2 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 20:55:50.59 ID:RTs3OU2/0
0日目
―23:45:34―

(´・_ゝ・`)

盛岡デミタス。43歳。身長173cm。体重73kg。
3月12日生まれのAB型。

ゲハ大学を卒業し、大手楽器メーカー株式会社したらばに就職。
その後、したらばで学んだ経験を生かし、会社を辞め起業。
株式会社ロビーの初代代表取締役となり、5年に渡り会社の規模を拡大していく。

現在妻子持ち。3歳年下の妻と2人の娘。
今回の依頼人は、その妻である。
さらに、会社の部下と愛人関係にあり、今回の依頼はそれが原因だと考えられる。

('A`) 「『今日、その逢引中を狙ってくれ』…か」


3 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 20:57:44.87 ID:RTs3OU2/0
正直に言う。下らない。

愛とか恋とか、不倫とか浮気とか愛人とか結婚とか離婚とか好きとか嫌いとか
愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか愛とか

('A`#)「あ゛あ゛あ゛あああああああああああああああああああああああああああ!!」

マジで死ね。…いや死ぬんだけども。っていうか俺が殺すんだしね。うん。
べ、別にうざったくて殺すんじゃないぜ?報酬が高額だから引き受けただけだぜ?
ホントだよ。信じてくれよ。いや、だからほんとだって。まじ、マジ。大マジ。だから本当に彼女がほしいです…。

('A`)「と、いうか女にモテたくてこの業界に入ったのに一人も近寄ってこないのはどういうことだよ…」

俺の身近にはたった3人しか女がいない。

ツンとしぃ。そしてクー。

こいつらは絶対に近づいてはならない女の代表例である。
例え好意があったとしても、近づいた瞬間に殺されるか自殺することになるだろう。
つまるところ論外。諦めましょう。


4 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:01:07.02 ID:RTs3OU2/0
出会い系サイトに登録をしたこともある。

だが、年収に数十億(不定額)、職業に職業コンサルタントと書いたらみんな冗談だと思って誰も近寄らなかった。
周りから見ればきもいガリ男が、年収を偽り女性を募集してるようにしか見えなかったのだろう。

そんな理不尽な。

('A`)「くっそー…俺だって他のPlayerに比べればスッゲーかっこいいの………お?」

隣のラブホテルにターゲットが入るのを確認した。
さて、おしゃべりはここまでのようだ。

まぁ喋る相手は俺なんですけどね。


死にたい。


5 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:02:07.86 ID:RTs3OU2/0
涙ぐみながら狙撃銃を組み立てる。
ターゲットの位置が確認できてから準備をするのは俺の癖である。
最初は、いつ警察が来てもおかしくないよう、普段から準備、片付けのスピードを上げる為の訓練としてやっていたのだが
それが癖になり、いつの間にかそれが当たり前になってしまった。
組み立ては30秒、解体はその半分の時間さえあれば可能だ。

ラブホテルと道路を挟んで向かい側にある雑貨ビル。
その屋上から銃口を構え、ゆっくりと機会を待つ。
撃つタイミングは部屋に入った瞬間。
何故って、それよりも遅くなると俺の息子が暴れだすからさ。

童貞にこの手の依頼はホントつらい。
ここに来る前に昼のローストビーフ全部戻したし。


6 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:04:08.43 ID:RTs3OU2/0
('A`)「お…来たな」

部屋に仕掛けた盗聴器から俺の耳に付けたイヤホンへ。鍵の差し込む音、回す音、開く音がはっきりと聞こえた。
盗聴器を仕掛けるのはホント苦でした。苦。
もう、これは仕事なんだと割り切る。そして、お土産に持ってきた使用済みのコンドームは後でちゃんと捨てよう。

部屋の電気が付く。盗聴器を仕掛ける際に、目印としてカーテンをほんの少しだけ開けといた。
あとちょっとだ。奴はカーテンを必ず閉める。ってか閉めろ。不愉快だ。
カーテンの向こうで、シルエットが行ったり来たりする。
うおおおおおおおおおおおおおお一体何をしてるんだ!童貞の俺にもわかるように教えろ!

カーテンを掴む手が見えた。その手は…デミタスの手だった。


今だ。

7 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:04:59.07 ID:RTs3OU2/0
トリガーを引く。サイレンサーから小さな音が出た。



その瞬間、窓にヒビが入り、カーテンを掴む手が外れる。
ここからでは僅かではあるが女性の悲鳴も聞こえた。
すかさずオペラグラスで弾の当たった個所を見る。

ワイシャツ姿の男は眉間から赤い液体を流し、ベッドの上に倒れた。
念には念を入れ顔を確認。

もちろんその男は盛岡デミタスそのものだった。
成功。任務達成。

('A`)「おっし、終わり!」

ふと、腕時計に目をやる。
9 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:07:53.86 ID:RTs3OU2/0
―23:57:22―

日付が変わる前には仕事を終えることができた。

さぁ帰ろう。この胸糞悪い気分を癒してくれるアルコールを求めて。

目にもとまらぬ速さで銃を解体する。ケースにどんどん納まる部品の数々。
きっちり15秒でケースを閉じる事が出来た。
しっかりと施錠し、取っ手を掴み屋上を立ち去る。

まずやるべきことは、依頼人への報告。
歩きながらポケットに手を入れ、中を探り携帯を取り出す。

('A`)「……お?」

さっそく連絡を…と思ったら留守電が入っていた。

ずいぶんせっかちな依頼人だと思ったら、留守電の相手は依頼人ではなくフォックスさんだった。
11 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:09:10.42 ID:RTs3OU2/0
('A`)「おお!フォックスさん。久しぶりだなぁ〜ww」

懐かしい人だ。今元気にしているのだろうか。

そういえば久しく、母国に帰っていない。今度仕事に切りが付いたら帰ろうか。
そう思いながら携帯を耳に当てる。


『モナーさんが死んだ。今すぐ本国に帰ってきてほしい。』


('A`)「え?」

たったそれだけだった。俺は徐に立ち止まる。

死んだ?モナーさんが?なんで?どうして?いつ?
様々な思念が脳内を交錯し、まともな思考に戻すことができなくなった。
13 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:10:17.96 ID:RTs3OU2/0
('A`;)「ど、どういうことだよ…!モナーさんが死んだ…?」

とにかく帰ろう。この後すぐに。
一番最初に思った事がそれだった。

状況を把握するためにも、一刻も早く帰らないとならない。
フォックスさんに掛け直す。しかし相手も留守電になってしまった。

ふと、屋上の扉が開いた。
そっちへ顔を向けると、がたいの良い男が4、5人屋上へ乗り込んできた。
手に持っているのはナイフや拳銃。こいつらの目的が俺を殺すことだということはすぐに想像できた。

しかし何故俺がここにいるのがバレた?
まだデミタスを殺して数分しか経ってないはずだ。


14 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:12:11.30 ID:RTs3OU2/0
そこで一つの推理が沸き起こった。
こいつらに俺を殺すように命じたのはデミタスの妻だ。
依頼人が俺の存在を恐れるなどよくある話だ。

彼女以外に俺がここにいることを知っている人間はいない。


電話から流れる留守番電話のガイダンス。
ナイフを俺の首に突き付ける男。その取り巻き。
後数分で来るであろうパトカーのサイレン。
恩師、モナーの死。

( A )「…………」


全てを受け入れよう。
そう体が納得したときには、既に目の前にいる男の首がゴロっと床へ落ちていた。

15 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:13:44.87 ID:RTs3OU2/0
('A`)「今の仕事が片付き次第向かう。そっちの時間で明後日の午前には。」

そう電話に言葉を入れると電源ボタンを押し、携帯をポケットにしまう。
俺が真っ先に理解したのは、こいつらは全員邪魔だということ。

彼の頭があったはずの位置からは止めどなく血液が吹き出し、バランスを失った体はグラグラと傾きその場に倒れる。
ソイツの手にあったはずのナイフは俺が持っていた。

持っていたケースを捨て、ナイフを奪い取り、構え直し、相手の首を狩り、電話を耳に当て直す。この間約2秒。

対峙した男の血が全身に降り掛かる。
周りの男たちは何が起きたのか理解できず呆然としていた。

その隙を見逃さず、拳銃を持った男の右手をナイフで切り落とす。
カチャンと音を立てて落ちた銃を革靴の先で受け止め左手まで蹴り上げる。

もう一人銃を持った奴がいた。マシンガンだが。
そいつが引き金を引くのと、そいつの左目に銃弾が入り込むのと、手を切り落とされた男が悲鳴をあげ出すのと、切った右手が着地したのはほぼ同時だった。
そのままナイフで喉元を切り裂き、チェンソーを持った4人目の男に残りの銃弾を全て撃ち込む。


16 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:16:23.98 ID:RTs3OU2/0
一人、二人とその場に倒れこむ。持っていたナイフを持ち主に返す為、片手をなくして狼狽している男の頭に投げつける。
見事にナイフは刺さり、血を噴き出しながらその男は倒れた。
気付けば、辺りには4人の死体ができあがった。

くるっと振り返ると、拳銃を構えた男がガタガタ震えながら対峙していた。
顔は汗まみれで膝が笑っている。
その男は何度も引き金を引くが俺にまったく当たらない。
そんな精神状態且つこんな暗闇で当たるわけがないだろう。

結局、そいつは拳銃に入っていた全ての弾を使い切ってしまった。
俺にあたった数は0。

('A`)「……いいか?死ぬ前にちゃんと学べよ?」

俺は足元に転がったマシンガンを拾う。
拳銃を投げ捨て、じたばたと逃げ出すその男に銃口を向ける。

('A`)「人を殺すっていうのは…こういうことだよ」



俺は【エース】。

職業は、殺し屋。
18 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:18:02.68 ID:RTs3OU2/0





【◆(*゚ー゚)ゲームに集うは、切り札のギャング達のようです◇】








20 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:19:08.07 ID:RTs3OU2/0
◇3:バカラ

2日目
―13:00:24―

13時―マンションを出る。そこにはベンツに乗った彼がいる。
ゆっくりと助手席の窓が開く。

(*゚ー゚)「ギコ君ごめんね。待った?」
             ・ ・
(,,゚Д゚)「気にすんな!レイの為ならいくらでも待つさ」

(*゚ー゚)「ふふっありがとうw」

そういって窓を乗り越えて、彼にそっとキスをする。
ついニヤける彼もまた可愛い。

(,,゚Д゚)「さて…どこからいくか?」

(*゚ー゚)「ん〜…じゃあネックレスが見たいな!」

(,,゚Д゚)「おお!いいぞ。じゃあ見に行くか!」

(*゚ー゚)「…うん!」

そう言って私は助手席に乗り込んだ。
エンジンが鳴り、タイヤが動き出す。
22 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:20:43.06 ID:RTs3OU2/0
ドライブは1時間。
その間、たくさんの話題で盛り上がった。
会えなかった時間を取り戻すかのように、私達は止まることなく話し続ける。
車内には聞いたこともない英語の曲が流れる。

(*゚ー゚)「ギコ君ってさ〜このアーティストの曲ばっか聞いてるよね」

(,,゚Д゚)「ああ。このシーザーって奴の書いた曲ははスゲーんだよ。」

そう言いながら私にCDのケースを渡す。

(*゚ー゚)「4人組なんだ。どれがシーザーって人なの?」

(,,゚Д゚)「真ん中のベース担いでる奴。こいつはこの国の音楽界を変えた奴だよ」

(*゚ー゚)「ほんとに?すごいじゃん!この人」

私はCDの中から歌詞カードを取り出し、読む。


23 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:22:02.89 ID:RTs3OU2/0
(,,゚Д゚)「今流れてる曲の歌詞、《ゲームに加わるためには、切り札を探さないとね》ってあるだろ?」

(*゚ー゚)「うん…どういう意味?」

(,,゚Д゚)「物事を成功させる為には、事前にその準備が必要だって事さ。シーザーの場合はこのバンドメンバーだったんだけどな」

(*゚ー゚)「なるほどね〜確かにその通りだね。仲間選び一つで人生って変わるもんだし」

(,,゚Д゚)「だろ?だろ?やっぱこれは世界の頂点に立った男からの教訓なんだよな〜…」

(*゚ー゚)「うん…たしかに…そうだよね〜…」

(,,゚Д゚)「・・・・・・・・・・・・」

(*゚ー゚)「・・・・・・・・・・・・」

しばしの沈黙。ギコ君は何も言わず窓の外を見た。
もしかしたら彼に気取られたかもしれない。
まずい…。もっと笑顔を出さないと。


24 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:23:18.34 ID:RTs3OU2/0
(,,゚Д゚)「…………あ、着いたぜ」

(*゚ー゚)「え?…あ、うん。」

慌ててシートベルトを外し、CDをそっと置く。
駐車するためにギコ君は片手でハンドルを操作する。

(,,゚Д゚)「おっけー。じゃあ行こうか」

(*゚ー゚)「うん♪いこう!」

今は彼の為にも精一杯楽しまなくては。うん。
あの事は忘れよよう。


25 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:27:51.98 ID:RTs3OU2/0
―15:42:10―

(;,,゚Д゚)「いやーずいぶん歩いたなぁ〜…」

(*゚ー゚)「だってここVIP最大のショッピングモールでしょ?そりゃ歩くよ〜」

(;,,゚Д゚)「いや、俺、一日で全部回れるくらいの甘い見通しで来てたわ。まいったまいった」

(*゚ー゚)「あははw…それは無いってw」

私達は買い物を済ませ、最寄りのコーヒーショップへ足を運んだ。
店内から流れるゆったりとしたジャズの曲が私の心を癒し、
甘い抹茶ラテが乾いた喉を潤してくれる。

(*゚ー゚)「それにしても今日はありがとうね。誘ってくれて…」

(,,゚Д゚)「いやいや、久しぶりに会うんだし当たり前だろ。…で?海外勤務はどんな感じだった?」
27 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:31:08.30 ID:RTs3OU2/0
(*゚ー゚)「う〜ん…2週間じゃやっぱまだ何も覚えられなかったな〜…」

(,,゚Д゚)「だろうな。レイはそういう新しい環境にすぐ挫けそうだしなw」

(*゚ー゚)「なにそれww酷いな〜もう」

会話の合間にストローを銜える。ストローが私の会話を塞いでくれる。

(,,゚Д゚)「…………なぁ。」

突然、ギコ君が私に向かって訪ねてきた。
私は口を外しギコ君のほうへ振り向く。

(;*゚ー゚)「うん?…どうしたの?」

今まで朗らかだったギコ君の顔が神妙な顔つきになっていく。




(,,゚Д゚)「お前…俺に何か隠してるだろ」

28 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:35:45.09 ID:RTs3OU2/0
その言葉を聞いて私は心臓が張り裂けそうになった。

(;*゚ー゚)「え?な、何かって何が?」

(,,゚Д゚)「惚けるなよ。今日のレイの仕草はいつもと全然違う。何かすごいそわそわしてるぞ」

嘘…そんなに顔に出ちゃってたの…?

(;*゚ー゚)「いや…そんな、別に…ねぇ」

いろいろと誤魔化そうとするが、言葉が浮かんでこない。
その時、ギコ君に両肩を掴まれる。

(,,゚Д゚)「なぁ…教えてくれよ…俺、お前がそんな辛そうな顔をするの見てられないんだよ…」

(;*゚ー゚)「う………」

言葉に詰まる。それと同時に涙が零れそうになった。
こんなにギコ君は心配してくれているのに…そう思うと、なんだかいたたまれなくなった。

(*;ー;)「ごめんね…ごめんね…」

ついに我慢できず、ギコ君の手を解き、鞄を持って店を飛び出す。

(;,,゚Д゚)「あっおい!」

ギコ君も慌てて追いかけてきた。
けど止まれない。彼と面と向かうのが怖い。


29 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:37:19.27 ID:RTs3OU2/0
私はショッピングモールを抜け出し外へ出る。
涙を流しながら交差点を渡り、広場を抜け、住宅街を抜け…

(;,,゚Д゚)「待てよ!レイ!」

でもやっぱり男の人に足でかなうわけなんかなくて。
路地裏に差し掛かったところで追いつかれ、手を掴まれた。

(*;ー;)「ごめんね…ごめんね…」

私は彼にただ謝るしかできなかった。
途切れ途切れの息で精一杯謝る。

(;,,゚Д゚)「ハァ・・・ハァ・・・わかった!わかったから!」

彼は力の限り私を強く抱きしめた。
泣きじゃくる私の顔をその胸板で受け止めてくれた。
こんなに優しい人に私はなんで嘘をついたんだろう…

(*;ー;)「うぅ…ヒック…ヒック…!」

私とギコ君はお互いが落ち着くまで何も言わず、抱きしめあった。
31 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:41:15.17 ID:RTs3OU2/0
(,,゚Д゚)「…落ち着いたか?」

(*;ー;)「うん…ありがとう」

ギコ君の胸から顔をあげハンカチで涙を拭く。

(,,゚Д゚)「そっか…よかった」

また沈黙が起こる。何を言っていいか私もギコ君もわからないのだ。

(;,,゚Д゚)「……と、とりあえず今日はもう帰…」

そう言おうとした彼の声に覆い被さる様に私は声を出す。

(*゚ー゚)「ギコ君…私、ギコ君に黙ってた事があるの…」
32 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:45:11.17 ID:RTs3OU2/0
ギコ君はもう一度私の顔を見た。
それはどこか悲しそうでもあり、嬉しそうにも見えた。

(*゚ー゚)「今日、そのことを言わなきゃいけないってずっと思ってたんだけど、なかなか言い出せなくて…」

(,,゚Д゚)「!!…」

(*゚ー゚)「それをギコ君が知ったら私のことなんか嫌いになっちゃうんじゃないかって思って…」

(*;ー;)「でも黙り続けたら、バレたときに何で黙ってたのかって思われてさらに嫌いになっちゃうんじゃないかって思って…」

やだ…また涙が…。
けど涙が頬を伝う前にその雫は彼の手によって拭い取られた。

(,,゚Д゚)「気にするな!俺はそんなことでお前の事を嫌いになったりしない!」

彼の触れた頬が暖かくなる。
ホントにギコ君は優しいなぁ…。


33 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:46:18.81 ID:RTs3OU2/0
(,,゚Д゚)「だから…だからゆっくり喋ってくれ。俺はどんな内容でも全部受け止めるから。」

(*;ー;)「うん…」

私は覚悟を決め、言葉を発する。

(*;ー;)「私ね…実はね…」







(*;ー;)「癌なんだ…」

(,,゚Д゚)




(;,,゚Д゚)「え?」

34 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:47:13.65 ID:RTs3OU2/0
私は恐る恐る鞄の中から一つの封筒を取り出す。
冊子になったカルテと数枚のレントゲン写真。

(*;ー;)「ここに…左のおっぱいに腫瘍があるんだって。先月、会社の健康診断で見つかった」

(;,,゚Д゚)「そんな…う、嘘だろ?」

(*;ー;)「ごめんね…嘘じゃないの。もうすでに心臓周辺の血管には転移してるみたいで…早急に手術が必要で」

(*;ー;)「でもこの国にはその腫瘍を取り出せる先生はいないんだって。」

カルテに私の涙が落ちる。

(*;ー;)「実は、海外勤務ってのも嘘なの。実は…この腫瘍を取れる医者に会いに、海外に行ってて…」

(;,,゚Д゚)「そ、そうだったのか…」

(*;ー;)「でも…、その手術費用はすごい高くて、親のいない私にはとても払える金額じゃなくて…」

35 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:49:10.07 ID:RTs3OU2/0
(;,,゚Д゚)「手術費ってどのくらいだ?」

(*;ー;)「2億レス。海外だからとてもじゃないけど払えない…」

(*;ー;)「でもそれじゃあ、ギコ君に迷惑が掛かっちゃうから…私、黙ってて…ごめんね」

私は途切れ途切れに喋る。
彼に…ギコ君にはちゃんと伝わったのだろうか…。
言い終えるとギコ君は黙って私の髪に手を乗せる。





(,,゚Д゚)「…やっぱ俺、…許せないわ。」


36 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:50:08.42 ID:RTs3OU2/0
一言ギコ君は呟いた。当たり前だ。私は彼を…ギコ君を裏切ったのだから。

(*;ー;)「そうだよね…ごめんね」

(,,゚Д゚)「お前…なんで一人で抱え込んでんだよ」

(*;ー;)「それは、ギコ君に迷惑をかけないようにって…」

(#,,゚Д゚)「それだよ!!俺が許せないのは!」

(*;ー;)「!!」

驚いた。彼が私にどなった事なんて今まで一度もなかったのに。

(#,,゚Д゚)「お前に家族がいないのは知ってるよ!だからこそ俺に相談するべきだろ!?ゴルァ!」

(*;ー;)「…!で、でもそれだとギコ君に迷惑が…」




(#,,゚Д゚)「俺の家族が俺に迷惑かけることに何の問題があるんだよ!」
38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 21:52:08.63 ID:RTs3OU2/0
(*;ー;)「え…?」

時が止まった。彼が叫んだことが私にはわからなかったからだ。

(,,゚Д゚)「ホントは…今日、夕食の時に、レストランで言おうとしたんだけど…」

そう言って彼は背広のポケットから小さな箱を取り出す。

(,,゚Д゚)「俺ってロマンチストだからよ…夜景のきれいな店で言うつもりだったんだよ。けど…今言わないといけない気がする」

彼は頬を赤らめて深呼吸し、私の目をゆっくりと見つめる。



(,,゚Д゚)「レイ…結婚してくれ。」
39 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:53:48.05 ID:RTs3OU2/0
(;*゚ー゚)「!!」

その箱には綺麗な宝石が飾られた指輪が入っていた。
思わず私は声が引いてしまった。

(,,゚Д゚)「その病気も俺と一緒に乗り越えよう。…2億レスぐらいなら俺の実家に頼めば簡単に出る」

彼の強い言葉に私の心臓は鳴りっぱなしだった。
私は彼の誠意に応えなければならない。

(*;ー;)「う…うええぇぇぇぇん!…あ、ありがとううう!!」

私は子供用に泣き出してしまった。もう枯れたと思っていた涙線は
とどまる事を知らずどんどん溢れ出てくる。

(,,゚Д゚)「レイ…愛してるよ。」

そう言って彼は私の左手の薬指にリングをそっと付けた。
私は嬉しくて、嬉しすぎて。その感情を言葉に出せなくて。
どうにかしてその感情を表現するために彼に抱きつこうとした。

40 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:55:32.44 ID:RTs3OU2/0
その瞬間
ギコ君は














狙撃された。
42 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 21:59:55.70 ID:RTs3OU2/0
―16:00:34―

('A`)「ありゃあ…しぃ…か?」

焦げた臭いが漂う銃口が向いた先には2人の男女がいた。
そのうち、男のほうは今回のターゲットであるギコ。
男は血を流し倒れたので、弾は男に当たったようだが生死の確認がまだ取れていない。
俺がいるのはその現場から50m離れた建設中のビルの4階。
肉眼ではその判定は難しいだろう。
オペラグラスを取り出したが、女が覆い被さるように為、ギコがどうなったのかわからずじまいだ。
恐らくあの女はしぃ。「Player」随一の悪女だ。
ああ、俺としぃ。どうやらターゲットが重なってしまったようだ。

('A`)「なるほどねぇ…まぁ誰であろうと邪魔なんだけどな」

例え仲間でも俺の仕事を邪魔する奴は消す。
俺は鞄の中から一つの手榴弾を取り出しピンを外す。
そしてその手榴弾を現場に目掛けて遠投する。

ターゲットは死に、ライバルの妨害ができる。
文句なしの任務だ。

43 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:00:40.53 ID:RTs3OU2/0
―16:00:21―

(*゚ー゚)「………」

(*゚ー゚)「え?」

私の目の前に転がる男。
それは数十秒前に私に愛を語った男だった。
脇腹と口から血を流し、うめき声をあげながら横たわる。

一瞬理解できなかったがすぐに落ち着きを取り戻し、状況を把握する。
この人は撃たれたんだと。
周りを見渡すが、撃ったと思われる人物は見当たらない。
となると、私の視界には入っていない距離からの狙撃。
この芸当に私は見覚えがあった。

(;*゚ー゚)「ま、まさか…」

この正確さ、この的中率。間違いない。

彼の安否を確認するためギコの元へ近づく。
その時、後ろからカツンっと金属の跳ねる音がした。
振り向くとそこにはアボガドが転がっていた。


違う。アボガドじゃない。

手榴弾だ。
45 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:04:10.58 ID:RTs3OU2/0
けたたましい爆音が住宅街に響き渡る。

(;*゚ー゚)「うう…!ゲホッ!エホッ!」
耳がキーンとなって音が遮断される。
火薬の臭いが鼻に突き刺さり、視界は砂埃と煙でよくわからない。
五感のうちほとんどが封じられてしまった。

手榴弾の存在が確認できた瞬間、私はとっさにギコを起こし、その死体の後ろに隠れた。
爆発による被害はギコのおかげでほとんど防ぐことができた。

愛の力は絶大だ。

その盾となった死体は、背中に大きな怪我を負った。
生きていたら相当辛いだろう。



(,, Д )「うう…れ、レイ…」


うわ、生きてたよコイツ。
47 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:05:29.15 ID:RTs3OU2/0
私は急いでギコを担ぐ。
とにかくここにいるわけにはいかない。

華奢なのは容姿だけ。男一人を背負って走るくらいどうってことないわ。
今ならまだこの男も助かるかもしれない。
ギコを背中に背負い路地裏まで走る。

(;*゚ー゚)「よしっ…まだ煙が舞い上がってる。チャーンス!」

どこからあの男が構えているかわかったものじゃない。
今は行方を眩ませないと。


ドクオは確実に追ってくる。
49 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:11:19.04 ID:RTs3OU2/0
―16:03:03―

煙が晴れた頃には二人ともいなくなっていた。
よし。これではっきりした。
あの女はしぃで、あの男はまだ生きている。

('A`)「さてと…行きますかな」

スナイパーライフルをしまい、腰にリボルバーを2丁。片手にベレッタを一つ構える。

('A`)「鬼ごっこの始まりだな」

荷物はその場に置いていき、マガジンだけをポケットにしまい、走る。
いくらこっちがプロだからといって油断してはいけない。


相手は「Player」なのだから。

50 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:12:32.03 ID:RTs3OU2/0
―16:04:55―

(;*゚ー゚)「ハッ…!ハッ…!ハッ…!」

走り辛い…!当たり前か。
ヒールにワンピース。そしてお荷物。

こんな状態で、逃げきれるわけがない。
住宅の路地に隠れ、一旦ギコを置く。
未だに彼は呻いていた。まだ意識はあるようだ。

私はさっき買って貰ったネックレスを引き千切り、ワンピースを破り捨てる。
ヒールを脱ぎ捨てると、下着姿になってしまった。
近くの家で干されていた女性用のデニムを引っ張って取りすぐに穿く。
まだ洗濯されたばっかのようで、中が湿っている。
そこは仕方がない。諦めよう。

というか、この家はズボンやスカート、下着は干しているくせに肝心の上着が全然干されていない。
せめてTシャツがほしかったが無いようなので、ここでの物色は諦める。
52 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:14:12.26 ID:RTs3OU2/0
さて、この後どうしようか…
ドクオに復讐してやりたいが、今の私は無力なのでそれは後回しだ。

(*゚ー゚)「おそらくこっちの居場所がばれるのも時間の問題よね…」

こっちは男を担いで逃げるのだ。
そうとう頭を使わないと勝てないだろう。

(*゚ー゚)「まずはこれからの目的地。と、それから…」

私はぐったりした男の顔を見る。
この男には感謝をしないといけない。
だって彼が教えてくれなかったらこのヒントは思いつかなかったんだから。

(*゚ー゚)「《ゲームに加わるためには、切り札を探さないとね》…か」

私は携帯電話を鞄から取り出し、電話帳を開いた。


53 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:15:49.58 ID:RTs3OU2/0
―16:12:03―

('A`)「こっちか。」

俺は道路に落ちた血痕を辿る。
女が男を担いだところで、いける範囲には限度がある。

そうなるとアイツがとる行動は限られる。

・俺から完全に逃げ切るか。
・どこかで俺を待ち伏せし反撃にかかるか。
・ギコを見捨て、自分だけ逃げるか。
・ギコを囮にし、その隙に俺を叩くか。

そのいずれも俺は打開策を用意している。
ここまで来てしまえばギコだけを殺す事などしない。
その協力者、しぃも必ず殺す。



俺が作り上げる新しい「Player」に女はいらない。
女なんか…女なんかあああああああああああああああ!!!!!

('A`#)「すぃねえええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」

俺の叫び声は住宅の壁に反射して昼下がりの路上に響いた。
55 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:17:46.27 ID:RTs3OU2/0
―16:10:43―

パソコンの横に置いていた携帯電話が鳴る。
この着信音は…。久しぶりだなぁ。もうみんなとは避けられてるもんだと思ってたよ。
まぁ内容はあらかた想定できるけどね。
通話ボタンを押し、声を出す。

(´・ω・`)「もしもし。やぁ、よう」

(;*゚ー゚)『依頼よ!助けて頂戴!』

僕のジョークは成り立つ前に掻き消されてしまった。
どうやら電話の向こうはえらく慌てているようだ。



(´・ω・`)「どうやらお困りのようだね、しぃさん。今日は『親の七光君』デートじゃなかったのかい?」

57 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:19:58.69 ID:RTs3OU2/0
(;*゚ー゚)『な、何でそんなことまで知って…いやそんなことより!』

(´・ω・`)「おーけー。ドクオの銃弾から逃げているんだね。わかったよ」

(;*゚ー゚)『え?…いやなんで…』

(´・ω・`)「君が知りたいのはその住宅街、『ポスト2341番』の地理だね。今すぐその地図をメールで送るよ。」

(;*゚ー゚)『え?…あの…だから…』

(´・ω・`)「ついでにその男の子、ギコ君だっけ?彼を助ける為に病院に行かなければならないね。そのルートも添付しておこう。」

(;*゚ー゚)『なんで!?そんなことまd』

(´・ω・`)「さて、この情報合計で3400万レスするところを今なら身内特別価格の3380万レスでご提供!いかがですか?」

(;*゚ー゚)『あ…………』

(;*゚ー゚)『はい。お願いします』


(´・ω・`)「まいど。」

そう言って僕は電話を切った。
フフフ。商売とはこうやってやるものですよ。

58 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:21:37.39 ID:RTs3OU2/0
―16:11:22―

(;*゚ー゚)「なんなのアイツ…」

「Player」のメンバーとは昔ながらの付き合いではあるが、未だによくわからない男、ショボン。
彼の商売道具は情報。様々な情報を売り買いして活動している。

彼のコードネーム【スペード】は裏稼業の間では世界的に有名であり、その名のもとに様々な情報が集い、ばら撒かれていく。
今回の依頼もそうだ。
一体どこで見張っているのか分からないが、私の状況、ましてや私の望むものまで知っていた。

私が読むことのできない男は、世界であいつだけかもしれない。

(*゚ー゚)「あっメールが来た!」

ショボンから送られてきた1通のメール。
これさえあればドクオに勝てる。


(*゚ー゚)「次期ボスがこんなとこで死ぬわけ無いんだから!」


59 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:23:13.49 ID:RTs3OU2/0
―16:18:01―

('A`)「……いた。」

男を担いだ女性が住宅の屋根と屋根と伝って移動しているのが見える。
正確には見えた。一瞬だったので、もう視界から隠れてしまった。
誰かは特定できなかったがあれは間違いなくしぃだ。

さて、俺も追いかけなければ。
あの屋根に登るにはどうすればいいか。
単純に家から登るというのも手だが、この時間帯は人通りが多すぎる。
ただでさえ屋根の上は目立つというのに、直接登って行くのは避けたい。

なにか中に入れそうな建物は…

('A`)「お!あれは…」

そこで見つけたのはさっき俺がギコを仕留めたときに使っていた建設中のビル。
あそこの4階の窓から飛び移れば十分に追いつくことはできる。
急ごう。見失っては元も子もない。
61 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:24:40.86 ID:RTs3OU2/0
―16:21:30―

(;*゚ー゚)「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・!」

最初は大丈夫だろうと思っていた移動もだいぶ辛くなってきた。
流石に屋根を伝うのはどうかと思ったけど、意外とバレてないみたい。
とにかく、全速力でアイツの元へ行かなければ。

ドクオとの勝負のルールは簡単だ。
ドクオが私達を殺せばドクオの勝ち。
私達が逃げ切れれば私の勝ち。

はぁ…こんな時ブーン君がいればなぁ…

(;*゚ー゚)「そうだ!ブーン君に電話して、私が逃げ切れるほうに賭けてもらえば…」

そうとわかれば急いで実行。
すかさず電話を取り出す。

その瞬間、足元の屋根に一発の弾丸が跳んできた。
63 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:27:55.63 ID:RTs3OU2/0
('A`)「ずいぶん楽しそうなデートだな」

体を向かせると撃たれそうなので、顔だけ振り向く。
銃をこっちへ向けたドクオがゆっくりと近づいてくる。

(*゚ー゚)「どっかの誰かのせいで、ベンツから霊柩車に乗り換えなきゃいけなくなってるけどね」

('A`)「その男は俺の獲物だ。悪いな」

(*゚ー゚)「悪いと思ってるなら帰ってくれないかな。人のデート邪魔するなんてチェリーさんも大変ですね」

('A`#)「よし。決めた。お前殺す」

まさか図星だったとは…
しかし、状況はとてもまずい。
屋根の上では逃げ場がない。かといって屋根から飛び降りようとしても、そのモーションの間にドクオは私達を撃つだろう。
彼は童貞だが、腕は確かだ。      童貞だが。
64 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:29:12.02 ID:RTs3OU2/0
その言葉が妙に引っかかる。童貞、童貞・・・。

(*゚ー゚)「確かに、もう逃げ場はないみたい。諦めるわ」

('A`)「まぁそうだな。見りゃわかる」

(*゚ー゚)「最後にこれだけ聞かせてくれないかな?」

('A`)「身長以外だったら答えるが」

そう、間違いない。ドクオは…




(*゚ー゚)「ドクオって女の子の裸を生で見たことないでしょ」
66 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:31:45.91 ID:RTs3OU2/0
―16:24:19―

('A`;)

(*゚ー゚)「……」






('A`;)

(*゚ー゚)「………」




(*゚ー゚)「ないんだ」




68 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:33:26.67 ID:RTs3OU2/0
('A`;)「はっ!」

あまりの出来事に、一瞬思考が消え去っていた。
この女何を言っているんだ?
俺が女の裸を生で見たことがない…だと?

落ち着け落ち着け。ここで冷静さを欠いては

なぜバr…いや、何故そんな事を聞く!
最後に知る事が俺が女性に対する経験がないことなど何故知る必要がある。

この女…まさに悪女!
今すぐ消さなければ。

俺が銃を構え直すとしぃはこっちを向いていた。


(*゚ー゚)


どう見ても上半身は水着で無く下着です。
本当にありがとうございました。
70 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:36:18.66 ID:RTs3OU2/0
('A`*;)「おまっ!!…え?ちょ…っ!何で上着てないんだよ!」

(*゚ー゚)「いや〜おっかけっこしてたら暑くなっちゃってさー。」

('A`*;)「ばっ…早く着ろよ!!」

(*゚ー゚)「いやそもそも着替えないし。」

くそ!!この女…!何を企んでやがる!
俺の息子まで銃口を向け始めたじゃねーか!

(*゚ー゚)「あ〜それにしても暑いな〜…ブラ蒸れちゃうからとろっかな?」

(;*'A`)「ぐっ…!恥ずかしいだろ!止めろよ!」

71 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:37:08.09 ID:RTs3OU2/0
俺は思わず目を逸らす。
なんでアイツはこんな街中でそんな事が出来るんだよ…!
みたかっ…いやいや…そうじゃねぇよ。

ってかあいつも成長したな…意外と胸あったぞ…。
Bか?…いやCはあるな。

今振り向けば…もう一度拝めるのに…

(;*'A`)「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょ、ちょっとだけなら」

ゆっくり相手に気取られないように振り向く。



('A`)「あれ?」

しかし、気取られないように行動していたのはあっちのほうだった。
74 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:38:29.16 ID:RTs3OU2/0
('A`;)「い、いない!くそっ逃げられたか!」

まずい!ここで逃がしてはならない。どこへ消えた…?
辺りを見渡す。いた。俺が登ってきたビルのほうへ向かって走っていく。

俺はすかさず銃を構える。

('A`;)「よしっ十分狙える範囲だ…」

狙いを定める。

('A`;)「撃てっ…撃てっ…!」

狙いを定め…

('A`;)「撃つんだっ…!」

狙いを…

('A`;)「…………………………くそっ!」


心臓が高鳴りすぎて、手の震えが止まらない。
何というエロの魔力。

銃を下して俺もビルへ走り出す。

75 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:39:46.94 ID:RTs3OU2/0
―16:24:59―

(;*゚ー゚)「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・!」

ビルの3階に飛び移り、中階段を下りて1階に着く。
建設中、しかも、まだコンクリートで固めただけだから造りが荒い。
建設中の階は8階。8階にはクレーン車が数台と十数人の作業員がいる。

(;*゚ー゚)「そうだ…。これを使えば…」

私はまた階段を上がる。
ここでドクオと決着をつけよう。

76 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:40:52.67 ID:RTs3OU2/0
―16:30:21―

('A`;)「ハァ・・・ハァ・・・!」

銃を構えて落ち着きを取り戻してからビルに飛び移る。
窓がはめ込まれていたら飛び移るのは不可能だったが、まだその前の段階だったようで安心した。
しぃはここから出ていない。
それはこの血痕が物語っている。
血痕は上の階へ点々と続いている。

恐らく、俺は下に向かうだろうと思ったのだろう。そうして俺が去った頃にビルを出ればいい。
なんてつまらない発想なんだ。
さっきはエロ攻撃にやられてしまったが次はそうさせない。
出会った瞬間に引き金を引いてやる。

殺し屋は2度同じミスはしない。
何故ならミスを犯したとしても、ターゲットは必ず死ぬからだ。
78 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:42:45.95 ID:RTs3OU2/0
俺は銃のマガジンを交換し、戦闘態勢に入る。

('A`;)「これで最後だしぃ。」

階段を勢いよく上がっていく。その途中、何かに足が引っ掛かった。
足を見ると、糸が足に絡まっていた。

('A`;)「ん?工事現場関係の奴か?」

その糸の先に何かがぶら下がっていた。栓抜きのような形状。
俺はその代物に見覚えがあった。

まさについ30分前に使った。


手榴弾のピンである。


79 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:43:58.46 ID:RTs3OU2/0
爆音と共に、体のバランスを失われる。

('A`;)「ぐっ…がぁ…!」

体が瞬発的に動いてくれたおかげで爆発そのものからは避けれたものの、
飛び散った火花やコンクリートの破片を避けることはできず、火傷や怪我を負った。
この威力…間違いない。俺の手榴弾だ。人を殺す為というよりは、物体を壊す時に使う手榴弾。
この上の階に置いていた鞄から取り出したのだろう。

('A`;)「不覚だった…!まさか使われるとは。」

俺は急いで、鞄の元へ行く。
案の定、鞄はその場から姿を消していた。

('A`#)「あの野郎…!」

しぃを殺す。この手で何としても。

80 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:45:55.00 ID:RTs3OU2/0
それよりも、あの爆発音はまずい。
こんなに住宅が近い場所だ。すぐに地域住民に通報され、警察が来る。
あまり呑気に構えてはいられない。

('A`)「奴は下の階か…上の階か。」

考えている時、上の階から声がしてきた。
4階まで降りてきたのは7、8人の作業員だった。
先程の爆発音を聞いてここまで来たのだろう。
彼らは俺の手にある銃を見て動きが止まった。

('A`)「おい。上に女は行ったか?」

俺は銃を突きつけて作業員の男たちに聞く。
全員が首を揃えて横に振った。

('A`)「そうか…ならば下か」

そう呟くと、俺は作業員へ銃弾を撃ち込む。
状況を理解し、大慌てで逃げ出す奴もいたが、この現場を見られたのだ。見逃すわけにはいかない。
一人につき一発ずつ、計7回引き金を引いた。
81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 22:49:17.06 ID:RTs3OU2/0
俺は急いで階段を下りる。
2階の階段に来た時、糸が見えた。

('A`;)「わっ・・・危っ!」

またトラップか。その時、上から音が聞こえてくる。

コン、コン、コン…

それは足音だった。恐らく、誰かが降りてきたのだろう。作業員だろうとしぃだろうと殺す。
俺はゆっくり上に戻る。慎重且つ迅速に。

俺はひっそりと構える。
誰かが降りてきた。それは男ぐらいの背丈。間違いなく作業員だ。

俺はパッと飛びかかり、銃を構えその男に向かって撃った。
男は体をくねらせて倒れる。
83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/03/19(金) 22:50:38.92 ID:RTs3OU2/0
('A`)「ふぅ…まだいたのか。………お?」

あの男、何かがおかしい。
よく見ると両手が後ろ手に縄で縛られている。
その縄の先にはまたしても手榴弾のピンがくくり付けられていた。

('A`;)「まずい!!」

咄嗟に後ろに下がる。
2回目の爆発。今度はもろにダメージを受けた。

('A`;)「ガハッ…!ってぇ…!」

やられた。あの男が付けていた縄は階段の手すりに結ばれた手榴弾と繋がっていたのだ。
男が手すりから離れれば手榴弾のピンが外れる仕組みになっていた。

つまり俺が奴を撃つという想定のもとで。
まずい…。体の損傷が思いのほか着ている。
2回も間近で爆音を聞いたせいで左耳の鼓膜が破れ、血が流れてきた。


84 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:52:14.71 ID:RTs3OU2/0
フラフラと立ち上がる。頭が痛い。
あの男は上からやってきた。

つまり、しぃも上にいるということを意味する。
ここまで来たら何が何でも撃ち殺す。



7階に着いた。ここまで罠らしい罠は無かった。
当たり前だ。これ以上手榴弾を使えばアイツのライフラインはライフルだけになる。
もう罠は張れないだろう。
ライフルは接近戦では不向きだ。
しかも相手は素人。上手く組み立てる技能を持っていたとしても、アイツにはあれを扱うことはできない。


アイツはただの詐欺師だから。

87 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:53:21.96 ID:RTs3OU2/0
…いや、ここまで来てただの詐欺師というのは止めよう。
天才だ。アイツは人の心を読む天才なんだ。

俺がここまで来たのも、俺が作業員を撃ち殺すのも。全部アイツの想定内で動いていた。
これ以上自分を過信するのはよそう。

これは「Player」同士の決闘なのだ。

('A`;)「ハァハァ…!…しぃ!どこだ!隠れても無駄だ!」

俺の叫び声のほうが無駄だ。そんな簡単に出てくるわけがない。
この上を行くと8階…現在の最上階である。
とにかく進まなければ。

ゆっくりと7階の部屋を渡る。
その時、また足に何かが引っ掛かった。

('A`;)「しまった!また手榴弾か…!」

88 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:54:47.73 ID:RTs3OU2/0
しかし、爆発は起こらなかった。
その代わり、部屋の四隅からいきなり眩しいライトの光が当てられる。
思わず目を瞑る。

('A`;)「んっ…!何だこれ…?」

恐らく夜間の工事用に使われるライトだ。
このスイッチを紐と繋げ、誰かが通ったら光る仕組みになっていたのか。

その時、光の影で2本足が目に入る。
人間が背中に何かを背負っているようなシルエットだった。

(;'A`)「そ、そこかぁ!」

銃を向けると、そこには窓辺の傍、ライトの前に、ぶら下がった手榴弾に2本の割りばしがくっついていた。
何だこれは?罠なのか?

その時どこからか声がする。
90 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:56:33.77 ID:RTs3OU2/0
(*゚ー゚)『16時30分29秒…ビルに侵入、16時33分12秒…トラップに引っかかる』

どこだ?音がこだましていて、どこから聞こえる音なのかはっきりしない。

(;'A`)「どこだ!?どこにいる!!」

(*゚ー゚)『16時36分23秒…作業員7名を殺害、16時38分49秒…作業員1名を殺害し、2つ目の罠にはまる』

('A`;)「くそ…上の階か!!?」

俺は駆け足で階段を上る。

(*゚ー゚)『16時45分41秒…7階で罠にはまりライトが当てられる、…そして』

8階には屋根もなく、ただの屋上みたいな場所だった
クレーン車や、鉄骨、ロープなど様々な用具や機械が整理される事無く置いてあった。

('A`#)「どこだ…!」

俺はその時ストレスで自分を見失っていたのかもしれない。
俺はしぃの声を見つけた。
しかし、それは業務用のスピーカーだった。

92 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:58:07.11 ID:RTs3OU2/0
(*゚ー゚)『16時47分05秒…屋上へ到着。見事、私を捕まえることに失敗する♪』

スピーカーから漏れる声が俺の耳を酷く痛めつける。

('A`#)「どこにいるんだぁ!しぃ!」

銃を闇雲に撃つ。
殺し屋業を何年も続けていたがここまで侮辱されたのは初めてだ。
それでもしぃの声は鳴りやまなかった。

(*゚ー゚)『ごめんね。ここまで言ったこと全て予想通りだったの。そして…』

しぃは続ける。

(*゚ー゚)『私はドクオが部屋に入って来てからずっと下の階にいたよ。』

(*゚ー゚)『作業員のおじさんを従わせるのは簡単だったなぁ…。あんなの3分もいらないよ。』

(*゚ー゚)『そして君がが7階で見た手榴弾。あれはあなたにライトのスイッチを付けてもらうまで意味をなさなかったの。ありがとね』

('A`;)「ど…どういうことだ?」

冷や汗が滲む。
まさかしぃがやろうとしている事は…

93 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 22:59:46.09 ID:RTs3OU2/0
(*゚ー゚)『2個の手榴弾をあの位置で爆破してもらったのも私の予想通りだった。そこには2本の支柱があったから。』

(*゚ー゚)『そのおかげで…この建物はもうガタガタだもん。あとなにかきっかけさえあればすぐ崩れるよ』

まさか。

まさか。

まさか。

(*゚ー゚)『このライフルすごいねー。さっき試してみたけどホントに狙ったとこに撃てるよ。』

俺は慌ててビルの端まで行く。
そこから見下ろした、民家の屋根の上にブラジャー姿の女とぐったりと倒れた男がいた。
手にはマイク、横には三脚にセットされたライフルがこっちを向いていた。

(*゚ー゚)『じゃあね。ドクオ。今度会えたらおっぱい見せてあげる♪』

そう言うとしぃはライフルの引き金を引く。
その弾丸は、7階にあった手榴弾のピンに当たり、手榴弾は地面まで真っ逆さまに落ちていった。


94 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:01:22.19 ID:RTs3OU2/0
―16:52:20―

3度目の爆発にこのビルは耐えきれなくなり、音を立てて崩れ落ちて行った。

私はその現場に目を向けることなく、その場を立ち去る。
駐車場に止めてあった、彼のベンツを動かし、そのショッピングモールを後にした。
ショッピングモールに来ていた客はブラジャー姿の泥だらけになった美女が気を失った男を背負っているのを見て驚いたに違いない。
彼は後部座席に乗せ、ドライブを楽しむ。

(*゚ー゚)「そうだ。あれ聞こう♪」

ハザードランプの隣にある再生ボタンを押す。
するとサイドにあるスピーカーから音楽が流れてきた。

(*゚ー゚)「《ゲームに加わるためには、切り札を探さないとね》〜♪」

音程を外しに外しているが、この歌を歌うのは楽しかった。
今度シーザーの曲を買ってみようかなっと思った。


95 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:03:27.77 ID:RTs3OU2/0
―17:45:12―

(*゚ー゚)「ここね…」

ショボンが渡してくれた地図によると、ここでギコの怪我を直してくれるらしい。
路地裏に構えており、いかにもな場所の病院。
銃弾を取ってくれる病院なのだから、恐らく裏稼業とのコネクタがあるのだろう。

そう思ってきたのに…





(;*゚ー゚)「『素直わんにゃんクリニック』…って」



96 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:04:19.68 ID:RTs3OU2/0
動物かよ。
ってか動物専門の銃弾摘出する医師がいるのかよ。
でも、ショボンが教えた場所はここで正しいはず。

(;*゚ー゚)「……」

私は半信半疑にその扉を開ける。

(;*゚ー゚)「あの〜…」

いったいどんな医者が…ちょっと気になった。
そうこうしていると足音が近づいてきた。

川 ゚ -゚)「すまない…受け付けはもう終了して…」

その白衣を着た女性は私の同僚であった。

(;*゚ー゚)「クー!?」

川 ゚ -゚)「しぃか?どうしたその格好は…?」



思わぬ再会だった。
98 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:06:33.76 ID:RTs3OU2/0
―17:54:37―

川 ゚ -゚)「なるほど…状況はわかった…が、もうちょっと応急処置ぐらいはできなかったのか?」

(*゚ー゚)「仕方ないじゃない!ドクオに追われてたんだから!」

「Player」の中で唯一の医者であるクー。
彼女の腕は一流で、過去に様々な難病、重症患者も完治させたことのある。天才だ。
まさかショボンの紹介した医者がこの女とは…
しかし、その請求額は高額で、1回の治療費が7桁未満になる事は決してないのだ。
まさに闇医者。

ああ、今回はどんなに取られてしまうのだろうか…。
100 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:08:36.38 ID:RTs3OU2/0
川 ゚ -゚)「まぁこれぐらいなら、心配ない。本人にも意識はあるようだし、ちょっとの入院で何とかなる。」

クーはティーカップに紅茶を注ぎ、私に渡した。

(*゚ー゚)「まだ意識あったんだ…ってか今回はどれくらい請求するつもりなの?」

川 ゚ -゚)「そうだな…まぁ2億レスぐらいだろうな…」

飲みかけた紅茶を噴き出す。
喉に少し詰まった。

(;*゚ー゚)「ちょ、ちょっと!2億レスって私の乳がんと同じじゃない!」

川 ゚ -゚)「まぁそのぐらいだろ。ちゃんとそろえてきてくれ」

(;*゚ー゚)「ふざけないでよ!そもそもあの乳がんだって日帰りだったわよ!?」

川 ゚ -゚)「まぁそのおかげで、乳房を切らずに乳がんを防ぐ事が出来たじゃないか。跡も残っていないし。ん?」

(;*゚ー゚)「ぬぬぬ………まぁいいわ。払うのはあの男だし。」

川 ゚ -゚)「いいのか」


101 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:10:16.78 ID:RTs3OU2/0
―17:58:50―

(;*゚ー゚)「それにしても…ギコには早く治ってもらわないと…」

川 ゚ -゚)「ほう、愛しの彼がずいぶんとお気に入りのようだな」

私の声に、その華奢な子は過敏に反応した。

(#*゚ー゚)「当たり前じゃない!!あの親の七光の馬鹿を落とすのにどれだけ頑張ったのかわかってるの!?」

川 ゚ -゚)「馬鹿って…彼、今起きてるぞ?」

(#*゚ー゚)「毎回寒いようなロマンに付き合ってあげたり!反吐が出るようなつまらないうんちくの復唱を聞かされたり!」

川 ゚ -゚)「いや、だから聞こえ…」

(#*゚ー゚)「今日だってそうよ!アイツに癌のフリをするのは簡単だけども!」

川 ゚ -゚)「いやだかr」

(#*゚ー゚)「何!?あの就職氷河期並のプロポーズの仕方は!!?馬鹿かよ!!」

川 ゚ -゚)「…もういいです。」

102 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:13:17.62 ID:RTs3OU2/0
(#*゚ー゚)「自分の趣味を人に押し付けんなよ!!得意気に洋楽語ってんじゃねぇ!!」

(#*゚ー゚)「親のコネで財務省に就けたからっていい気になるなよ!Fラン卒の屑でも乳がんの嘘に気付くわ!!」

(#*゚ー゚)「しかも、ベンツ持ちのデート先がショッピングモールってどうよ!?はぁ!?」

(#*゚ー゚)「俺の家族ってwwwwwwwww俺の家族wwwwwwwwwきめぇwwwwwwww」

(#*゚ー゚)「そもそも許す許さないは私が決めるんだっつーの!!お前が決めんな!」

(#*゚ー゚)「だいたい



以下略
105 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:16:07.05 ID:RTs3OU2/0
―19:34:47―

(*゚ー゚)「じゃあ、そろそろ帰るね。この服ありがとう。大事に使わせてもらうわ」

川 ゚ -゚)「もうか?せっかくだし泊って行っても…」

そういうとシィは自分の荷物を片付け始めた。

(*゚ー゚)「何言ってるの?まだゲームは終わって無いでしょ?」

川 ゚ -゚)「ゲーム?…あぁ、あの事か」

(*゚ー゚)「あの事って…なに?もしかして参加するつもり無いの?」

川 ゚ -゚)「ああ。私は医療業と統治を兼任することはできない。」

嘘ではない。もともと興味はないし、同期の下に就くのも悪くは無い。

106 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:17:14.07 ID:RTs3OU2/0
(*゚ー゚)「え、そうなの?」

妙に驚いた表情で振り向いた。
この娘の場合、発言する全ての言葉に意味があるからな。用心しなければならない。

川 ゚ -゚)「ああ。だから私にいらん迷惑をかけるのはよしてくれ」

(*゚ー゚)「はいはい。わかったわ。みんな大変だよね…モナーさんが死んでから」

モナーさん。
彼が私達に与えてくれたものは計り知れない。
今まで実父のように育ててくれ、この世界で生き抜くすべを教えてくれた。
もっと恩返しがしたかった。

(*゚ー゚)「ほんと…突然だったよね…あんなに若く死ぬなんて…」

彼女の眼が少しだけ涙ぐむ。
これも嘘なのかどうかはわからない。

だが…彼女には伝えるべきなのかもしれない。
同じ友として。
109 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:18:10.06 ID:RTs3OU2/0
川 ゚ -゚)「時に、しぃ。」

(*゚ー゚)「…なに?そんな改まった顔して」



川 ゚ -゚)「もしもの話だが…」

(*゚ー゚)「?」










川 ゚ -゚)「もし、モナーさんは殺されたんだとしたら?」


◇3:バカラ 〜END〜 To Be Continued―

 

118 : ◆4972gaB/9o :2010/03/19(金) 23:27:46.61 ID:RTs3OU2/0
一応、キャラまとめです

K:( ・∀・)モララー…VIP国大統領。この国のすべてを牛耳っている。
Q:ξ゚听)ξ ツン…密売人。麻薬、重火器、核ミサイルなどあらゆる物資を海外からVIPへ調達するルートを持っている。
J:( ゚∀゚) ジョルジュ…立てこもり犯。荒い交渉術を使い、国から金を巻き上げる。
T:( ´_ゝ`)(´<_` )流石兄弟…ハッカー。あらゆるサイバーテロを巻き起こし金を稼ぐ。
A:('A`) ドクオ…殺し屋。任務達成率100%の殺し屋。依頼料は高額。
7:( ^ω^)ブーン…ギャンブラー。奇跡の運を持つ男。
S:(´・ω・`)ショボン…情報屋。人の弱みとなるあらゆる情報を握っている。
H:(*゚ー゚) しぃ…詐欺師。結婚詐欺からマルチ商法まであらゆる分野に着手している。
C:川 ゚ -゚) クー…闇医者。非合法な手術や料金で依頼を受けている。腕は天才。
D:( ФωФ) ロマネスク …大怪盗。金銀財宝、あらゆる値打ちのある物を盗む男。変装の天才。

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