- 714 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:33:45
ID:6.gT5oTU0
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BGM推奨
http://www.youtube.com/watch?v=I6QOYPNr8H4
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イツワリ警部の事件簿
File.3
(´・ω・`)は偽りの絆をつなぐようです
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
― END ROLL ―
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- 715 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:34:30
ID:6.gT5oTU0
-
爪'ー`)『ああ……胃が痛い。キセルでものもうかな』
|゚ノ ^∀^)『まことに申し上げにくいのですが、ここは禁煙でして……』
爪'ー`)『あ…いえ。わかりました』
⇒大神フォックス 【オオカミ鉄道総裁】
爪'ー`)「まさかね、ウチがあげたダイナマイトが、あんなふうに使われるとは……思ってもみなかったよ」
爪'ー`)「ほら、例のWKTKホテル爆破事件の……ですよ」
爪;'ー`)「おかげで、またよからぬウワサが……ああ、胃が痛い……」
爪'ー`)「まあ、アーボンオレンジの香水をもらったから、これでリラックスするとするよ」
爪'ー`)「……え?」
爪'ー`)「……爆弾の管理ができてなかったから、ウチにもその責任がまわってきた……だって?」
爪'ー`)「え、なに、この請求書」
爪'ー`)
っ| ̄ic
爪;'ー`)「………ッ!? な、なんだこのガク!! え!? ウチが払うの!?」
爪;'ー`)「ちょ、ちょっと待ってよ! ウチはちゃんと正式な手順を踏んでだね……」
爪;'ー`)「じょ、ジョーダンじゃない!! 待ってよ、ウチに払う義理はないから、いや、ホント!」
爪;'д`)「――ちょ、ちょっと! 帰らないで! ちょ……ねえ、待ってください! ちょ――」
.
- 716 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:35:04
ID:6.gT5oTU0
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(;´・ω・`)『そ、そうですか。遅れないよう気をつけてくださいね』
(∴)◎∀◎∴)『コポォwwwwそちらも気をつけるでござるwwwいけない、また口調がかわ』
(´・ω・`)『よし、行くぞ』
( <●><●>)『は、はあ』
⇒ヲタ 【格闘ゲーマー】
(∴)◎∀◎∴)「支配人、副支配人以外で死人はでなくて、めでたしめでたし……」
(∴)◎д◎∴)「―――って、なんだそれ! JKFはどうなったんだヲタ!!」
(∴)◎д◎∴)「今回の事件で、JKFはまた全部撤収されたんだヲタよ?!」
(∴)◎д◎∴)「小生、まだしぃちゅわんしか使ってないというのに!!」
(∴)◎д◎∴)「た、頼むヲタ! 一台、一台だけでいいから、あの筐体、譲ってほしいヲタ!」
(∴)◎д◎∴)「頼むヲタよ! 小生の、小生の魂がこもった土下座なら何回でもするヲタ!」
(∴)◎∀◎∴)「頼……? トソン……氏が、いったいどうし……え?」
(∴)◎∀◎∴)
(∴);*◎∀◎∴)「ぬほォwwwwwwwあ、あのあと、小生の部屋にきたヲタか!?wwwwwww」
(∴);*◎∀◎∴)「ししししかも、一人で不安だったから!? さみしかったから!!?」
(∴);*◎∀◎∴)「みwwwwなwwwぎwwwwっwwwてwwwwきwwwたwwwwwwww」
(∴)◎д◎∴)「――! あ、JKFの話はどうなったヲタ!?」
(∴)◎д◎∴)「ちょ、逃げないで――待つヲタ! 待つでござる! 待てええええええええ!」
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- 717 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:35:36
ID:6.gT5oTU0
-
(-@∀@)『「真実」、ですか』
(-@∀@)『私が本社の代表となって言ってよろしいのなら、こう言いますね』
(-@∀@)『真実とは、イビツな紙粘土だ』
(´・ω・`)『……かみ、ねんど………』
⇒アサピー 【朝曰新聞社記者】
(-@∀@)「例のWKTKホテル爆破事件、並びに緒前モナー・笑野プギャー殺人事件ですが」
(-@∀@)「ええ、ええ。そりゃあもう『真実』をこねにこねくりまわして、最高の記事ができましたよ」
(-@∀@)「……そして、私のパソコンのなかで、静かに眠っています」
(-@∀@)「……そう。どうしてか、かかってしまったのですよ。……『報道規制』が!」
(-@∀@)「はい。報道規制、つまり、このたびの事件は『なかったこと』にされた……ということです」
(-@∀@)「理由? 知りませんよ、そんなもの。私だって怒りで頭がいっぱいなのです」
(-@∀@)「…! ひょっとすると……」
(-@∀@)「例の、アンモラルグループが、なにか絡んでいるのかもしれませんね」
(-@∀@)「レモナ秘書とモナー支配人の関係、アンモラルグループとのつながり」
(-@∀@)「そちらのほうもトーゼン記事にしたのですが……門前払いでしたよ。タイトルすら読まれなかった」
(-@∀@)「これは……ひょっとすると、ひょっとするかもしれませんね」
(-@∀@)「それはそうと、私、思ったのですよ。ショボーン警部がいると、スクープがしゃれこんでくる、と」
(-@∀@)「ですが、よく考えると、あの女の子が事件を呼んでいるのではないか……そう、思うのです」
.
- 718 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:36:13
ID:6.gT5oTU0
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(´・ω・`)『歳をくうと性欲が減る、なんて聞きますが、あなたは例外のようですね』
|;;;;| 。゚っノVi ,ココつ『ほ、ホクロの話ひとつで、ワタシを変態扱いせんといてくだされ!!
だいたい、あんたがしてくれー言うからにワタシは――』
( <●><●>)『いきましょうか』
(´・ω・`)『おう』
|;;;;|;,'っノVi ,ココつ『〜〜〜ッ! ええやろが、うなじに見惚れたかて!
.
しかもそん時はまだ赤子! 情なんざ覚えるわけが……って、聞いとるのか! 待て!』
⇒榊原マリントン 【建築デザイナー】
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「ひょっとするとモナーさんは、アレを予想して」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「ワタシに赤子を見せたんやないんかァ思うてますんよ」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「ホクロの話をしたのも、いつか、モナーさんとレモナさんの関係に……」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「『ほんとうの絆』っちゅーもんに、気づいてくれ……ちゅー、ね」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「まあ、ワタシはものの見事に気づかんかったわけですが……」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「……へ? テレビの出演依頼? 懐かしいですな。ええですぞ」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「今度はなんですかな? また『劇的! マエートアート』かいの?」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ「………? 『全国のフェチシズム選手権大会』?」
|;;;;| ,'っノVi ,ココつ
|;;;;|;,'っノVi ,ココつ「――あ、阿呆ぬかしなさんな! うなじフェチ? ふざけるな! 断じて違うッ!!」
|;;;;|;,'っノVi ,ココつ「あッ、待ちなされ!! 違うと申すに!! こら、待たんかアアアアアアアアッ!!」
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- 719 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:38:59
ID:6.gT5oTU0
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(´・ω・`)『では、シロイさんも?』
( ´W`)『クロイです。シラヒーゲなんて名前ですが、実はクロイです』
( <●><●>)『(白いけど実は黒いのか)』
⇒黒井シラヒーゲ 【アスキーミュージアム館長】
( ´W`)「警察から、アンモラルグループとの関係について取り調べされるだろうなあ……」
( ´W`)「なんて思っておったのですが、あそこに関する取り調べは一切なし、だったんですよ」
( ´W`)「どうしたんでしょうかねえ。……まあ、なんとかなって、助かりましたが」
( ´W`)「……提供をしぶっていた理由?」
( ´W`)「簡単ですよ。……モナーさんから、言われておりましたから」
( ´W`)「『誰になにを言われようとも提供しちゃだめモナ』……」
( ´W`)「いま思えば……彼は、こうなることを予想していたのでしょうかね」
( ´W`)「あそこですなおに提供しておけば、プギャーさんが死ぬことはなかった……」
( ´W`)「そう思うと、やっぱり、罪悪感は感じますね……ええ」
( ´W`)「……白髪が増えた、って?」
(;´W`)「ふ、増えてませんよ。むしろ、黒い毛が増えておりましてね。ええ」
(;´W`)「そのうち黒井クロヒーゲ、なんて呼ばれる日がきますからね、後悔させますよ」
( ´W`)「……そういえば。彼は、どうなんでしょうかねえ」
( ´W`)「ショボーンさんですよ。彼、もう四十は超えていそうな風貌でしたが……」
( ´W`)「……また、彼とはバーで飲んでみたいものです」
.
- 720 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:39:32
ID:6.gT5oTU0
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(´・ω・`)『見ての通り、ないですよ。まあ、あっても勝手に入ってましたが』
( ;‘∀‘)『だ、だめですよ! なんのための「立ち入り禁止」なんですか』
( ;´・ω・)『じょ、ジョークですよ!
. (怖いな……)』
⇒緒前ガナー 【モナーの娘】
( ‘∀‘)「……一応、落ち着くことはできました」
( ;‘∀‘)「精神病院で、薬を処方してもらって……いまは、それを飲んで静養中です」
( ‘∀‘)「取材……いいですよ。なんですか?」
( ‘∀‘)「……アンモラルとの関係……です、か」
( ‘∀‘)「正直言って、私も、よくわかりません。ずっと、モナーの娘だ、と思っていましたから……」
( ‘∀‘)「でも、DNA鑑定とかされるんだろうなあ、と思ってたら……そういうのは、まるでなかったんです」
( ;‘∀‘)「私としても、あまりそういうのは、その……好かないので。
助かった……と、捉えるべきなんでしょうが」
( ‘∀‘)「確かに、父は苦手でした。でも……」
( ぅ∀‘)「……ッ、……」
( ‘∀‘)「………失礼」
( ‘∀‘)「でも、一度くらいは……」
( ‘∀‘)「一度くらいは、父と、お酒を飲んでみたかった……ですね」
.
- 721 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:40:34
ID:6.gT5oTU0
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爪;'ー`)『のーさんには敵いませんよ、ホント。
. ……パーティのあと、11Fのレストランで。ごちそうしますから、この話はそのときにでも』
(゚A゚* )『え、ホンマに? うれしいわぁ、あのハナシ考えとくなー』
爪;'ー`)『ええ、ええ、ぜひ前向きに検討お願いします。いや、ホント』
(^A^* )『かまへんて。ウチとオオカミさんの仲やん!』
爪;'ー`)『は、ははは……ハハ。』
⇒下呂のー 【アンモラルグループ幹部】
(゚A゚* )「あンときにレモナさんを止めた理由?」
(゚A゚* )「……なんでやろーな。こっちとしても、死んでもろたほうが助かってたんやけど……」
(゚A゚* )「………やっぱり」
(゚A゚* )「やっぱり、ウチんなかにも、あったんとちゃうんかな」
(゚A゚* )「ほら、モナーさんが言うてた……『絆』とか、『礼儀』とか……そーゆーもんが」
(^A^*;)「……言うてみたものの、あんまガラちゃうな。恥ずかし。いまの聞かんかったことにして」
(゚A゚* )「……まあ」
(゚A゚* )「ウチ、ほら、クチで言うんは簡単やけど、その……」
(゚A゚* )「ひどいこと、してもうたから……な」
(゚A゚* )「その罪滅ぼし……ってところがブナンやと思う」
(゚A゚* )「モナーさん殺してもうた代わりに、あの子の命だけでも――みたいな?」
(^A^*;)「ま、まあ……気にせんといて。死にぞこないのタワゴトや」
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- 722 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:42:53
ID:6.gT5oTU0
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(;`・ー・)ゞ『――ッ! おい、アレ…』
( `・∀・)ゞ『ポンチョ、いますぐ手当ての用意だ!』
( `・д・)ゞ『おう!』
⇒ポンチョ含む三人 【レスキュー隊】
(*`・∀・)ゞ「お、取材? まじかアアアアア! 腕がなるぜえええ!」
( `・ー・)ゞ「お前が出たら、騒がしくて取材にならないだろ。代われ」
( `・∀・)ゞ「ハア? オレが適役だろ! なあ、ポンチョ!」
( `・д・)ゞ「なんで俺に振るんだよ……」
( `・ー・)ゞ「お前は引っ込んだほうが身のためだぜ」
(;`・∀・)ゞ「なに!? おい、オレがリーダーじゃねーのか?」
( `・ー・)ゞ「え? 俺だろ?」
( `・д・)ゞ「なにを。俺に決まってるじゃねーか」
( `・∀・)ゞ「なんだと? いい度胸してんじゃねーか」
( `・ー・)ゞ「またDSFで決着決めるのか?」
( `・д・)ゞ「昨日までの俺とは一味違うぜ。なんせ、あのJKF王者に手ほどきもらったから――」
( `・ー・)ゞ「――……え? 帰る?」
(;`・∀・)ゞ「!! ちょっと待って! あ、もう誰でもいいから取材にこたえろ!」
(;`・д・)ゞ「そ、そうですね! えっと、あの事件は――」
(;`・ー・)ゞ「―――ッ! ま、待って! 帰るなら、せめて名前だけでも――」
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- 723 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:45:16
ID:6.gT5oTU0
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( <●><●>)『……それでも、用意するに越したことはない。ぜひ、お願いします』
( ;^Д^)『わかりました。……でも、単独行動して、いいんでしょうか』
( <●><●>)『あなたが無実なら、なにもおそれる必要はない。
人命最優先です。至急、お願いします』
⇒若手ワカッテマス 【VIP県警捜査一課の刑事】
( <●><●>)「あなたとも、これで三回目ですね」
( <●><●>)「……いえ。あまり、あの事件は、思い出したくないのですよ」
( <●><●>)「あのときの、警部の言葉――」
( <●><●>)「――『人命を放棄』……。私としても、受け止めたくない現実がわかりましたから」
( <●><●>)「言うまでもないでしょう。『必ず人命を救い出せるわけではない』という、現実ですよ」
( <●><●>)「いままで――というより、あの誘拐事件の日から」
( <●><●>)「私は、人命救助をなによりも――それこそ、犯人を逃そうと優先するつもりでいたのですが……」
( <●><●>)「それはそれで、まだ刑事として最善の行動をとれていたわけではない、とわかったので」
( <●><●>)「警部も、あれから、あの事件のことはあまり口になさらなくなったのです」
( <●><●>)「彼も……やはり、ショックが強かったのでしょうか。そのことと言い、緒前さんのことといい……」
( <●><●>)「……? 有給? ああ、この事件の後始末に追われて、それどころじゃなかったですよ」
( <●><●>)「三日とも、ずっと、事情徴収をかっ喰らった気がしますね」
( <●><●>)「まあ、もともと私に無駄な休暇など必要ないのですが――」
( <●><●>)「たまには、旅行というのもなかなかいいものですね」
.
- 724 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:45:46
ID:6.gT5oTU0
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BGMここまで
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- 725 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:47:58
ID:6.gT5oTU0
-
◆
二月二十一日、VIP県警捜査一課、朝早くに出勤した若手ワカッテマス刑事は
自分のデスクに就いてそうそうに邪険な顔をした。
いかにも不機嫌さがにじみでてきているので、
捜査一課を共にする他の刑事は戦慄を通り越して滑稽さすら感じ取っていた。
( ゚д゚)「なるほど……だから不機嫌だったのか」
( <●><●>)「世間一般に公開されることはないのがせめてもの救いでしたが」
( ゚д゚)「ん? でも、例の記者がいたんじゃないのか?」
( <●><●>)「私も、それが気がかりなのです」
('、`*川「あの人のことだから、存分に嘘を盛った記事とかばら撒きそうなんだけどねぇ……
. あ、コーヒー淹れてー」
( <●><●>)「それを警戒して、記者会見に向けて理論武装をしていたのだが……
……あなたのほうが近いじゃないですか」
('、`*川「だって、歩くの、たるい」
( <●><●>)
.
- 726 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:48:32
ID:6.gT5oTU0
-
伊藤ペニサス刑事が手をぷらぷらさせたところで、ついに東風ミルナ刑事が笑った。
ワカッテマスは細めた目から冷たい視線を彼女に浴びせたが、
当の彼女はまるで悪びれた様子を見せなかった。
――早朝から、「白衣の女刑事」として注目を集めているペニサスと
「千里眼」の異名を持つミルナは、数日前のキタコレでの事件の話を聞いていた。
もとより、ショボーンとワカッテマスが戦線を離脱するのはわかっていた。
その名目が「キタコレへの宿泊旅行」だった、というのも同様だ。
だが、その旅行の土産話でさえ事件で埋め尽くされることになるとは、彼らにとっても心外のことだっただろう。
どこまでも、刑事。
もはや職業病だな、とミルナは思っていた。
('、`*川「でも、警部がまたちゃちゃっと解決したんでしょ? よかったじゃん、警部が一緒で。
. あ、ミルクお砂糖たっぷりで」
( <●><●>)「それは自分でしてください」
('、`;川「なッ――無駄骨じゃない!」
( <●><●>)「……まあ、警部がいたおかげで、二人で役割分担ができたのは運が良かったです」
('、`;川「もう! そんなんじゃモテないよ?」
( ゚д゚)「怠慢な女もモテないと思うがな」
('、`;川「わかりましたよーもー」
ワカッテマスが席にその大きな躯を載せると同時に、今度はペニサスがたった。
暖房が効くとはいえ、まだ冷え込みを感じる二月下旬。
日頃から怠慢な性分を持つペニサスは、室内を動くことですら億劫に感じていた。
.
- 727 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:49:20
ID:6.gT5oTU0
-
( ゚д゚)「しかし、イツワリさんは左耳を破ったそうだな」
( <●><●>)「なんでも、雑菌が入って、通院が必要になったとか」
( ゚д゚)「よくまあ、爆発から生還したものだよ」
( <●><●>)「あの人なら、大洪水からでも平気で生還しそうですがね」
( ゚д゚)「違いない」
ペニサスがふくれっ面で席に戻ると、彼女とは相対的にミルナは声を出して笑った。
ワカッテマスも愉快なのか、リラックスした様子を見せている。
それが、ペニサスにとってはつまらなく思えた。
.
- 728 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:49:51
ID:6.gT5oTU0
-
('、`*川「そんなこと言ってると、聞き耳たててる警部にまたなにか言われますよー」
(´・ω・`)「そうそう。あることないこと、でっち上げるよ」
( ゚д゚)「不吉なこと言わないでくださいよ、イツワ――」
(;゚д゚)「――えええええええええッ!?」
(´・ω・`)
――突如としてペニサスの背後からぬっと現れたショボーンを見て、
ミルナは絶叫をあげながらガタッと立ち上がった。
それにつられて、ペニサスもワカッテマスも、同様に仰天した。
('、`;川「い、いつの間に!?」
(; <●><●>)「通院はいかがなさったのですか?」
(´・ω・`)
(´・ω・`)「あんたら、まとめてぶち殺すぞ」
.
- 729 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:50:22
ID:6.gT5oTU0
-
ショボーンはしょんぼりとした表情のまま、声色だけを変えて、そう言った。
――彼は、才能こそあるのだが、人格はその正反対であった。
その嫌な性格が、部下たちに「仕事では尊敬できるけど私生活では共にしたくない」と言わしめるのだ。
ショボーンはそれを薄々感づいてはいるが、怒る気にはなれないでいた。
(´・ω・`)「だいたいだな、そうやって上司の悪口を言うから、あんたらは平のままであって――」
('、`*川「――あ、電話」
(´・ω・`)「おい」
ショボーンが長話をはじめようとすると、それを遮るべく、一本の電話が鳴った。
「仕組んでいたのか」とショボーンは恨めしい表情を浮かべるが、
それに気をとられず、ワカッテマスがそれに応じた。
こんな時間から、いったい――
それは、別に考える必要もなかった。
.
- 730 名前:後日談
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:51:05
ID:6.gT5oTU0
-
( <●><●>)「はい、捜査一課」
( <●><●>)「……わかりました」
何度かうなずくワカッテマスは、少ししてその短い会話を済ませ、受話器を置いた。
そしてショボーン、ペニサス、ミルナを見渡して、いつもの様子で言う。
( <●><●>)「事件です」
( ゚д゚)「場所は」
( <●><●>)「とある公園の池に、死体が浮かんでいたとのことです」
(´・ω・`)「行くぞ」
「はッ」。
短い三人のその声で、先ほどまでの和やかなムードが一転、
皆がいっせいに、「刑事」としての雰囲気を漂わせた。
カップに残っていたコーヒーを飲み干し、四人のうちペニサスが最後に捜査一課をあとにする。
そしてまた今日も、彼らはいつものように事件を解決へと導いていくのだ。
.
- 731 名前:
◆wPvTfIHSQ6:2013/03/23(土) 23:52:38
ID:6.gT5oTU0
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|`ヽ /|
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| ヽ / ノ
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h !
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`,_::::::::::::::::::::`ヽ,
ノ,´αm
く l lへ、:::::::::::::::`'ー、r ||\
イツワリ警部の事件簿 .丿 '、__,l ヽ、::::::::::::::::::`
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File.3
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,' /´ ::ヽ.:.:.:::::::::::::::::丶_;;::;;::|
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ヽ」
ノ ヨ ノ .|.ヽ _ノ し
αヽ U/ .. '/ー-、_....;.;.;.;、:::://::|
ノ i `―、;:;:;/,
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. ノ _ソ 〈__/ ヽ|ノ
 ̄V'' |
,イ /ニユ |
| ∠_l  ̄| ̄ -十‐ ;;;,'
/ lノ.-―┴┐ レ
! /Τヽ ノ|ヽ ̄Τ ̄ x‐
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. | ハヽヽ丿
/ し' ノ. | | (_
,,'
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--―ヽ
‐ナ ヽ ノ ゛ ├ ,―、 -― ゛ -┼‐
ノ
ノ σ \ σ‐ ノ (_ .
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ご 愛 読 あ
り が と う ご ざ い ま し た !
続 編
も た だ い ま 製 作 中 !
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