- 24
名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:56:06.03 ID:8aCSzAlTO
- 海から吹く風に掻き消されて、ブーンは聞き取ることができなかった。
ただ、死ぬことも恐れないで笑うツンを見て、ブーン自身も笑ってしまった。
★
クーが散歩に出てしばらく。
海から上がったまたんきが、リュックを持って皆を呼んだ。
(・∀ ・)「みんなー!花火やろー!」
(*゚∀゚)「今昼間なのに?」
(・∀ ・)「夜は雨が降るみたいなんだー」
がさごそと、またんきは花火を取り出していく。
(・∀ ・)「去年のだから点くかわかんないんだけど」
( ´∀`)「とりあえずやってみるモナー」
- 25
名前:ねぎ :2007/01/03(水) 13:57:49.04 ID:8aCSzAlTO
- またんきからライターを受け取って、各自花火に点火していく。
やはり湿気っているのか、花火が点く様子はない。
(*゚∀゚)「つかないなぁ」
(=゚ω゚)ノ「そうだなぃょぅ」
離れて打ち上げ用の花火を試しているぃょぅとつーがそう話す。
諦め気味に、そのあとも何度か試してみたが、やはりつかない。
(=゚ω゚)ノ「やっぱりつかなぃょぅ」
(*゚∀゚)「駄目だな」
立ち上がってまたんき達に報告する二人。
だがその時、くすぶっている導火線が、ゆっくりと燃えだしていた。
(*゚∀゚)「あれ?点いた?」
(=゚ω゚)ノ「ぃょぅ?」
気付いたつーの言葉に、振り返るぃょぅ。
- 26
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:01:20.82 ID:8aCSzAlTO
- 離れようとしたぃょぅの足が、打ち上げ花火を固定していた砂を崩す。
花火は、段々と態勢を倒し、またんきがいる方向に……
そして
パンッ
ドサッと、またんきが砂浜に倒れた。
(;´∀`)「あ……あぁ……」
またんきに近寄るものの、何が起こったのかわからず、モナーはただ震えている。
(;=゚ω゚)ノ「……」
(;*゚∀゚)「……」
突然の出来事に、呆然とするぃょぅとつー。
川;゚ -゚)「何があった!?」
花火の音を聞きつけて、クーが戻ってきた。
川;゚ -゚)「ま、またんき……?」
- 27
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:02:43.40 ID:8aCSzAlTO
- 目に飛び込んできたのは、全身に火傷を負った痛々しいまたんきの姿だった。
ξ;゚听)ξ「……」
(;^ω^)「……」
クーを追ってきたツンとブーンも、これには冷静さを保ってはいられなかった。
ξ;゚听)ξ「病院……病院に!」
ツンが叫ぶ。
「無理よ」
突然、誰かの声がした。
ξ゚听)ξ「あなたは……カーチャンさん」
J( 'ー`)し「そんな重度の火傷、小さな島の診療所で治せると思って?」
ξ゚听)ξ「じゃあ本島まで運びます。ブーン、船あったわよね」
(;^ω^)「あるけど、しばらく乗ってないから動くかどうかわからんお……」
八方塞がりなのか。
- 29
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:10:50.14 ID:8aCSzAlTO
- 皆は手をこまねいているしかなかった。
(;´∀`)「またんき……またんき……モナぁぁぁぁぁ」
小さく息をしていたまたんきが、動かなくなった。
モナーは泣きながら、またんきの亡骸を揺する。
J( 'ー`)し「貞子の呪いがまた始まったんだわ」
ξ゚听)ξ「違う。フラグよ。フラグが一連の動作を仕掛けているの」
川#゚ -゚)「そんなことどっちでもいい。人が、人が死んだんだぞ……!!」
カーチャンとツンを、クーが一喝する。
(;=゚ω゚)ノ「あんた達、何を知っているんだぃょぅ……?」
ぃょぅが訊いた。
- 30
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:12:03.85 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「数年前、貞子という少女の自殺をきっかけに、同じ日に四人の人間が死んだの」
ξ#゚听)ξ「私達には教えなかったくせに……!!」
J( 'ー`)し「各地で同じようなことが起きてるなんて話、信じられなかったもの」
( ^ω^)「でももう、現に起きてしまったお」
経験者は語るといったところだろうか。
この三人は、死体を見ても話し続けている。
(;=゚ω゚)ノ「つまりは、怪奇現象のせいでまたんきは死んだってことかぃょぅ?」
間接的とはいえ、自分のしたことが原因になったのではないかと、ぃょぅは自責の念に駆られていた。
- 31
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:16:12.60 ID:8aCSzAlTO
- J( 'ー`)し「貞子のことが知りたいなら、私の家に行きましょう。
そこの二人も、詳しいことを話してくれるといいけど」
ξ゚听)ξ「当たり前よ」
( ´∀`)「そんなの信じないモナ!!」
突然叫んだモナーに、皆呆気に取られている。
( ´∀`)「そんなことが知れたら、観光開発が台無しモナ……パパが悲しむモナ……」
ふらふらと、モナーは歩きだす。
川;゚ -゚)「待てモナー、どこに行くんだ?」
( ´∀`)「別荘に帰るモナ。三日間過ごして何にもないって証明するモナ」
力なくそう言って、モナーは行ってしまった。
- 32
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:17:21.10 ID:8aCSzAlTO
- (*゚∀゚)「オレは行く。その話、聞かせてくれ」
つーが言う。
そして、ぃょぅの肩をぽんと叩いて、
(*゚∀゚)「ぃょぅのせいじゃないぜ」
そう言って、笑ってみせた。
(=゚ω゚)ノ「……俺も行くぃょぅ」
川 ゚ -゚)「私は……」
クーは躊躇う。
ツンとブーンがこちらを見ているのに気がついた。
川 ゚ -゚)「私は、モナーが心配だ。何にしろ一人にするのは危険だ」
J( 'ー`)し「そう。だったら、暇なら海岸線の道路を辿って民宿を探して。そこにいるから」
カーチャンが歩きだすと、ぃょぅ達もそれについていくように歩きだした。
クーもモナーを追って行ってしまった。
- 33
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:23:31.21 ID:8aCSzAlTO
- ( ^ω^)「あの子、大丈夫かお……」
ξ゚听)ξ「フラグが働いている内は無事のはずよ。
私もブーンも、雪崩に巻き込まれたって生きてたんだから」
ツンは、チラッとまたんきの遺体を見た。
ξ゚听)ξ「薄情者ね。友達がこんななのに、置いてくなんて」
( ^ω^)「みんな変わってしまうんだお」
ブーンは、またんきを抱え上げた。
( ^ω^)「潮風に晒したままは可哀想だお……」
ξ゚听)ξ「ブーン……」
ツンとブーンは、カーチャン達を追った。
★
川;゚ -゚)「おかしい……」
どれだけ走っても、モナーに追いつけない。
- 34
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:24:42.77 ID:8aCSzAlTO
- これがフラグなのか。
それとも呪いというやつなのだろうか。
川;゚ -゚)「そんなもの……」
信じない。
そう言いたいはずなのに。
川;゚ -゚)「はぁ……はぁ……モナー!!」
やっとモナーを見つけたと思った時には、もう別荘の前に来てしまっていた。
クーは大声でモナーを呼ぶ。
だがモナーは、まるでその声が聞こえなかったかのように、中に入っていってしまう。
クーはドアノブに手をかけた。
川;゚ -゚)「開かない……モナー、鍵を開けろ!モナー!」
返事はない。
川;゚ -゚)「くっ……!」
クーは裏に回ろうと庭に向かう。
- 36
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:33:01.62 ID:8aCSzAlTO
- 途中、窓から廊下を歩くモナーが見えた。
川;゚ -゚)「モナー!」
窓を叩く。
しかしモナーはそれを無視する。
川;゚ -゚)「……くっ、うぅ」
クーは、掌ほどの石を両手で掴んだ。
川 ゚ -゚)「これなら……」
そう言って、その石を窓に向け放り投げる。
石は窓に当たった。
だが……
川;゚ -゚)「なぜだ……」
窓ガラスはビクともしない。
防犯用のガラスというわけでもないのに、ひびすら入らず石を跳ね返す。
「もなああああ!!」
モナーの叫び声だ。
川;゚ -゚)「モナー!?」
窓から覗くと、尻餅をついたモナーが後退りしている。
- 37
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:33:56.07 ID:8aCSzAlTO
- まるで何かに怯え、それから逃げようとしているかのように。
(;´∀`)「来るなモナー、お前なんか信じないモナー!」
川;゚ -゚)「なんだ……」
窓から見える範囲からモナーが消える。
そして……
川 д 川「……」
川;゚ -゚)「!?」
モナーが何から逃げようとしているのかわかった。
一瞬で、あれがこの世のものでないとわかる。
「もな……もなああああああああああああああああああああ!!!!!!」
壮絶な悲鳴の後、モナーの声は一切聞こえなくなった。
- 38
名前:こねぎ :2007/01/03(水) 14:35:08.79 ID:8aCSzAlTO
- しんと辺りが静まり返る。
その時
※グロ注意
http://imepita.jp/20070101/728000
映画・貞子の例の目の画像です、怖くて保存してません
「ヒィッ!!」
窓に密着して、それはこちらを見下ろしてくる。
クーは恐怖に背筋が凍り、この場から逃げようと、竦む足を必死に言い聞かせて別荘を飛び出した。