7 名前: :2006/11/29(水) 16:32:36.50 ID:LVJlEy+t0


(;゚Д゚)「な、なんだ…これは…」

ギコは「その」跡を見た

木々が生えているはずの山の中の大きな傷痕
数十メートルに渡って続くそこからは未だに水が流れ込んでくる

ギコがニダーの手下を片付けて3人に追いついた時、見たのは
水の巨人が奴を襲う瞬間

あんなのに巻き込まれたら、自分だって命は無いだろう

(,,゚Д゚)「ドクオ…お前は…」

剣を握る手に力が入る

「これが…運命なのか…?」

やはり、ドクオも力を手にしてしまった
これでもう…後戻りは出来なくなる

これだけの事をしてしまったのだ、知れ渡るのも時間の問題だろう

…もしも、また争いが起きれば
ドクオも巻き込まれていくだろう、そうしたら…………

8 名前: :2006/11/29(水) 16:33:57.45 ID:LVJlEy+t0
・・・・・・・・・・・・・・・………………
二人の男が対峙する

一人が手にするは光輝く剣、それはまるで太陽の様だ
近づく事さえ許さない炎の頂点
それを構え疾駆

その先に居るのは黄金に輝く剣を持った男

「「オオオオオオオオオッッッ…!!!!!」」

ぶつかりあった瞬間、光が二人を包む
やがてそれは空に還る様に消えていく

後に残ったのは、地に刺さった一本の剣



二つの

焼け焦げた黒い塊

(,, д )「う…」
(,,;Д;)「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁ
ぁぁぁ…………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・

9 名前: :2006/11/29(水) 16:34:57.58 ID:LVJlEy+t0
そうなのか?

教えてくれ…

浮かんだ光景を忘れられず、思わず誰も居ない空間に問う

「俺はどうすればいいんだ?」



当然ながら、その問いに答える者は居なかった―――


('A`)が異世界で出会うようです
第4話 「ドクオとDATE」

10 名前: :2006/11/29(水) 16:36:00.04 ID:LVJlEy+t0
湖の畔で星空を見上げている
やっぱり空は綺麗だなぁ…

「ドクオ…」

('A`)「ん?」

この声は…クーだ

川*゚ ゚)「ど…ドクオ…あの……」

('A`)「?…どうしたの?」

クーは何やらもごもごと俯いている…何だか様子がおかしい

「その、え…と、さっきの…ドクオ…最高にかっこよかったぞ」

何と上目遣いにそんな事を言って来た


11 名前: :2006/11/29(水) 16:38:32.85 ID:LVJlEy+t0
(;'∀`)「あ、え、いや、そんな、そのえーと…」

川 ////) 「私に出来るのは…これくらいだから…」
身体を寄せてくる

「う、うわわわわっっ!!??」
思わずその場で尻餅をついてしまった
最高にかっこ悪い

だが、クーはその後を追うように座り込み
俺の両脇に自分の腕を通してくる

完全に密着した状態、顔を近づけ潤んだ瞳で俺を見つめている

川 ////) 「わ…私は……私は、その……」

「お前の事が…」そして、その瞳を閉じた

そして…それを悟った

12 名前: :2006/11/29(水) 16:40:05.18 ID:LVJlEy+t0
(メ;'A`)「うぎゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!」
それが夢だった事と、もう少しだった事
そんな二つの悔しさが混じり合い、とりあえず叫んだ

(メ;A;)「ああああ……」何故悟ってしまったんだ、あれが夢だと
そう、これが夢だと気付いた瞬間、目が覚めたのだ

そうだ、もう一度寝よう!続きを見るんだ!

うへ、うへへ、うへへへ、待っててクー!

……・・・・・・・・・・・・



(メ;'A`)「いやああああああああああああ!!!!!!!!!」
後から羞恥心が沸いて更に叫ぶ

何て夢見てるんだ俺は!?ははは恥ずかしいったらない!破廉恥な!
あれが俺の願望とでも言うのか?・・・否!
俺は闇の世界の住人だ!光を求めれば痛いしっぺ返しを食うんだ!
(メ'A`)「ヘルプミー矢車さーん!!」


13 名前: :2006/11/29(水) 16:41:03.79 ID:LVJlEy+t0
………おk、時に落ち着け俺

「…かっこよかった…」さっきのクーの表情が頭から離れない
まあ、確かにあの時の俺は、少しは……ちょっとは
PCのフロッピーを入れる所に溜まってる埃の一つ分くらいには
かっこいいと言えるのかもしれません…


やめやめ、自分を賛美すると余計に恥ずかしくなる

頭を振って正面を見据える

「そう、何を隠そう今日は―――っ!!!」
15 名前: :2006/11/29(水) 16:42:06.95 ID:LVJlEy+t0
……あ、ギコさんだ
いつの間にかドアが開き、入り口でこちらを…

(´゚Д゚)「…………」

何だか可哀相な人を見る瞳で見ている

「その、何だ…大丈夫、だな?」

…どうやら、叫んでニヤニヤして変な事口走ってまたニヤニヤして落ち込んだりした所を見られていたようだ

ウツダシノウ


(,,゚Д゚)「全く…突然叫びだすから…また何か来たのかと驚いたじゃないか…」

(メ'A`)「す、すいません…」…何も言えない


16 名前: :2006/11/29(水) 16:44:09.64 ID:LVJlEy+t0
―――――?????????

色々な事がありすぎた一日、そうあれだけ色々あって一日しか経ってないのだ
どう考えても3日くらい経ってた気がする、ある人もそんな様な事を言っていた
そんな技術不足を実感するような一日

( ^ω^)「あれから、早3日が過ぎたお」

疲れ果て倒れたドクオを、あの後すぐにギコさんが来てここまで連れてきてくれたそうだよ
戻ったとき、町では夜中に山の方で爆発が起きたり山が抉れるとかが起きたせいで大騒ぎになっていた上に
更には国王が攫われてたなんて事態も発覚してしまい
(´・ω・`)「それはもう大変だったらしいね」

ちなみにドクオはそのまま丸一日眠り続けて次の日の夜中に目を覚ましたんだお
( ^ω^)「まぁ……また寝ちゃったからこれに意味は無いお」

その日の昼食の時間、クーが来たから例の話の続きを聞いたようだね

17 名前: :2006/11/29(水) 16:46:17.36 ID:LVJlEy+t0
ニダーについては最近この辺りを荒らしていた盗賊のような連中だった事

クーについては数年前、父親である元国王が倒れ、形としてのみ国王になったんだって
…内情も何だか色々あるらしくて
実際の統治やら何やらはそこの上層部の人間が決め、行っていて
クーがこんな所に居られるのもその人達が自由にしていていい、と言ったから…らしいけど

……きっとそう単純な話じゃないだろうね

ギコさんが持つ剣は、破壊の剣やら名も無い炎の剣やら色々言われてるけれど
実際名前の分からない剣なんだそうだお
昔からその城にあったらしいけど、9つの鍵がついた箱に入っていて
数年前にある人物がその箱を開けるまで中身が剣だと言う事さえ分からなかったらしいお

この世界に遥か古来より存在し、特殊な力を持った剣は神格の武器、神剣として扱われ
それを扱える人間もまた、管理者と扱われるようになるみたいだね

…ドクオの水の力について?まあ詳しくは言えないんだけど…

実はドクオが夜中に目が覚めた時トイレに行ったんだお
その時ニヤニヤしながらトイレの水を増やしてたお

そして水を溢れ返させて動揺しまくってたね
(´・ω・`)「でもこの話はこの疑問とは関係ないよね?」
(;^ω^)「正直すまんかった」

18 名前: :2006/11/29(水) 16:47:59.24 ID:LVJlEy+t0
(´・ω・`)「以上説明と出番終わり」

(;^ω^)「もう終わりかお!?ただでさえ触れても貰えないのに…ていうか次はあるのかお?」

(´・ω・`)「うん、ないんじゃないかな?」

(;^ω^)「確かに…こんな伏線と謎だらけじゃ確かに無さそうだお…」

(´・ω・`)「うん、今はまだ…ね」
( ^ω^)「?」

(´・ω・`)「何で僕らがここに居るかって?」
( ^ω^)「それは説明が長く続くのが嫌だったからですお」
(´・ω・`)「あまり変わらないと思うけどね」
(;^ω^)「自己満足だお」


あ…そうそう、もう一つあったんだ


19 名前: :2006/11/29(水) 16:49:26.26 ID:LVJlEy+t0
(メ'A`)「フッサール…さん、ですか?」

(,,゚Д゚)「ああ、お前と同じように、自分は異世界から来たんだと言った」

その人はギコさんに出会ってから…まぁ、色々あったらしく
そしてこの家に住んでいたと言う

(メ'A`)「…あ、じゃあ俺が来た時に出た光を見て探させたのは、そのフッサールさんが来た時と
    同じだったからなんですね?」

(,,゚Д゚)「………ああ」
川 - )「………」

ん…そうそう
(メ'A`)「で、そのフッサールさんはどうしたんですか?帰れたんですか?」

(,,゚Д゚)「………ああ」
川 - )「……!!!」
21 名前: :2006/11/29(水) 16:51:47.99 ID:LVJlEy+t0
ふむ、なるほどなるほど……これは分かり易い
どうやら俺の質問は二つとも嘘をつかれているようだ
(メ A )(多分、だけど…フッサールって人はもう、生きては……)
今の様子、二人の過去の言動、考えれば分かる

言いたくない事もあるだろうしね
…それに………

「ギコ……何故話さない?」
と思ったらクーが突っかかりだした

川 ゚ -゚)「ドクオを…信用していないのか…?」

(,,゚Д゚)「違う」

川 ゚ -゚)「なら何故だ?事実を隠して…上の人間達の機嫌でもとるつもりか?」

(,,゚Д゚)「………………」

これは何だか不味い流れになっている
クー、もういいよ、と止めに入った

22 名前: :2006/11/29(水) 16:55:57.67 ID:LVJlEy+t0
(メ'A`)「いいんだ…」
帰る術もわからず、死んだなんて俺には言い辛いんだと思うから

(メ'A`)「それより、俺この町を見てみたいんですけど…」
そう、俺はこの世界について何もわかってない
だから見て回りたかったんだ

(,,゚Д゚)「ふむ…だが、あんな事があってばかりだしな…」
俺一人で出歩くのは、と心配らしい
すると…ならば、城はどうだ?とクーが切り出してきた
(メ'A`)「城!?」

川 ゚ -゚)「ああ、あそこなら書物なんかもあるし、ちょうどいいと思うが?」

(,,゚Д゚)「まあ、確かに城の中なら危険は無いだろう…あいつ等も居るしな…」

(メ'A`)「でも、入っていいんですか?俺」

駄目に決まってる、クーが言った

(メ'A`)(ただの嫌がらせなんだろうか)

川 ゚ -゚)「だから私と一緒に行動してもらう事になるが…」


23 名前: :2006/11/29(水) 16:57:50.01 ID:LVJlEy+t0
え?
つまり何?
城には入れるんだよね?

(メ'A`)「…もしかして、案内してくれるって事?」

川 ゚ー゚)「そうだ、城内デートだな」

(メ'A`)「で…でいと?」

川 ゚ -゚)「ああ、…嫌か?」

「嫌なわけない!!凄く嬉しいよ」
とか言いたいけど言えない男の子心は
もう必死になって冷静さを保ち、相手に悟らせないようにするのだった

(メ'A`)「ぃや…そんな事は…ないけど」

川 ゚ -゚)「そうか、良かった、まあさっきのは冗談だ、普通に案内するだけだから…そう困った顔をするな」

(メ'A`)「あー、いや…そういう訳では」

川 ゚ー゚)「ふふ、じゃあ明日のお昼にでもまた来るよ、じゃあ」

そう言って彼女はクールに出て行ってしまった


24 名前: :2006/11/29(水) 17:00:21.21 ID:LVJlEy+t0
(メ'A`)「あ………」

(,,゚Д゚)「ドクオ…」

(メ'A`)「……何ですか?」

(,,゚Д゚)「今のはふられたのか?ふったのか?」

(;'A`)「っ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

(,,゚Д゚)「はははは、まあ明日頑張るんだな!」

(メ'A`)「そ、そんなんじゃないですってば!!」

(メ'A`)「…って、そういえばクーはあんな風に一人で行動してていいんですか?危ないんじゃ?」

(,,゚Д゚)「ああそれは、まあ、まだ明るいしな…それに大勢の人間に護衛も頼んである」
大勢と言うのが気になる、聞いてみた
明日になれば分かるさ、そう返ってきた

25 名前: :2006/11/29(水) 17:02:23.71 ID:LVJlEy+t0
と言う訳で
その明日が今日なのだ
女の子と二人っきりでお出かけ……なんて甘い響きなんだろう
その上城にまで入れると来た物だ、これは正直、凄く、嬉しい

(,,゚Д゚)「まあ、とにかくだ」

ハッ…いかん、ぼーっとしてた…またニヤニヤしてたりしなかっただろうか

(メ'∀`)「はい、何ですか?」

(,,゚Д゚)「……あー、とりあえず風呂にでも入ってさっぱりしてきな」

(メ'∀`)「あ、そうします」
それでは、と別れる

26 名前: :2006/11/29(水) 17:04:02.98 ID:LVJlEy+t0
(,,゚Д゚)(あいつ…口が戻らなくなってるな…)

面白いから黙っておこう、そう思った

しばらくして

「アッーーーーーー!!!」

ギコの家に声が響いた



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