- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:15:17.52 ID:A55ZIUfWO
お城が建った時まで時間は進みます。
( ^ω^)「クックック…ついに僕も一国一城の主だお……」
(*゚ー゚)(掃除が大変そう)
<ヽ`∀´>(お城で迷いそうニダ…)
( ^ω^)(迷ったらどうしよう……)
次は先程まで居なかった<ヽ`∀´>のお話です。
彼は男に雇われたコックでした。
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:21:44.72 ID:A55ZIUfWO
- 彼の一日は朝食の準備から始まります。
<ヽ`∀´>「朝ごはんはキムチと、」
<ヽ`∀´>「キムチと」
<ヽ`∀´>「キムチニダ!」
(*゚ー゚)「せめて卵ぐらい焼けるようになりましょうね…」
実は彼、全く料理が出来ません。
雇われるまではコソドロでした。
コックなんて縁のない仕事だったのです。
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:24:54.15 ID:A55ZIUfWO
- 少女を雇って少しした日の事です。
( ^ω^)「やはり王様にはコックが必要だお!」
(*゚ー゚)「包丁も無いのにですか?」
( ^ω^)
( ^ω^)「必要なんだお!」
男が目指すのは誰よりも上に立つ存在。
自分のイメージを崩すわけにはいきません。
男は町にコックを探しにいきました。
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:30:31.26 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……たったこれっぽっちニダ」
手の平に硬貨を乗せて数える男がいました。
何日も何ヶ月もその行為を繰り返しました。
何日も何ヶ月も何年も。
数える硬貨はそんな毎日を変えてはくれません。
<ヽ`∀´>「お腹すいたニダ…」
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:34:22.50 ID:A55ZIUfWO
ふらふらといい匂いのする方へ歩きます。
何か買おう。
買って、それを食べて、考えよう。
こんな毎日はどうやったら変わるのか。
<ヽ`∀´>「……」
そんな時です。
<ヽ゚∀゚>「ニダッ!」
急に後ろから首を捕まれました。
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:42:55.44 ID:A55ZIUfWO
- ( ・∀・) 「なあなあオッサン」
<ヽ;`∀´>「ああ…」
( ・∀・) 「泥棒は悪いことなんだよ?わかる?」
<ヽ;`∀´>「あ、ああ……」
( ・∀・) 「わかってるよ。わかってないからするんだ、そうだろ?」
首を掴んだのは盗んだお金の持ち主でした。
(#・∀・)「なんでこんなことするんかなあ!」
ばきり、顔に痛みが走りました。
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:46:44.22 ID:A55ZIUfWO
何度も殴られました。
何度も蹴られました。
男、ニダーは謝るばかりです。
(#・∀・)「謝るくらいならなんでやるんかなあ!」
<ヽ ∀ >「ごめんなさい、ごめんなさい」
悪い事なのは知っています。
人に迷惑がかかるのも知っています。
それでも彼にはそれしかなかったのです。
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:52:29.10 ID:A55ZIUfWO
辞められるなら辞めています。
別の道があるならば、そちらへと。
でも、無い。
<ヽ-∀->「……」
他に道があったなら。
そんな事を思いながら道端にニダーは倒れていました。
こんな思いも一回や二回じゃありません。
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 00:59:01.01 ID:A55ZIUfWO
( ^ω^)「コックはいないかおー」
男はコックを探します。
自分の、自分だけのイメージの王になるために。
人々に聞いて回ります。
( ^ω^)「コックにならないかお?」
しかし男の格好はみずぼらしくは無くても、極々普通。
そんな格好の男の誘いに乗るものは誰もいませんでした。
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:03:05.34 ID:A55ZIUfWO
「コックはいませんかおー」
「どこかにコックはいませんかおー」
そんな声が聞こえます。
仕事の募集は稀にある事です。
だけれどニダーにそんな技術はありません。
<ヽ`∀´>「……」
目を覚ましても、そこでその声を聞くだけでした。
- 74 :ニダー終わったら一旦終わるよ:2010/07/05(月) 01:10:02.34 ID:A55ZIUfWO
<ヽ`∀´>「……」
いつからそうして居たのでしょう。
小一時間たったころです。
(;^ω^)「全然見つからないお…」
ふらふらと歩く男が見えました。
<ヽ`∀´>(まだやってるニダ……)
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:16:18.64 ID:A55ZIUfWO
(;^ω^)「こんなことならしぃにコックも兼任で……」
(;^ω^)「いやっ!コックが作った物を使用人が運んで王様の場所まで持ってくるのが理想系だお!」
(;^ω^)「この町にコックはいないのかお……」
( ^ω^)
( ^ω^)「……閃いたお」
( ^ω^)「どなたか!どなたか!」
( ^ω^)「コックになりたい人はいませんかお!」
<ヽ;`∀´>「……」
そんな馬鹿な。
遠くで聞いていたニダーは呆れます。
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:23:04.84 ID:A55ZIUfWO
思わず近づいて聞きます。
<ヽ;`∀´>「ちょっといいニダか?」
( ^ω^)「なんだお?」
<ヽ;`∀´>「なんでそんなわけのわからない事を…」
( ^ω^)「わけがわからないなんて事はないお、最終的にコックが手に入ればいいんだお」
( ^ω^)「一刻も早く王様になるんだお!」
<ヽ;`∀´>(そのためコックは必要なのかニダ……)
( ^ω^)「何なら君でもいいお!」
<ヽ;`∀´>「えっ」
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:28:45.96 ID:A55ZIUfWO
(*゚ー゚)「あ、お帰りなさい」
( ^ω^)「しぃ!みてくれお!」
<ヽ;`∀´>「……」
(*゚ー゚)「コックさんですか?」
( ^ω^)「そう!コック(未来の)だお!」
<ヽ;`∀´>(大丈夫…ニダ…?)
不安に満ちた始まりでした。
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:30:44.25 ID:A55ZIUfWO
「得意料理はなんなんですか?」
「……キムチニダ」
「始めて聞く料理だお……」
「きっと凄い料理ですね……」
<ヽ;`∀´>(不安ニダ……)
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07 /05(月) 01:32:17.85 ID:A55ZIUfWO
その2
コックの話 終わり
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