- 85
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:36:19.16 ID:SAkDvDdP0
- 11
広間には真ん中にただ1人だけ男がうずくまっていた。
ぼくを疑心暗鬼に陥らせた原因、ショボンだった。
(´・ω・`)「やあ。君を待っていたよ、ブーン」
待っていた、だと。
なぜだ。
(´・ω・`)「彼女と別れさせたのは済まないと思っている。謝って許してもらおうとも思っていない」
やはり、ショボンの手の平の上で遊ばされていただけなのか。
怒りが喉元までこみ上げてくるようだ。
(´・ω・`)「ただどうしても、2人で話したくてね。君が次で退場する前に、ね」
ぼくが残り1ポイントだというのをお見通し、か。
話したいことって、何だ。言ってみろ。
(´・ω・`)「じゃあ、聞こうか」
「――――君は、無実だろう?」
- 86
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:37:45.58 ID:SAkDvDdP0
- ただただ、呆然とするしかなかった。
( ^ω^)「なんでそのことを……」
もしかして、クーとの会話を聞かれていたのか。
(´・ω・`)「君が思っていることを当ててあげようか。僕は君と彼女との会話を聞いたはずだ、と」
何なんだ、この人は。
ぼくの考えを、どうやって。
(´・ω・`)「でもね、それは違うんだ。僕は男女の会話を盗み聞きするなんて野暮なことはしないよ……ククク……」
からだ中に嫌悪感が走る。
ぼくには思考を読まれてるように思えた。
- 87
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:38:33.17 ID:SAkDvDdP0
- (´・ω・`)「僕はね、気づいていたんだ。君の自己紹介のときから。君は無実だとさ」
( ^ω^)「……何者だお、あなたは」
(´・ω・`)「サトラレ、とか、サトリ、とか、そういった超常現象の類ではないよ。
ただね、僕は人一倍優れてるんだ――洞察力がね」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「僕はさ、聞いておきたいんだ。君の無実を。君の口から」
この人は悪魔だ、人間じゃない。
ぼくが、うそをついて、騙せる、はずがない。
- 89
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:39:17.12 ID:SAkDvDdP0
- ( ω )「……そうだお、僕は無実だお」
(´・ω・`)「……ククク」
何を、笑っている。
( ω )「僕は彼女を、愛するツンを、彼女の家族を含めて、殺されて、それなのに、罪を、被せられて」
ああ、笑い声が不愉快だ。
( ω )「死刑を、言い渡されて、判決は、覆らなくて、執行されて、今ここにいるお」
何で、笑って、いるんだ。
この野郎。
(´・ω・`)「………クックック………アハハハハハ!!」
( ゚ ω゚ )「何が可笑しいお!!」
あと少しで殴りそうになる。
駄目だ、殴ったら負けだ。
- 90
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:40:05.29 ID:SAkDvDdP0
- (´・ω・`)「いや、失敬……君の事を馬鹿にしたんじゃないんだ」
( ゚ ω゚ )「どういうことだお!」
(´・ω・`)「ただね……面白いことになると思ったんだ」
( ^ω^)「…………どういうことだお」
(´・ω・`)「ククク……言っていいのかな。でも、言わないと君が次負けたら面白くないしなあ」
ああ、まどろっこしい。
( ゚ ω゚ )「早く言うお!!」
(´・ω・`)「ククク……怖いなあブーンは………そうだね、言うとしよう」
- 91
名前:作者 ◆SZ8SwoBC0.
:2007/01/19(金) 04:40:36.85 ID:SAkDvDdP0
- このあと、ぼくの足は、驚きで、まるで別人の足のようになって、バランスが保てなくなった。
全身が震えによって支配され、立つことすらままならなくなった。
たった一言で。
(´・ω・`)「ツンさんを殺した真犯人がこの中にいるんだよ、もちろん僕を含めて、ね」
戻る