- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:29:13.63 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「小説家になると言って家を出てから早四年」
川 ゚ -゚)「貯金も底をついた。仕送りも無くなった」
川 ゚ -゚)「家賃も今月払えなかったら追い出される」
川 ゚ -゚)「絶体絶命だ」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:30:25.52 ID:U14AMSGe0
ウィーン
( ,,゚Д゚)「いらっしゃいませー」
川 ゚ -゚)「とりあえずアコムで金借りるか」
( ,,゚Д゚)「ドゾー」
川 ゚ -゚)「三十万借りたい」
( ,,゚Д゚)「はい。ではこちらに記入を」
10分後
川 ゚ -゚)「三十万ゲットだぜ」
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:31:15.79 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「さて、まずは飯だ」
川 ゚ -゚)「金も有るし、高級レストランで食おう」
……
…
川 ゚ -゚)「三万円も使ってしまった。まあ、まだ二十七万あるから痛くも痒くもないな」
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:32:35.36 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「しばらくはコレで食いつなげるとして、その間に小説で一儲けしなければ」
シュピンシュピーン。ジャラララ
川 ゚ -゚)「む、パチンコか」
川 ゚ -゚)「そうだ、名案が思い浮かんだぞ」
川 ゚ -゚)「パチンコで3倍にすれば、返却しても60万残る」
川 ゚ -゚)「うむ。早速実行しよう」
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:33:50.14 ID:U14AMSGe0
「「ありがとうございましたー」」
川 ゚ -゚)「十万もすってしまった」
川 ゚ -゚)「負ければ負けるほど、取り返そうと奮起してしまうのは何故だろう」
川 ゚ -゚)「僅か一時間で十七万に減ってしまった。これはまずい」
川 ゚ -゚)「とりあえず、寄り道するのはやめてアパートに戻ろう」
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:35:16.83 ID:U14AMSGe0
がちゃり。
川 ゚ -゚)「ただいマンモス」
川 ゚ -゚)「まあ一人暮らしだから、誰も反応しないわな」
川 ゚ -゚)「それより、文芸の新人賞まであと1週間だ」
川 ゚ -゚)「大賞とって賞金百万円ゲットだぜ。よし、執筆だ」
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:36:36.61 ID:U14AMSGe0
十分後
川 ゚ -゚)「あー、ダメだネタ切れ」
川 ゚ -゚)「まあ1枚半書けたし、残り一週間だから一日30枚ペースでやれば十分間に合うな」
川 ゚ -゚)「暇だな。テレビでも見るか」
ピッ
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:38:26.41 ID:U14AMSGe0
「今流行のダイエットは〜」
川 ゚ -゚)「なるほどな。大根おろしが体にいいのか」
川 ゚ -゚)「早速買って来よう」
―近所のスーパー―
川 ゚ -゚)「大根おろしくれ」
/ ,' 3「大根おろしですか? 大根なら野菜コーナーですよ」
川 ゚ -゚)「大根じゃない。大根おろしをくれ」
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:39:44.73 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「まったく、大根を一々おろさなきゃいけないのか」
川 ゚ -゚)「そんなメンドクサイことやってられるか。
全く、無駄足だった」
( ´∀`)「そこのお嬢さん。占いいかがですか?」
川 ゚ -゚)「ほう、占い師とは珍しい」
川 ゚ -゚)「暇だし、占ってもらうか」
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:41:09.22 ID:U14AMSGe0
( ´∀`)「おお、お嬢さん。あなた、今悩んでいるでしょ」
川 ゚ -゚)「ええ、まあ微妙に」
( ´∀`)「ほうほう、その悩みとはズバリ恋愛ですな?」
川 ゚ -゚)「ねーよ」
( ´∀`)「やはり違いましたか。そうだと思っていました」
川 ゚ -゚)「なんと。よく違うとわかったな」
( ´∀`)「そりゃあ、この道十年のベテランですからね私は」
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:43:17.04 ID:U14AMSGe0
( ´∀`)「あなた、夢とかあります?」
川 ゚ -゚)「小説家になって印税生活うはうはになる事が私の夢だ」
( ´∀`)「それは素晴らしい! しかし、今のあなたは非常によろしくない。
悪い影が見えます」
川 ゚ -゚)「なんと。その虫眼鏡みたいなもので見ただけで、そんなことがわかるのか」
( ´∀`)「これは虫眼鏡です。まあそんな些細なことはどうでもいいのです。
このままでは、貴方はその影のせいで夢が叶わないかもしれません」
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:46:01.95 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「それは困るな」
( ´∀`)「でしょう? しかし、これを見てください」
川 ゚ -゚)「何だこれは。ただのA4用紙に見えるが」
( ´∀`)「ところがどっこい。これは私のスピリチュルパワーの篭った霊札です。
これさえあれば、貴方に降りかかる影を打ち倒す事が出来るでしょう」
川 ゚ -゚)「なんと」
( ´∀`)「それだけじゃあございません。金運恋愛運なども全体的に激しく上昇し、
あなたの人生を明るくする効果もあります。もちろん、良い小説も書ける様になるでしょう」
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:47:57.00 ID:U14AMSGe0
( ´∀`)「今ならたったの十万円!」
川 ゚ -゚)「高い!」
( ´∀`)「ところがどっこい、タイムサービスで八万円!」
川 ゚ -゚)「安い!」
( ´∀`)「お買い得でしょう?」
川 ゚ -゚)「確かにお買い得だ。八万円で賞が取れれば、十分元が取れる」
( ´∀`)「どうしますか? この霊札、大人気でもう在庫はこれだけなんですが」
川 ゚ -゚)「買った!」
( ´∀`)「まいどありがとうございまーす」
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:49:59.77 ID:U14AMSGe0
再びアパートに帰宅。
川 ゚ -゚)「持ち金が残り九万円になってしまったが、まあいい。
安い買い物だった」
川 ゚ -゚)「この霊札は大事に保存しておいて、と。よし、執筆だ」
書き書き書き
川 ゚ -゚)「おお、筆が進む! さすがスピリチュルパワー!」
十分後
川 ゚ -゚)「ネタが切れた。ちょっと休憩しよう」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:51:26.19 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「水道水うめぇ。しかし、ワープロが欲しいな」
川 ゚ -゚)「今どき手書きなんて、流行んねぇよなー」
川 ゚ -゚)「……手持ち金は九万円か」
川 ゚ -゚)「よし」
―電気屋―
「いらっしゃいませー」
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:53:28.23 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「九万でワープロ買いたいんだが」
「それでしたら、ワープロ機能付きパソコンはいかがでしょうか?」
川 ゚ -゚)「うちはネット環境なんてないぞ」
「今なら光回線が安くなっております」
川 ゚ -゚)「うーむ、しかしなあ」
「ネットに繋げれば、生活が便利になりますよ。この機会に是非」
川 ゚ -゚)「そこまで言われちゃ仕方ない。私も女だ。どーんといこう」
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:55:19.85 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「しかし手持ちは九万しかないぞ」
「分割払いでも大丈夫ですよ。さらにポイントがついてさらにお得です」
川 ゚ -゚)「ポイントか。それはお得だ。じゃあ、その分割払いで」
「ありがとうございます。パソコンは最新機種のこちらがオススメとなっております」
川 ゚ -゚)「高いな」
「分割払いにすると、月々2万円で使い放題です」
川 ゚ -゚)「お、それは安い。それでいこう」
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:57:24.70 ID:U14AMSGe0
再びアパート
川 ゚ -゚)「六万だけ初期払いしたから、残りは三万か」
川 ゚ -゚)「サインのし過ぎで腕が疲れた」
川 ゚ -゚)「しかしワープロを手に入れたぞ。ビバハイテク時代。
これで執筆スピードも大幅うpだ」
カタカタカタ
川 ゚ -゚)「うーむ、最高だな。ん? これってどうやって印刷するんだ?」
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 15:58:45.56 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「どこかに紙を入れればいいのか?」
川 ゚ -゚)「うーむ。説明書を読んでみるか」
川 ゚ -゚)「分厚い。無理」
川 ゚ -゚)「まて、目次から探せばいいんだ。私って天才」
ペラペラ……
川 ゚ -゚)「印刷するには、えーっとプリンター? なんぞ?」
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:00:24.67 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「プリンターなんて付属されてないぞ。騙された」
川 ゚ -゚)「文句言ってやる」
―電気屋―
「いらっしゃいませー」
川 ゚ -゚)「こら! プリンターが付いてないぞ!」
「別売となっております」
川 ゚ -゚)「なんてこったい。詐欺で訴えるぞ」
「申し訳ありません。お詫びにお安い値段でお譲りします」
川 ゚ -゚)「いい心がけじゃないか」
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:02:45.54 ID:U14AMSGe0
「ありがとうございましたー」
川 ゚ -゚)「また分割払いが増えてしまった。まあいい、配達してくれるって言うし。
しかし残り金は一万か」
川 ゚ -゚)「とりあえずコンビニでおやつと雑誌でも買うか」
―アパート―
プルルル
川 ゚ -゚)「もしもーし。この電話は来月には止められます。用件はお早めに」
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:04:45.79 ID:U14AMSGe0
J( 'ー`)し『何ふざけてるの? 私よ』
川 ゚ -゚)「母さん」
J( 'ー`)し『いい加減戻ってきなさい。どうせ職は見つかってないんでしょ?』
川 ゚ -゚)「いや、今は司法試験に向けて猛勉強中デス」
J( 'ー`)し『嘘おっしゃい。お情けで高校を卒業させてもらったアンタが、司法試験なんて
目指してるはず無いでしょ』
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:07:06.42 ID:U14AMSGe0
川 ゚ -゚)「本当デス。バイトしながら勉強して弁護士を目指しています。
弱き者を助け、人の為になる職業につきたいと思い、私は日々頑張っております」
J( 'ー`)し『もうわかったから、一度うちに帰ってらっしゃい。
お見合いの話だって沢山あるんだから、そろそろ身を固め』
川 ゚ -゚)「きゃー。たいへん。お茶こぼしたー。ごめん、またかけ直すねー。きゃー」
ブツン
川 ゚ -゚)「ふー。全く、心配性な母親だ」
川 ゚ -゚)「私はもう二十歳だぞ。成人だぞ。ぷんぷん」
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:08:20.10 ID:U14AMSGe0
ピンポーン
川 ゚ -゚)「はーい」
「NHKでーす。集金でーす」
川 ゚ -゚)「テレビは先日捨てましたー」
川 ゚ -゚)「全く、アパートはこれだから困る」
ピンポーン
川 ゚ -゚)「はーい、テレビは先日捨てましたー」
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:10:10.55 ID:U14AMSGe0
ξ゚听)ξ「隣の者でーす。カレー作ったんですけど、いかがですか?」
川 ゚ -゚)「ありがたく頂きます」
ξ゚听)ξ「ではー」
バタン
川 ゚ -゚)「あ、米がないっつうの」
川 ゚ -゚)「ルーだけもらってもなぁ」
川 ゚ -゚)「しかし、今さら隣のツンさん(十八歳大学生)に米くれ、というのも恥ずかしい」
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/24(日) 16:11:23.03 ID:U14AMSGe0
ピンポーン
('A`)「……はい」
川 ゚ -゚)「こんにちはお隣にお住まいでネトゲ廃人のドクオさん(推定二十五歳)」
('A`)「あの、何か?」
川 ゚ -゚)「お米分けてください」
('A`)「はあ」
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