626 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:01:46.79 ID:QgpNUhdM0

一方、時は戻ってバカでかい和室。
ツンさんの語りを聞き終えた僕たちは、なにも言えず、黙っていた。

ししおどしの音が近くに聞こえた。

やがて、どれくらいたっただろうか。
お父さんはひとつ大きく息をつくと、ぽつりと言った。


(,,゚Д゚)「……そうか」

ξ゚听)ξ「……はい」


そしてお父さんは、にっこりと笑うと、手をパンパンとたたき、こう言った。


(,,^Д^)「誰か! ナタ持って来い!」
632 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:06:59.79 ID:QgpNUhdM0

ただちに襖が開けられ、従者がお父さんにナタを差し出した。
お父さんは受け取って立ち上がると、僕にナタを振りかざし、叫んだ。


(#,,^Д^)「てめぇ……俺の可愛いツンたんを……ツンたんの割れ目を……」

(;^ω^)「お、お義父さん?」

(#,,^Д^) 「黙れ! 俺はお前のパパじゃねぇ! おい、外野! プギャーって言うな!」

(;^ω^)「い、言ってませんお!」

(#,,^Д^)「黙れ! いいか! よく聞け! 俺がどれだけツンたんを可愛がっていたのかを!」

ξ;゚听)ξ「お父様!」

川 ゚ -゚)「クソワロスwwwwwwVIPにスレ立てよwwwwwwwww」



640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:11:27.31 ID:QgpNUhdM0

(#,,^Д^)「あれはツンたんが小学生のころだった……
     ツンたんを好きだといったガキを、俺はす巻きにしてやった!」

(;^ω^)「はい?」

(#,,^Д^)「中学生のころラブレターよこした奴のそれを掲示板に張ってやった!
      ツンたんに告白したガキどもは、全員最上川の泥としてくれたわ!」

ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと待って! それっておねーちゃんがやったんじゃないの!?」

川 ゚ -゚)「は? なにそれ? 知らないよ?」

(#,,^Д^)「こいつはお前のションベン飲んでただけだ!」

川;゚ -゚)「ちょwwwwwwwなんで知ってんのwwwwwwwwww」

649 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:17:32.04 ID:QgpNUhdM0

(#,,^Д^)「初めての子どもは妹のションベンを飲む変態オタク……
     ようやく出来た次のツンたんは、とっても良くできた可愛い可愛い娘だった……
     そして俺は決心した。俺の財産はすべてツンたんに相続させるとな!」

川;゚ -゚)「ちょっと待ってよとっつぁ〜んwwwwwwwwwww」

(#,,^Д^)「それがなんだ! こんなふぐりのような男に操を奪われて……」

川;゚ -゚)「ちょwwww財産くれよwwwwwwwwww」

(#,,^Д^)「貴様に……貴様にツンたんはやらああああああああああああん!」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwwww」

ξ;゚听)ξ「内藤!」

川;゚ -゚)「財産!」


ナタが、僕めがけて振り下ろされた。その時だった。


(*゚ー゚)「お待ちなさい」


天使の声が響き渡った。

657 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:24:18.54 ID:QgpNUhdM0

それまで沈黙を保っていたお母さんが立ち上がり、
白く華奢な腕で、振り下ろされかけたお父さんの腕を止めていた。


(*゚ー゚)「あなた、落ち着いてよく考えて」

(,,゚Д゚)「しぃ……」

(*゚ー゚)「ツンデレはあなたの可愛い可愛い娘なんでしょ?
    それが選んだ殿方を、父親の貴方は信じられないの?」

(,,゚Д゚)「しぃたん……」

川 ゚ -゚)「財産……」


お母様は天使のように頬笑み、言った。


(*゚ー゚)「私は信じられない」

ξ゚听)ξ( ^ω^)「は?」


そして手をパンパンとたたき、言った。


(*゚ー゚)「誰か、アイアンメイデンを持ってきて」

667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:30:38.10 ID:QgpNUhdM0

ふすまが開けられ、直ちに従者がアイアンメイデンを持ってきた。
彼女はその扉をあけ、やっぱり天使のように微笑む。


(*゚ー゚)「さあ、内藤さん。この中にお入りなさい」

(;^ω^)「ちょwwwww中、トゲトゲでいっぱいですやんwwwwwww」

(*゚ー゚)「大丈夫。あなたがツンデレにふさわしければ」

从゚∀从<は〜い、いらっしゃいませ〜

(*゚ー゚)「それにこれ、しゃべるのよ? いいでしょ?」

ξ;゚听)ξ「よくないわよ!」

川 ゚ -゚)「バロスwwwwwww母GJwwwwwwwwww」

(*゚ー゚)「さあ、内藤さん。どーんと、ね?」

(;^ω^)「ちょwwwww無理wwwww無理wwwwwww」

从゚∀从<いらっしゃいませ〜


( ゚ω゚)「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

679 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:38:31.13 ID:QgpNUhdM0

そして僕は、アイアンメイデンに抱かれかけた。
と同時に、アイアンメイデンは爆発した。


(,,゚Д゚)「な、何事だ!」

(*゚ー゚)「ちっ……せっかく初めてのメイデンだったのに……」

川 ゚ -゚)「超展開ktkrwwwwww続きはWEBでwwwwwwwwww」


爆発で床に転がった僕は、
僕を抱き起こしてくれたツンさんは、金色に輝く戦士を見た。


(´゚ω゚`)「俺の生徒に手出しはさせねぇ!」


傍らのドクオさんは呟いた。


('A`)「先生はなれたんだ……スーパーしょぼい人に……」

686 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:42:12.52 ID:QgpNUhdM0

(;^ω^)「先生!」

ξ;゚听)ξ「どうしてここに!?」


(´^ω^`)b「決まってんだろ? お前らを助けに、だよ!」


( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」


僕たちは絶対に嘘だろうなと思った。


(´^ω^`)「さあ、行くぜ! 俺のラパンに乗ってトンズラだ!」

( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」


担任はふすまをなぎ倒しながら駆けだした。
とりあえず、僕らも駆けだした。
690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:46:47.63 ID:QgpNUhdM0

担任を先頭に、僕たちはラパンへと急いだ。
迫りくる従者たち。しかし、担任はことごとく彼らをなぎ倒した。


(;^ω^)「なんで先生、あんなに強いんだお?」

('A`)「それはね、夢、の力だよ」

(;^ω^)「夢、ですかお?」

('A`)「そうだ。夢さえ持っていれば、人はあんな風にどこまでも強くなれるんだ」

( ^ω^)「……」


そう言い切ったドクオさんは、あの日僕が見たドクオさん同様、眩しく輝いていた。

そして僕たちはラパンへたどり着いた。
そこで僕は担任の夢の正体を知った。


695 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:51:24.97 ID:QgpNUhdM0

( ^ω^)ξ゚听)ξ「……」

(´^ω^`)b「さあ、お前ら、乗れよ!」

( ^ω^)「これの……」

ξ゚−゚)ξ「どこに乗れっていうんです?」


そこには、金銀パール骨董品ドラゴンボールでいっぱいのラパンがあった。


ξ゚听)ξ「てゆーか、これ、私の家の倉庫に保存してたお宝ですよね?」

(´^ω^`) 「うん! これを売って海外に高飛びするのが俺の夢さ!」

( ^ω^)「じゃあ、僕たちを助けたのって、もしかして……」

(´・ω・`)「追手がかかったときの人質にするために決まってんだろ」
702 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 00:58:12.93 ID:QgpNUhdM0

(´・ω・`)「おら、早く乗れよクズども」

ξ゚听)ξ「だからと言って、ねぇ……」

( ^ω^)「人質すら乗るスペースがないお……」


ラパンは運転席以外、テトリスのように財宝で満たされていた。


(´・ω・`)「ちーと詰め込み過ぎたか。まあいいや。追っても当分かかんねぇくらいかき回してきたしな。
     お前らいらねーわ。俺ひとりで行くからよ。んじゃーな」

ξ#゚听)ξ「ちょっと待ってよ! 私たちどーやって帰ればいいのよ!」

(´゚ω゚`)「歩いて帰れ! 若もんだろーが!」

ξ#゚听)ξ「若ものにも限度があるわよ!」

(´・ω・`)「しゃーねーなー。んじゃ、この財布好きに使っていいから、タクシーで帰れや」


担任は財布を投げつけると、ラパンに乗って走り去っていった。
704 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:04:34.49 ID:QgpNUhdM0

ξ゚听)ξ「タクシーで帰れって言ったってねぇ……」

(;^ω^)「財布、いくら入ってるんだお?」

ξ゚听)ξ「827円」


担任が哀れでしょうがなかった。


ξ゚听)ξ「しょうがないわね。みんな、いくら持ってる?」

(;^ω^)「5000円くらいだお」

('A`)「ミニロトの外れクジ円」

川 ゚ -゚)「30円かな」

ξ゚听)ξ「私が500万ちょっと。ま、なんとか帰れそうね」


そして僕たちはタクシーを捕まえ、僕たちの町へと帰った。

710 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:10:21.99 ID:QgpNUhdM0

捕まえたタクシーの中で、みんな眠っていた。
無理もない。あんなことが一日の内に起こったのだから。

ふと、僕は目覚めた。外は真っ暗で、雨が降っていた。
フロントライトの光は、とても頼りない。流れるラジオの声も、頼りない。

しかし、ラジオがこう言ったのだけは、はっきりと聞き取れた。


「本日夜、海岸を猛スピードで走行していた軽自動車が突如横転。
 そのまま海へDIVE!しました。
 目撃者の証言から推察するに、軽自動車のタイヤがパンクしたことが原因のようです。
 なお、車体および運転者は、いまだ見つかっておりません」
717 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:15:10.58 ID:QgpNUhdM0

( ^ω^)「……」


誰の車か、一発で分かった。
僕は目をつむり、担任と思い出に浸る。
しかし、ロクな思い出が見つからなかったので、すぐに止めた。


('A`)「内藤くん……ラジオ、聞いたかい?」

( ^ω^)「……ええ。ドクオさんも、起きてたんですおね」

('A`)「ああ……先生は……いい先生だったね……」

(;^ω^)「どこがですかお……」

('A`)「いや、これ以上いい先生はいないよ。だってさ……」


ドクオさんは悲しげに笑い、言った。


('A`)「人の夢と書いて、儚いと読む。
   先生は、そのことを身をもって教えてくれたんだ」

723 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:19:32.48 ID:QgpNUhdM0

僕は目をつむり、ドクオさんの言葉を反芻した。

人の夢は、儚い。

僕が描く夢も。
ドクオさんが描く夢も。
担任が描いた夢……は別にどうでもいい。

ならば、人の夢が儚いというのなら。
一筋の泡となり弾けるような存在だというのなら。

僕は……僕は……



( ^ω^)「どないせー、ちゅうねん」

727 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:25:51.19 ID:QgpNUhdM0

('A`)「だから、僕らは確かなものを求めるんだ」

( ^ω^)「確かな……もの……」

('A`)「そうさ。人の夢が儚いというなら、それを補えるだけの確かなものを持てばいい。
  そうすれば、いつかきっと、夢も形を持つ。バベルの塔も、いつかは天に届く日が来る」


ドクオさんは、まっすぐに前を向いていった。
確かなもの。僕にとっての確かなもの。
それはきっと、彼女だ。


川 ゚ -゚)「むにゃむにゃ……だめだよ……そこは違う穴だよ……」


間違えた。


ξ‐凵])ξzzZ


それはきっと、彼女だ。

729 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:29:02.94 ID:QgpNUhdM0

( ^ω^)「ドクオさん」

('A`)「なんだい?」

( ^ω^)「ドクオさんの確かなものって……なんですかお?」

('A`)「生……」


そしてドクオさんは、ニヒルに笑った。


('∀`)b「それは……内緒さ!」


そうだ。確かなものを、人にやすやすと語ってはいけない。
僕の追い続ける背中はやっぱり輝いていた。

ああ、それでこそ、僕が尊敬するドクオさんだ。

732 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:34:47.73 ID:QgpNUhdM0

それからの話を、少しだけ。
明け方、町に帰った僕たちは、それぞれの日常に帰っていった。

正月も開け、冬休みも開け、始業式。
朝練で僕は、ドクオさんと一緒に走るみんなを眺めていた。


( ^ω^)「僕は、ずっとこの光景を見ていたいんですお」

(*'∀`)「ハァハァ……いい……すごくいい……」

(;^ω^)「え? ド、ドクオさん?」

('A`)「え? あ、ああ。俺もだよ」

( ^ω^)「だから、僕はいつか、あなたを追い抜きますお」

('∀`)「……ああ。やれるもんならやってみろ」


ドクオさんは、限定版のえろげとかなんとか言って、帰っていった。
735 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:40:28.09 ID:QgpNUhdM0

(´゚ω゚`)「起立! 気をつけ! イナバウアー! 否着席!」


なにごともなかったかのように現れた担任。全員が着席した。


(´゚ω゚`)「はい! 新年あけまして死ね!
    ところで先生、今年は億単位のお年玉をもらいました!
    それでラスベガスに行って全財産すってきました!」

(´;ω;`)「だから誰か、お金貸してください!
      もう三日も何も食べてません! 先生に愛の手を!」


全員が中指を立てた。


(´゚ω゚`)「けっ! てめーら全員落第だ! バーカ! お前らの将来全力でつぶしてやるからな!」


担任は、今日も元気に生きている。
740 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:44:05.49 ID:QgpNUhdM0

川 ゚ -゚)「うはwwwwwwwアフィリエイトでうはうはwwwww
    これだから2ちゃんブログは止められねぇwwwwwwww」


クーさんは、どうやらいくつかのブログを始めたらしく、
よくわからないがとても儲かっているらしい。


川 ゚ -゚)「さーて、次は写真集の撮影だ。ネットアイドルは辛いね。
    フォトショさん、今日もよろしくお願いしますよっと」


その他、いろいろな手段で金もうけにいそしんでいるみたいだ。

これも一つの夢の形。
是非ともクーさんには頑張ってほしいと思う。

746 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:55:03.43 ID:QgpNUhdM0

そして、放課後、部活終わり。
僕は校門へ小走りでかけていく。


ξ#゚听)ξ「遅い!」

(;^ω^)「ごめんだお!」


夜の中、二人で連れ立って歩く。
徐々に日が長くなり始めたとはいえ、まだまだ夜の闇は深い。

けれど、寒くもなければ、暗くもない。
僕は、まっすぐに歩ける。


ξ゚听)ξ「今日は冷えるね」

( ^ω^)「ホントだお。なにか暖かいもの食べたいお」

ξ゚ー゚)ξ「あ! ならシチューがいい! お肉たっぷりの!」

( ^ω^)「はいはい。にんじんもいっぱい入れるお」

ξ゚听)ξ「えー、にんじんはミリ単位でよろしく」

(;^ω^)「ちょwwwwwwwそれはねーおwwwwwww」
747 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:55:44.72 ID:QgpNUhdM0

それは、いつのころからだっただろう?

アキレス腱を切ったとき? 
ドクオさんに声を掛けられた時?


ξ゚听)ξ「ねぇ、ブーン?」

( ^ω^)「お? なんだお?」

ξ;゚听)ξ「ここここ、今夜、おねーちゃん、いないの」


いや、違う。

それは、あの日。
50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/10/02(木) 01:57:40.73 ID:QgpNUhdM0

ξ////)ξ「だだだだだだ、だかららら、ととと」

(;^ω^)「だ、だから、どうしたんだお?」


段ボールで通路がふさがれていたあの日。
段ボールの陰から君が現れた、あの日。



ξ////)ξ「ととと、泊まってけって、い、言ってんのよ!」



ツンさんが引っ越してきた、あの日からだ。






ξ゚听)ξが引っ越してきたようです


                           おわり(´^ω^`)

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