- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:29:11.77 ID:brX2hqXU0
- 第七話 流れ星みつけた
( ∵)(耳が… ない?)
(,,゚Д゚)「おいフサ! 今は食事の時間だぞ! いい加減にするんだ!」
ミ,,゚Д゚彡「これを見てもまだレジスタンスと同盟を組みたいなどというか!!」
(,,゚Д゚)「…」
(,,゚Д゚)「分かった… だから静まってくれ、弟よ」
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:29:58.82 ID:brX2hqXU0
- ミ,,゚Д゚彡「ふん」
男は、後ろを向いてターバンを巻きながら部屋を出て行った。
残ったのは、静寂だけ。
だと思ったけど、少しの時間とともに、また賑やかさは戻った。
( ∵)「ギコ、あの人は?」
(,,゚Д゚)「フサ。俺の弟なんだ。 ちょっと… 気難しいところがあってね」
( ∵)「ぼくと正反対だね!」
(,,゚Д゚)「ああ、そうだなっ……」
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:30:37.25 ID:brX2hqXU0
- (*゚ー゚)「ねえあなた、今の話…」
(,,゚Д゚)「レジスタンスとの同盟を組むのは、本当の話に… なりそうかはまだ分からない」
(,,゚Д゚)「ホバーボートの返還を、条件として出しているんだが」
(,,゚Д゚)「もう義賊盗賊家業も限界だ。 レジスタンスの連中と、VIPとやらを成敗するほうがずっとご先祖様も喜んでくれるさ」
(*゚ー゚)「ええ、それはそうだけど…」
(,,゚Д゚)「猫耳族に対してあいつらは差別意識は持っていないんだ。 それをフサを分からせねば……」
( ∵)「…」
( ∵)「むずかしいはなしは、よくわからないや」
だから僕も部屋を出ることにした。 きっと今頃、空には綺麗な夜空が写っているはず。
流れ星を、捜さなくちゃ。
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:31:56.34 ID:brX2hqXU0
- ※ ※ ※
外に出てみたら、砂漠から突き出た大石に、フサが座り込んでいた。
僕はフサと話をしてみたかったから、隣に身体をうずめる。
ミ,,゚Д゚彡「…」
( ∵)「…」
ミ,,゚Д゚彡「!? なんだ、お前」
( ∵)「僕は僕だよ」
ミ,,゚Д゚彡「ああ… 兄貴が連れてきたっていう、喋るサボテンか」
ミ,,゚Д゚彡「さっきは見苦しいところを見せてしまったな」
( ∵)「みぐるしいとか、よくわからない」
( ∵)「だから、大丈夫だよ」
ミ,,゚Д゚彡「ケッ、ありがとよ」
粗暴な感じがするけど、僕はなんとなく分かった。
この人は実は、優しい心の持ち主だってこと。
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:32:58.53 ID:brX2hqXU0
- ┌| ∵|┘「…」
黒い空の海には、色んな星が色んな形を作っていて、それが限りなく広がってて、
僕は地球って丸いんだなあ ってことを実感する。
( ∵)「…」
( ∵)「ねえ、なんでフサには耳がないの?」
ミ,,゚Д゚彡「ケッ、はっきり聞きやがるなガキ」
ミ,,゚Д゚彡「人間にもがれたんだよ」
( ∵)「どうして?」
ミ,,゚Д゚彡「俺達が嫌いだからさ」
( ∵)「どうして」
ミ,,゚Д゚彡「うるせぇな、少しは自分で考えやがれ!」
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:33:36.53 ID:brX2hqXU0
- ミ,,゚Д゚彡「いいか、俺達は猫と人間が混じったような存在だ」
ミ,,゚Д゚彡「だから、”ちゃんとした人間”の輪に入るには、俺達も”ちゃんとした人間”にならなきゃいけねえ」
( ∵)「どういうこと?」
ミ,,゚Д゚彡「物分りが悪いな。 だから、長い耳と、この尻尾を、ちょんぎらなきゃいけねぇのさ」
( ∵)「痛いよ、怖いよ、イヤだよ 多分」
ミ,,゚Д゚彡「ああ。そうだな。そんなことしなくても、人間と猫耳族が暮らせればいいのにな」
ミ,,゚Д゚彡「…って俺も前までは思ってたさ」
ギコが、石を砂の池に放り込んだ。 石は、波状を広げさせずに、砂塵へと沈んだ。
ミ,,゚Д゚彡「…ニンゲンなんか、大嫌いだぜ」
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:34:12.41 ID:brX2hqXU0
- ( ∵)「僕は大好きだよ」
ミ,,゚Д゚彡「ふん、言ってろよ」
( ∵)「ツンっていう友達がいるんだ。とても美人なんだよ」
ミ,,゚Д゚彡「ニンゲンの女になんか興味ねえよ」
( ∵)「それでね… あっ」
いまごろ、ツン、何してるんだろう……?
( ∵)「……」
( ∵)「どうしよう」
ミ,,゚Д゚彡「何がだ?」
( ∵)「なんでもないよ」
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:36:33.73 ID:brX2hqXU0
- ミ,,゚Д゚彡「サボテンのくせに秘密事すんのか」
( ∵)「巧く言い表せないんだ」
ミ,,゚Д゚彡「…ま、いいよ」
( ∵)「さて、流れ星を探さなきゃ」
ミ,,゚Д゚彡(星… 蒼い星… 俺達に強い命を与えてくれた蒼い星)
ミ,,゚Д゚彡(でも… その星が舞い降りてこなきゃ… こんな辛い目に合わなくて済んだんだぜ
いつまでも、ノンキにただの猫の生活を過ごせてたんだぜ)
ミ,,゚Д゚彡(サボテン、お前の身にもいつか辛いことが起こるのだろうな)
ミ,,゚Д゚彡(生きる ということはそういうことだ…)
( ∵)「うーん。 見つからないなあ」
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/05/31(土) 01:40:38.46 ID:brX2hqXU0
- 流れ星見つけたら、三つお願いをするんだ。
一つは、ツンにまた会えますように って。
二つは、フサが人間のことを好きになりますように って。
三つ目は……
―――ヒュウン…
( ∵)「あ、流れ星だ!」
ミ,,゚Д゚彡「いや違ぇ!!!! サボテン!!! 身を伏せろ!!!」
( ∵)「え、え?」
―――ヒュウウウッ!!!!!!
(続く)
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