- 3 :発破
◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水)
22:46:03.26 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「今日のご飯は肉じゃがだお〜♪」
(;^ω^)「あ、材料なんだか忘れたお・・・メモで確認だお!」
手に握っていたメモを広げようとした
その時、ぐっと胸が締め付けられた
(;^ω^)「!!」
僕は反射的に右へ一歩移動した、するとさっきまでいた場所に小指大の石が勢いよく飛んできたのだった。
(;^ω^)「な、なにするんだお!?」
石の飛んできたほうへ振り向くと、見慣れた数人がこちらへと罵声を飛ばしてきた
- 5 :発破
◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水)
22:47:15.30 ID:rY3ruzD30
- リーダー格<「後ろ向いたままよけるとか、お前キモイんだよ!」
チビ<「きんもー☆」
巨体<「ぬるぽぬるぽ!」
二人に <「ガッ!」
( ^ω^)「…プッ」
リーダー格<「笑ってんじゃねぇーよ!」
チビ<「笑ってるお前きんもー☆」
巨体<「ぬるぽぬるぽ!」
二人に <「ガッ!」
(;^ω^)「…(漫才に付き合ってる暇はないんだお、今のうちに逃げるお!)」
リーダー格<「あ!逃げんじゃねぇよてめぇー!」
チビ<「うはww逃げる姿はテラきんもー☆」
巨体<「ぬるぽぬるぽ!
二人 <「いいかげんにしなさい! ガッ!」
- 7 :発破
◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水)
22:48:35.18 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「な、何とか巻いたお・・・逃げ足だけは自信があるんだお」
(;^ω^)「いつもならもっと人数がいるけど今日は少なくて助かったお・・」
暗くなる前に僕はいつもの買い物道を急いだ
川に沿って行く道の周りは木々で覆われ木々の道を抜けるとつり橋がある
そこを渡ればすぐ街に着く
この時代、まだ整備されている道路は少なく砂利道や、地肌ガ見えているところが多かった
それは、まだ車というものが、普及しきっていないためでもあった
街灯すらも数本しかなく、夜道を照らすのは手元の明かりか月の光だけがたよりだった
どこまでも瓦屋根が続く町並みは、積み重なれた歴史の重みを感じさせた
- 9 :発破
◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水)
22:50:15.17 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「えーと、材料は牛肉と、ジャガイモとたまねぎにんじんかお」
しわくちゃになったメモを広げつり橋を渡った
そして着いた先は右から漢字で牛肉店と書かれた看板が目立つ肉専門の店
( ^ω^)「こんにちわだおー」
店の奥から出てきたのはにこやかな顔のおばちゃん
おばちゃん<「はーい、いらっしゃ・・・」
( ^ω^)「えっと・・・」
おばちゃん<「何か用かい!?用がないんならさっさと出てっておくれ!
あんたが店先にいちゃぁ来る客も来なくなるよ!」
先ほど見せた笑顔はひとかけらも無く、こちらに向けるそれは 不快 そのものだった
- 91 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/12(木) 01:20:41.14 ID:+ZrBVz3k0
- >>11の前も抜けてる・・orz
(;^ω^)「ぎゅ、牛のもも肉350gくださいお・・・」
おばちゃん<「・・・ほら520円!さっさとしなよ!」
550円を渡し、肉を受け取った
ちょうどそのとき客が来た
おばちゃん<「あ〜らいらっしゃーい」
今日も寒いわねーなどと話している
(;^ω^)「あの・・おつりお・・・」
おばちゃん<「あんたまだいたの!?30円くらいでけちけちするんじゃないわよ!
用が済んだんだからとっとと出て行っておくれ!」
(;^ω^)「…」
まったくやぁーねぇーなどと談笑する声が聞こえる中、僕は・・・店を出た
- 11 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:52:12.15 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「…」
どこへ行っても僕はこうだった
こんなことはいつものこと
いつものことで慣れているつもりだった
でも・・・・
(;^ω^)「なかなか、慣れれないものだお」
( ^ω^)「早く・・・帰えるお・・・おじさんも心配するし、お腹も減ったお」
帰り道を急ぐ足に力は入らなかった
- 12 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:53:18.97 ID:rY3ruzD30
- 川沿いの道を戻り木々を抜けた先、左手に見える少し大きめのお屋敷が僕の家だ
屋敷は20年位前に建て直したらしくあまり古臭さを感じさせはしなかった
門をくぐると正面にお屋敷、屋敷の裏には竹林があり、そのすぐ近くには蔵もある
蔵の近くにはいまどき珍しく井戸があり、いまだに冷水を張りきれいな水が飲めた
( ^ω^)「ショボンおじさん、ただいまだおー」
(´・ω・`)「おお、お帰りブーン」
この人はショボンおじさん、このお屋敷の主人であり、僕の親代わりだ
両親がいなくなってから、ずっと世話をしてくれている
- 13 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:54:13.22 ID:rY3ruzD30
- (´・ω・`)「それより買い物に行くだけだったのにずいぶん時間がかかったようだけど、なにかあったのかい?」
(;^ω^)「な、なんにもないお、ただちょっと材料がみつからなかっただけだお。」
(´・ω・`)「そうか・・・それならいいんだが。」
( ^ω^)「それに、何かあったとしても自分で解決できることは自分でするお、僕だってもう大人みたいなもんだお。」
(´・ω・`)「ふふ、ブーンも言うようになったなぁ、でもどうしてもだめなときは相談するんだぞ。」
(
( ^ω^)「わかったお、それじゃあ、ご飯作ってくるお、今日は肉じゃがだから期待するお!」
(´・ω・`)「ああ、期待しているとも。」
そして僕はショボンおじさんの部屋を後にして台所へ向かったのだった。
- 15 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:54:51.71 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「よーしがんばって作るお!」
( ^ω^)「まずはご飯を炊くお。」
台所に着いた僕はまず釜に米をいれ、手首がつかるくらいまで水を入れ、蓋をする
次は火を起こす作業、これがなかなかの曲者だった
(;^ω^)「ふーふー!」
薪と小枝を空気が通るように積み、合間に火をつけた紙をいれる
そして今僕がやっているように竹を使い空気を送り込むのだった。
(;^ω^)「ふー、何とかついたお、電気釜ほしいお・・・」
( ^ω^)「次は肉じゃがをつくるお」
材料(4人前)
・牛モモ肉(薄切り):200g ・ジャガイモ:3個
・玉ねぎ:1個
・サラダ油:大さじ2 ・にんじん:1本
・水:カップ2
・砂糖:大さじ5 ・酒:大さじ3 ・みりん:大さじ1
・醤油:大さじ4
( ^ω^)「これが材料だお!」
- 16 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:55:58.22 ID:rY3ruzD30
- ( ^ω^)「まずは牛肉を4〜5cm角に切るんだお」
( ^ω^)「次にジャガイモは2〜3つに切り、タマネギは大きめのくし形切りに、
ニンジンは小さめの乱切りにするんだお。」
(;^ω^)「タマネギが目にしみるお」
( ^ω^)「そしてお鍋のサラダ油を熱し、牛肉を炒めて、ジャガイモを加えて炒めるお。」
( ^ω^)「その時、お鍋全体に脂をひいておくんだお、なべの側面も忘れずにお。」
( ^ω^)「炒め終わったら水・調味料を加え、全体を混ぜあわせ、落とし蓋をして約一時間煮るお。
( ^ω^)「この時たまにあく抜きをすると良いと思うお」
( ^ω^)「最後にジャガイモが柔らかくなれば、器に盛って完成だお!」
食事が出来たことをショボンおじさんに伝え、僕たち二人は食卓へついた
- 19 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:58:11.42 ID:rY3ruzD30
- 台所へ向かうあの子の後姿を見送ってから、私は自分の書斎へと戻った
本と本棚で囲まれた書斎、その書斎の隅に置かれたデスクの椅子へと私は腰掛けた
山積みになった本がデスクの上にあるのを見て私は整理が下手だなぁと改めて実感した
その中から一冊、ひときわ小さな本を取り出すとパラパラとめくる。
古臭い本の匂いとともに一枚の写真がその本から出てきたのだった
その白黒な写真は3人で写った最後の写真で、残った最後の写真だった
だが、その写真は二人の顔を隠すかのように右上から斜めに焼け焦げていたのだった
焼けずに残っている一人が私だった。
- 20 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 22:59:23.83 ID:rY3ruzD30
- (´・ω・`)「早いものだな・・・君たちがいなくなってから17年もたつのか・・・」
(´・ω・`)「君たちの子供は元気に大きくなっているよ」
(´・ω・`)「何にでも真直ぐなところなんかはお前にそっくりだな」
(´・ω・`)「ただ・・・大変なのはここからなんだと思う」
(´・ω・`)「だけど、心配は要らない、あの子が一人前になるまでは私が面倒をみる」
(´・ω・`)「それが私の・・・・・いや、なんでもないさ」
私はいつからこんな独り言の多いヤツになってしまったのだろうか
(´・ω・`)「ふふ、らしくないな」
私は写真を本に戻すと椅子から腰を上げ引き出しからマッチを取り出した
ボゥッという音とともに私の口元にあるタバコへとマッチは赤い光をつけ加えた
その足で窓を開けると
澄み切った冷たい空気が部屋の埃くさい匂いを流していくのがわかる
私の吐く息とともに白煙が星空へと昇り霧散し、そして消えていく
(´・ω・`)「ほんと・・・らしくないな」
(´・ω・`)「なぁ・・・・内藤」
タバコの火が根元までたどり着いたとき、あの子が夕食の準備が出来たことを告げた。
- 21 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:00:23.31 ID:rY3ruzD30
- 僕の両親は僕が生まれた年に死んだと聞いている
相当な難産だったらしく、母さんは僕を生んで数日としないうちに亡くなり、
そして、その母さんの後を追うようにして、2ヵ月後に父も逝ってしまった、と。
もちろん生まれた年のことなど、覚えているはずも無く、僕が親の顔を知るはずも無かった
写真やらなにやらも、この屋敷を建て直したときにすべて処分してしまったらしい
今となっては、僕が両親の顔を知ることは出来ない
たとえ本当の親を知らなくても僕は寂しくなんてなかった
何も知らなかった僕を育ててくれたショボンおじさんを本当の親のように思っているから
- 22 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:01:20.15 ID:rY3ruzD30
- (´・ω・`)「ブーンも料理がうまくなったものだなぁ」
箸がジャガイモに突き刺さり口へと運ばれていく
二人で囲む食卓には肉じゃが、漬物、お味噌汁が並べられていた
( ^ω^)「そうかお?そう言ってもらえると嬉しいお」
(´・ω・`)「昔のブーンの作ったものとは大違いだな。ははは。」
(;^ω^)「それを言われると返す言葉がないお・・・」
(´・ω・`)「はははは」
(^ω^)「昔といえば、ショボンおじさんのまゆ毛、年々下がってるように見えるお」
(´・ω・`)「そうなんだよ!年々下がってきてるのだよ・・・昔はこ〜ぅつり上がってたのになぁ・・・」
( ^ω^)「冗談はよすお、似合わないおw」
(;´・ω・`)「冗談じゃないんだけどなぁ・・ははは」
( ^ω^)「あははは。」
やがてお皿は空になり食事が終わった
そして明日はショボンおじさんが当番だということを告げ
僕はベッドで目を閉じ,今日という日に幕を閉じた
- 23 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:02:12.53 ID:rY3ruzD30
- 朝起きるとすぐに、ショボンおじさんに町に住む親戚のおばさんに届け物を届けてほしいと頼まれたのだった
別に断る理由も無く、家の用事を済ませてから昼過ぎに家を出た。
肌寒さはあったが、空はどこまでも青く澄み切り、いい小春日和。
風が樹木を揺らし、"ざー"と曲を奏でる。
揺れる葉の隙間からちらちらと入る日差しの中、
落ち葉を踏みしめると、冬を間じかに感じることが出来るようで好きだった。
びゅーっと少し強い風が吹くつり橋を小走りで渡り、そのまま街に下りた。
郵便局の斜め向かいにあるおばさんの家、来るのは今日で3度目で最後に来たのは確か小学校のころだった
行くと必ず両手いっぱいのお菓子を貰ったっけなぁ
そんなことを思い出し長柄、僕は見覚えのある赤いドアの前に立って呼び鈴を押した
ジーーーーーーとベルが鳴りまもなくおばさんが出てきた
- 25 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:03:10.05 ID:rY3ruzD30
- おばさん「はーいどなた〜?」
( ^ω^)「お久しぶりだお、ブーンですお」
おばさん「あ、あら〜ひさしぶりねぇ、ところで何の用かしら?」
( ^ω^)「これをショボンおじさんに頼まれて持ってきたんだお」
おばさん「そ、そうなの・・・ありがとうね、おじさんによろしく言っておいてね。じゃあね」
( ^ω^)「あ・・・・」
バタン
ドアはすぐに閉められ鍵がかかった
期待してなかったといえば嘘になるけど
今日、おばさんの顔を見てわかってしまったんだ
さっき僕を見たときのあの引きつった顔
そこに昔のおばさんの優しい笑顔は面影すら無く
それは無理に作られた笑顔だった
(;^ω^)「我慢だお・・・きっといつかはわかってくれるお・・・」
いつか・・・そのいつかはいつ来るんだろう・・・
- 26 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:04:26.73 ID:rY3ruzD30
- 帰り道、まだそれほど遅い時間ではないはずなのに日は傾き軽く夕焼けみたいになっていた
昼に比べ一気に気温が下がったのかとても寒い
( ^ω^)「早く帰ってあったかいご飯でも食べるお」
家へ帰ろうと歩み始めたときだった
(;^ω^)「!?」
突然、胸が締め付けられたのだ
そしていつものようにヴィジョンが頭の中に映し出される
それは、僕に二つの石がぶつかるものだった。
今見えたものは少し先に起こることであり、そして実現することだ
これが、僕にある生まれついての力
先のことを予測する力
即座に足を踏み出し一歩半、左へと動く。
立っていた場所へボスンッと2度ほど音を立て,石は草むらの奥へと消えていった
- 27 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:05:15.37 ID:rY3ruzD30
- リーダー格「二つの石を同時に避けるとは、大きくなったな、小僧!」
チビ「またこっちも振り向きもせずに避けたぜぇ?きんもー☆」
巨体「ぬあqwせdrftgyふじこl」
いつもの3人組はは夕日を背にし、塀の上に仁王立ちで立っていた。
(;^ω^)「またお前たちかお・・・」
リーダ格「昨日は不覚にも逃げられたが今日は逃がさないぜ! とぅ!」
チビ「逃がさないぜぇ!ええい!」
巨体「るあqwせdrftgyふじこl」
3人が3人同時に塀から飛び降り一撃を繰り出してくる!
リーダー格が正面から正拳、チビが右斜め下段から足払い、巨体は勢いあまって着地に失敗。
そして巨体は派手に転がりながら仲間二人へと突っ込んでいった。
リーダー格「うおおおおおおおおおお!」
チビ「ぎゃあああああああああああ!」
巨体「ぽqwせdrftgyふじこl」
全てを"予測していた"ブーンはそれをたった半歩下がるだけで難なく避ける。
- 28 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:05:57.97 ID:rY3ruzD30
- 息も絶え絶え体もボロボロになりながらも立ち上がる3人
さっきは夕日の逆光で見えなかったのか、巨体の口にはなぜだか×印に絆創膏が張ってあった
( ^ω^)「(だから、変な言葉しか発してなかったのかお・・・それにしても変な顔だお)・・・・プッ」
リーダー格「くっそぉ・・・やりやがったなテメェ!」
チビ「また"力"かよ!きんもー☆」
(;^ω^)「僕はただ避けただけだお・・・」
リーダー格「口答えすんじゃねぇ!・・・まあ、とりあえず、」
チビ「そうっすね、とりあえず、」
二人「縦読みでもばればれなんだよ! ガッ!」
( ^ω^)「(あ、本当だ・・・気づかなかったお・・・)」
- 29 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:06:54.03 ID:rY3ruzD30
- リーダー格「ふん!いい気になっていられるのはここまでだ!そろそろ本気を出させてもらうぜ!」
チビ「オヤビン、・・・アレを使うんですね・・・」
オヤビン「オヤビンじゃねぇ!番町だ!」
チビ「へい!オヤビン!」
オヤビン「・・・・」
そんなオヤビンの肩をトントンと巨体は叩く
オヤビン「ん?どうした?」
巨体「オ・ヤ・ビ・ン☆」
オヤビン「テメェは寝てろぉぉおお!」
言うと同時に繰り出された裏拳は吸い込まれるように顎へと叩きこまれ、ウィンクをしていた巨体は吹っ飛んで光り輝く星になった
(;^ω^)「・・・(帰っていいかお・・・?)」
- 31 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:07:50.35 ID:rY3ruzD30
- オヤビン「ま、またせたな・・・」
(;^ω^)「・・・・」
オヤビン「後悔しても遅いぜ!使うぜ最終兵器!準備はいいか野郎共!」
チビ「がってん!」
巨体「ぬるぽ!」
( ^ω^)「(あ、戻ってきてる・・・)」
パチン!
オヤビンが指を鳴らすのと同時に3人が叫ぶ!
3人「出番ですよ!せんとういんのみなさぁ〜ん☆」
(;^ω^)「・・・(人任せかお・・・)」
合図と同時にパンストと全身タイツを身につけた人々が一斉に現れた
戦闘員「キー!」
いつから待っていたのかは知らないが、キーキーといいながら周りの家の塀に上っている戦闘員たち
こちらを囲むように陣取る戦闘員たちは総勢20人前後
だが、明らかに背が小さい、子供だろうか
(;^ω^)「(こんなことに巻き込まれてなんだかかわいそうだお・・・)」
- 33 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:09:50.76 ID:rY3ruzD30
- オヤビン「ははは!どうだ!この数の力の前にひれ伏すがいい!」
チビ「これなら本気の犬にだって勝てるよ!オヤビン!」
巨体「一人20円で、全部で400円くらいで手伝わせたんですよね」
オヤビン「仕方ないだろ俺だってもらえる小遣いが・・・って余計なこと言わすな!」
実際、この数はやばい、たとえ軌道、落ちる場所がわかっていても体がどこまで反応出来るかわからなかった
長引けば長引くほど不利になる
- 35 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:10:40.42 ID:rY3ruzD30
- オヤビン「まあいい、では、決着といこう!砲撃用意!!」
(;^ω^)「・・・(やばいお・・・)」
チビ「冥土の土産に」
巨体「教えてあげる!」
オヤビン「俺たちは!」
オヤビン&チビ&巨体「ヤマト砲発射!!!」(カットイン(ぇ
発射の咆哮とともに数十の石が空中に弧を描き、または一直線へとまるで矢のようにこちらへと放たれ
リズム感無く石が地面へと刺さる音が続く
多少バラケはするもののそのほとんどが一点集中なのが幸いして、避けることは案外簡単なものだった
何度か避わすうちにだんだんと石の速度にも目が慣れてきた
(;^ω^)「これならイケルかもしれないお!」
そう思ったのも束の間だった、出遅れた利き足へと、一つの石が叩くような音を立てて直撃した
(;^ω^)「ぐほっ!」
抉るような足の痛みとともに体がガクンとバランスを崩し顔面から地面へと叩きつけられる
早く・・・立たなければ・・・!
- 36 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:11:36.19 ID:rY3ruzD30
- そう、思ったときだった
フッ、と、目の前を白い何かが塞いだ
白服「ちょっと!あんたたちやめなさいよ!!たった一人に寄ってたかって何やってるのよ!?」
倒れている僕の眼前に両手を広げ、僕を庇うように立ちふさがる白い服の女の子がいた
不思議だった・・・この町に僕を庇う人なんていないはずなのに・・・
チビ「オヤビン、なんだか見慣れない奴が出てきましたよ?」
オヤビン「・・・・・」
チビ「オヤビン?
オヤビン「・・・・・・・好きだ・・」
ちび&巨体「え?!」
オヤビン「だいすきだぁあああああああああ!!!」
トントンとオヤビンの肩を巨体がたたき、そして目の前で人差し指を降り始めた
巨体「チッチッチッ、俺に惚れちゃぁ火傷するぜ」
オヤビン「もういっぺん寝てろぉぉぉぉおお!!!」
即座に打ち込まれたアッパーは顎へと向かい、彼は2度目の宇宙(ソラ)への打ち上げに成功した
そして打ち上げた本人も倒れたのだった
チビ「オ、オヤビン!大丈夫すっか?!」
オヤビン「ウフフ、ウフフフフーだぁーいすぅきぃだぁ〜」
チビ「なんて顔してんだ、鼻の下伸びすぎできんもー☆、・・・じゃなくて、てめぇ!よくもやったな!」
そう女の子に向かって叫ぶ
- 37 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:12:21.09 ID:rY3ruzD30
- 白い「ちょ、ちょっと!私まだ何もしてないわよ!!」
チビ「オヤビンはオヤb―――――・・・・・・
あれ?なんだ?
音が、声が、だんだんと聞きづらくなってきた
消えていく・・・
耳がおかしくなったのかな・・・?
いや・・・ちがう・・・
ドクン
唐突に胸が締め付けられた
もはや、外界からの音はまったく聞こえず、ただ自分の鼓動だけが鮮明に聞こえるだけとなった
まるで自分だけ、別の世界から見ているような感覚
- 38 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:13:11.39 ID:rY3ruzD30
ドクン
いつもの様に、いつもなら見えていた"先"が見えてこない
でも何だろう・・・僕は何で知っているんだろう・・・
ドクン!
胸が更に締め付けられる
何故かはわからない、ただ、やらなくちゃいけないことがある
早く・・・早く動かないと!
動こうと足に力を入れようにも利き足にまるで感覚がなかった
でも、あきらめずに更に力を入れ続ける
ドクンドクンドクン!!
胸が悲鳴を上げ、足が張り裂けるそうなほどに痛い
それでもなお、僕は立ち上がる
しかし足は限界を超え、支えきれずまた倒れていく
倒れていく中、かまわず僕は、渾身の力を込めて手を伸ばした
- 39 :発破 ◆5pCOxSa0Ak :2006/01/11(水) 23:14:04.37 ID:rY3ruzD30
(;^ω^)「ツンっ!!!!」
白い女の子「ぇ?――きゃっ!」
彼女を突き飛ばした直後、頭に衝撃が走り、鈍い痛みが頭から足へと突き抜けていく
(;^ω^)「うがぁ!」
体は、また地へとたたき伏せられ
呼吸も出来ないほどの激痛が体を走り
考える暇も無く視界はどんどんと白くかすれていった
痛みと白に包まれながら
僕は意識を失った