- 499 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:06:29.12 ID:CkjTuFgE0
- 第七章 前編 目標
爪'ー`)y‐ 「どうしたのかね? まずは掛けたまえ」
塩沢は飄々とした表情で言った。
僕達は何も言わずそれを見つめ、ショボンは銃を突きつけた。
(´・ω・`) 「お前を束縛する。スカルチノフの情報を吐いて貰うまでな」
爪'ー`)y‐ 「断る。といったらどうするかね?」
(´・ω・`) 「ここで殺すまでだ」
堪えたような笑いが塩沢の体を震わせる。
逆に耐えられなくなった僕は、その顔に叫んだ。
(#^ω^) 「何がおかしいんだお!!」
爪'ー`)y‐ 「ク…クク……いや……やはりネラーだと思ってな」
(´・ω・`) 「どういう意味かね?」
ショボンは一歩前に出る。
その睨みをあざ笑うように、塩沢の顔に狂気の笑みが浮かんだ。
- 500 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:06:45.57 ID:CkjTuFgE0
爪'ー`)y‐ 「あれ程の事件の後ならば、誰かが私を殺しに来るのは分かっていた」
(´・ω・`) 「ならば何故ココにいる?」
爪'ー`)y‐ 「つまり、対抗策も簡単に講じる事が出来た訳だ」
塩沢はおもむろにリモコンを手に取ると、それを影に隠れていたモニターへ向けた。
小さな電子音の後、そこには光が宿り、そこに写りだしたのは……
(;゚∀゚)
必死の形相で逃げ続けるジョルジュの姿だった。
- 502 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:07:00.66 ID:CkjTuFgE0
爪'ー`)y‐ 「君達はここで死ぬ。殺人未遂の現行犯としてな」
塩沢は体の向きを元に戻すと、ニヤリと口元を吊り上げた。
それに邪悪な物を感じたのか、ショボンは一歩下がる。
爪'ー`)y‐ 「怖いか?野菜レイパー」
まるで見透かされるが如く、その瞳は抉りこむ。
爪'ー`)y‐ 「内藤君だったかな?お母さんはお元気?」
僕の頬を冷や汗が伝うのを感じる。
情報が漏れている。それだけは判断できた。
- 503 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:07:19.82 ID:CkjTuFgE0
爪'ー`)y‐ 「これからの社会は情報が命だ。ビジネスとも言えるだろう」
爪'ー`)y‐ 「掲示板にしてもそうだ。広告料だけで巨万の富が動く」
塩沢は髪を掻き揚げた。
まるで中二病のような仕草だが、彼にはそれが似合う。
爪'ー`)y‐ 「だから私は2ちゃんねるを潰した。ビジネスの為にね」
(´・ω・`) 「どういう意味だ」
爪'ー`)y‐ 「分からないかね? 私が言う意味が」
塩沢の笑みは次第に狂気を帯びていく。
それは僕に、ショボンに、恐怖を与えた。
- 504 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:07:46.59 ID:CkjTuFgE0
爪'ー`)y‐ 「「3ちゃんねる」が後続になったのは知っているだろうね?」
( ^ω^) 「もちろんだお」
爪'ー`)y‐ 「宜しい。ならば今。かつての巨万の富はどこにあると思う?」
( ^ω^) 「広告料なら「3ちゃんねる」にある筈だお」
爪'ー`)y‐ 「そうだ。常識的に考えればそうなる」
塩沢の笑みが止んだ。
そして、若干の不快感が顔に表れた。
爪'ー`)y‐ 「だがそれは消えた。突如としてな」
(´・ω・`) 「どういう事だ」
爪'ー`)y‐ 「ネラーの減少だ。貴様等のような古参が抜け、新参ばかりになってしまった」
内藤はグッと奥歯を噛み締めた。
- 505 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:07:59.10 ID:CkjTuFgE0
爪'ー`)y‐ 「新参では巨万の富は動かない。そこで私は考えた」
爪'ー`)y‐ 「何故。古参は帰って来ないのか」
塩沢は思案するように僕等を見定めた。
きっと僕等が考える時間を取っているのだろう。
爪'ー`)y‐ 「そして私は見つけたのだよ。答えを」
塩沢はおもむろに立ち上がると、暗闇に隠れていた扉を開いた。
良くは見えないが、明らかに鎖のジャラジャラと言う音が響いている。
そして塩沢はそれを引っ張りだした。まるでペットを引っ張り出すように。
爪'ー`)y‐ 「彼の存在が……古参には重要だとね」
鎖に繋がれて現れた人間。
それはかつての見る影も無い、やせ細った管理人。
(;^ω^) 「ひろ……ゆき……」
旧2ちゃんねる管理人。ひろゆきその人だった。
- 506 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:08:12.31 ID:CkjTuFgE0
(´・ω・`) 「なんと言う事を……」
爪'ー`)y‐ 「彼を動かせば古参衆は帰ってくる。これは結論だ」
なんという勝手さ……コイツは間違いなくナルシスト。
そんな事を考えながら見ていると、なんだろう。ふつふつと怒りが沸いて来る。
なんだか、僕等の親を傷つけたみたいな、そんな気分に。
(#^ω^) 「貴様ァァァァァァァァァァァ!!!」
爪'ー`)y‐ 「ブフゥ!!」
気づいたときには遅かった。
僕の拳は塩沢の顔面にめり込み、その鼻頭を叩き折っていた。
- 507 :第七章‐前編 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 14:08:38.71 ID:CkjTuFgE0
爪#'ー`)y‐ 「き……貴様……私を殴っただと?」
(#^ω^) 「ああそうだお!! この人でなしめ!!」
爪#'ー`)y‐ 「貴様……許しはせんぞ!!」
刹那。塩沢の姿が消えた。
どこにそんな力があったのだろうか、塩沢は一瞬の内にショボンに拳銃を奪った。
ショボンの腕を強引に折り曲げ、小さなうめき声を出したショボンの顔を蹴り上げた。
(;´・ω・) 「内藤!! 伏せろ!!」
爪#'ー`)y‐ 「許さんぞ!! この私に向かって……許さん!!」
銃声が連鎖する。
そして、一人の男から鮮血が噴出した。
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