФ)「何を…!!さっき貴様は罪を認めたではないか!」
吾輩は声を荒げる。
その声に吾輩自身が驚き、気持ちを抑えようと深呼吸をする。
爪'ー`)「私が犯した罪は………みんなにモナーさんの死因を偽った事だよ」
( #ФωФ)「…なんだと!?」
- 79
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:27:12.27 ID:rtobljix0
- 爪'ー`)「君が誰に何を頼まれたか当てて見せよう」
フォックスはカップをテーブルに置き、頬を少しだけ釣りあげながら言った。
爪'ー`)「君はクーに頼まれた。そしてモナーさんの遺体を預かって来いと言われたんじゃないかな?」
寸分狂わず当てられてしまった。
恐らくフォックスは全てを理解しているのだろう。
( ФωФ)「……フォックス。教えてくれ…モナーさんは、殺されたのか?」
爪'ー`)「…ああ。そうだモナーさんは殺されたんだ」
( ;ФωФ)「…………」
それからフォックスは淡々と語り始めた。
- 81
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:28:19.56 ID:rtobljix0
- 爪'ー`)「モナーさんの死因は中毒死だ」
( ;ФωФ)「毒…?モナーさんは毒を飲んで死んだのか?」
爪'ー`)「ああ。恐らくそうだろう…ここに診断した医者のカルテがある」
フォックスは鞄の中から封筒を一部取り出した。
封筒を開き、クリップで留められた書類を取り出す。
そこにはモナーさんの体について記されたいくつもの証明書があった。
( ;ФωФ)「くっ………本物だ…」
贋作や偽造書類を見分ける事が出来る吾輩の目に誓って言える。
これは正式なカルテだ。
なんということだ。
今まで空論の世界を彷徨っていた仮説がここで現実のものとなった。
- 82
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:30:34.24 ID:rtobljix0
- 爪'ー`)「モナーさんが亡くなったのは君達に連絡を入れた3日前の話だ」
( ;ФωФ)「何故クーに連絡を入れなかった?」
爪'ー`)「ああ。私は君達に謝らないといけない」
爪'ー`)「モナーさんが殺害されたと聞いた時、私は真っ先に君達を疑った」
爪'ー`)「一番怪しかったのはクーだ。何せモナーさんに最も近い場所にいた人物だったからな」
( ;ФωФ)「……」
吾輩は言葉が出ずに、黙々とフォックスの話を聞く。
爪'ー`)「その次に流石兄弟を疑った。彼らもペースメーカーを管理していたからね」
爪'ー`)「そう考えるうちに君達を微塵も信じれなくなった。すごいだろ?あれほど共に生活していたのに…」
爪'ー`)「いざこういう場面になってしまうと…信頼なんて言葉はこれっぽっちの価値もなさない。
- 84
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:32:20.23 ID:rtobljix0
- 爪'ー`)「クーに伝えられなかった理由はそれさ。後で何をいじくられるかわからなかったからね」
そう語るフォックスの表情はどこか切なさを感じた。
彼のした事を責める者は誰もいないだろう。
かといって同情する余地もなかった。
爪'ー`)「だが…これだけは確実に言える自信がある」
( ФωФ)「なんだ…」
爪'ー`)「モナーさんの亡骸を見たところで何も見つかりはしないさ」
( ФωФ)「貴様…何を隠したのだ」
爪'ー`)「モナーさんの体内で隠蔽が行われたと言うのならば、それは私じゃない」
爪'ー`)「私は誰も殺してなんかいないし、君にだけは隠し事もしていない」
- 85
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:35:03.36 ID:rtobljix0
( ФωФ)「ああ…そうだろうな」
吾輩にはわかる。
コイツの言葉は嘘ではない。
しぃほど相手の嘘を読み取れる能力は無いが、わかるんだ。
今まで何十年もコイツと共に生きてきたのだから。
爪'ー`)「クーがモナーさんを最後に診察した日から死ぬまでの間、彼に近づいた者は10名」
爪'ー`)「全員『Player』のメンバーだ」
吾輩は理解した。フォックスが言おうとしている事を。
爪'ー`)「ロマネスク…ここまで言えばわかるだろう。」
( ФωФ)「…モナーさんを殺した犯人だな」
爪'ー`)「ああ。その通りだ」
フォックスは静かに部屋の空気を吸い込んだ。
- 87
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:39:25.58 ID:rtobljix0
- 4日目
川 ゚ -゚)「モナーさんは体調を崩したからは一度も外には出ていない」
( ´_ゝ`)「『Player』というのも裏世界の都市伝説でしかない組織だ。外部から狙われているのも考えにくい」
川 ゚ -゚)「葬儀の時、少しだけモナーさんの死体を見たが、外傷は見られなかった」
川 ゚ -゚)「ここまで言ってしまえばもう隠す必要もないだろう。」
爪'ー`)「モナーさんを殺したのは…」
川 ゚ -゚)「【Joker】は……」
「必ず『Player』の中に潜んでいる」
- 88
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:42:00.83 ID:rtobljix0
- 5日目
―11:46:25―
ξ#゚听)ξ「あ゛あ゛もう!!」
くそっやられた。
こんなに分厚いガラスも、今では銃弾でできたクモの巣で真っ白。
視界がとても悪く、ジョルジュどころではない。
運転すらままならない状況だ。
ドクオを嘗めていた。
アイツはどんな状況でもターゲットを殺すことに結び付ける事が出来る天才。
いくら私が最強の武器を搭載していようと、経験には勝てない。
だけど…。私がこれで諦めると思ったらそれは大きな間違い。
ξ#゚听)ξ「しょうがないわ。奥の手を使う」
私はシフトレバーの横にあるスイッチを押す。
すると、機械音を立て、トラックのマフラーの横からマフラーの4倍の大きさはある4つの筒状の物が顔を出した。
もちろんあいつ等はわからないと思うけど。
そしてもう一度スイッチを押す。
筒の中は今頃真っ赤に光っている頃だろう。
- 89
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:44:55.61 ID:rtobljix0
- ξ#゚听)ξ「クイーン特製、ロケットエンジン。味わうといいわ」
筒が光り出し、轟音を鳴らす。一斉に推進剤を後ろへ噴射した。
トラックは加速し、少しだけ浮いた。
雨の中、少ない交通量の道を、猛スピードで駆け抜け…いや飛び抜く。
そのまま、何台もの車を弾き飛ばし乗り越え…そして、モララーとドクオ達の元へ辿り着いた。
_
( ;゚∀゚)「ツンの奴…何してんだよ…」
('A`;)「もうやだ。この女と関わりたくないんだけど…」
ジョルジュとドクオは驚いて声も出ないようだ。
私の恐ろしさに参ったようだ。
ロケットエンジンのスイッチを切り、ゆっくりと降下。
ジョルジュ達が乗った車のサイドミラーを踏み潰して地面に戻る。
私はすぐにランチャーを荷台の上へセットする。
改造車は何でもアリなのだ。
残り弾数1発。一度に2台も刺すことはできないが、せめてこれでどちらかを確実に仕留める。
私は少しだけ上体を屈め、足を上に突き出す。
フロントガラスに目掛けて、ヒールを履いた右足を蹴りつける。
ボロボロになったフロントガラスはギラギラと音を立て、あっけなく外れた。
- 91
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:47:03.37 ID:rtobljix0
- ξ゚听)ξ「これで準備完了。次に行くわよ」
_
( ;゚∀゚)「おい!来るぞ!」
( ;・∀・)「何とかしろ!俺にはどうする事も出来ねぇよ!」
構えたランチャーをジョルジュの運転している車へセットする。
標準は完璧。これでジ・エンドだ。
その時、前から銃弾が降り注ぐ。
ξ;゚听)ξ「きゃ!…な、なによ!」
咄嗟に体を屈めた。椅子にはたくさんの穴が開き、後ろの壁まで貫通した。
('A`)「お前…唯一の盾を破壊するなんてやるなぁ…」
そうか。今のはドクオの…。
この現時点で私とドクオは同じ状況に置かれている。
お互いがお互いの獲物を狙い、それを相手に取られるのだけは阻止している。
ξ#゚听)ξ「上等じゃない…受けて立つわ」
- 92
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:48:24.04 ID:rtobljix0
- 私はランチャーはひとまず保留にし、ハンドルを構える。
車体をくねらせ、ドクオの乗った車に体当たりを仕掛ける。
('A`;)「ぐっ…ぐおおおおおおおおおお!!」
ドクオの車は叩きつけられ、路肩に突っ込んだ。
縁石にボディが接触し、火花を散らしながら滑って行く。
そのまま、電柱に激突し動かなくなった。
私はもう一度ハンドルを切り、トラックの進行方向をジョルジュ達に向ける。
ドクオはここでリタイア。
次はもう外さない。
ξ#゚听)ξ「待ってなさい…ジョルジュ…」
- 93
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04/16(金) 23:49:47.10 ID:rtobljix0
- ターゲットの車の後ろにぴったりと付く。
もう逃がさない。観念しなさい。
ξ゚听)ξ「ふふふ…次の大統領には私がなろうかしら」
( ・∀・)「やめとけ。お前みたいなガサツな女には政治は務まらねぇよ」
モララーが後部座席の割れた窓から顔を出してきた。
ξ゚听)ξ「あら。あんたみたいな短気男に勤まるんだし簡単なんじゃないの?」
( ・∀・)「いいか?大統領たるものこの国全土の土地を把握しておかなければならない」
ξ゚听)ξ「なにそれ…その知識どっかで役に立つの?」
( ・∀・)「立つさ。例えば……そうだな」
( ・∀・)「こんな時とかにな」
ξ;゚听)ξ「!!」
- 96
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:51:52.70 ID:rtobljix0
- ジョルジュはいきなり十字路で左折する。
いきなりの進路変更。何か意味があるのだろうか。
もちろん小さい道ではないので私も追いかける。
真昼のレースもそろそろ終わりが見えてきたようだ。
( ・∀・)「そんな図体で小まめに動くと痛い目にあうぞ」
ξ゚听)ξ「私が急に曲がれないとでも思った?甘いわね」
再度ランチャーをセットする。
これで終わりだ。
( ・∀・)「これからは横じゃなく縦を意識するんだな」
ξ;゚听)ξ「え!?」
目の前に見えたのはトンネルだった。
そのトンネルの上には一枚の注意書きが書かれている。
『高さ制限 2.6mまで』
- 99
名前: ◆4972gaB/9o
:2010/04 /16(金) 23:54:12.73 ID:rtobljix0
- ξ; )ξ「あああああああああああああ!!」
慌ててブレーキを踏んだが間に合わない。
トンネルにつっかえたロケットランチャーは、トラックの接続と、スピードの反発に耐えきれず、外れた。
トラックの背後で崩れ落ちた。
ハンドルにしがみつく。
体が衝撃に慣れず、ガクガクと揺れる。
今頃になってブレーキが効き始め、トンネルの中をフラフラしながら通過した。
トンネルの出口でようやく止まる。
ξ; )ξ「はぁ…はぁ…」
衝撃に体が痺れ、うまく動かす事が出来ない。
今はジョルジュどころではない。
そうだ…奴らは…?
前を見てみるが、既に奴らの車の形跡は残されていなかった。
- 101 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /16(金)
23:55:32.61 ID:rtobljix0
- 逃げられた…。
せっかくの復讐のチャンスを…。
ξ; )ξ「アイツ…………潰す………」
声に覇気が残らない。
駄目だ。頭が働かない。
ξ; )ξ「潰…………」
ξ;゚听)ξ「え?」
私はサイドミラーに目をやる。
そこにはトンネルの中に、一台の車と2人のシルエットがあった。
- 105 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /16(金)
23:58:25.49 ID:rtobljix0
- ( ∀ )「11時58分か…ちょうどだな」
モララーの声。
_
( ∀ )「今日はお前の事は諦めるが…次はこうはいかないからな」
ジョルジュの声。
( ∀ )「何とでも言え。とりあえず…コイツはあっちに渡していいよな?」
_
( ∀ )「ああ、しかたねぇ。ちぇ…せっかくの自信作なのによ」
?…いったい何が自信作なのよ?
教えて…教えてってば…
_
( ∀ )「それじゃあ、リムジン発車しまーす。シートベルトと」
_
( ∀ )「爆発にご注意くださ〜い」
- 108 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:02:18.04 ID:TyIJoC+t0
- ―12:04:27―
('A`)「…………」
『もしもし、ペニサスです。この前の依頼の件ですが…』
俺は、ツンの乗っていたトラックに追いついた。が、一足遅かったようだ。
片手に持った携帯から録音された留守番電話が流れる。
『やっぱりあれはキャンセルにします。大統領は決して殺さないでください』
さっきの電柱に叩きつけられたのは助手席の女だった。
その体がクッションになり、俺は一命を取り留めた。
ツンのトラックは炎上していた。あのリムジン諸共。
『依頼金は振り込んでおきました。度重ねご迷惑をかけすいませんでした』
ここで何が起きたのかわからない。
俺はゆっくりとトラックに近づく。
幸か不幸か、運転席まで火の手は移っていないようだ。
- 111 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:05:39.30 ID:rtobljix0
- ('A`)「よう。ツン…生きてるか?」
ξ )ξ「………」
返事はない。だが恐らくコイツは生きているだろう。
「Player」は原形をとどめている限り生きているはずだ。
('A`)「………さて、これからどうするか」
それはゆっくりと考えて行こう。
ひとまず
俺はこの死に損無いに用がある。
- 113 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:06:50.82 ID:TyIJoC+t0
- 5日目
―12:13:30―
(´・ω・`)「すまない…いきなり来たもんだから大層なものは用意できないんだ。」
( ^ω^)「かまわねぇおwwサンドイッチさえあれば」
ブーンはカウンター席にそのでかい腰を掛けた。
僕はカウンターに置いてあるレコードを掛ける。
これは僕の隠れ家。いわゆるジャズバーだ。
ここは副業程度に営業しており、週に1回疲れを癒す為に来たジャズファンのサラリーマンにコンサートを開く。
儲けはぼちぼち。
まぁ副業だから仕方ないね。
(´・ω・`)「はい、当店自慢のB・L・Tサンドです。召し上がれ」
僕はブーンに皿に盛り付けたサンドイッチを渡す。
彼はとても嬉しそうに、サンドイッチを受け取った。
( *^ω^)「おおっコイツはまた旨そうだお…」
- 114 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04/17(土)
00:07:52.17 ID:TyIJoC+t0
- しかし…この店に「Player」メンバーが来たのは初めてだ。
ここの場所は決して誰にも教えていないはずなのになぁ…
(´・ω・`)「どうだい?うちの看板メニューは」
( *^ω^)「なかなかだおwまぁ欲を言えば塩分を抑えるともっとうまいお」
(´・ω・`)「そうかい。それは参考になるよ」
ブーン。
相変わらず食事のときはいい笑顔を作るもんだ。
(´・ω・`)「それで?…今日は何しに来たのかな?」
( ^ω^)「……」
ピタッとブーンの動きが止まる。
なるほど。今日はビジネスの話かな?
- 118 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:08:40.99 ID:TyIJoC+t0
- (´・ω・`)「情報が欲しいんだね。いいよ協力しようじゃないか」
( ^ω^)「おお。そうだお、そうだおショボンに教えてほしい情報があったんだお」
僕はワイングラスを磨きながら応対する。
残念だけど彼だけに開店前の時間を使うことはできないんでね。
(´・ω・`)「悪いけどサンドイッチのレシピなら教えられな……」
( ^ω^)「僕のとこに殺し屋を送ったのはお前かお?」
ワイングラスを拭いていた手が止まる。
なるほど。彼の要件が掴めてきたよ。
(´・ω・`)「…………それはどういう意味かな?」
( ^ω^)「惚けんじゃねーお。今朝、僕の元へ2人の殺し屋が来たお」
(´・ω・`)「見たところ…足は消えてないようだけど?」
- 121 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:09:59.66 ID:TyIJoC+t0
- ( ^ω^)「僕があんな屑なマフィアに殺されるわけねーおw」
(´・ω・`)「そうか。それは安心したよ。腕の悪いスナイパーだったんだね」
( ^ω^)「スナイパーwww」
(´・ω・`)「?」
( ^ω^)「僕がいつスナイパーって言ったお。」
…どうやら、話さなければならないらしいね。
(´・ω・`)「…今のはわざとさ。こんなとんちなんて意味のないことぐらい君も知ってるだろう?」
( ^ω^)「そんなことはどうでもいいお。だったら早く話せお」
次第に彼の声に威圧がかかってくる。
さすがはギャンブラー。こんな時もポーカーフェイスは欠かせない。
- 124 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:10:42.83 ID:TyIJoC+t0
- (´・ω・`)「でも、君が聞きたいのはこんな質問じゃないはずだ。違うかい?」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「今はそんなちんけな事より君の本題の方が聞きたいな」
僕はカウンターに置かれた空いた皿を下げる。
綺麗にかけら一つ残さず食べたようだ。
( ^ω^)「それもそうだおねwwなら教えてもらうおww」
( ^ω^)「モナーさんを殺したのは…誰だお?」
- 127 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:11:27.13 ID:TyIJoC+t0
- (´・ω・`)「……それは本気で言ってるのかい?」
僕はブーンに尋ねる。聴き間違い…ということは無さそうだ。
( ^ω^)「2度は言わねーお。質問に答えろお」
そうか。君はそう答えを出すのか。
この質問にはさすがの僕も…
僕も…
(´・ω・`)「その質問は高額だよ。君が払えるかどうかわからない」
( ^ω^)「…いくらか言ってみろお」
(´・ω・`)「人の命、一人分だ」
ここまでうまくいくとは思わなかったから思わずにやけてしまう。
- 129 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:12:20.17 ID:TyIJoC+t0
- ( ^ω^)「…そんなもん払ってどうするんだお」
(´・ω・`)「そのまんまの意味さ。この情報を得る為には誰か一人死んでもらう必要がある」
( ^ω^)「誰かって誰だお」
(´・ω・`)「誰でもいいよ。部下でも、恋人でも、連れ去らってきた赤の他人でも…」
(´・ω・`)「そいつ自身でも…ね」
( ^ω^)「おっおっおっwww僕に死ねって言ってんのかお?」
(´・ω・`)「別にそう解釈してもらってもかまわない」
( ^ω^)「だったらショボンの命でいいおww」
- 133 名前:
◆4972gaB/9o :2010/04 /17(土)
00:13:14.30 ID:TyIJoC+t0
- (´・ω・`)「……君は僕の命でその情報を買うのかい?」
( ^ω^)「当たり前だおww聞こえなかったのかお?」
僕はやれやれとため息をつく。
(´・ω・`)「いいよ。その取引に僕は応じよう……ただし」
( ^ω^)「……?なんだお?」
(´・ω・`)「僕と勝負をしてもらおう」
( ^ω^)「勝負?なんのだお…?」
(´・ω・`)「決まっているじゃないか」
(´・ω・`)「ギャンブルだよ」
◆6:スピード 後編 〜END〜 To Be
Continued―
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