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名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:03:34.27 ID:LVJlEy+t0
- 第5話 「ドクオとしいとつー」
言っていた通り、クーはお昼ごろに来た
すぐ出発かとwktkしていたけど…クーは相変わらずご飯をねだっていた
これは本当にデートじゃないのかもしれない…そう思うと少し気が滅入った
だけどいい匂いが漂ってくると考えも変わる
やっぱりご飯は大事だよね
(メ'A`)「今日は何なんですか?」
(,,゚Д゚)「ん、ギンギー料理だ」
(メ'A`)「……何ですかこれ?」
(,,゚Д゚)「?ギンギー料理だが?」
(メ'A`)「………材料は?」
(,,゚Д゚)「ギンギー」
(メ'A`)「…………」
深く考えるのはよそうと思う
- 34
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:05:35.87 ID:LVJlEy+t0
- ……………。
食事も終わり、片付けはいいから暗くなる前にとっとと行って来いとギコに促された
川 ゚ー゚)「さ、それじゃあ行こうかドクオ」
(メ゚A゚)「……………ウン」
凄い物を見てしまった、俺がどこから食べていいのかわからず迷っている中
クーはギンギーを……………ああ、これ以上は俺の口からは
そう、深く考えちゃいけないんだ、考えるな考えるな考えるなk
川 ゚ -゚)「ドクオ?」
(メ;A;)「うわああごごごごめんさない!!やめて鼻をそんな!!」
川;゚ -゚)「どうしたんだドクオ!しっかりしろ!!」
「その指はその為にそんな形してたのかギンギーーーー!!!」
(;゚Д゚)「な、何だ!?ドクオ落ち着け!!何があったんだ!」
「…!……!!」
「……!!」
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名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:07:27.83 ID:LVJlEy+t0
- (メ'A`)「行ってきます」
川 ゚ -゚)「行ってくる」
(,,゚Д゚)「ああ、気をつけてな」
外に出て見渡す
真ん中に敷き詰められた石畳がずらりと並ぶ道
よく見るとその道なりに水路らしきものが見える
端は土が剥き出しだが雑草が生えた様子は無い、何だか変な道だね
それにしてもやっぱり城だ、城が目に付く、これからあそこに登れると期待は高まるばかりだ
ふと気がつくと誰かがこちらに向かってきた
??「クー様、今の所不審な者は見ておりません、安心してお進みください」
川 ゚ -゚)「そうか、ありがとう行っていいぞ」
??「はい」
(メ'A`)(今のがギコさんが言ってた護衛の人なのかな?)
そう思っていたが…何か変だ
進めば進むほど道行く人がどんどん話しかけてくる
- 37
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:09:41.24 ID:LVJlEy+t0
- ??「クー様こちらも安全です」
??「陛下、こんにちわ!」
「クー様」「陛下」「クー様」
(;'A`)(大勢ったって、これは…)
(メ'A`)「クー?これ皆護衛の人なの?」
川 ゚ー゚)「ふふ…違う違う、皆普通のここに住む人だ、彼等は国王である私がこんな風に出歩くことを
許すばかりか、こうして身の安全までも気にかけてくれるのだ」
クーは喜んで話している、そしてそれを誇りに思ってるんだろう…
川 ゚ー゚)「私の父が言っていた、国王が居るから民が居るのではない、民が居てくれるから国王が居れるのだ、と
正に今の私ではないか、民に助けれて、国王で居られるんだ
だから私はこの国が好きだ、私の大事な人達が居るこの国が」
(メ'∀`)「そっか…」
クーは何やら凄く嬉しそうにしているから思わずこっちまで釣られて笑ってしまう
そうか、確かに人が出歩く明るい間ならこれは安全だろう、そう思った
- 38
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:11:24.18 ID:LVJlEy+t0
- 川 ゚ー゚)「それに…今はもっと好きになった気がするぞ」
(メ'∀`)「そうなの?」
ああ、と手を後ろに回し背中を向けてこう言った
「お前が居るからな」
「!??!!?!?!!??!!」
「あははははははっ」
通り過ぎた二人を、先程挨拶を交わした数人の町人達が集まっている
「ねえ、あれ…」「クー様と歩いてた奴だろ?」
「あれが例の?」「やっぱり本当なのかしら…」
「クー様が水の接続者の権利を渡して」
「そいつが水の力を以って例の野党を打ち、山の形まで変えたってんだろ?」
「でも、ギコがやったって話もあるだろ、そっちの方が余程信じられる」
「よねぇ…水なんて精々生活に役立つくらいってはずだものね」
「まあ…そりゃあギコさんならそれくらい出来てもおかしくはないしな」
「でもさ、その現場を見てきた奴が言うには明らかに風や炎が起こした物じゃないって話だぜ?」
町では、ドクオが起こした事の噂が広まっていた
- 40
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:16:35.69 ID:LVJlEy+t0
- 自分の倍はありそうな門が開く
その中は、想像していた通りだった
入り口すぐには大広間
天井には何かキラキラしたものがぶらさがっていて
床には何の為かわからない赤いシーツが敷かれている
(メ'A`)「うわあ…」
そこら中を見上げてしまう
川 ゚ -゚)「ドクオ、こっちだ」
とりあえずついていく、似たような場所が続く廊下をクーは慣れた様子で進んでいく
…あ、俺これ絶対迷うわ
ここだ、と案内された先には
まるで図書館だった
(;'A`)「でか!」
ここは本当に城の中ですか?
- 41
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:19:27.03 ID:LVJlEy+t0
- 壁一面に敷き詰められた本は恐らく二階の部分まで続いている
下は机が並んでいて、色んな人が読書を楽しんでいる様だったが…
俺が声を出したせいか、皆こっちを見ている
…いや、違う…そうでした、ほらあんまり気にしないから、忘れてたんじゃないよ?
「国王様!ご苦労様です!」「クー様、今日は読書に?」「,クー王様ー!」
人気だなぁ…しかし………あんまり国王の扱いじゃないような気がするんだが気のせいか
特に最後
クー王の前に小さくコが入ってた気がする
駄洒落…?
- 43
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:22:01.08 ID:LVJlEy+t0
- (*゚ー゚)「,クー王、本日は何かお探しでしょうか?この…しぃに!!何なりとお申し付けくださいませ」
ほらまた!絶対言った!
川 ゚ -゚)「………おま」
クーが何か言おうとした所で声が割って入る
(♯゚ー゚)「こらーーーっ!つー!王の前でまでふざけるんじゃないの!!」
(*゚∀゚)「あはは!ごめーん」
川 ゚ー゚)「全く…お前達は、よくも飽きずにやるものだ」
(;゚ー゚)「達って………」
(メ'A`)「お、同じ顔……」
(*゚∀゚)「あれれ?こちらはどなた?」
川 ゚ -゚)「ああ、彼がドクオだ、例の今ギコの家に住んでいる」
(*゚ー゚)「ああ、ギコから聞いてるわ」
(メ'A`)「あ…ドクオです、…どうも」
(*゚ー゚)「初めましてドクオさん、私はしい、この図書室で司書をしています」
(*゚∀゚)「私はつー、つーちゃんでいいよ?私もここの司書さんなんだ、よろしくねっ?」
- 44
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:24:13.80 ID:LVJlEy+t0
- 「何か探してるなら言ってね?」と話す二人を
どうしてもまじまじと見つめてしまう……いかん区別が…
しいさん(多分)はそんな俺の様子にクスッと微笑んだ
(*゚ー゚)「うん、私達は双子でね…よく、本当によく間違われるの」
(*゚∀゚)「だよね〜」
「あなたは自分から間違われようとしてるんでしょ!!」
「違うよ〜私はしいにもっと個性を持って欲しいと思ってやってるんだよっ」
「何よそれ、私に個性が無いと言いたい訳?」
「ううん、地味って言いたいだけ〜」
「きぃぃーーー」
自分らを司書だと言った二人は、その図書室でギャーギャーと騒いでいる
周りを見れば、特に気にせず本を読む人か、それを楽しそうに見る人しか見えない
………よくある事らしい
川♯゚ -゚)「いい加減にしろお前等…」
(;゚ー゚)「す、すいません!」
(*゚∀゚)「はーいっ」
一気に静まった…流石は国王陛下
- 46
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:26:45.03 ID:LVJlEy+t0
- その後、クーはしいさん(と思う)と何か話を始めたので俺は自分で少し見てみる事にした
(*゚∀゚)「ねえねえ君っ?何をお探しかな〜」
(メ'A`)「うわっ」
突然腕に組み付かれ、驚いて声が出てしまった
(メ'A`)「え、えーと…この国のか、こう世界の仕組み〜とか歴史!とか、そんな感じのを…」
つーさん(だろう)は少し考えるようなジェスチャーをして
(*゚∀゚)「うん、こっちだよっ」
組み付かれたまま、二階へと引っ張られていく
川♯ - )ピク
(メ'A`)「…ん?」
(*゚ー゚)「ですから、最近のですと………」
川 ゚ -゚)「なるほどな…うむ………」
今何か変な視線を感じた気がしたんだけど…気のせいだったかな
- 47
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:30:02.51 ID:LVJlEy+t0
- (*゚∀゚)「どうしたのー?」
(メ'A`)「え?いや、ていうか…その、いい加減離しませんか?」
「…あ……ごめんなさい…嫌でしたよね……」
今にも泣きそうな顔で離れた
(;'A`)(なんですかこれは!?)
「い、いやいや!決して嫌なんて事はなkてですね?その嬉しいから困るかな、みたいなですね」
何故か良心が痛むので思わず必死にフォローしてしまった
するとすぐに笑顔になって
「本当っ?」とまた組み付いてきた、いや抱き付いて来た
「ちょっ!?!!!???!?!?」
川♯゚ -゚)キッ
(;゚ー゚)「く、クー様?」
(*゚∀゚)「あははははっ、かわいいなードクオちゃんは!」
(メ'A`)「か、かわ……いや、ちょ……」
- 48
名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:33:57.93 ID:LVJlEy+t0
- そしてそのまま奥まで来ると
(*゚∀゚)「ほら、手を伸ばして…」
言われるままに
(*゚∀゚)「そう、そこ…」
本が手渡された
(*゚∀゚)「はいっこれでわかると思うよ!」
(メ'A`)「ありがとう…でももう少し普通に渡して欲しいような」
(*゚∀゚)「あははーじゃあしいちゃんに頼むといいよ、あの子なら普通に探して普通に渡してくれるよっ」
(メ'A`)(そうしよう)
(♯゚ー゚)「あの子は………」
川 ゚ -゚)「ああ、しい、好きにやれ、私が許す」
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名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:42:22.95 ID:LVJlEy+t0
- えーと…?世界の発展(VIP国)?ふむ、確かに言ったとおりだ
さて、何はともあれ本は見つかった…なになに?
………
科学と自然の融合?により作られた珠これにより人々は生活の力を得た?
それらは空気中の…云々により電気や火を生み出す!?
……………
水は我らにとって掛替えの無い物だが、戦うという事においては
その非力さを認めざるを得ない、そもそも水と言う物に殺傷能力は無いからだ
その上大抵水は流れるもの故、それを操るのは相当に難しい事だ
前記したとおり、一般的に有名な4つの中では風、火、雷、水この順番でその難易度も上がると言う事である
そういう意味での水は使えない力と言えるのかもしれない
この水の力を以って戦えるものあらば、それは他とは桁違いの容量を持つと思われる
…………………容量?
………………………ドクオ
(メ'A`)「…え?」
川 ゚ -゚)「そろそろ暗くなる…帰った方がいいぞ」
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名前:鮨 :2006/11/29(水) 19:52:43.85 ID:LVJlEy+t0
- いや、もう夢中になってしまった
(*゚ー゚)「また来てくださいね」
(*゚∀゚)「でもすごい集中力だったねー、何しても気付かないんだもん」
(メ'A`)「え……?」
(*゚∀゚)「なんでもないよっ、じゃあまたねドクオちゃん!」
川 ゚ -゚)「ドクオ、最後にいいか?」
(メ'A`)「うん」
クーについて行くと
何だか狭い螺旋階段みたいな場所を登らされる
着いたぞ、と言った
そこは、城のてっぺん、4つ伸びた柱の一本
目の前には
いつかと同じようなオレンジ色の空
そこでいつかと同じように二人黙って眺める
違うのは
後ろに移る影と共に、二人の手は繋がっていた
終
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