57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:27:50.95 ID:nId1PqMCO
( ^ω^)ノシ「おーいドックーン」

('A`)「きめぇ」

川 ゚ -゚)「きめぇ」

ξ゚听)ξ「クー!つー!元気だった!?ショボンくんも!」

(*゚∀゚)「おうよ!」

(´・ω・)「みなさんおひさしぶr( ゚∀゚)「おーう!!ショボじゃねぇか!!野球頑張ってるか!?ショートがどれだか分かる様になったか!?」




60 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:30:26.94 ID:nId1PqMCO
****

穂垂村の入口…かつて入口だった場所。
僕らは1ヶ月ぶりに再会した。

そこは以前のような貧相なものでは無くて。
62 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:32:07.90 ID:nId1PqMCO

…数年前、併合された小中学校に通う生徒が2桁を切った年、
村長が村にスーツの大人を連れて来た。


『こ…ままでは村は……ムにする事で…下流の都市……人々の安ぜ…洪水を防……補償は国の…』


大人たちの表情が変わっていった。



64 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:32:31.90 ID:nId1PqMCO

村を出なければならない事を僕らが知ったのは
たった1年前だった。

工事が着工されてからは本当に驚く程速くて、
気が付くと村は巨大なコンクリートに見下ろされていた。

66 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:34:24.53 ID:nId1PqMCO

****

(*゚∀゚)「にしても、ブーンにしちゃグッドアイディアじゃんか!」

(*^ω^)「おっおっ。ジョルジュが理系の大学に進んだおかげだお」

( ゚∀゚)「そだな」

70 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:37:30.75 ID:nId1PqMCO
川 ゚ -゚)「みんな今日の為に必死に働いて貯金したろう?アイディアはブーンでも、我々だから実現出来た事さ」

(*^ω^)「おっおっ」

ξ゚听)ξ「えーと、私達が校舎で、クー達が体育館とその周辺…」

(*゚∀゚)「あたいらが民家だわね!」

( ゚∀゚)「ぬかりねぇな?…じゃあギコ達がいる裏山の山頂まで急ごうぜ!」



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:37:58.72 ID:nId1PqMCO

―夕暮れが近い

―梢が揺れ

―山は黒く

―友の顔は赤く染まる

―いくつかのセミが死に

―代わりに鈴虫が羽を擦る

―下校路を、今日は、逆に走る

74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:40:09.45 ID:nId1PqMCO

(*゚∀゚)「ヤバいよ!あんま暗くなると…」

川 ゚ -゚)「ツン、まだ走れるか!?」

ξ;゚听)ξ「ハアハア…うんっ」

76 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:41:52.40 ID:nId1PqMCO

―見慣れた道

―見慣れた校舎

―見慣れた家

―見慣れた村

―思い出を、走り抜ける。

78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:43:09.59 ID:nId1PqMCO

(´うω;)「……うっ」

( ゚∀゚)「泣くんじゃねぇ!!男だろ!」

( ^ω^)「そうだお!笑ってばいばいするんだお!!」

(うω・´)「…は、はいっ!」

(*゚∀゚)(・・・・)


80 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:44:22.23 ID:nId1PqMCO
****

ポツポツ

(*゚ー゚)「ギコくん!」

(,,゚Д゚)「よっしゃ!予報通りだっ。しぃ、冷えるから車行ってろ」

(*゚д゚)「いやだっ」

(,,゚Д゚)「だよな」

(*゚ー゚)「だよ」


83 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:49:03.07 ID:nId1PqMCO
****

ポツポツ
シトシト タパタパ

ザーーーーーーーーーッ

( ^ω^)「降ってきたお!足元どろんこだから気をつけろお!」

ξ*゚听)ξ「う…うん!」

ズルッ
(*;゚∀゚)「うわぁっ!」

(´・ω・)「お姉ちゃん!つかまって!」
グッ
(*゚∀゚)(・・・・・)



84 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:50:04.63 ID:nId1PqMCO

( ゚∀゚)「山頂っ見えたぞっ!」
( ゚∀゚)ノシ「ぅおーーいっ!」

(*゚ー゚)ノシ「ジョルジュくーん!みんなビチョビチョだねー」

川 ゚ -゚)「これで一安心…か」

('A`;)「ゼエゼエ」

88 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:51:11.05 ID:nId1PqMCO
****

昼間の空は顔を変えて

穂垂村に雨を降らせた。

コンクリートに覆われ
水捌けを失った村

まだ水位が低いとはいえ
その風貌は正に
`ダム'のそれだった。

91 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 10:55:42.90 ID:nId1PqMCO
****

ザーーーーーーーーッ
ビタ ビタ ビタ

( ゚∀゚)「一人でも防水ミスってたら死ぬかもしれない」
(,,゚Д゚)「おうよ」

ザーーーーーー…

( ゚∀゚)「仲間を信じるってか?」
(,,゚Д゚)「死んだらそのまま村に沈めてくれや」
(*゚д゚)「断るっ」

96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:02:33.58 ID:nId1PqMCO
****

ザーーーーーーーーッ
ビタ ビタ ビタ

( ゚∀゚)「一人でも防水ミスってたら死ぬかもしれない」
(,,゚Д゚)「おうよ」

ザーーーーーー…

( ゚∀゚)「仲間を信じるってか?」
(,,゚Д゚)「死んだらそのまま村に沈めてくれや」
(*゚д゚)「断るっ」

100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:13:52.87 ID:nId1PqMCO
ビタ ビタ ビタ

( ゚∀゚)「ゴム手おK?」
(,,゚Д゚)「おK」

( ゚∀゚)「いくぜっ」
(,,゚Д゚)「おK」




101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:14:26.52 ID:nId1PqMCO






ザーザーザー
ビタビタビタビタ
ザーーーーーーーーッ








( ゚∀゚)o彡 GO!!
103 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:15:41.07 ID:nId1PqMCO

ガチッ


ブブブブ バチッ!


ビブッ!



ξ゚听)ξ「つか…ない?」

(;^ω^)「…だめかお」



104 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:16:26.81 ID:nId1PqMCO

('A`)「!!」
('A`;)「クソッ!」
ダッ
川; ゚ -゚)「ドクオ!?」
ダッ

(;゚∀゚)「体育館側の配線が断線してるんだっ。全てあそこを経由しているから…」



105 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:16:57.88 ID:nId1PqMCO

('A`;)「ギコ!スイッチ切るんじゃねえぞ!今切ったら次動くかわかんねぇ!!」

(,,゚Д゚)「たりめぇだ!お前の死体はクーちゃんに任せる!!」

川;゚ -゚)「ふざけるな!くっ、それ貸せっ!…ドクオっ、待てーっ!」




106 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:26:29.35 ID:nId1PqMCO
****

('A`#)「うおぁおあぉっ!!」

学校の裏山の山頂から、道なき道をかけおりる。
今さら樹枝なんて気にしてられない。

もう3回転んだんだ。

暗くて血が出てるかどうかもわからない
108 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:30:56.26 ID:nId1PqMCO
――体育館裏――

('A`#)「ハアッ ハアッ チクショウ!やっぱ切れてやがる」

('A`;)「銅線がささくれてるな…うかつに触るとゴム手破れるかも…」

('A`メ)「断面を重ねて踏んづければ…角度がよきゃくっつくかもな…」

('A`#)「・・・SEIYUイチキュッパの『ゴム底運動靴』舐めんなよ」

('A`#)「うりゃああああ(#)'A`)あべしっ

110 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:34:39.50 ID:nId1PqMCO

川#゚ -゚)「アホか君は!!」

(#)'A`)「く…クー。…だってよぅ」

川メ゚ -゚)「君の靴が1200円な事もゴム靴底が裂けている事も知っている」

(*'A`)「だっ…ばっか……じゃっじゃあ…どぅすんらよ!」
112 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:36:51.06 ID:nId1PqMCO
****
ザーーーーーーーーーッ
シト シト シト

ξ゚听)ξ「大丈夫かな…」

(;^ω^)「大丈夫だお」

ξ゚听)ξ「水…溜まってきたね…」

(,,゚Д゚)「・・・・。」







113 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:38:48.03 ID:nId1PqMCO
****

川メ゚ -゚)「ここはどこだ?」

('A`)「体育館…部室の…裏?」

川メ゚ -゚)「私と君は何の為に小手を使っている?」

('A`)「手を痛くしない為?」
グッ
川#゚ -゚)「上出来だ!!貸せっ」






116 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:51:05.39 ID:nId1PqMCO
****

―――ボゥ


(*゚∀゚)「ん?」


(*゚∀゚)「…今、光った?」


117 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:51:51.65 ID:nId1PqMCO

( ^ω^)「おっ?僕は何も見えn―――


バッ


( ゚ω゚)「――――!」


120 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:56:06.05 ID:nId1PqMCO
バババパパッ


(*゚∀゚)「光った!…村がっ!…穂垂がっ!…またっ!」

ババッ


ξ゚听)ξ「やった!ブーンっ、見てっ!!やったよ!!!!」

( ゚ω゚)「おっ……」

( ゚∀゚)o彡「っしゃあぁあぁっ!!ショボ、見とけっこれがお前の故郷だ!」

(´;ω;)「うわぁぁぁんっお姉ちゃんと―僕の家が……見えるよ…



121 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:57:09.87 ID:nId1PqMCO
****

パッ

川メ゚ -゚)「今のが…最後の一つか…」

('A`メ)「あとは順々に、消えてくんだよな…」



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:57:39.88 ID:nId1PqMCO
川メ゚ -゚)「・・・・」

('A`メ)「・・・・」
('A`メ)「あのな、クー」

川メ;゚ -゚)「な、なんだ!?あああ改まって…」

('A`メ)「俺来月からタイに行く事になったんだ。トーチャンが飛ばされてなぁ」


124 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 11:58:54.91 ID:nId1PqMCO
川メ;゚ -゚)「…あ……う…だ……ドクオ、なら、大丈夫じゃない、か?変態で、ロリコンで、不細工だけど、ホラ結構図々しいところあるし…」

('A`;)「予想通りのリアクション乙w」

川メ;゚ -゚)「いや、あの」

('A`メ)「んでな、俺、アッチで大学行くつもりなんだ。そんで4年したら帰ってくる。」

('A`メ)「―――だから、だからな、帰ってきたら、川メ゚ -゚)「それは帰って来た時に聞こう」


川メ゚ -゚)「今は、私たちの故郷を…故郷の穂垂(ホタル)の最期を…ドクオ、…君と一緒に見ていたいんだ」


126 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:00:34.60 ID:nId1PqMCO

****

――それは、水面に浮かぶように



(*゚∀゚)「ショボ、彼女できたらねーちゃんに言うんだぞ」

(´・ω・)「なにさとつぜん」

(*゚∀゚)「…あんたはいい男になる。きっとだよ…」

(´・ω・)「………うん」

128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:01:24.88 ID:nId1PqMCO

――それは、命燃やして輝くように



(,,゚Д゚)「次はお前が『老衰で死ぬ』約束守るんだぞ」

(*゚д゚)「了解っ」

(,,゚Д゚)「…真似すんなって」




129 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:01:54.05 ID:nId1PqMCO

――それは、世界に別れを告げているように

( ゚ω゚)「おっ…もう…消えちゃうのかお…」

( ;ω;)「消えちゃったら、…僕たち、また…離ればなれ、に……」


131 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:05:11.41 ID:nId1PqMCO

――それは、僕らを繋ぐように



( ゚∀゚)「…消えねぇさ。」
( ;ω;)「おっ………」

( ゚∀゚)「…分かってんだろ?ホタルは消えねぇさ」
( ;ω;)「…うんっ!うんっ!」




132 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:06:44.72 ID:nId1PqMCO


――その光は・・・・。


――水面に浮かぶ、その光まるで・・・・

134 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:07:14.37 ID:nId1PqMCO


ξ゚听)ξ「……ありがと。」







―――( ^ω^)達ともう見ることができないホタルのようです






135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/10/14(日) 12:08:01.74 ID:nId1PqMCO


「いくぜっ!」

「せーーのっ!!!」



          *
オラァッッ!    * * *
( ゚∀゚)ノシ彡* * * * *
         * *
           * *



ボチャン ボチャン







*―おわり―* ...((*

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