- 36
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:09:38.69 ID:C9PJhCkB0
- 最終話 「ドクオの異世界での出会い 其の二
」
そこは城壁に沿った道の先にあった
小さな川が幾つも流れ
あたり一面は綺麗な緑の草が覆っている
その隙間を縫うように地に埋まる石版、それらは形が様々で丸かったり四角だったり
そしてそれぞれ日付と名前が書いてある
…それが妙に綺麗な情景を作り出して、何だか物悲しい気分にさせる
(メ'A`)(…感傷してる場合じゃないな)
クー…ギコさんは間違いないと言ったけど
(メ'A`)「本当に…居るのかな…」
小さく口に出した
(メ'A`)(…見つけたとして…どうしよう…)
また拒絶されて…俺はそれでも引っ張っていけるだろうか…
正直不安で一杯だった
- 37
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:10:20.15 ID:C9PJhCkB0
クーは今どうしてるのかな
クーは今泣いているのかな
クーは今俺に会ったらどんな反応するんだろう
もしかしたら…今度俺に会ったら…
川 ////) (すまないドクオ…私は…その、動揺していて…)
('∀`)(いいよクー、しかたないさ)
川*゚ -゚) (ドクオ…)
みたいな感じで上手く行ったりしないだろうか…
(メ'A`)(馬鹿か俺は…)
変な妄想してたら恥ずかしくなってきた
うむ…顔を合わせ辛いとは正にこの事か…
- 38
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:11:04.34 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)(……ん?)
それにしても…俺はさっきからクーの事ばかり考えてる
…いや、はっきり言えば頭の中はクーの事で一杯だ
俺は…要するに…その……何だ?…クーの事が…
(;'A`)「うう…なんか痒くなってきた…」
こんなの考えても不毛だ…もうやめよう
そんな事を考えながら…俺はしばらくその石達の隙間を通り抜け進む
いつしか…いや、本当は最初から見えていて…目指していた
一際大きな石の何か…そこにたどり着く
そこは不思議と…柔らかな風を感じる場所だった
(メ'A`)「……居ない…か」
吹く風が辺りの草を揺らし、光の反射が白い波を作る
俺はその石を見つめる…日付とかの他にも何か書いてあるのが見えた
- 39
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:12:13.74 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)「隠された……栄誉…フッサール…誓約の下…ここにのみ記す」
「偉大なる英雄、管理者ここに眠る…だ」
(メ'A`)「………」
背中から聞こえる声は、そんなに離れていた訳じゃないのに…酷く懐かしいと感じた
「ドクオ……私は…」
俺は何故かそれが当然のように感じて驚く気持ちも無くそれを聞いている
「あれから…ここに来て…ずっと考えてたんだ…」
風が…頭を撫でる様に吹き髪の毛を揺らす
きっと今、彼女の綺麗な黒髪も同じように風に撫でられ揺れているんだろう
- 40
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:13:36.58 ID:C9PJhCkB0
「何故だろうな…ここに来るまでは、もう全てがどうでもいいと思ってた…
けどここに来たら…急にごちゃごちゃだった気持ちが綺麗になって」
俺はそんな情景を容易く想像できた
いつからだろう…こんなに…
「私が…お前に言った事が、どれだけ最低な事か…分かった
もう…合わせる顔が無い…今度こそ…嫌われたと思って」
だからさ…もう…そうやって一人で背負い込むのは止めようよ
「事実…そうだ…私は、お前を…あの人の代わりとして見ているだけだった…」
誰かの代わりだとか…そんなのは…俺は別にどうでもいい…
…だって俺はただ…
「もう…このまま死んでいく…それが、愚かな私に相応しい終わりだって…
なのに…」
俺はただ…君が……
- 41
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:14:52.93 ID:C9PJhCkB0
「お前は…また…真実を知っても…来てくれるんだな…」
(メ'A`)「クーの事がさ…好きなんだ」
「…っ!!」
(メ'A`)「…本当は結構前から気付いていたんだ…だけど見ないふりをしてた」
「だが…ドクオ…私は……お前に好きになってもらえる資格は…」
(メ'A`)「例え…それが誰かの代わりだったとしても…………
俺、嬉しかったんだ…誰かに必要とされて、誰かに好意を持たれてるのが分かって」
「……ひっく……」
- 42
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:15:51.71 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)「最初は…怖かった……君と繋いだ手が…その暖かさが信じられなくて」
「ド…クオ…」
(メ'A`)「でも…本当の君を知って……少し、安心したんだ…
むしろ…俺を見てくれる理由が分かったからこそ」
(メ'A`)「だから…クー」
振り返る…そこにはいつかと同じように俯き涙を流すクーが居た
川* - )「…ぅ…ぅ」
(メ'A`)「俺が…側に居るよ…君が俺をどういう風に見ても構わない
これはただの俺の我侭だから…君が好きだから」
川* - )「私……私は…お前を好きで…いいのか?」
(メ'∀`)「うん…これからは…ずっと、俺の側に居てくれないかな?」
川*;-;) 「…居て…くれるのか…?」
- 43
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:16:57.83 ID:C9PJhCkB0
(メ'∀`)「うん…それでさ…こう…甘えたり、頼ったり…して欲しいかな…なんて」
川*;-;)「…いいの…か…? 頼っても…いいの…?」
(メ'∀`)「うん…君を…君は…必ず俺が守るよ…」
「…ドクオ!!…」
クーが思い切り俺に飛びついてきた
思わず体制を崩し、二人して後ろに倒れ込む
(;'A`)「わっ…と…あいて!」
柔らかな草が俺たちを受け止めてくれて特に怪我はない
………ただ…
(;'A`)(これは俺が受け止めないと格好つかないなぁ…)
下を見ると
俺の胸元を掴みながら顔を埋めるクーの姿
- 44
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:17:41.26 ID:C9PJhCkB0
そっと抱きしめる
(メ'∀`)「…大丈夫だよ…俺は大体戦う力なんて無いからね」
「………」
(メ'∀`)「俺に出来るのは……君を守る事だけだから…居なくなったりしないよ…」
「…うん」
胸に暖かい気持ちが流れ込んでくる
俺が伝えたい事は全部伝えた…そしてクーはちゃんと理解して、受け入れた
それが……絶望の最中にお互いを幸せにしている…そんな確信があった
だけど…俺も、彼女も…すぐに思い知る事になる
- 45
名前:鮨 :2007/01/17(水) 02:21:52.97 ID:C9PJhCkB0
幸せと不幸はいつだって隣り合わせ
幸せは………脆い物で
既に………知らない所では
これから来る絶望が…牙を向いて待っていた事を
全ては何が起こすのだろうか?
少なくとも…今、彼女に災いをもたらすのはいつだって
あの剣だった…今ならはっきりと…それが分かる
……………
- 2
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:00:13.90 ID:C9PJhCkB0
――城内
ドクオとクーがあの場所で出会っていた
その頃
「あ…あ…あああああああ…」
「嫌だ…消えたく…な……」
- 3
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:01:23.03 ID:C9PJhCkB0
- 「う………」
「…うああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あ あ
あ あ
あ その時城内で起きていた事は あ
あ あ
あ あ
あ 俺の知らない間に起こった出来事 あ
あ あ
あ あ
あ ただただ…幸せの中に居た俺達には想像もできないような事 あ
あ あ
あ 例え事実を知る事があっても……彼等のその瞬間を知る事は出来ない あ
あ あ
あ それが心残りで あ
あ あ
あ 俺は多分…それを一生忘れられない あ
あ あ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああゐあああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああおああああああああああああああああああああああああああ
ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
- 4
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:02:20.85 ID:C9PJhCkB0
…………………。
城門入り口に戻る途中
(メ'A`)「…モナーさん…?」
川;゚ -゚)「……え?」
(;´∀`)「…はあっ…はぁっ…た、大変モナ!!」
モナーさんが俺達に駆け寄る、何だか傍目に大荷物を背負っている
手にはどこかで見たような赤い剣
その肩に背負われているそれは…
(;'A`)「……ギコ…さん?」
川; - )「……ぁ…ぁ………」
(;´∀`)「早く逃げるモナ!あいつらが来るモナよ!!」
(;'A`)「あいつら!?」
(;´∀`)「妙な二人の男女モナ…」
- 5
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:02:43.42 ID:C9PJhCkB0
(;'A`)(二人の男女!?それってギコさんが言ってた!?)
(;´∀`)「あいつら…突然城内に現れたかと思ったらその場で全員……」
(;'A`)「そ…そんな……」
川; - )「………………」
(;'A`)「…ギコさん!そんな…嘘だよ!ギコさん!!!」
(;´∀`)「………」
「……………」
触れたギコさんの体は…凄く冷たい
背中に見える刺さったままの黒い剣が…まるで証拠を示すようで
(;'A`)「嘘…だ……だって…皆で…逃げるって……」
声が…震える…目が熱い…なんだこれ…
(; A )「それで…今度は…全て取り返すんだ…って…そう言って………」
- 6
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:04:00.41 ID:C9PJhCkB0
喉の奥から、何かがこみ上げる様な…変な感覚
(メ;A;)「皆で……っ…う……」
そのまま、倒れるように地面に手をつく
全身に来る衝撃、手の痛み…溢れる何かに負けて叫ぶ
「うわあああああ!!!」
そして涙が…止まらない
どちらも止めたくても止められない
このまま一生止まらないじゃないか…そう思えるほどに
「うっうっ…っ!!」
そんな俺をモナーさんが引っ張り上げた
(;´∀`)「…しっかりするモナ!」
(メ;A;)「…うっ…う…モナ゛ー…ざん…」
( ´∀`)「泣いてる場合じゃ無いモナ!今は逃げる事が第一モナ!!」
(メ;A;)「でも…でも…おれ…………」
- 7
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:04:24.63 ID:C9PJhCkB0
( ´∀`)「君は一人じゃないモナ…今、君の隣には誰が居るモナ?」
(メ;A;)「………」
滲む視界で隣を見る
そこにはまるで人形の様に固まる彼女の姿
涙も流さず、何の感情を感じない表情に、半開きの口
意識があるのか無いのか…それも分からない
(メ;A;)「……クー……!」
…そうだ…俺が…しっかりしなきゃ…隣には…クーが居るんだ…俺が…!
唇を強く噛み締める…口の中に鉄の味が広がり、俺はそれを飲み込む
止まらない涙も感情も、一緒に飲み込んでしまえるように…
(メ'A`)(俺が…クーを…守るんだから…)
( ´∀`)「うん…いい顔だモナ!じゃあ行くモナよ!!」
- 8
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:05:02.75 ID:C9PJhCkB0
俺は信じきっていた…もう頼れるのはこの人だけだと
だから…俺たちの後を追う人影と
もう一つ…彼の背中の重大な違和感に気付く事が出来なかった
…こうして再び俺達は山の中を彷徨う
モナーさんはギコさんを担ぎ、相変わらず息も切らさず進んでいく
俺は半ば無理矢理にクーの腕を引き進む
(;'A`)(…どこに…向かってるんだろう…)
- 9
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:05:25.81 ID:C9PJhCkB0
俺はなんとなく気付いていた…適当に山の中を進んでいるように見えるけど
モナーさんは明らかに何かを目指して進んでいる
そんな事を考えて、ふと自分の冷静さに驚いた
これだけ色々あって…もうこんなに普通で居る
やっぱり俺はおかしいのかな…
そんな馬鹿な事を考える俺の思考を…弱い俺の心を
……繋いだ手の温もりが何度も俺を呼び戻した
そんな思考を繰り返す内に俺の頭の中は一つの事で一杯になっていく
(;'A`)(クーを…守るんだ…俺が…クーを……)
川; - )「………」
今のドクオを支えるのはその思いだけだった
そうして…更に歩き続け
(;´∀`)「ふぅ…流石にきついモナ…」
モナーさんは一息つくとギコさんの身体をそっと地面に横たえ座り込む
気付けば、いつか見た事のある場所に居た
- 10
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:05:56.66 ID:C9PJhCkB0
(;'A`)「ここって…」
俺が…クーから水の接続を受け取って…初めてそれを使用した場所…?
小さな湖
まるで山に穴を開けたようにここだけ綺麗な広場になっていて
…その奥…土砂崩れが起きたかのように崩れている
(メ'A`)(あれ…って…俺がやったのか…)
結構凄い事をしたんだな…なんて今更ながらに思う
(メ'A`)(でも…何で…?)
川 - )「ぁ…」
(メ'A`)「…!! クー…大丈夫?」
川;゚ -゚)「あ…ああ…ここは…? 何が…どうなっているんだ?」
(メ'A`)「それは…」
- 12
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:06:23.76 ID:C9PJhCkB0
正直…俺にもよく分からない…一体何が起きてるんだ?
VIPの人達は…もう皆死んで?
ギコさんも…今…俺の目の前で?
そしてそれは変な二人組みのせい?
………何なんだよ…一体………
展開が…今起きている事態が…わからない、ついていけない
(メ'A`)「?」
その時、ふと話し声が聞こえてきた
(;´∀`)「…コレ・・・デいいモナね?」
(メ'A`)「…?」
モナーさんが誰かと話している
誰と?
誰も居ないのに?
- 13
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:07:13.57 ID:C9PJhCkB0
(;・∀`)「そうだモナねー…後は…………」
(;´∀`)「ええ!?で、でもあの子達は…もうそっとしておいてあげた方が…」
(;・∀`)「そう?なら…………」
(;´∀`)「!!!! わ…分かったモナ……
」
(メ'A`)「…え?」
しばらく物々と独り言を呟いていたモナーさんが、何かに急かされるように立ち上がった
(;´∀`)「ごめん…モナ…でも僕だって…消えたくないんだモナ……」
そして腰に下がる一本の剣をゆっくりと引き抜く
- 14
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:08:16.66 ID:C9PJhCkB0
違和感が収まらない
(;'A`)(一本…?あれ…?そういえば…二本無かったか?……あれ?)
何か…何かがおかしい
…そもそも
何であの人は…………剣を俺に向けて構えてるんだ?
(♯´∀`)「ぉ……あ……!」
(♯`∀´)「ああああああああああああ!!!!!!」
その黒い剣を構えるモナーさんが雄叫びと共に豹変した
温和そうに見えた垂れ目は異常に釣りあがり
身体中に青筋を浮かべている
これじゃあ…まるで…
- 15
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:08:55.74 ID:C9PJhCkB0
(;'A`)「……モナーさん?」
川;゚ -゚)「な…なんだ?何なんだ?」
(♯`∀´)「し…死ねえええええええ!!!!!」
まるで…化け物じゃないか…
モナーさんは剣を振り上げ、そのまま俺達に向けて走り出す
(;'A`)「やばい…!」
何故か全身が発する危険信号…とにかくやばい
俺は慌ててクーの腕を引き走り出した
川;゚ -゚) 「…っっ……ドクオ!?」
(;'A`)「クー!走って!!」
(♯`∀´)「まてえええええええ!!!」
- 16
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:09:36.21 ID:C9PJhCkB0
丸い湖の周りを走る、ふと少し振り向く
モナーさんがとんでもない速さで迫ってくるのが見えた
このままじゃ到底逃げ切れない…こうなったら……もう一度…水を…!
(;'A`)「…接続…!」
クーを…守らなきゃ…
全速力で走りながら湖の方を向いた
その過程で
「殺っ…!!」
ほぼ真後ろからかかる声と
「たあああああ!!!!」
振り下ろされる黒刃が見えた
(;'A`)「!!」
川;゚ -゚) 「!!」
間に合わない…!!
- 18
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:11:01.51 ID:C9PJhCkB0
そう思う
それよりも早く、何かが…その黒い刃を弾いた
(;'A`)「…え…え?」
その場の空気が、時間が、止まる
(♯`∀´)「だ…」
(♯`∀´)「だれだあーーーーー!!」
明らかに邪魔をされた事に腹を立て
目の前の俺を無視してキョロキョロと辺りを見渡している
(;'A`)「今だ……」
川;゚ -゚) 「……」
俺はクーの手を引きその場を離れようとする
(;'A`)「げ…っ…」
流石にそれには気付かれた
(♯`∀´)「逃げるな…戦え!たたかえええええ!!!!」
(;'A`)「…っ!!」
- 19
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:13:04.14 ID:C9PJhCkB0
川;゚ -゚) 「ドクオ…っ…」
黒い剣を俺に向け一瞬で間合いを詰めると両腕を突き出した
目前に迫る黒剣……だから今度ははっきりと見えた
俺に向けて伸びた黒い剣先それが数十センチ先
白い…ハンマーの様な物に弾かれたその瞬間を
(;'A`)「…ぅ!! …っっ…今のは!?」
聞こえてくるのは…声
「それ以上は…やらせねぇ!」
まるで、エコーがかかった様に…声が木々の間を木霊する
- 20
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:13:55.02 ID:C9PJhCkB0
(♯`∀´)「!!!」
そして飛び出してきたのは、何やら体格のいい男
( ゚∀゚)「……なかなか…好き勝手やってくれたな…もらr…いやモナーか…」
(;゚∀゚)「ってありゃま! おいおい…なんか変わったな!
おまえ!」
(♯`∀´)「おまえ!じょるじゅ!!」
次に飛び出してきたのは小柄な女性
ζ(゚Δ゚;ζ「お兄ちゃん!そんな呑気な事言ってる場合じゃないよ!止めるの!」
( ゚∀゚)「わぁーってるよ!いいからお前はその辺に隠れてろ!」
(♯`∀´)「………うがあああああああ!!!!」
( ゚∀゚)o彡゜「さあ頼むぜ相棒!!」
その声に応える様に
手の中に収まる程度だった何かが一瞬で肥大し形を成した
- 21
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:14:56.05 ID:C9PJhCkB0
( ゚∀゚)「破砕の管理者ジョルジュ…推して参!!」
それは白き戦鎚
その頭部の大きさに対して、柄が妙に短いのが印象的で
何故か…それを見ただけで人を安心させるような、不思議な鎚だった
( ゚∀゚)o彡゜「うお…りゃあ!!」
大雑把に鎚を振り回す男に対し
見るとモナーはそれをまるで恐れるように大きく避けている
(♯`∀´)「……うううう!!」
( ゚∀゚)「ええぃ…ちょこまかと!!」
(♯`∀´)「!!」
横殴りに放たれた鎚、避けきれずモナーはそれを剣で受け止める
…いや、受けた瞬間その身体が浮く
軽く吹き飛ばされ体制を崩すモナー
- 22
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:16:36.57 ID:C9PJhCkB0
( ゚∀゚)「もらった!……っぱい……」
それを狙い大きく振り上げる大鎚
(;'A`)「!?」
小鎚であったそれは形を変え瞬く間に巨大化した
(♯゚∀゚)「ハンマァァァァー!!」
それを…身体を捻り、無理矢理に振り下ろす
大きな弧を描き頭上を通過
慌てて飛び退けたモナーが居た場所に打ち落とされたそれは
重低音を響かせ大地を揺らす
(;'A`)「うそっ!?」
薄く土煙を上げるその先
見ればそこには3メートル程のクレーターが出来ていた
- 23
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:17:37.80 ID:C9PJhCkB0
( ゚∀゚)「どうした!逃げることしかできねーか!?」
軽口を叩く男の手にある鎚はいつのまにか縮んでいる
(メ'A`)(ギコさんが言ってた…管理者って…やっぱりあの人?)
(♯`∀´)「ぐが……おまえがあああああ!!」
挑発する台詞に身体を震わせモナーが距離を詰めるべく駆け出す
( ゚∀゚)「よぉしよし…いいぜ、来やがれ…言っとくけどな…今、俺は……」
(♯`∀´)「じょるじゅうううううう!」
(♯゚∀゚)「ムチャクチャぶち切れてんだ!!てめえは粉々にしたってすまさねえ!!」
「うおおおらああおおおああおあおあ!!」
二人の声が混ざり衝突する
(;'A`)「…す…すごい…」
思わず見とれてしまう…どちらも人間離れした動きを魅せるその戦いに
- 24
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:18:32.23 ID:C9PJhCkB0
でも訳がわからない
何がどうなってる? 大体ジョルジュってギコさんが言っていた?
ならあの人がギコさんを…? そして何で今モナーさんを?
なんでモナーさんは俺を? なんでその俺をあのジョルジュって人は助けた?
思考が追いつかず…俺はただあの二人の戦いに魅入る事しか出来ない
呆然とする俺を透き通った声が現実に呼び戻した
ζ(゚ー゚*ζ「…大丈夫…? ドクオ君…だよね?」
(メ'A`)「…え…?」
ζ(゚ー゚*ζ「初めまして…私は…デレって言います」
そして…聞き捨てならない言葉を口にした
- 25
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:19:38.58 ID:C9PJhCkB0
ζ(゚ー゚*ζ「あなたを…この世界に接続させた一人です」
- 26
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:21:44.91 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)「……………え?」
頭が…真っ白になった
何を言ってる?……いや、何を…言った?
ζ(゚ー゚*ζ「でもごめんなさい…詳しい事は後で…今は、戦呪を止めないと…」
(;'A`)「え? え? ちょっと待って!…俺を…って、イクサノロイって…!?」
ζ(゚−゚*ζ「…戦呪の管理者…あのモナーって人の事よ」
(;'A`)「…か、管理者…?」
ζ(゚−゚*ζ「戦呪の魔剣ダインスレフ……
その剣の抜き主を戦闘狂にさせ無限に戦い続ける呪いの込められた神具…」
(;'A`)「ちょ…何を…何を言ってるんだ!?」
わからない、わからない、何がどうなって
ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ…また後で」
笑顔でそう俺に告げると、未だぶつかり合う二人に向けて走り出した
- 27
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:23:26.14 ID:C9PJhCkB0
(;'A`)「え!? ちょっと待!!」
自分の事をデレ…と言った彼女は走りながら
何か…蔦の巻きついた杖の様な物を取り出した
(;'A`)(あ…あんなもので何する気なんだ!?)
ζ(゚Δ゚ζ「お兄ちゃんどいて!そいつ殺せない!!」
( ゚∀゚)「了解だ!!」
それは何かの合図なのか彼女の声を聞いた男は姿勢を屈め
( ゚∀゚)「…っぱい………ショット!」
まるでゴルフのスイングの様に地面を叩く
(♯`∀´)「っっっっ!!!!」
巻き起こる砂と石の飛礫
それはモナーの姿が見えなくなるほどに周囲を包む
- 28
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:24:53.74 ID:C9PJhCkB0
(♯`∀´)「きさまああああ!!」
( ゚∀゚)「もういっちょお!!」
再び起こる砂煙と飛礫の嵐
(♯`∀´)「ぐっ…!!」
視界を奪われ石が襲い
自然とモナーの動きが止まる
モナーは剣を眼前に、自身を守るように構えている
そして
ζ(゚Δ゚ζ「もらった!!」
その剣に…彼女はその奇妙な杖を打ち付け
小気味良い…澄んだ木の音が響いた
- 31
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:25:43.11 ID:C9PJhCkB0
そして
(♯`∀´)「!?」
黒い刀身に更に漆黒の亀裂が走る
ζ(゚Δ゚*ζ「や…やった!!」
(♯`∀´)「が…あああ…あ…あ…」
真っ二つになった刀身は重力に導かれ地に向かうと
まるで悲鳴の様な金切音を立てバラバラに砕け散った
( ゚∀゚)b「ぃよっしゃあ!よくやった!」
ζ(゚ー゚*ζ「えへへ…」
喜ぶ二人
そんな二人を他所に…
(♯´∀`)「…ぁ…ぁ……」
ふらふらとモナーさんが後退する
見ると表情は元に戻り、少しづつ浮かんでいた青筋が消えていく
- 32
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:27:16.55 ID:C9PJhCkB0
(;´∀`)「ぃ…ぃゃ…だ…」
更に後退
その先に見えるのは…ギコさんの………
…そう、ギコさんの背中に生えた黒い…
(;'A`)「…あ…っ……」
繋がった…理解した……あの剣は
あの人の腰にあったもう一本の剣
つまり
( ・∀`)「ぼく…は…生き…て」
( ・∀・)「…うん…生きるんだよー…これから…」
「も……ずっとねー」
- 33
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:28:33.08 ID:C9PJhCkB0
モナーさんが笑った様な気がした…その黒い剣を掴み
(;'A`)「駄目だああああ!!!!!」
俺は叫んでいた
ζ(゚Δ゚;ζ「!!」
(;゚∀゚)「デレ!!」
さっきとはまるで違う…その姿をはっきりと視認できないような速度で
二人に迫るモナー
( ・∀・)「ふっ!!」
(;゚∀゚)「ぐっ…あ…!」
咄嗟に彼女の方を庇おうとしたした男の腹部を凶刃が走った
ζ(゚Δ゚;ζ「お兄ちゃん!!」
( ・∀・)「次!」
- 34
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:30:17.92 ID:C9PJhCkB0
続いて…鈍い音
ζ(゚Δ゚;ζ「あ…あぁああ……!」
(♯゚∀゚)「てめえ!!」
腹部を抑えながらも男が鎚を横薙ぎに振るう
( ・∀・)「おおっと…怖い怖い…」
だがそれを察知し、一瞬の内に再び距離をとるモナー
ζ(゚Δ゚;ζ「お…お兄ちゃん…み…ミストルティンが……」
(♯゚∀゚)「ちぃ…!く…くそったれ…!!」
見れば、先程の奇妙な木の棒が真ん中から砕け折れている
( ・∀・)「あははーっ、やったね!邪魔な神破はなくなった!」
(♯゚∀゚)「モララァ……」
- 35
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:31:21.47 ID:C9PJhCkB0
( ・∀・)「さて…?ジョルジュ…それ、いい加減くれない?」
(♯゚∀゚)「ふざけろ」
( ・∀・)「そっか…まあどっちみちその布も欲しいしねー、焦らず行くよ」
(♯゚∀゚)「…く…」
( ・∀・)「ねえねえ!そこの二人ー!!」
(;'A`)「え…」
川;゚ -゚) 「…」
モナーさん…らしき人は二人組みの後方…俺達の方を向き
大声で呼んだ
( ・∀・)「VIP国の皆を殺して…あそこに居るギコを殺したのはその二人だよ!!」
(♯゚∀゚)「んな!?」
ζ(゚Δ゚;ζ「何を!?」
( ・∀・)「許せないよねー!?僕を手伝わない?」
- 36
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:32:57.24 ID:C9PJhCkB0
(;'A`)「……何を…」
何を…白々しい事を言ってるんだ…
川 - )「……皆…死んだ………?」
(;'A`)「…っ…クー…」
( ・∀・)「とりあえずさ!そこにいる男の持ってる鎚と腕に巻いてる布が欲しいんだ!
手伝ってよ、敵を討つためにさ!」
(♯'A`)「……お前…」
敵…?それは……お前だ!!
俺はそう言おうとしてたんだ
本当だ、そんなの言わなくても分かるよ、だから…
「違うよ!嘘だ!!」
- 37
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:34:19.30 ID:C9PJhCkB0
何で…
(*;∀;)「駄目だよ!そいつが!そいつがやったんだ!ギコも…しぃも!」
出てきちゃうんだ…
川;゚ -゚) 「…つー?」
…もっと早く俺が言えば…ああはならなかったのに…
どこからか飛び出してきたつーさんは
ギコさんの前に立ち、目前のモナーさんを睨みながら必死に伝えようとしている
(*;∀;)「私は見たんだ!お前…お前が!!!!」
( ・∀・)「あのさ……高い声でギャーギャー喚かないでくれる?」
モナーさんがそっちに向かうのが見える
- 38
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:35:32.67 ID:C9PJhCkB0
(;゚∀゚)「や、やめろモララアアアア!!!」
川;゚ -゚) 「!!」
(*;∀;)「お前…ガッ……ぁ……」
モナーさんは綺麗な動作で…彼女の胸に剣を突き立てた
「あ…ぁ…ああ…」
それを見て満足げに笑うと、吐き捨てるように言った
( ・∀・)「うるさいだろ?…常識的に考えて」
血も流さず、崩れ落ちる彼女の身体
川;゚ -゚) 「うわあああ!つー!!!」
クーが駆け出し
俺はそれを追った
- 39
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:36:41.74 ID:C9PJhCkB0
(♯゚∀゚)「行くな!!」
ζ(゚Δ゚;ζ「駄目!」
通り過ぎる時、二人は俺達を制止した
( ・∀・)「はははっ…」
通り過ぎた時、彼は笑顔で見送った
- 40
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:37:42.94 ID:C9PJhCkB0
「つー!しっかりしろ!」
「……くー…さ…ま………」
(;'A`)「………」
俺はその場で立ち尽くした
何故かほとんど血を流さず倒れ込む彼女
状況の理解が…出来ない
けれど今にも消え入りそうなその声が…彼女の最後を教えるようで
「どくお…ちゃん…だめ…だよ…わた…は…みたんだ…」
「あの…時…城…で……」
- 42
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:41:12.59 ID:C9PJhCkB0
※注意※
ここから先は読まなくてもいいお話
結果としてギコとしぃが居なくなった事だけを理解してもらえれば
知らなくてもいいお話です…そう、そんな内容は知らなくてもいい
見るならそのまま下へ
見ないならお手数ですがしばらく待った後、一番下の注意終了からご覧ください
※注意※
- 43
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:42:00.81 ID:C9PJhCkB0
――城内
(メメ゚Д゚)「もう大体避難は済んだか……」
(*゚ー゚)「ええ、後は私たちくらいね」
(メメ゚Д゚)「上の連中は?」
(*゚∀゚)「危機が迫ってるのが分かったら、とっくに逃げ出しちゃったよ!」
(メメ゚Д゚)「そうか……」
(メメ゚Д゚)(しょせん…その程度の連中か…)
(メメ゚Д゚)「よし…それじゃあ…俺が先に外の様子を見ながら出る、お前らは後からついて来い」
(*゚ー゚)「うん」
(*゚∀゚)「りょーかい!」
城門入り口に近づいた時、ふとした違和感に気付いた
(メメ゚Д゚)「……なんだ…?静か過ぎる…」
先程まで外にはVIPの兵たちが集まり門を守り争っていた
だが今…その喧騒の音は聞こえない
- 44
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:43:04.13 ID:C9PJhCkB0
…それどころか
(メ;゚Д゚)(人の気配が…ない…?)
ギコは逸る気持ちを抑えゆっくりと城内を出た
そこには
無数に散らばる『人』だった物体
そして赤い海の中、しゃがみ込む一人の男の姿
(メ;゚Д゚)「な…なんだこれは…!?」
理解できない
何故…?
この…足元に転がるのは…VIPの…味方の…………
(メメ゚Д゚)「おい!そこのお前!!」
バシャバシャと赤い水が自分に跳ねるのも構わず
血の海を走りうずくまる男に駆け寄る
- 45
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:43:39.31 ID:C9PJhCkB0
男は震えながら何かを物々と喋っている
「いやだモナ…死にたくないモナ…」
(メ;゚Д゚)「おい!しっかりしろ!何があった!?」
(;・∀`)「う…ううううう……」
そいつは…やはり見知らぬ男
片手にはこの国の紋章VIPと彫られた剣
そして腰に下がる二本の剣はまるで封じるように縛られている
…よく見れば…片方の紐は解かれていたが
(メメ゚Д゚)「お前…誰だ? 」
(;・∀`)「ぼ…僕は…モナー…」
(メメ゚Д゚)「モナー!?…ドクオの言っていた奴か…?」
(;・∀`)「そうだ…よ…あ…あああ…」
何かに脅える様に震え、困惑するモナー
…わけがわからない、俺が離れた間に…ここで一体何があったんだ…
- 46
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:44:23.77 ID:C9PJhCkB0
(メメ゚Д゚)「……もしかして…お前もあのジョルジュって奴の仲間か?」
( ・∀`)「 じ ょ る じ ゅ ? 」
その名を聞いて明らかに反応を示すモナー
( ・∀`)「ああ…じょるじゅね…モナ」
(メメ゚Д゚)「やはり…知っているか…」
( ・∀`)「ああ…知ってるよ…モナ」
急に大人しくなった…しかし…なんだこの違和感は…
(メメ゚Д゚)(だいたい…なんでこいつ…片目だけちゃんと開いているんだ?)
(メメ゚Д゚)「…?」
ギコの目の前で、ソイツは何やらイソイソと剣に巻かれた紐を解いていく
(メメ゚Д゚)「!!」
- 47
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:45:11.27 ID:C9PJhCkB0
瞬時に気付き後ろに思い切り跳躍
しかしまるで地を這うような低さでソイツはギコを追った
後ろに飛んだギコが着地するとほぼ同時にソイツはギコに身体ごと衝突
…音も無く…
身体の中に冷たい異物が無理矢理にねじ込まれた
…気持ち悪ぃ
そしてソイツは口を開く
( ・∀・)「さようなら………ギコさんー」
- 48
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:45:50.63 ID:C9PJhCkB0
(メメ Д )「……が…ぐ…ごほっ…ごほっ…」
呼吸のたびに胸の奥がひどく痛み
喉には血が絡まる
どちらにしても呼吸ができない
…黒い刀身が胸から、背中へと飛び出ている…
そこに血が垂れ…吸い込まれるように消えた
「……おま…え…」
( ・∀・)「あーれー?まだ意識あります?」
えいっ…なんて軽い口調でギコに突き刺した刀身を捻る
「が…ぁ…ぁ…ごふっ…」
大量の吐血
- 49
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:46:24.37 ID:C9PJhCkB0
何故か急速に血の気が引いて行く
( ・∀・)「大丈夫…すぐに楽になれますよー」
な…何を言って
( ・∀・)「…この剣の名は求血…求血の剣…ダインスレイフ」
ぅ……く…そ
( ・∀・)「幾数多の血を吸い…その刀身は黒く染まった」
( ・∀・)「そしてその分…管理者の身体能力を上昇させる…魔剣…って奴」
「い…いやあああああああ!!!」
声が…聞こえた…駄目だ…来るな…
( ・∀・)「あーらら…見つかってんじゃン」
- 50
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:47:49.94 ID:C9PJhCkB0
ソイツは乱暴にギコから剣を抜き去り声の発し主へと向く
ほんの数秒
わすか数秒ほどで何メートルもの距離を詰め
彼女の左胸部に…その刀身を綺麗に突き立てた
「ぁ…ぇ……」
( ・∀・)「わおー…綺麗な人…」
そう言うソイツは片手で剣を刺したまま彼女の身体を弄る
身体を密着させると首筋に吸い付き
胸元を撫でるように弄り回し…優しく、ほぐす様にゆっくりと揉みしだく
「…っぁ……ぜぇ…………ぁ…」
( ・∀・)「うーん…柔らかい…下はどうかな…」
背中に回した手をゆっくりと下に降ろしていく
綺麗な曲線を描く腰を過ぎ、ズボンの裾に手を差し入れ進んでいく
その最奥で…指が止まる
- 51
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:48:18.48 ID:C9PJhCkB0
( ・∀・)「…あ、もう冷たいや…いらなーい」
そう吐き…文字通り彼女を捨てた
瞳孔が完全に開き…間違いなく死んでいる
…いや心臓を貫かれた時点で…既に
最後に…見えたのはそれだった…
(メメ Д ) 俺は………どうしてこうも……む…りょく…な………
そうして彼の意識も幕を閉じた
- 52
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:49:31.13 ID:C9PJhCkB0
事を済ませ満足したのかソイツは何か考え事を始めた
( ・∀・)「さて…と……」
( ・∀・)「あのじじい共を…どうやって釣るかな…剣もいいが…むしろ…」
そこでもう一度変化
( ・∀`)「そうだ!良い事思いつい……た…モナ」
(;・∀・)「!! ……く…しぶとい…まだ…抵抗するか…」
(;・∀`)「僕は…死にたく…ない…消えたくない…んだ…モナ」
「う…あああああああああああああああああああああああああ」
- 53
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:49:49.04 ID:C9PJhCkB0
※注意終了※
以上
※注意終了※
- 54
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:50:20.34 ID:C9PJhCkB0
「ギコも…しぃ…もへいのみんなも……ぜんぶ…あいつが…」
「つー!もう喋るな!」
「くーさま………きいてくださ…」
「なんだ…」
「わたし…は…うらんでなんか…ない…です」
「……! 何を言ってるんだ…」
「だって……わたしの…すきな…ひとは……」
「あなただけじゃ…ない…みんなを……すべてを……まもって…くれたんですよ」
- 55
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:51:01.23 ID:C9PJhCkB0
「………つー…」
「…だから…わたし…は」
「あの…ひとをすきで……よかったって……おも…て」
「あ……ぁ…」
「………ふ…さ…………く………」
「…つー?」
「…………………」
「ひ…ぃぁ…いや…だ」
「…………」
「うわああああああああああ」
- 56
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:52:01.98 ID:C9PJhCkB0
悲痛な声が木々を揺らす
俺は…かける言葉が見つからなくて目をそらした
(メ'A`)「あ………」
あれが…目に留まった
俺はそこに歩いた
( ・∀・)「うんうん…」
何か納得するように頷く
(♯゚∀゚)「…っ……そんなに…可笑しいか…!」
- 57
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:53:12.79 ID:C9PJhCkB0
その問いにモナーは
いや?と振り向くと泣いてるような声で言った
( ・∀・)「イイハナシダナー」
( ・∀・)「と思ってね」
(♯゚∀゚)「てめえは……」
それを…手に取る
ζ(゚Δ゚;ζ「…え…」
…やっぱり熱いや
(メ'A`)「接続…」
いつかと同じように湖には大きな波紋
- 58
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:54:53.98 ID:C9PJhCkB0
( ・∀・)「…ん?」
腕の先から自分を覆う様に水を纏う
(;゚∀゚)「お…おい…まさか…」
それはすぐに燃え上がる
川;-;)「…え…?」
抑えようと水を掛けて見たけれど、すぐ蒸発して…むしろ余計に燃え上がった
一度…モナーさんを目掛けてその剣を振った
猛る炎が溢れ出し、剣の軌跡を追うように…炎の鞭が敵を襲う
(;・∀・)「…む…!」
距離を取り、離れた
- 59
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:55:41.50 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)「逃がさない…」
それを追う
(♯゚∀゚)「馬鹿野郎!やめろおおおおおお!!!!」
ζ(゚Δ゚;ζ「だ…だめえええええええ!!!」
二人は必死に俺を止めようとしている
(♯゚∀゚)「くそっ!!あのジジイは何やってんだ!?」
追う間に…炎が眩しく燃え上がった
あんまりにも眩しくて思わずそれを掲げる
- 60
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:56:50.06 ID:C9PJhCkB0
光 溢れ
(;゚∀゚)「あ……な…」
ζ(゚Δ゚;ζ(……綺麗…)
川;゚ -゚) 「………」
( ・∀・)「美しい…」
誰もが数瞬、時を忘れた
光と…水が作る煌めく世界
まるでそこは澄んだ海の底の様に、光の線が揺らめき輝いた
( ・∀・)(まるで…太陽の………ん?)
- 61
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:57:39.72 ID:C9PJhCkB0
その中心で
(♯'A`)「許さない……」
考えられるのは一つだけ
『殺してやる』
(♯'A`)「う…おおおおおおおおおおあああああ!!!!」
雄叫び、駆け出す
( ・∀・)「……太陽…まさか……」
- 62
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:58:41.69 ID:C9PJhCkB0
迫る太陽
(;・∀・)「まさか…あれが……わ……」
(メ'A`)「うわああああああああ!!!!!!」
(;・∀・)「災いの…杖…?」
「レーヴァ…」
目の前にまで迫る敵に向けて、その輝く光を打ち下ろす
同時に閃光
水が蒸発していく
その生まれた水蒸気さえもすぐに光が消し去っていく
- 63
名前:鮨 :2007/01/17(水) 20:59:43.19 ID:C9PJhCkB0
(メ'A`)「…あ……」
手が…光に包まれていく
俺が…消えていく
いや…それは困る…だって俺はクーの側に居ないと…
俺が…守らないと…いけない………のに
- 64
名前:鮨 :2007/01/17(水) 21:00:39.72 ID:C9PJhCkB0
………
「クー……」
やがて、光は全身を包み………俺という存在を消し去った
「…………う」
やがて光が収まり始め目を開く
川;゚ -゚) 「あ…れ…?」
そこには空を覆う光の粉
(;゚∀゚)「…」
ゆっくりと天にまで昇った光が消えていく
ζ(゚Δ゚;ζ「あ…あ…」
その場に居た彼等の目に映るのは同じ景色
- 65
名前:鮨 :2007/01/17(水) 21:02:01.97 ID:C9PJhCkB0
焼き払われた大地
それ以外は何一つとして存在しない
陽炎がその周囲を歪ませながら地面に突き立つ
赤い…剣
『あの馬鹿と…同じ道を進んでしまいそうで……』
川;゚ -゚) 「………え?」
- 66
名前:鮨 :2007/01/17(水) 21:02:58.43 ID:C9PJhCkB0
あまりにも空虚な心
本当に…全てを失った
それを理解する事無く
ただ一言呟いた
「………ドクオ?」
- 67
名前:鮨 :2007/01/17(水) 21:04:31.70 ID:C9PJhCkB0
「…く…くそ…」
「う…うぅっ…」
そうして
その場に叫ぶ声は
「 」
いつまでも
いつまでも
「 」
止む事は無かった
- 68
名前:鮨 :2007/01/17(水) 21:05:43.63 ID:C9PJhCkB0
「――――――クオ!!!」
誰かが…俺を呼んで……
('A`)が異世界で出会うようです 『完』
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