471 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:32:03.46 ID:CkjTuFgE0
( ^ω^) 「ここが塩沢の家……つーかビル?」
('A`)    「なんつーかアレだな。思ってたより凄いな」
(-_-)   「塩沢は半年前。身の安全を理由に六本木ヒルズに引越したんです」

ネオンが輝く雑踏の中、威厳を持って聳え立つビル。
一流の人しか住む事が出来ない場所。それが六本木ヒルズ。

(´・ω・`) 「さて……僕達は裏から入ろうかね」
( ゚∀゚)  「明らかに招かざる客だしな」

一向はビルの裏側へ回った。
そこには灯りが点らず、寂しげに佇む扉があった。

(´・ω・`) 「一階の階層工事の時に残った扉だよ。僕達はここから潜入する」
( ^ω^) 「ここを抜けると何処へ辿りつくんですかお?」
(´・ω・`) 「おそらくは配電室。そこでヒッキーの出番だ」
(-_-)   「僕がセキュリティーシステムをダウンさせます。その隙に皆さんは塩沢を」
('A`)    「俺が言っても足でまといだろうし、ヒッキーに付いとくわ」

ショボンは深く頷くと、ゆっくりと扉へ近づいた。
473 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:32:31.98 ID:CkjTuFgE0
暗い。真っ暗な闇の中だ。
灯りは何一つ無い。セキュリティーが作動している以上。あまり動くのは危険だと言う。

(    ) 「なにも見えないお」
(    ) 「これは思った以上にキツイな」
(    ) 「こういう状況が女性と二人っきりだったら……うふふふふ」
(;    ) 「ちょwwwwwおまwwwwwww誰だwwwwww」
(;    ) 「これはドクオの香りwwwwwwww」
(;    ) 「バーローwwwww俺じゃねぇよwwwwww」
(     ) 「僕でした」
(;    ) 「僕じゃ分からんぞwwwwwwww」
(     ) 「ヒッキーです」
(;    )  「恐ろしい子ッ!!」

(´・ω・`) 「無駄口叩くな。掘るぞ」

ショボンの言葉で一同は黙る。
灯りが差し込んだ所を見ると、ここが配電室らしい。
ヒッキーは軽く回りを見渡すと、手近な配電盤の端末と手帳型PCを直結させた。

(-_-) 「これで……えっ?」

ヒッキーが妙な声を出した。

474 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:32:51.30 ID:CkjTuFgE0

('A`)   「どうした?」
(;-_-) 「なんだろう……なんか違和感があるんだ……」
('A`)   「見せてみろ」

ドクオは画面を除きこんだ。
常人には理解出来ないコードだが、彼は舌打ちをした。

('A`)    「塩沢の野郎……暗号化してやがるな。それも難解な」
(´・ω・`) 「解読できるかい?」
('A`)    「やるしかないでしょう」

ドクオは目覚ましいスピードでパソコンに向かう。
ジョルジュは面倒そうに頭を掻くと、ショボンに言った。

( ゚∀゚)  「ここで時間潰すのは惜しい。セキュリティー覚悟で上に向かおうぜ」
(´・ω・`) 「それは無理だ。ここのセキュリティーは要塞並みだぞ」
( ゚∀゚)   「それでもルパンには負けるだろ? なら俺たちにも出来るだろうが」
(´・ω・`) 「ルパンと次元は異常な射撃能力。五右衛門は剣を持っているだろうが」
( ゚∀゚)  「そして富士子は………?」
(´・ω・`)  「…………帰れ童貞」

僕は何も言わずに見守っている。
そして思いついたように呟いた。

( ^ω^) 「僕が……囮になりますお」


475 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:33:37.44 ID:CkjTuFgE0
( ゚∀゚)  「何?」
( ^ω^) 「僕がセキュリティーに引っかかって、敵を引き付けますお」
(´・ω・`) 「無理だ。殺されて当然の領域なんだぞ」
( ^ω^) 「ショボンさんとジョルジュさんには戦う力があります」

僕は言った。

( ^ω^) 「ドクオとヒッキーにはハッキング能力があります。けど僕は……?」
( ^ω^) 「所詮僕は……画面の前で見守るだけだったんですお」

でも今は?

( ^ω^) 「僕に出来る事は……時間を稼ぐ事ですお」
( ^ω^) 「その隙にショボンさん達が塩沢を確保してくれれば、何も言い残す事はないですお」
(´・ω・`) 「いや……しかし君は……」
( ゚∀゚)   「しゃーねぇな。俺が囮になるぜ」


476 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:33:54.50 ID:CkjTuFgE0

ジョルジュは馬鹿馬鹿しそうに言った。
ショボンも僕も、それに振り向く。

( ゚∀゚) 「お前じゃ足止めにもならねぇよ。囮には俺がなる」

ジョルジュは一歩を踏み出した。
それをすかさずショボンが止める。

(´・ω・`) 「馬鹿を言うな。死ぬかも知れないんだぞ」
( ゚∀゚)   「………お前ら。魔少年D・Tが最後に書き込んだ言葉。知ってるか?」

僕等は無言で首を振った。
ジョルジュは照れくさそうに頬を染めながら、ポツリと言った。


477 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:34:31.86 ID:CkjTuFgE0





( ゚∀゚)  「ありがとう……ってな」





ジョルジュは一度も振り返らずに、闇へと消えて行った。
479 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:34:44.86 ID:CkjTuFgE0

ジリリリリリリリリリリリ!!!
けたたましく鳴り響く警報音。
セキュリティーが作動した結果。警備員室にいた男達が一斉に大声を上げた。

( ■■) 「侵入者だ!!殺せ!!」
( ■■) 「塩沢さんの言うとおりだ!!遣っちまえ!!」

警備員達はジョルジュを追って上へと向かっていく。
それを遠くに聞きながら、ショボンは言った。

(´・ω・`) 「………行こうか。ジョルジュの切り開いた道へ」

僕達は無言で頷きながら、その道へ足を踏み入れた。


480 :第六章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 13:35:00.13 ID:CkjTuFgE0



嵐が過ぎ去ったようなロビーを抜けて階段へ向かう。
銃弾の痕が生生しく残った廊下を抜けて、一向は塩沢の部屋へ向かった。

(´・ω・`) 「ここだ……。心して行くよ」
( ^ω^) 「了解だお……」

僕等は勢い良くドアを蹴り開けた。
ショボンさんは銃を構えながら勇み足で進軍し、僕はその後を追う。

爪'ー`)y‐ 「やあネラーの皆さん。こんばんわ」

その男は居座っていた。
鬱陶しい髪を肩まで垂らし、目に意地汚い光を宿らせた男。

( ^ω^) 「塩沢……俊平……」

僕等の敵が。そこにいた。



続く

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