2 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:36:29 ID:twnfeyNE0
4日目
―12:13:29―

川 ゚ -゚)「さて…そろそろ診に行くかな」

私は空になったマグカップをシンクに持っていく。
その後をビーグルがトコトコとついてくる。

( ´_ゝ`)「なんだ?俺ら以外にも客がいたのか」

川 ゚ -゚)「ああ。お前らと違って上客だ。丁重に持て成すことにしている。お前らがそこにいると患者に引きこもりが感染する恐れがあるからとっとと地面に埋まってくれ」

(´<_` )「待てよ。今しがた俺らの口座から消え去った2000万の存在はもう忘れたのか?」

川 ゚ -゚)「惜しかったな。桁があと一つ足りなかった」

( ´_ゝ`)「わお!VIP〜」

そう言って、私はギコの元へ行く。

3 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:39:34 ID:twnfeyNE0
私のラボ、第3号室。
この部屋は患者の為にあえて白熱灯は点けず、太陽光で部屋を明るくしている。

川 ゚ -゚)「おい…気分はどうだ?」

返事が無い。その代わりにスヤスヤと寝息が聞こえる。
こんな真昼間からぐっすりと眠れるとは……しぃも随分と能天気な餌を捕まえてきたもんだ。

( ´_ゝ`)「おや?コイツはギコじゃないか」

人の気配が無い筈だった私の背中から声が飛んできた。
声の主はゆっくりと私の横まで歩いてくる。
私がいつこの部屋に入っていいと言った?

川 ゚ -゚)「なんだ?コイツを知っているのか?」

( ´_ゝ`)「知っているも何も…現在行方不明中の財務省職員じゃねぇか」



川 ゚ -゚)



川 ゚ -゚)「………なんだと?」
410 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 16:56:20 ID:orKZZlw20
(´<_` )「なんだ。ギコはクーが預かっていたのか。通りで見つからない訳だ」

川 ゚ -゚)「ギコが…財務省職員?それは本当なのか?」

( ´_ゝ`)「ああ。大々的にニュースで報道されているぞ」

川 ゚ -゚)「あんな馬鹿が…財務省とは…信じられん」

(´<_` )「まぁこの国の政治は全てモララーのカリスマ性で動いてる。多少馬鹿がいても問題ないだろう」

川 ゚ -゚)「よく、省に入れたな。あんな馬鹿が」

( ´_ゝ`)「親のコネだろ?ギコはフッサール財閥の跡取り息子だからな」



川 ゚ -゚)



川 ゚ -゚)「なんだと?」
5 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:44:06 ID:twnfeyNE0
フッサール財閥―。
この国最大の大企業グループ。
VIP国のGDPの32%を占めるその資本力は絶対的な権力として国に認定され
見事「財閥」の地位を確立した。
フッサール財閥の300を超える子会社はそれぞれの分野にて寡占的なブランドを掲げている。

川 ゚ -゚)「まさかそんな大御所の息子だったとは…」

(´<_` )「おいおい…まさか知らなかったのか?最近の注目ニュースだぞ?」

川 ゚ -゚)「新聞も、テレビも、インターネットもこのラボには無い」

( ´_ゝ`)「なんという外界とのシャットダァウン!」

ギコがフッサール財閥の跡継ぎとは…。
たしかにそれならばドクオに狙われるのもしぃが奴に近づいたのも納得がいく。
金があれば敵を作りやすいし、カモになる。

ギコに目をつけた女性はごまんといるはずだが、それを勝ち取ったしぃの技量はなかなかのものだと伺える。

しかし、一つ気になる事がある。
ギコは狙われたという事実を私に隠した。
自分の身分を明かしたくなかっただけなのかもしれないが、昨日の口調からはそのようには感じられない。
何か後ろめたい理由があるような表情。人の心には詳しくないが、そうとっても問題は無いだろう。

相変わらず気になる事には悉く首を突っ込みたくなる性格だよ…。

6 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:47:49 ID:twnfeyNE0
( ´_ゝ`)「それにしても…お前らが仲がいいなんて知らなかったよ」

川 ゚ -゚)「ら?誰の事を言ってるんだ?」

( ´_ゝ`)「しぃだよ。昨日2人でなにやら話していたじゃないか」

川 ゚ -゚)「?…………ああ、その事か」

(´<_` )「どの事だ」

川 ゚ -゚)「なに、気にするな。ただギコの容態について聞いてきただけで…」

( ´_ゝ`)「ほう。フッサールの御曹司のモチベーションを確かめるのに、俺達を連れてくる必要があったのか?」

川 ゚ -゚)「……どういうことだ?」

兄者は威圧的な態度で私に質問を投げかけてきた。
私も質問で返すが、大体は察しづいている。

7 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:51:19 ID:twnfeyNE0
(´<_` )「しぃは言った。『あなたの話通り行ってきたよ』…と」

( ´_ゝ`)「まぁ普通に考えれば行った場所は俺らのアジトだな」

川 ゚ -゚)「他の場所かもしれないだろう?」

( ´_ゝ`)「それはない。もし他の場所を指定していたのならば、真っ先に俺達とロマネスクが共にいる事を聞いたはずだ」

(´<_` )「しぃが訪ねたのは俺達のアジト。そこから導かれるロジックは一つだ」

さすがは流石兄弟。
こんな小さな会話も聞き逃さないとは。

川 ゚ -゚)「私が君達をここに連れてくるためにしぃを送ったと?」

(´<_` )「そうだ。俺達がここにいる原因は必ず存在する。…その原因を作ったのはお前だ」

8 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:53:45 ID:twnfeyNE0
( ´_ゝ`)「答えろクー。俺達に…何の用だ?」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「………やれやれ。これ以上、誤魔化す材料が見つからないようだ。」

参った参った。探りを入れるつもりが先にこっちが追い詰めれていたようだ。
私に、心理戦は似合わない。

川 ゚ -゚)「わかった。一から話そう。」




川 ゚ -゚)「モナーさんは殺されたんだ」

(´<_`; )「な……」

( ;´_ゝ`)「なっ…何だと!?」

川 ゚ -゚)「『Player』の誰かによって…な」

9 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 22:57:52 ID:twnfeyNE0
5日目
―08:41:34―

明け方の街に肌寒い風が吹き抜ける。
寒いと感じるのは、僕の感覚を基準にしているので、僕より細身の人はどう感じるかわからない。
薄めのコートを持ってきておいて正解だったようだ。

人々が行き交う大通りを抜け、細い脇道を通る。

おい誰だ。
今、挟まるからやめとけって言った奴。出てこい。
2つ角を曲がった時に、ふと殺気を感じた。

( ^ω^)「…………ふむ」


つけられている。

誰かが僕の後ろを5m程度の間隔を開けて尾行している。
その足音からあきらかな殺意を感じる。間違いなく僕を殺す気だろう。
この能力は、「Player」になるための必修能力だ。
一端の格闘家と渡り合える程の体力と、決して隙を見せない気の張り方。
全てモナーさんに仕込まれた能力だ。

10 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:01:37 ID:VC.3IDVA0
僕の後ろをつけている男。歩く間隔の短さから肉弾戦に持ち込んでもかなりの自信があると伺える。
まぁこれは問題ないだろう。

僕は人気のない路地に曲がる。
後ろにいた奴も間隔を広げず縮めず角を曲がる。

角を曲がるその瞬間、僕はその男の顔面に裏拳をかまし、鼻の骨を折った。
相手が怯んだ間を逃さずに、

みぞおち、左頬、顎、両耳、を順に殴りつける。
耳を狙われた相手は半器官が鈍り、状況判断能力が低下している。
そして、3歩下がり、僕、特製「BOONタックルスペシャル 〜2010春〜」をお見舞いする。
豪快に飛んだ男は歩道を越え、車道まで滑って行った。
その後、4tトラックが近づいてきたが僕には興味無かった。

服に付いた汚れを手で払っている時に、再び現れた殺気。
まだ暗殺者がいたのか。

11 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:07:36 ID:VC.3IDVA0
銃弾がサイレンサーを突き抜ける音を僕は聞き逃さなかった。
間一髪で弾を避け、弾の飛んできた方へ向かう。目の前にあるビル。その屋上に見える銃を構えた男のシルエット。

もう1人との距離は20m。この距離であれば武器は恐らく銃器類だろう。
スナイパーライフル…狙いを定めて撃つのならば、これぐらいの性能の武器を用意しているはずだ。

男は僕が避けた事に気付くと、慌ててライフルを構え直した。
こんな狭い路地の僕ですら狙い撃つ事が出来ないなんて、彼はどうしようもない素人スナイパーのようだな。
僕はすかさずビルに潜り込み、屋上へ上る。

中に入って真っ先に目が入ったのは、1階に来ていたエレベーター。
僕は中に入り、最上階と閉扉のボタンを押して外に出る。
そのまま横にある階段を使い、上がる。上がる。

意外ときつい。もう少し体を鍛えておくべきだった。
4階に差し掛かる時に、急いで降りてくる男がいた。


(; ´ー`)「えっ…!!」

12 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:13:24 ID:VC.3IDVA0
僕はその言葉を聞き逃さない。
すかさずその男に飛びつく。

( ^ω^)「うおおおおおおおおおおおおおお!」

(; ´ー`)「ぐっ…!!」

相手も瞬時に状況を理解し、胸にしまった銃を取り出そうとしたが、僕のタックルに間に合わなかった。
バランスが崩れ、階段に倒れる。
どうだ。これが80kgの捨て身タックル(BOONタックルスペシャルではない)だ。

右手に握られていた銃を奪い、相手の眉間に銃口を当てる。

(; ´ー`)「…エレベーターは罠だったか…」

( ^ω^)「深く読みすぎだお。俺がエレベーターで登ってきたと思ったお?」

恐らく彼は、最上階のエレベーターの扉の前で、銃を構えていたのだろう。
しかし、中には誰もいなかった。

彼は考える。
これは罠だと。乗ってはならないと。
下で僕が同じように銃を構えているのを想像したのかもしれない。
だから、エレベーターを使わず、階段で下りるという選択をしたのだろう。

13 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:17:37 ID:VC.3IDVA0
( ^ω^)「誰に雇われたお?」

(; ´ー`)「シ…シラネーヨ」

( ^ω^)「おっおっおっ暗殺者も大変だおねw毎度毎度カッコつけなきゃいけないなんて」

僕は間入れず引き金を引く。強い破裂音と共に赤い飛沫が立った。
顔に真っ赤な生温いシャワーが当たる。
相手の眉間に穴が開き、ぐったりとその場で動かなくなった。

( ^ω^)「別に聞かなくてもよかったのに。生きを急ぐ馬鹿が増えたもんだお」

ポケットからハンカチを取り出し、顔についた血を拭く。
さすがに全部は取れないだろう。化粧室を探さないと。

14 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:21:18 ID:VC.3IDVA0
僕の能力は完璧だ。
それゆえに弱点が目立つ。
僕は神なんかじゃない。全ての事象を捻じ曲げる事なんかできない。
一つのリンゴを持って、「これはリンゴかどうか」
と、賭けを持ち出されたとして、僕がリンゴではないと言ったところでそれがリンゴじゃなくなるわけじゃない。

それと同じ。僕は不意の攻撃をあてられたらまともに喰らってしまうのだ。
まぁ、そうならないよう訓練を積んだのだ。
食べすぎたせいで、持久力こそは無いものの、そこらの豪人とは互角に渡り合える自信がある。
今の僕を暗殺する事が出来る人間なんていないだろう。

いるとしたら…まぁ…ドクオくらいか。
彼を敵に回しさえしなければ大丈夫。
決して死亡フラグなどではないから安心しろ。



今のところは。

15 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:26:37 ID:VC.3IDVA0
( ^ω^)「わざわざそっちから出迎えてくれるとは…ご足労痛み入るお」

僕はこの名前も知らない死体を雇った人間を知っている。
この4日間追い続けた人物だ。
こんな歓迎をされたのだ。僕の推理は正しいという裏付けになる。
もう少し…。もう少しでアイツに会える。
アイツに問いただす事が出来る。


モナーさんを殺したのは…アイツだ。

16 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:27:52 ID:VC.3IDVA0






【◆( ・∀・)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】

17 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:31:46 ID:VC.3IDVA0
◆6:スピード 前編

―10:43:12―

( ・∀・)「急いで出してくれ」

俺は壁を隔てた前部座席に座る運転手に告げる。
壁は天井から20cmまでは防弾ガラス。残りは豪華な装飾が施された木製の壁だ。

いかんいかん。デスクワークが思いのほか長引いてしまった。
会談に間に合うといいが…

ピアノのように磨き上げた黒いリムジンに乗り込み、手帳を取り出し今日の予定を確認する。
午前中はビロードも秘書もいない。
彼らには決して悟られてはならない会談に行くので。

内部告発の芽はこういう近い人間から出るものだ。

最も近い人間こそ一番警戒しなければならない。
これは俺の持論だ。

車が動く。
今日の警護は前に3台、後ろに5台。
この車には前に運転手とボディーガード。
俺の両隣りには2人の警護官が。
普段、警護の車は前1、後ろ2台程度でいいのだが、今は「ゲーム」の真っ最中。

用心に越したことは無い。

18 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:35:52 ID:VC.3IDVA0
目的地の会場は議事堂から車で15分。
ギリギリ11時の会談に間に合う。

車に乗っている間も俺に休息の時間は無い。
書類を隅から隅まで見渡し、次の予定を確認する。
たった3億レス程度の商談だ。
10分目を通せば十分だ。

イッツァ大統領ズジョーク。

( ・∀・)「…………」

( ・∀・)「…………なるほど…」

( ・∀・)「…………」

( ・∀・)「…………ん?」

ちょっと待て。


外の景色がおかしい。

19 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:40:18 ID:VC.3IDVA0
俺達はさっきまでビル陰で日の光が当たらない道を走っていたのに、いつの間にか車内に太陽光が入り込んできている。
窓から見えるビルの高さも変だ。さっきはビル群の真下を走っていたはずなのに、ビルから離れ、真横に見えるのは高層ビルの12階。

おかしい。

この車は今どこにいる?
運転手は何をやっているんだ。

( ・∀・)「おい。この車はどこに向かっているんだ!?会場は…」

『お客さん、走行中はシートベルトの着用をお願いしますよ』

は?コイツ…大統領に向かって何を…

その瞬間、後ろから大きな爆発音が聞こえた。




『高速道路でシートベルトしてないと…事故起こしちゃいますよ』

20 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:43:36 ID:VC.3IDVA0
( ;・∀・)「なっ…何が起きた!?」

後ろを振り返る。
さっきまで警護官を乗せ、この車についてきた5台の車は木っ端微塵に爆発した。
周りの車を巻き込み、立ち上がる火の渦が大破する乗用車を持ち上げ、吹き飛ぶ。

一体何が起こったんだ?

『お客さん…だからシートベルトをして下さいよ』

運転手の声が聞こえた。とっさに前を向く。
前と後ろの席の間には壁が設けられているが、後部座席に設置されたスピーカーから運転手の声が流れてくる。

( ;・∀・)「おい!貴様!どこを走っている!停めろ!」

いつのまにかこの車は高速道路を走っていた。
予定のルートとは真反対のコースだ。

『どこって聞かれましても…』

運転手はゆっくりと帽子を取る。
その後頭部に俺は見覚えがあった。

21 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:46:29 ID:VC.3IDVA0
( ;・∀・)「おっ…お前は…まさか…」

突然、俺の隣にいる男達の体勢が崩れる。
胸に穴を開け、その場に倒れこんだ。
どくどくと血が流れる。


( ;・∀・)「!?おっ、おい!どうした!?何があった?」

男達は返事をしない。
その場に倒れたまま動かなくなった。
よく見ると前を走っていた先導車もいなくなっていた。

俺は再び、運転手を見る。
忘れもしない。この憎たらしいシルエット。
こいつ…またもや俺の邪魔を…!!

  _
( ゚∀゚)『………地獄?』



(#;・∀・)「ジョルジュ…!!」

22 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:50:35 ID:VC.3IDVA0
リムジンの速度は90…100…と増していく。
前を走る乗用車をすいすいとかわし、どんどん前へ進んでいく。
  _
( ゚∀゚)『おいおいwそう睨んじゃ駄目ですよお客さんw』

(#・∀・)「お前…いつからそこにいる」
  _
( ゚∀゚)『最初っからに決まってるじゃないですか。運転手は今頃、魚の食べやすいサイズで海を漂ってると思いますよw』

このゲス野郎。また懲りずに俺の邪魔をするか…。
俺は顔の向きを変えず、目線だけドアの方に向ける。
ロックはされておらず、手を伸ばせばすぐ掴める位置にある。

これならばいつでも抜け出せるだろう。

問題はどのタイミングで掴む…か。

( ・∀・)「…さっきの爆発もお前の仕業か」
  _
( ゚∀゚)『ええ。セムテックスをトランクにドサッと。見つからない場所にね』
23 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:52:27 ID:VC.3IDVA0
( ゚∀゚)『前の車は、さっき角を曲がった瞬間爆破しました』
  _
(  ゚∀゚)『えっと…他に質問は?…あ、質問はありますか?』

( ・∀・)「敬語やめろ」

ジョルジュはハンドルを握ったまま語り続ける。
後ろは決して振り向かないが、俺達はバックミラー越しに向かい合う。

( ・∀・)「お前の目的はなんだ?俺を殺すのか?」
  _
( ゚∀゚)『落ちつけよモララー。俺ミサイルの事は別に怒ってないぜ?』

( ・∀・)「ああそうだろうな。どちらかと言えばキレていいのは俺だ」
  _
( ゚∀゚)『だいたい、この国の未来を担っている大統領様(smile)を、俺が殺すわけ無いだろ?』

( ・∀・)「ありがとよ。戸籍のない非選挙権野郎」

24 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:55:37 ID:VC.3IDVA0
  _
( ゚∀゚)『お前もわかってんだろ?俺の欲し〜いもの』

( ・∀・)「……いくら欲しいんだ?」

考えるまでもない。金だ。
「ゲーム」中に欲しいものは金しかない。
俺だって欲しい。
奴は自分の語りに酔っている。脱出するタイミングはもうすぐだ。
  _
( ゚∀゚)『おっしいな〜。違うんだよ〜モララー君』

ジョルジュはわざとらしく肩を落とす。
笑いながら頭を下げた。


今だ。

俺は右のドアの把手を素早く掴み掌に力を入れ、足を踏み込みドアに向けてタックルをした。

だが、俺の作戦は失敗に終わった。

( ;・∀・)そ「うっ…!!」

ドアはびくともしなかった。
何度レバーを強く引っ張っても手ごたえを感じない。
馬鹿な。鍵は開いているのに…。

25 ◆4972gaB/9o:2010/04/10(土) 23:59:15 ID:VC.3IDVA0
( ゚∀゚)『まったく…俺も随分と馬鹿にされたもんだぜ』

声を聞き、ハッとなり運転席を見る。
しまった。
ジョルジュに気付かれてしまった。
  _
( ゚∀゚)『後ろの扉のカギはダミーだ。ロックは閉じたら二度と開かない仕掛けになっている。それくらいあんたなら気付くと思ったぜ。』

( ;・∀・)「…………」

ジョルジュは最後に、がっかりだよ。と付けた。
確かに、普段の俺ならこの程度の偽物を見分けることぐらいできたはずだ。
カッとなるとつい、周りが見えなくなるのは俺の短所だ。
  _
( ゚∀゚)『俺が狙ってるのは確かに金だが、問題はその容器だ』

( ;・∀・)「容器?…………………う!!」

ここに来てやっと閃く。
今日はどこまで思考回路が遅いんだよ。クソが。

  _
( ゚∀゚)『俺が欲しいのはキャッシュカード。『ゲーム』に使われる、特別なキャッシュカードだよ』

26 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:02:05 ID:CD/2L1l60
( ・∀・)「確かに…な。奪うものとしては、十分合理的なアイテムだ」
  _
( ゚∀゚)『だろ?だろ?最高じゃん。俺が考えた「漁夫の利」作戦♪』

なるほど。コイツの考えがよくわかった。
コイツはこれから「Player」全員からキャッシュカードを取り上げるつもりだ。
カードは引き出すこともできる。
中に入った残高を、全部自分の口座に移し替えてしまえば、奪われた奴は入金ができないし、ジョルジュはたった一枚で大量の利益が出る。

( ・∀・)「だが…俺がそんな陳腐な取引に応じるとでも思ってんのか?」
  _
( ゚∀゚)『するさ絶対に。前にある机を持ち上げてみろ』

俺の目の前には血みどろになった2人の男の死体。
その下には、引き出しが付いた、幅1.3m程の箱型のテーブルがある。
俺は、ジョルジュに従われるまま、テーブルを持ち上げる。

自分が想像していたよりもテーブルは軽く、上げる事が出来た。
恐らく、このテーブルの中に何かが入っているのだろう。

中を見る。





見なきゃよかった。

27 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:04:20 ID:CD/2L1l60
( ゚∀゚)『そいつはさっき吹っ飛ばした車につけた爆弾とまったく同じもんだ』

目の前にあるのは、四角い鉄の箱。
その中央には4桁の数字を表示する赤いパネルがセットされていた。

もちろんそこに映し出されている数字はゆっくりカウントダウンを刻んでいた。

( ・∀・)「…もっとマシな造りに出来なかったのか?」
  _
( ゚∀゚)『できる限り、映画とかに使われるデザインにしたかった。後悔はしていない』

何だそれ。
  _
( ゚∀゚)『解体なんて馬鹿な真似すんじゃねーぞ。できないように造ったから』

( ・∀・)「この『57:32』っていうのは…もちろん」
  _
( ゚∀゚)『時限タイマーだよ。まぁラスト20秒前までに決断しな』

( ・∀・)「……………」

ジョルジュの性格がよくわかった。
その下らなさに呆れたのかわからないが、最初より落ち着きを取り戻したようだ。

コイツ…発想がガキだ。

28 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:05:03 ID:CD/2L1l60
( ・∀・)「俺が決断しなかったらどうするつもりだ?お前も死ぬのか?」
  _
( ゚∀゚)『いや。俺はお前と違って、逃げようと思えば逃げるるから』
  _
( ゚∀゚)『いや。俺はお前と違って、逃げようと思えば逃げれるから』

噛んだからってまるまる言い直すな。

( ・∀・)「…そうだな。時間も十分あるし、ゆっくり軍に電話でもしながら考えようか」
  _
( ゚∀゚)『お前…あんまフザけんなよ?』

ジョルジュはとっさにハンドルから手を離し、後ろを振り向く。
内ポケットから一丁の拳銃を取り出した。
銃口はもちろん俺の頭に向かっている。
  _
( ゚∀゚)『お前の命なんて別にどうでもいいんだよ。今ここで殺してもなんの問題もないんだぜ?』

( ・∀・)「年上に対する口のきき方がなってねーな。お前低学歴だろ」
  _
( ゚∀゚)『そうか。んじゃお言葉に甘えて殺させてもらうよ。【キング】』

29 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:07:16 ID:CD/2L1l60
ジョルジュの右手が安全装置を外す。
どうやら、あっちも本気らしい。

だが。コイツに命乞いなんて決してするものか。
命乞いせず、生き伸び、コイツだけ完全に抹殺する方法を選択する。

どう選べばそうなるのかは知らんが。

  _
( ゚∀゚)『じゃあな大統領。就任お疲れ様でs…』

その時、俺の耳の横から何かが飛んできた。

( ;・∀・)「!!」
  _
( ;゚∀゚)『!!』

その何かは前部座席と後部座席を分けたそのガラスを貫き、フロントの防弾ガラスにめり込む。
俺とジョルジュはフロントガラスを見る。

そこにあったのはやはり銃弾だった。

30 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:09:03 ID:CD/2L1l60
  _
( ;゚∀゚)『お、お前…何をした!?』

( ;・∀・)「知るか!お前じゃないのか?」
  _
( ;゚∀゚)『くそ…!!誰だこんちくしょう!』

どういうことだ?この銃弾の持ち主は俺でもなく、ジョルジュでもないのか。
しかし…この車に残っている生存者は俺らしかいないはず。
いったい誰だ?

( ;・∀・)「………ん?」

俺はふとバックミラーに目が行った。
俺達の車の後ろを一台の黒い車が走っている。
左側にハンドルがある。という事は外車か。

運転手の顔がよく見えないが、そのドライバーはドアの窓から、腕をだらりと垂らしていた。
その手に握られている黒い物体。

31 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:10:54 ID:CD/2L1l60
( ;・∀・)「ジョルジュ…アイツだ」
  _
( ;゚∀゚)『なに!?』

俺がバックミラーを指さしたせいで、ジョルジュは振り返り、さらにまたこっちを向いた。
コイツも俺が言わんとしていることぐらいわかるだろう。
  _
( ;゚∀゚)『アイツは…誰だよ…』

( ;・∀・)「わからん…。ただ…」

その時、その車がスピードを上げ、俺達の車の隣で並列し始めた。
  _
( ;゚∀゚)『……おいおい…嘘だろ?』

( ;・∀・)「ま、まさか…」


そのドライバーは拳銃を下し、小機関銃構える。
その鉄くずを俺に突きつけてこう言った。




('A`)「あがり」

32 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:11:35 ID:CD/2L1l60
1発の銃声―。
俺は何故かそこで、あの日の夜の事を思い出した。

モナーさんの死が伝えられたあの日を。


0日目
―23:24:17―

( ;><)「…………」

(’e’;)「………」

( ,'3 ;)「………」

(゜3゜;)「………ぐっ」

(゜3゜;)「どういうことだ!?あと何時間待たせれば気が済む!!?」

( ;><)「も、申し訳ないんです!でもわかんないです!」

(’e’;)「ふざけるなよ!!こっちだってこの後に何本も取引を控えているんだぞ!」

( ,'3 ;)「モララー大統領はまだこっちに来ないのか!?」

( ;><)「い、今すぐ聞いてくるんです!!」

33 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:12:44 ID:CD/2L1l60
( ・∀・)『もしもし?』

( ;><)「あっもしもし?今どこにいるんですか!」

( ・∀・)『今?ホテル』

( ;><)「な、なぜですかぁ!!」

( ・∀・)『いや…普通にプライベートだが?どうした、何かあったのか?』

( ;><)「今から『VIPエンペラーヒルズ』で会合が行われる予定じゃないですかぁ!!」

( ・∀・)『知ってるよ。』

( ;><)「知ってて来ないんですか!!」

34 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:13:31 ID:CD/2L1l60
( ;><)「6ヶ国首脳会合なのに、もう開始から4時間もたってますよ!!」

( ・∀・)『それで?今残ってるのは何人だ?』

( ;><)「え…、えっとイラスト共和国国家主席のセントジョーンズ氏、テンプレ合衆国のバルケン氏、マトメ国のポセイドン氏だけです…」

( ・∀・)『あっそう。じゃあビロード』

( ;><)「は、はい!なんですか?」

( ・∀・)「スピーカーを用意しろ」

( ;><)「は…………はい?」

35 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:15:01 ID:CD/2L1l60
( ;><)「とりあえず、別室でスピーカーの音量調節を任されましたが…」

(’e’;)「何だねこれは…」

( ,'3 #)「………我々をおちょくっているとしか…」

(゜3゜#)「いい加減にしろぉ!!これは何の真似だ!」




|::━◎┥



|::━◎┥ガーピー




( ;><)「やっぱ無理ですぅ!!」

36 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:15:43 ID:CD/2L1l60
|::━◎┥『えっ…?これちゃんと携帯と繋がってんの?…ああ、そう』

(’e’;)「おいおい…嘘だろ?」

(゜3゜#)「ふざけやがって…!!」

|::━◎┥『あっ、こんばんは。今宵は会合にお集まりいただき誠にありがとうございます。モララーです』

( ,'3 #)「どういうことだ!?なぜVIPは会合に参加しない!!」

|::━◎┥

|::━◎┥『すいません。ちょっと急用を思い出してしまって…』

(゜3゜#)「もういい!!帰らせてもらう!!」ガタッ

|::━◎┥

|::━◎┥『ええ。構いませんよ。それでは核の話は無かったという事で』

(゜3゜;)「!!」


( ;><)(音声の時間差が…)

37 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:17:56 ID:CD/2L1l60
|::━◎┥『この会合は、あなた方の国に、核の設計図を渡すという承諾の会合でしょう?』

( ,'3 )「そ、それは確かにそうだが…」

|::━◎┥『それと、勘違いしてもらっては困るのですが、私はあなた達との外交を断ち切っても何の問題もありません』

(’e’;)「?…どういうことだ?私達がいくらあなたの国に投資したと思っているんだ」

|::━◎┥『…………アン…』

|::━◎┥『それは違います。あなた方は我々の国には何の干渉もしていない』

(゜3゜;)「どういうことだ!!せ、説明しろ!」


( ;><)(……アン?)

38 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:20:25 ID:tJcUoAvM0

|::━◎┥『…アッ…ヤァ……』

|::━◎┥『簡単な事です。あなた達の金なんかで私の国は動かない』

|::━◎┥『あんなはした金で…ね』


( *><)(さっきから…えっちな声が聞こえてくるんです!)

( ,'3 #)「貴様!!さっきから図に乗りおって!!これ以上言うと…」

|::━◎┥『戦争ですか?』

( ,'3 #)「!!」

|::━◎┥『構いませんよ。私は一向に構わない。あなた方の国なんて4日で滅ぼす自信がある』

(’e’;)「ほ、本気で言ってんのか?戦争など…」

|::━◎┥『アッ…アッ…アンッ…!……』

|::━◎┥『嘘だと…いいですね』


( *><)(大統領なにやってるんですか!!僕にはわかんないんです!)

39 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:22:09 ID:tJcUoAvM0

|::━◎┥『さて、話が逸れましたね。核の設計図ですが…』

|::━◎┥『買いますか?買いませんか?』

(’e’;)「………」

( ,'3 ;)「………」

(゜3゜;)「………」

|::━◎┥『買わないのであればこの会合も解散です。お疲れ様で…』

(’e’;)「ま、待ってくれ!!俺は買う!買うぞ!」

( ,'3 ;)「わ、私もだ!買う!」

(゜3゜;)「買わせてくれ!頼む!」

|::━◎┥『ギシギシ…ダッ…ダシテェ!…アアッ!…』

|::━◎┥『わかりました。では金額の方ですが…』


|::━◎┥『1部300億レスでお願いします』

40 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:25:02 ID:tJcUoAvM0
(゜3゜;)「なんだと!?さ、300億!?」

(’e’;)「我々の国家予算の1/3じゃないか!!」

( ,'3 ;)「そんな額…払えるわけないだろう!?」

|::━◎┥

|::━◎┥『同じ事を言わせないでくださいよ。期限は明日の午後までです。それまでに書類を書いて送ってください』

(’e’;)「そ、そんな話が通っていいのか…」

|::━◎┥

|::━◎┥『表の世界だったらまず通らないでしょうね』

|::━◎┥『しかし、ここで行われた会合は決して外に漏れてはならないはずだ。』

(゜3゜;)「………」

|::━◎┥『それでは、これにて。失礼します』

|::━◎┥ブツッ

41 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:26:28 ID:tJcUoAvM0
(゚、゚トソン「ねぇ…今のは誰との会話だったんですか?」

( ・∀・)「財布。」

(゚、゚トソン「ふ〜ん…ねぇ、久しぶりだしもっとしましょうよ♪」

( ・∀・)「ああ、そうだな………いや、まて」

(゚、゚トソン「?また電話ですか?」

(  ∀ )「……………いや留守電だ。…お前」

(゚、゚;トソン「な、何ですか?そんな怖い顔しちゃって」

(  ∀ )「今すぐ、この部屋から出て行け」

(゚、゚;トソン「えっ?…嫌ですよ!もっとしましょ…」

(  ∀ )「殺されたいのか?」

(゚、゚;トソン「ひっ…!」

42 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:27:17 ID:tJcUoAvM0
彼女は慌てるように自分の服を担ぎ出て行った。
そんなことはどうでもいい。

モナーさんが死んだ
モナーさんが死んだ
モナーさんが死んだ

…嘘だろ?



まさか。
44 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:28:04 ID:tJcUoAvM0
5日目
―11:05:21―

標的をモララーに向け、引き金を引く。
しかしこの車は5重層防弾ガラスになっているようで、簡単には弾は抜けないようだ。
小機関銃が銃弾を発砲する音は鳴り止むことなく続く。
  _
( ;゚∀゚)「ど…ドクオ!?なんでここにいるんだ!?」

( ;・∀・)「いったい今日はどうなってるんだ!!」

中では運転手と、大統領が慌てふためいている。
あの運転手、若いな。モララーの知り合いか?

('A`)「あ……ジョルジュか?」

なんで俺のターゲットの傍には必ず「Player」がいるんだ?
あの女の依頼は2回ともこうだ。

しかし、ジョルジュか…しぃ以上に厄介な相手が出てきたな。

  _
( ;゚∀゚)「おい!なんだお前!何でこんなとこにいる!!」

ジョルジュが車の窓を開け、俺に声をかける。
相変わらずうるさい奴だ。

45 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:29:08 ID:tJcUoAvM0
('A`)「俺は依頼を受けただけだ。お前には関係ねーよ」
  _
( ;゚∀゚)「依頼だと?…まさかモララーか!?」

('A`)「ああ。その通りだ。だから後ろの窓を開けてくれ」

コイツは敵に回すと厄介だ。
やることなすこと、行動が全て大胆で邪魔にしかならない。
何を悟ったのか知らないがジョルジュはいきなり口角を上げて笑い始めた。

  _
( ゚∀゚)「そうか…残念だがこれは俺の獲物だ。帰ってくれ」

またかよ…勘弁してくれ…。
どうして俺のターゲットはダブルブッキングなんだ…。

('A`)「これは最後の通告だ。モララーを渡せ。」
  _
( ゚∀゚)「男を巡って争う趣味はねえよ。だからお前は帰れ」

('A`)「あ〜あ。やっぱ殺すしかないか」

俺は小機関銃をジョルジュに向ける。

46 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:30:27 ID:tJcUoAvM0
  _
( ゚∀゚)「おっと。あぶねぇな」

すぐにジョルジュは顔を車体に屈めた。
本当に人を怒らせるのだけは「Player」随一だな。

('A`)「俺も、本気でいかせてもらうから。男なら絶対に逃がさねぇ」

ハンドルを切り、車をリムジンに当てる。
車体は揺れ、接触個所からは火花が散った。

こっちにもプライドがあるんだ。
この仕事だけはミスで終わらせる事が出来ない。
  _
( ゚∀゚)「やってみろ不細工」

('A`#)「ああ。絶対殺すよナルシスト」

俺はリムジンの窓に小機関銃を持った腕を突っ込み、引き金を引く。
  _
( ゚∀゚)「させるか…よ!!」

ジョルジュは、仰向けになった体制からマシンガンを蹴り上げ、俺の手から銃を奪う。
俺もすぐに腕を引っ込め、ホルダーからベレッタを取り出し次に構える。

その時だ。

47 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:31:56 ID:tJcUoAvM0
( ;・∀・)「おい!ジョルジュ前だ!!」
  _
( ゚∀゚)「あん?前?」

いきなりモララーが叫ぶ。
急に割り込んできたと思えば…なんだ?
子供だましのハッタリか?
  _
( ゚∀゚)「…………え?」

ジョルジュの顔は一気に冷めていく。
なんだ?一体前に何がある。

俺もつられて振り向く。




俺の目に飛び込んできたのは、
逆走してこっちへ迫ってくる暴走4tトラックだった。

48 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:36:32 ID:tJcUoAvM0
('A`;)「ええええええええええええええええええええええええええええ!!?」
  _
( ;゚∀゚)「ああああああああああああああああああああああああ!?」

( ;・∀・)「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!?」

俺とジョルジュは急いでハンドルを切り、3車線の両方向に分かれた。
ジョルジュは左側。俺は右側。
ギリギリトラックとの接触は避け、トラックはそのまま突っ切って行った。
  _
( ;゚∀゚)「おい!今のなんだ!?」

('A`;)「知るか!!俺に聞くな!!」

くそ。あまりの事に、トラックのドライバーの顔を見損ねてしまった。
一体誰だ?これ以上の妨害は勘弁してくれ…。

( ;・∀・)「おい!!後ろからまた戻ってきたぞ!!」



本当に勘弁してくれ。

49 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:39:18 ID:tJcUoAvM0
トラックは大きく車体を振り、ドリフトを掛け方向転換をした。
まさか…本当に俺らが狙われているのか?

一体誰だ。まさか「Player」の誰かか?。
いや、現時点では一番それが可能性として有力だ。

このメンバーで妨害すると言ったら「Player」しかいない。

('A`;)「くそ…!モララーさんはモテますねぇ!」

だがやらん。俺の金だ。ぜってー手離さねぇ。

トラックはスピードを上げ、どんどんと近づいてくる。
嘘だろ?この車ももう130以上出てるぞ。
  _
( ;゚∀゚)「あの野郎…いったいだr…」

ジョルジュは窓から顔を出し、後ろのトラックを確認する。
そこでジョルジュの動きが止まった。

50 ◆4972gaB/9o:2010/04/11(日) 00:40:51 ID:tJcUoAvM0

  _
( ;゚∀゚)「あ、アイツ…ま、まさか…」

('A`;)「どうした?やっぱ『Player』だったのか!?」
  _
( ;゚∀゚)「いくらなんでも早すぎだろ…」

コイツがなにを言っているのかよくわからない。
確かに、風は強いしある程度距離もあるが、俺に聞こえない声ではない。
わからないのはその意味だ。

こうなっては俺もトラックを見るしかない。
窓を開け、トラックを見る。

俺はそのトラックの勢いに圧倒されてしまった。

確かにそいつは「Player」のメンバーだった。
しかし


ξ#゚听)ξ「おらああああああああああああああああジョルジュううううううううううううう!!」

まさかコイツだとは思わなかった。


◆6:スピード 前編 〜END〜 To Be Continued―

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