3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:04:14.23 ID:O2Z/DH/VO
登場人物紹介

【モナークラス】

( ´∀`) モナー 31歳 ブーンたちのクラス担任。
症状は『物理的妨害』で、発生条件は手。

( ^ω^) 内藤ホライゾン 18歳 
一応主人公。
症状は『水』で、発生条件はちんこ。

ξ ゚听)ξ ツン 18歳 
ブーンの親友。
症状は『雷』で、発生条件は目。

('A`) ドクオ 18歳 
ブーンの親友。
症状は『から揚げ』で、発生条件は口。

(´・ω・`) ショボン 18歳 
ブーンたちのクラスメイト。
症状は『無重力』で、発生条件はなし。

(-@∀@) アサピー 18歳 
ブーンたちのクラスメイト。
症状は『ダイヤモンド』で、発生条件は目。

4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:05:50.16 ID:tWRLWF3JO
(,,゚Д゚) ギコ 18歳 
ブーンたちのクラスメイト。
症状は不明、発生条件も不明。

(*゚ー゚) しぃ 18歳 
ブーンたちのクラスメイト。
症状は『爆弾』で、発生条件は胸。

彡 l v lミ  鈴木 18歳
ブーンたちのクラスメイト。
症状は不明で、発生条件も不明。
  _
( ゚∀゚) ジョルジュ 18歳
転入生。
症状、発生条件共に不明。

ミ*゚∀゚彡 ふー 18歳
転入生。
症状は『腐食』で、発生条件は息。

( ・−・ ) シーン 18歳
転入生。
症状は『言霊』で、発生条件は言葉。
6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:07:29.76 ID:tWRLWF3JO
【デルタクラス】

川 ゚ -゚) クール 18歳
ブーンたちの友人。
症状は『幽鬼召喚』で、発生条件は口笛。

从 ゚∀从 ハイン 18歳
ブーンたちの友人。
症状は『冷却』、発生条件は息。

( ´_ゝ`) 兄者 18歳
ブーンたちの友人。
症状は『加速』?発生条件は不明。

(´<_` ) 弟者 18歳
ブーンたちの友人。
症状は不明、発生条件も不明。

( <●><●>) ワカッテマス 18歳
誰か(主にギコ)の心を覗いてほくそ笑んでいる。
症状は『読心』で、発生条件は目。

( ><) ビロード 18歳
症状は不明、発生条件も不明。

(*‘ω‘ *) ちんぽっぽ 18歳
症状は不明、発生条件も不明。

(*゚∀゚)  つー 18歳
症状は『スプーン曲げ』で、発生条件は指。

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:09:08.24 ID:tWRLWF3JO
【シラヒーゲクラス】

( ´W`) シラヒーゲ ?歳 ジャンヌたちのクラス担任。
症状は『不老不死』で、発生条件はなし。

ノリ, ^ー^)li ジャンヌ ?歳
ブーンたちの友人。
症状は『不老不死』で、発生条件はなし。

|゚ノ ^∀^) レモナ 17歳
症状は『レモン』で、発生条件は口。

lw´‐ _‐ノv シュール 17歳
症状は『スライム』で、発生条件は口。

川 ゚ 々゚) くるう 17歳
症状は『破壊音波』で、発生条件は声。

9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:13:34.84 ID:tWRLWF3JO
【その他】

N| ゚` {゚`lリ 阿部 36歳 保健の先生。
症状は不明、発生条件も不明。

  _、_
( ,_ノ` ) 渋澤 57歳 用務員
症状は不明で、発生条件も不明。

∬´_ゝ`) 姉者 23歳 教育実習生
症状は『毒』で、発生条件は血。

从リ ゚д゚ノリ  ギ子 16歳
症状は『瞬間移動』で、発生条件はなし。

|  ^o^ | ブーム 13歳
症状、発生条件共に不明。

| ^o^ |  ゆうたろう 13歳
症状、発生条件共に不明。

( ・∀  ∀・) 奇形モララー 21歳
症状、発生条件共に不明。
脳に障害があるが、天才なのかもしれない。

10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:14:44.32 ID:tWRLWF3JO
(゚A゚* ) のー 16歳
症状、発生条件共に不明。

ミセ*゚ー゚)リ  ミセリ 19歳
症状は『聴覚増幅』で、発生条件は耳。

爪゚A゚)  ぬー 19歳
症状は『まばたき写真』で、発生条件はまばたき。

(;;・∀・;;) 黒マララー 21歳
症状は『酸』で、発生条件は体液。

リ´−´ル リル子 20歳
症状は『遠隔操作』で、発生条件は手。

/ ゜、。 / ダイオード 19歳
症状は『物質増殖』で、発生条件は手。

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:16:29.19 ID:tWRLWF3JO
この話を書くに当たっての目標・総合のテンプレのAA全員出演

でもさすがに全員は話に絡ませてあげられない。

Q.「症状」とは何ですか?

A.「症状」とは、ワンピースの悪魔の実だと思ってください。

Q.「発生条件」って何?

A.「発生条件」とは、症状が発動する部位や物のことです。
  目や口、手などがそれにあたります。
  結構重要になるかもしれません。

Q.テンプレのAA全員出せるんですか?

A.せっかくいるんだし、出します。日の目を見ないAAにも光を!

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:18:20.26 ID:tWRLWF3JO
第五話『転入生と一緒に学校を見て回りましょう・後編』


(;^ω^)「ぬぉおおおおおぉぉおぉおぉお!!!」

ミ*;゚□゚彡「うえぇぇえぇぇえぇえぇえっぇえん!!!」

ξ;゚听)ξ「何で私までぇえええええぇぇえぇ!!?」

('A`;)「あ、花畑の向こう側で長門が手を振ってる……」

( ・−・;)

ノハ;゚听)「まだまだぁああああぁぁあぁああぁ!!!うわぁああああああぁぁぁあ!!!」
  _
( ゚∀゚)「待てぇぇえええぇぇっぇぇぇえ!」

とても広い校庭の地面には、400メートルのトラックが石灰で引かれていた。

先ほどからそのトラックを何週も何周も走っているブーンたちは、とにかく必死だ。

先頭を走るのはブーン、ドクオ、ツン、ふー、シーン。

彼らを追いかけているのは、『陸上部』部長のヒート。

そして一番最後、ヒートの胸を揉もうと指をわさわさと動かしながら走るのはジョルジュ。

13 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:20:37.10 ID:tWRLWF3JO
何故こんな訳の分からない状況になったかと言うと、全てはツンに責任がある。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜16分前〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ξ ゚听)ξ「こんにちはヒート、今日も頑張ってるわね」ノパ听)「おぉ!ツンか!どうしたこんな所にいるなんて!珍しいじゃないか!
遂にお前も陸上部に入部すると決めたのか!」

ξ ゚听)ξ「違うのよヒート、私達はノパ听)「なんだッ違うのかッ!?じゃあ何をしに来たんだッ!?
まさか私の邪魔をしに来たのかッ!!?許さんぞッ!」

ξ;゚听)ξ「転入生を案内しノパ听)「なるほどッ!その転入生がウチに入りたいって言ったから、お前が案内して来たんだなッ!!」

14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:22:55.15 ID:tWRLWF3JO
ξ;゚听)ξ「そうじゃなくて――ノパ听)「転入生の諸君ッ!!覚悟せよ!うちの陸上部はスパルタだぞッ!!
朝は3時から、大型トラックのタイヤ4本を引いて400メートルのトラック10週!!」

ノパ听)「それが終わったらスクワット500!!!腹筋肺筋1000回ずつ!!腕立て伏せ500!!」

ノパ听)「それが終わったらフルマラソン10本!!!!その後は10分で朝食と授業準備!!授業が終わったら、各自己を鍛えるための訓練!」

ξ;゚听)ξ「いやだからヒートノパ听)「ぬおおおおおおおお燃えてきた!!!!お前ら!走るぞ!」

ξ;゜凵K)ξそ

(;^ω^)そ

('A`;)そ

ミ*゚□゚;彡そ

(;・−・ )そ
  _
( ゚∀゚) おっぱい?

15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:25:27.92 ID:tWRLWF3JO
ノパ听)「いいかッ!!!私に追いつかれたらお前らの負けだッ!!!遠慮なく燃やさせていただくッ!!!」

ヒートの症状が発動。
髪からは灼熱の炎が上がる。

そうして、ブーンたちは終わりのないレースに巻き込まれたのだ。
ただし、ヒートにも予想外のことがあった。

自身の体が焦げようとも意に介さず、ひたすら胸を触ろうとする奴がいるのだ。
  _
( ゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!おっぱい!!!」

ノハ;゚听)「うわあああああああああああああああ!!!!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(;^ω^)「お前ぇぇえぇえぇええぇえええぇえぇえ!!!」

ξ;゚听)ξ「だってこんな事になるなんて思わなかったもの!」

16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:27:06.78 ID:tWRLWF3JO
チラ('A`;)「うお、ヒートの奴すぐ後ろだぞ!!」

ミ*;□;彡「うえええええええん!!!!」

(  −  )

(;^ω^)「シーンが死んだおお!!」

ノハ;゚听)「うおおおおおおおおおおおお!!!!誰か私の後ろの奴をどうにかしてくれぇえええええ!!!」
  _
( ゚∀゚)「げへへへへへおっぱい星人だぞ!!!おっぱいだ!この世の半分はおっぱいだ!!素晴らしい!!」

ブーンたちはヒートから逃げ、ヒートはジョルジュから逃げる…。
ぶっちゃけもうブーンたちも体力の限界はとうの昔に突破している。

気力とか根性で走っているようなものだ。
 _
( ゚∀゚)「おっぱい!触る!」

ジョルジュの両手が、先を走るヒートに向けられた。
髪から業火の炎が迸っているヒートは、とにもかくにもジョルジュから離れたい一心で走る。

部活の大会でもここまで必死にならないぐらいに、彼女は本気だった。

ノハ;゚听)「うおおおおおおおお!!!おおおおおお!!!?」

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:29:54.40 ID:tWRLWF3JO
胸に違和感を覚え、ヒートは走りながら視線を下へ移す。
明らかに触られている感覚なのだが、ヒートの回りには誰もいない。

遥か先に、逃げ惑うブーンたちがいるのみだ。

ノパ听)「……」

チラ(゚△゚ハ(「……」
  _
( ゚∀゚)「おっぱい!おっぱい!!!おっぱい!!!うほ!!」

ヒートの視線が、自身の胸から後方のジョルジュに移動する。
ジョルジュはヒートに向けて手を伸ばしたままで、もう既に立ち止まっていた。

ノパ听)「………」

脳みそに筋肉が詰まっているヒートでも、この胸の違和感の発生源がどこからなのかは明らかで。

ノハ#゚听)
  _
( ゚∀゚)「ほどよく形の整ったおっぱい!!!大きさも申し分ない!!伝説のおっぱいの持ち主は君か!!?」

ノハ#゚听)「小癪」

いつしか、ブーンたちを追いかけていたはずのヒートはジョルジュを追い、
症状を発生させてヒートの胸を触ったジョルジュはすぐに捕獲、粛清されたそうだ。

( ゚∀゚)「やべぇwwwww眉毛が燃えたwwwwww」

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:31:32.84 ID:tWRLWF3JO
ノハ#゚听)「これ以上燃やされたくなかったら、私の前から消えるがいい」

ξ;゚听)ξ「キャラが…」

ヒートの怒りをこれ以上煽っても仕方がない。
ブーンたちは、未だに名残惜しそうな表情のジョルジュを引きずって校庭を立ち去った。

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19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:34:35.77 ID:tWRLWF3JO
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再び二棟の校舎に戻り、ブーンたちはやっとジョルジュを解放した。
全員息も絶え絶えで死にかけており、廊下の真ん中で大の字になって寝転ぶドクオの顔色はゾンビのように土気色だ。

(;^ω^)「もう帰りたいです」
('A`;)「俺も」

ξ;゚听)ξ「右に同じ…」

ミ*゚□゚彡「さらに右に同じ…」

( ・−・;)
  _
(;゚∀゚)「お前らだらしないぞ!伝説のおっぱいはまだまだあるはず!さぁ起き上がれブーン!
勇敢なおっぱい戦士よ!さぁ立ち上がれドクオ!聡明なおっぱいハンターよ!さぁ!まだ旅は始まったばかりだ!」

( ^ω^)「それ打ち切りの典型的なパターン…」

20 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:38:32.73 ID:tWRLWF3JO
ジョルジュに促され、仕方なく重い腰を上げる5人。
残る部活は碌なのがない事を知っているからだ。

廊下を進み、いくつかの教室の前を通り過ぎて辿り着いた部屋の名前は『調理室』。
入る前からもう、ブーン、ドクオ、ツンの間では「帰りたい」オーラがありありと見える。

( ^ω^)「…行くかお…」

('A`)「………」

磨りガラスの向こうからは、女子生徒の黄色い声が聞こえてくる。
そして、およそ『調理』の過程では発されることのないまばゆい光が、磨りガラス越しの6人の目を潰した。
  _
( ゚∀゚)「目が!目がァアアアアア!!!」

( ^ω^)「ムスカ乙だお」

ミ*゚□゚彡「調理部?」

ξ ゚听)ξ「なんだけどね…」

ツンの声は、今まで一度も聞いた事がないくらいに暗い。
しかしこのままでは埒があかないので、仕方なくブーンは調理部の扉をゆっくりと開けた。


21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:40:05.06 ID:tWRLWF3JO
(;^ω^)「こんちはだお…」

从'ー'从「あれれ〜、内藤くんだぁ〜。久しぶり、元気ぃ〜?」

調理室の部屋は、ごく一般的なものと何ら変わりはない。
9つのテーブルに、4口ずつコンロや流し台が設置され、設備としては上等なくらいだ。

それなのに、料理を作る者の腕が壊滅的では設備がいくら良くても意味はない。

調理部部長、渡辺は突然の来訪にも嫌な顔ひとつ見せず、柔らかい笑顔を浮かべた。

その物腰の柔らかさや人当たりの良さで、彼女は19年生クラスでのアイドルなのだが…。

完璧な人間はいないように、渡辺にも重大な欠点があった。

その少し癖のある茶髪も、明るい性格も、全てを無に帰すほどの破壊力をもつ欠点。

それは、料理が全く作れないこと。

ギャグ漫画にありがちな『塩と砂糖を間違える』という初歩的な間違いが、渡辺にかかればとんでもないことになる。

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:42:51.90 ID:tWRLWF3JO
某志村家のお姉さんや、某お稲荷様。の護り女さんも真っ青なシロモノがテーブルに並び、
某死ぬ気(笑)漫画の毒料理を作るお姉さんも裸足で逃げ出すほどの毒素を持った料理が出来上がる。
しかし彼女の恐ろしいところは、その料理の腕が実力だということ。
症状でそういう料理が出来上がるわけではないのだ。

彼女の料理を見た者は語る。

「あの料理を直視すれば目が潰れ、匂いを嗅げば嗅覚が壊れ、食えば五臓六腑を焼く激痛に1年は悩まされる」

「あれを食うか、ブーンの水を飲むかの二択を迫られたら、俺は迷わず舌噛んで死ぬ」

「北朝●に持っていこうぜ」

それほどまでに渡辺の料理の腕前は酷く、ブッ飛んでいるのだ。

从'ー'从「ちょうど今日はねぇ〜、クッキーを焼く日なんだよぉ〜」

( ^ω^)そ「そ、そうかお!じゃあ僕たちはこれで!」

从'ー'从「えぇ〜、食べていきなよぉ〜、結構量あると思うからぁ〜」

( ゚ω゚)「いえ!僕たちは!これで!!帰ります!」

从'ー'从「試食もしてもらいたいし〜」

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:44:55.77 ID:tWRLWF3JO
  _
( ゚∀゚)「(あのおっぱいはニセモノだな…)」

('A`)「神様俺を護って」

ξ;;)ξ「正露丸なんて持ってないわよ…」

ミ*゚□゚彡「(ブーンの目が見開かれてる…)」

( ・−・;)

調理部部室に入った時点で、ブーンたちの死は決まっていた。

蝶が蜘蛛に抗えないように、蟻が蟻地獄から抗えないように、ブーンたちもまた渡辺に抗うことは出来ないのだ。

数分後。
渡辺の後輩の症状で、ブーンたち6人は椅子に縛り付けられていた。

気軽においしく食べるのが普通なはずのクッキーが、今の彼らには恐ろしい拷問器具のように見える。

ドクオは念仏を呟き、ツンは泣く。
ブーンはひたすら調理室爆発を祈り、
転入生3人はこれから目の前で起きるであろう惨劇をただ黙って見ていることしか出来ない。

从'ー'从「それじゃあ〜、作るねぇ〜」

エプロン姿の渡辺が微笑み、ブーンは目を逸らした。

从'ー'从「まず!!!無塩バターを器に投入します!!!!!でも今日は無塩バターを切らしているので、
この4年前の給食の牛乳で我慢してください!!!どうせ乳製品なんだから、チーズもバターも一緒です!!!!」

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:46:47.73 ID:tWRLWF3JO
从'ー'从「これをドロッドロになるまで混ぜます!!!優しく!力強く!!!混ぜてください!!!」

从'ー'从「続いては砂糖!!砂糖も、これでは量が少ないので代わりに佐藤を投入します!!!
近くに佐藤がいない場合は、どこかから連れてきてください!!日本で一番多い苗字なんだからすぐ見つかります!!!」

从'ー'从「いいですか!!いっぺんに佐藤を入れちゃダメですよ!!2、3回に分けて入れるんですよ!!!
だから、手ごろな大きさに佐藤を刻む作業が必要ですが!!!今日は市販の、もう既に切り刻まれている佐藤を用意しましたので!!!!
そちらを使いたいと思います!!!!これはですね!じゃりじゃりした感覚がなくなるまでかき回してください!!」

从'ー'从「次第にホイップクリームみたいになってきますからね!!!お次は卵です!!!
今日は卵も切らしているので、仕方ないから鶏を投入します!!!大丈夫です!!!
卵は鶏から出来てるんだから、味がおかしくなるはずがありません!!!!!これも2、3回に分けましょう!!!」

从'ー'从「つやが出るまで混ぜましたか!!!!?混ぜましたね!!!では次は!!!薄力粉とベーキングパウダーです!!!!
しかしこれも今日は切らしているので、今日は古い胃薬とか小麦粉を混ぜた『渡辺特製粉』で代用します!!
え?どのくらいの量入れるのかって?知るかんなもん!!!ggrks!!!」

25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:49:06.64 ID:tWRLWF3JO
从'ー'从「粉を入れたら掻き混ぜます!!!ちょっと鳥の羽が邪魔ですが、後で焼くので大丈夫!!安心してください!!!
この時ちょっとお好みで、色々なものを入れても大丈夫です!
今日は私の症状を使いましょうね!!!!さて、次はいよいよ焼きますよ!!!!
オーブンとかめんどくさいので!!フライパンで焼きましょう!!!大丈夫!!生地に熱が通ればいいんだから!!!!!」

从'ー'从「食中毒とか怖いので!!!ちゃんとちょっと焦げ目がつくくらいに焼いてくださいね!!!!あぁ、いい匂いがしてきましたね!!!!!
もうそろそろ、火を止めても大丈夫でしょう!!!」

从'ー'从「これでクッキーの出来上がり〜。うんうん、うまく出来たよぉ〜。
内藤くんたち、今紅茶淹れるからゆっくりしていってね〜」

从'ー'从「あれれ〜?」

人数分のカップを持った渡辺は、ゆっくりと首を傾げてブーンたちに近付いた。

手足を縛られ、猿轡をかまされたブーンたち6人は全員が全員失神している。

从'ー'从「むぅ〜、せっかく作ったのに寝ちゃってるよぉ〜」

そう言う渡辺の傍らには、綺麗な皿に乗せられた狂気(クッキー)が眠っている。
何故か彼女が造り出してしまった凶器は、その黒く焦げた身体から黄色の煙がゆらゆらと舞い上がり、
その煙からは強烈な硫黄の臭いがしたのだとか。
27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:54:01.89 ID:tWRLWF3JO
原因はショック死。

彼の胃の中からは、渡辺が作った料理の断片が消化されることなしに、そのままの形を保っていたらしい。

そして彼の胃は、酷く爛れていたそうだ。

―――失神で難を免れたブーンたちは、げっそりとした顔で調理室を後にした。

「また遊びに来てね」とまぶしいくらいの笑顔で言った渡辺に手を振り返す元気もない。

(;^ω^)「僕たちは死ぬところだったんだお」

('A`;)「もしかしたらもう死んでるのかもな」

ξ;゚听)ξ「笑えないわね」

ミ*;゚□゚彡「………」

( ・−・;)
  _
( ゚∀゚)「んー、あの人のおっぱいに触る気にはなれなかったな。何でだろう?」

命の危険を本能で感じ取ったのだろう。
脂汗を浮かべつつ、6人は次の部屋へと向かう。


28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:56:20.41 ID:tWRLWF3JO
体育館の傍まで来て、ブーンは力なく笑った。

( ´ω`)「剣道、卓球、バスケ、バレーボール、弓道がこの体育館で活動してるお…。
他にも、外のコートではテニスとか野球とかサッカーとかやってるお…」

('A`;)「3階では、美術部とか吹奏楽とか文化系の部室が並んでるぜ」

ξ;゚听)ξ「人数が足りないって理由で部活になってはいないけど、同好会もこの学校には数え切れないほどあるわ」

ははは、と無理矢理笑顔を作るブーンたち三人に、ふーが第二棟を見上げながら呟く。

ミ*゚□゚彡「美術部があるの?行ってみたいなぁ」

( ^ω^)そ

('A`)そ

ξ゚听)ξそ

(;^ω^)「び、び、び、美術部行ってみるかお?」

ブーンの笑顔が引きつる。
ドクオもツンも、到底もう笑顔とは言えないほどに顔を歪めていた。

ミ*゚□゚彡「行く!」

どうやらふーは、空気が読めないようだった。

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29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 00:59:13.86 ID:tWRLWF3JO
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第二棟、3階西階段前。

ブーンたち6人は、眼前に聳える美術部の扉を見つめていた。

一目見ただけで分かる、『美術』という言葉にしては厳重なくらいに分厚く作られた鋼鉄の扉。

その鋼鉄の扉が先ほどからずっとひっきりなしに、物凄い音で内側から叩かれていた。

(;^ω^)「美術部だお」

ミ*;゚□゚彡「……」

(;^ω^)「あ、開けるお」

ブーンの手が、美術室のノブに伸びる。
そのノブを回し、ブーンは非常に重い扉を開いた。

「あ!!!!危ない!!!」

扉が全開になったところで聞こえた、大人数の悲鳴。
一番扉の近くにいたブーンは、何か大きいものに思い切り突き飛ばされて宙を舞った。
  _
(;゚∀゚)('A`;)ξ;゚听)ξミ*;゚□゚彡「ブゥウゥウウウゥウウゥウン!!!!」

「あーあー、勝手に扉開けるから…。とにかく大丈夫?」

30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:01:34.92 ID:tWRLWF3JO
( ω)「大丈夫じゃないですお…」

床に叩き付けられ、瀕死状態になっていたブーンはなんとかそう答える。
美術部の部室からは、『燃やせ!早く捕まえろ!!』などと物騒な声が聞こえる。

ブーンは顔を上げ、立ち上がった。

( ^ω^)「こんちはだお、キュートさん」

o川*゚ー゚)o「こんにちはブーンくん。今日は何か用?」

( ^ω^)「学校案内ですお」

ブーンの前には、頭に大きなリボンをつけた少女がいた。

彼女はキュート。
美術部の副部長で、『物質化』の症状の持ち主だ。

o川*゚ー゚)o「なるほどねぇ〜。じゃあ、そこの見慣れない3人が新入生なのかな?」

ミ*゚□゚彡「そうです!」
  _
( ゚∀゚)「うほっ!ヒートさんに次ぐくらいにいい形のおっぱい!」

o川*^ー^)o「あはは、おもしろい!君たち美術部に入れば?歓迎するよ!」

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:03:47.53 ID:tWRLWF3JO
  _
( ゚∀゚)「入部すれば、あなたのその素晴らしいおっぱい触ってもいいですか!!!」

o川*゚ー゚)o「それはない。でも、私の彼氏になったらOKだよ〜」
  _
( ゚∀゚)「俺の彼女になってください!!!」

o川*゚ー゚)o「だが断る」
  _
( ゚∀゚)「畜生」

キュートの後ろでは、部員たちが慌しくマッチを手に廊下を駆けずり回っている。

彼らの表情はかなり焦っているように見えた。

('A`)「で、さっきブーンを轢いてったのは何ですか?」

o川*゚ー゚)o「あぁ、あれはね…爪'ー`)y‐「メデューサだよ」

キュートの言葉を遮ったのは、ベレー帽をかぶった男。
彼は煙草に火をつけ、慌しく駆ける部員たちを楽しそうに見て笑った。

爪'ー`)y‐「俺が描いたんだ。コンクールに出品しようと思ってね。したら、出品する前に逃げ出しちまった」

( ^ω^)「大丈夫なんですかお?」

爪'ー`)y‐「絵はまた描けばいいけどな。逃げ出したメデューサの方は、どうにかせにゃならんな。
まぁあいつはどうせまだ紙の域を出てはいないから、燃やすなり濡らすなりすればいい」

ξ ゚听)ξ「そうじゃなくて…」

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:06:08.36 ID:tWRLWF3JO
爪'ー`)y‐「あぁ、目を見ると〜ってやつか?大丈夫大丈夫、あいつは所詮俺が描いた紙の絵に過ぎん。
石化させる力なんか備わっちゃ―――「うわぁあああニダーが石にされたぁああぁぁあ!!!」

爪'ー`)y‐「………」

爪'ー`)y‐「まぁ、そんなこともあるよ!!」

( ^ω^)「ねーよ!!!アンタ症状悪化してんじゃないですかお!!」

o川*゚ー゚)o「そうなのよ。フォックス部長、最近煙草吸いだしてから症状が悪化し始めちゃって…。
最近は現実にはいない生物でも、こんな風に暴れだす始末。煙草止めてほしいんですけどねぇ」

肩をすくめ、キュートはフォックスの口から煙草を奪い取った。
タイミングよく、部員たちに追い詰められたメデューサがブーンたちの元へ走ってくる。

キュートはフォックスから奪い取った煙草を、自ら近寄ってきたメデューサに向けて放り投げた。

煙草についていた火が、メデューサを燃やしていく。

特に抵抗の姿勢も声もあげず、フォックスの作品は灰となって散った。

爪'ー`)y‐「あーあ、また最初っから描き直しか…。やれやれ、めんどくさい症状とこの先何年お付き合いしなけりゃならんのかね…」

妙に老けた表情でフォックスは、そこらにあった椅子に座り込んだ。
34 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:08:42.44 ID:tWRLWF3JO
彼の前に置かれた画用紙には何度も何度も下書きしたような、同じ絵が並んでいる。

爪'ー`)y‐「数ヶ月かけて描いてきたのになぁ…」

o川*゚ー゚)o「フォックス部長、ここで絵が出て来たんだから良かったと考えましょうよ。
出品した後に出てきちゃったら、これよりももっと被害は広がっていたんですから」

爪'ー`)y‐「そうだなぁ…」

すっかり意気消沈した様子のフォックス。
部員たちは部室に引き上げ、各自元やっていた作業に戻った。

フォックスの傍らで画用紙をまとめていたキュートは、『帰れ』とブーンたちに目で合図する。

彼を慰めるのは手馴れているのだろう。

ブーンたちは大人しく、美術部を引き上げていった。

( ^ω^)「(僕も、この症状とあと何年つきあっていかなきゃならないんだろう)」

静かな廊下を進んでいく中で、ブーンは思った。

( ^ω^)「(死ぬまでずっと、この症状は僕に付き纏うんだお。
僕なんかはまだいい、シラヒーゲ先生やジャンヌはこの先ずっと同じ姿のまま生きていかなきゃならないんだお…。)」

ブーンの脳裏に、昨日のクールの話が浮かんだ。

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36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:12:17.14 ID:tWRLWF3JO
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川 ゚ -゚)「近いうちに、VIPに戻ろうと思う」

月明かり以外の光源が何もない暗闇の世界で、クールは長い黒髪を風に靡かせながら言った。

川 ゚ -゚)「早めにだ。もちろん、邪魔が入るだろうというのは覚悟している。
VIPでは私は『病人』だというのも、分かっている。それでも私は、VIPに戻りたいんだ」

(*゚∀゚)「何でってのは…聞いていいのか?」

クールを囲むように環になって座ったブーンたちの中から、つーの声が聞こえた。

クールはゆっくり頷き、答える。

川 ゚ -゚)「妹が生まれたらしいんだ。彼女が発症するかは分からない。
もしかしたらずっとずっと未来で妹が発症するかもしれないし、しないかもしれない。
だから一目でもいいから、妹をこの目で見たい」

ラウンジに来た者は、もう二度とVIPへは戻れない。

もう二度と、VIPで生活出来ない。

モナーが口を酸っぱくして繰り返し言っていたことを、誰もが思い返していた。

川 ゚ -゚)「色々と問題とかがあるみたいだな。
新聞部のミセリさんに情報提供してもらったけど、過去ラウンジからVIPへ逃げた人は誰もいないそうだ。
企てた人も、協力した人もみんな捕まって…」

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:20:09.89 ID:tWRLWF3JO
川 ゚ -゚)「殺されたとかなんとか、聞いた」

川 ゚ -゚)「勘違いしないでほしい。私は私の目的があって、私が勝手にラウンジを出て行くんだ。
今日はそれを、同室の女子たちに聞いてほしかっただけなんだ」

('A`)「………」

( ^ω^)「………」

(´・ω・`)「気持ちは分からなくもないけどね」

この15人の中で一番遅い、17歳の頃にラウンジへやってきたクールとショボン。

17年間ずっとVIPで過ごしてきたクールたちの記憶の中では、ラウンジよりもVIPの方が思い出深いのは当然だ。

だからこそ、誰もクールの決意を邪魔できないでいた。

(;^ω^)「き、急だお」

川 ゚ -゚)「相談しなかったのは悪かった。でも、あまり大事にはしたくなかったんだ。今だって、私はみんなを信用しているから言っているんだぞ」

川 ゚ -゚)「決めたことだから、近いうちに私はVIPへ行く。
いつお別れになるかも分からないから、今のうちに言っておくよ」

川 ゚ー゚)「みんな、短い間だったけど今までありがとう。感謝してるよ」

見えないながらも、クールの顔は笑っているのだろう。
声に笑みが含まれていた。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:22:45.12 ID:tWRLWF3JO
( ^ω^)「………」

('A`)「………俺、協力するぜ」

ブーンの隣に座っているドクオが、小さな声で呟いた。

川 ゚ -゚)「!」

クール以外に反応する者は誰もいない。
誰もが、クールの告白を受け止められずにいるのだろう。

( ^ω^)「ドクオ('A`)「確かに、一緒にいた時間は短いかもしれないさ。
でもこいつは俺の友達だ。クーだけじゃねぇ。ブーンは昔から、俺の大切な友達だ。
ここにいる奴らだけじゃない。俺が知ってる人は全員友達だと、俺は思ってるぜ」

('A`)「(一番最初に目の前で俺のから揚げ食ってくれたの、クーだったしな)」

('A`)「ようは見つからなきゃこっちのもんだろ?」

( ^ω^)「そこは普通、主人公の僕の台詞だお」

少し気を悪くしたような声で、ブーンが隣にいるドクオを軽く睨む。
そしてそのままブーンはクーに視線を移し、続けた。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:26:20.78 ID:tWRLWF3JO
( ^ω^)「僕も協力するお。何をすればいい?」

ξ ゚听)ξ「VIPに行くには、階段で地道に行くルートと瞬間移動の症状を持ってる人に送ってもらう手があると思うわ」

(*゚∀゚)「確か、ラウンジ役員の人以外はラウンジから出られないようになってたはずだ」

从 ゚∀从「何か症状にだけ効くようなバリアみたいなのが張ってあるんだったよな」

( ´_ゝ`)「仕方ない、そこら辺のバリアについては俺と弟者が調べよう」

(´<_` )「ついでに他に脱出ルートがないか調べてみる。まぁ、無いとは思うけどな」

(;,,゚×゚)

(-@∀@)「じゃあ僕はそれとなく色んな人に情報収集でもしてみるよ」

(´・ω・`)「僕も手伝おう」

彡 l v lミ 「俺の症状の魅せどころがやっと訪れたか」

(゚A゚* )「よう分からんけど、うちも何か出来ることがあったら手伝うで!」

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:28:52.14 ID:tWRLWF3JO
|  ^o^ |「きおくを ほぞん、おkです」

| ^o^ | 「セーブ、おkです」

川 ゚ -゚)「………」

川 ; -;)「………ありがとう」

クールが呟いた涙混じりの言葉は、誰の耳にも届かなかった。

クールの決断した事を全面的に協力するという姿勢を見せたブーンたち。

失敗すれば、『殺される』こともありえるかもしれない。
それでも、誰も『嫌だ』とは言わなかった。

皆がいる手前、「嫌だ」とは言いにくかっただけかもしれない。
それでも、ブーンはクールを助けるつもりでいた。

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43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:32:37.77 ID:tWRLWF3JO
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( ・∀  ∀・)「゜hshtjtqgfhEjtewvvndanfqwwdisjsgneqgxkfつ3jf:@あshg」

真っ白な部屋の、真っ黒な檻の中。

奇形モララーは興奮気味に檻の隙間から腕を伸ばして、誰かを呼んでいた。

「どうかしましたか?」

そこに現れたのは、以前にも奇形モララーの世話をしていた年配の男。
彼は少し小走りで奇形モララーに近付く。

「?」

( ・∀  ∀・)「hふぁ絵wys:;gでゃ絵w9s−bさ:gd:wgjfaifaaqhyvaskg」

檻から伸ばされた手には、小さな瓶が握られている。
瓶の中には少し紫がかった液体が入っていた。

「これは……」

年配の男は奇形モララーからその瓶を受け取り、中身を確かめる。

「…出来上がったんですか?『ワクチン』が?」

奇形モララーを見つめ、年配の男は瓶を白衣のポケットに滑り込ませた。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:40:54.18 ID:tWRLWF3JO
嬉しそうに檻の中をぐるぐると回る奇形モララーを尻目に、男はポケットに入っている薬を指で転がしながら、とある場所へ直行した。

出来たばかりの薬というのは、すぐに売るわけにはいかない。

「『実験台』が必要だ」

男は呟いた。

この薬を欲しがる人はたくさんいるはずだ。

だから、急いでこの薬の実験台を捜さなければならない。
副作用をなるべく軽減させて、早く売ってしまおう。

―――副作用に耐えられる位に若く、元気な者が集まる場所。

男は研究室を出て、人々の喧騒が溢れる町の細い路地を通った。

彼の行く先には、『ラウンジ学校』がある。

彼のポケットの中には、人数にしたら丁度三人分の薬が瓶の中で揺れていた。

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45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:42:42.80 ID:tWRLWF3JO
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故郷であるVIPへ帰ると決意した少女。

新薬の副作用を知りたい科学者。

『ラウンジ』という、普通の人々の目にはほとんど触れられることのない場所での物語が、



ゆっくりと繋がる。

 

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/09/30(水) 01:50:14.11 ID:tWRLWF3JO
new!
ノパ听) ヒート 19歳
症状は『炎』で、発生条件は髪。

从'ー'从 渡辺 19歳
症状は『出汁』で、発生条件は足。

o川*゚ー゚)o キュート 19歳
症状は『物質化』、発生条件は指。

爪'ー`)y‐ フォックス 24歳
症状は『書写実現』で、発生条件は字を書くもの。

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