- 172 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:10:20.15 ID:dVRgBGsP0
( ゚∀゚) 「で。コイツ等はなんだ?」
(´・ω・`) 「暴動の中で出会ったんだ。結構勇気ありそうだから、拾ってきた」
( ゚∀゚) 「ほう。どの程度」
(´・ω・`) 「そうさな。ショットガンを至近距離で突きつけられても驚かない程度かな」
( ゚∀゚) 「なるほどな。使えそうな玉持ってんじゃねぇか」
ドクオは気まずそうな顔をしたが、何も言わなかった。
リムジンに乗り込んで数十分。黙り続けていた僕とドクオだったが、不意に口を開いた。
(;^ω^) 「あの……魔少年さん?」
( ゚∀゚) 「何だ?」
(;^ω^) 「あなたは一体何者なんですかお?」
ジョルジュは定めるように顔を覗き込んだ。
そして納得したように頷くと、口を開く。
( ゚∀゚) 「お前。魔少年D・Tを知ってるよな?」
魔少年D・T。
それは1年前。長きに渡って君臨し続けた古参コテである。
( ゚∀゚) 「俺はソイツの近くにいた。ソイツと……同じだった」
感傷に浸るうように外を眺めるジョルジュ。
スモークで反射した顔には、うっすらと涙が浮かんでいるようだった。
そして次に振り返ったとき。彼の口からは見当違いの言葉が出てきた。
- 173 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:10:39.64 ID:dVRgBGsP0
( ゚∀゚) 「俺がした始めての殺人はな。「ぽこ」って言うコテだった」
ぽこ。
それは魔少年D・Tとは格が違う。厨房全開の糞コテ。
( ゚∀゚) 「いつか魔少年がラジオした時。アイツが電話かけてきた時」
( ゚∀゚) 「俺は……今までに無い怒りを覚えた」
拳に力をこめるジョルジュ。
( ゚∀゚) 「お前なんかが魔少年と喋るな。そう思った」
- 174 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:10:54.28 ID:dVRgBGsP0
( ゚∀゚) 「魔少年が大切な物を捨てたのは知っているな?」
頷く内藤とドクオ。
( ゚∀゚) 「俺はその時。あまりのショックに三日間引きこもった」
噴出しそうになる僕だったが、ポーカーフェイスが押さえつけた。
( ゚∀゚) 「そして四日目の朝。決意した。俺が魔少年になろう、とな」
ジョルジュの目には灯火が宿る。
その拳には炎が宿る。彼のモノは新品の輝きを放つ。
( ゚∀゚) 「そして俺が魔少年を決意した数ヶ月後。2ちゃんねるは無くなった」
一向の前に、言いようのない空気が立ち込めた。
(*^ω^) (笑ったら負けだ笑ったら負けだ……)
('A`) (魔少年か……。だったら俺も近い存在かも知れないな……)
(´・ω・`) (あーあ。野菜どっかにないかなぁ)
考える事は様々。リムジンは暗闇に沈みこんでいった。
- 175 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:11:06.54 ID:dVRgBGsP0
(´・ω・`) 「ついた。ここが僕等のアジトだ」
アジト。と言うのはお粗末であった。
言うならば基地。そういったほうが正しいかもしれない。
(´・ω・`) 「僕達…古参はここで常に、奴等の出方を伺っているんだ」
( ^ω^) 「奴等? 誰ですかお?」
(´・ω・`) 「ジェイソン……もとい『塩沢』だよ」
僕の拳に力が込められた。
それに気づいたのか、ショボンは話を切り上げる。
(´・ω・`) 「詳しい話は仲間にさせるよ。とりあえず、親御さんに連絡はしたのかな?」
( ^ω^) 「僕の家族は母だけですお。入院中で、意識が無いから……」
('A`) 「俺の両親は蒸発しちまったよ。俺は孤独なのさ」
(´・ω・`) 「そうか。二人とも大変な境遇なんだね」
若干中二病が入っているように見えるドクオは置いといて、内藤は頷いた。
- 177 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:11:20.15 ID:dVRgBGsP0
(*゚ー゚) 「あ、ショボンさんにジョルジュさん。お疲れさまです」
(´・ω・`) 「しぃ君。この二人を開いている部屋で休ませて上げてくれ」
(*゚ー゚) 「分かりました」
しぃと呼ばれた女性は小さく頷いた。
(*゚ー゚) 「えーっと。しぃです。よろしく」
( ^ω^) 「よろしくお願いしますお」
(*'A`) 「よろしくおおおおねがいしますすすすす」
どうしたドクオ。ポーカーフェイスが崩壊してるぞ。
ニヤニヤしながらドクオを見ていると、肘打ちを喰らった。
(*゚ー゚) 「それではご案内しますね」
しぃは、僕達を先導し、まるでホテルのように豪華な一室に迎え入れた。
- 178 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:11:33.84 ID:dVRgBGsP0
( ^ω^) 「すごいお……」
(*'A`) 「うはwwwwwホテルwwwwwwwフラグktkrwwwwww」
( ^ω^) 「ドクオ。僕も横にいるんだお」
(*゚ー゚) 「ふふふ。ドクオさん。私もネラーだったんだから、意味ぐらい分かるんですよ」
ドクオの笑みが消え、照れくさそうな表情へと変わった。
しぃは微笑みながら頭を下げると、眼前から消えて行った。
(*'A`) 「ああ。可愛かったなぁ。しぃさん」
( ^ω^) 「死んでもフラグは立たないから安心するお」
冷蔵庫に入っていたコーラが冷たい。
内藤は取り出したコーラをドクオに投げた。コーラが爆発した。
(;'A`) 「ちょwwwwwおまwwwwww炭酸炭酸wwwwwwww」
( ^ω^) 「おおドクオ。死んでしまうとは情けない」
(´・ω・`) 「懐かしい会話が聞えるじゃないか」
そこに私服に着替えたショボンが入ってきた。
- 195 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:32:47.26 ID:dVRgBGsP0
(´・ω・`) 「テキーラはいかがかな?」
スーツを纏った彼はまるで紳士のようだった。
バーの店員のような風格を漂わせた彼は、右手にボトルを携えていた。
( ^ω^) 「酒は控えますお」
('A`) 「俺も。コーラの掃除が大変なので」
(´・ω・`) 「残念……ならば野菜はいかがかな?」
( ^ω^) 「勝手にレイプしとけお」
殊更に残念そうな顔をしたショボンは、テキーラを置いた。
そして真剣な顔に向き直ると、口を開いた。
(´・ω・`) 「君達はココに来てしまった。と言う事は、僕達の活動に加わってもらう」
( ^ω^) 「把握してるお」
(´・ω・`) 「うむ。ならば言うが……「塩沢」のことは知っているね?」
塩沢俊平。
ひろゆきを告訴し、事実上2ちゃんねるを崩壊に招いた人物。
( ^ω^) 「無論……知ってますお」
(´・ω・`) 「僕達は彼の行動を追っていてね。まぁ古い言い方ではスネークと言うんだが……」
思い出がよみがえったのか、ショボンの顔に笑みが浮かんだ。
(´・ω・`) 「まぁその塩沢なんだが、この頃ある組織と手を組んだようなんだ」
- 196 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:33:02.63 ID:dVRgBGsP0
( ^ω^) 「組織……ですかお?」
('A`) 「組織っつーと、韓国の何か?」
(´・ω・`) 「いや。君達もよく知っている組織さ。お世話になっているかもしれない」
ショボンは話を切ると、グラスにテキーラを注いだ。
テキーラが並々と注がれたグラスを軽く振ると、それを飲み干した。
(´・ω・`) 「警視庁……さ」
( ^ω^) 「!!」
('A`) 「警察……って事すか?」
(´・ω・`) 「ああ。あのお回りさんだよ」
2人の顔には不穏な表情しか浮かばなかった。
- 198 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:33:16.28 ID:dVRgBGsP0
(´・ω・`) 「中でも一人の人物と親交が深いらしい」
ショボンはポケットからメモを取り出した。
メモに書かれている字に目を走らせると、彼は向き直った。
(´・ω・`) 「名を「新田彰浩」。だがこの名では君達に伝わらない」
( ^ω^) 「と言うと?」
(´・ω・`) 「君達に伝わる言い方がある。って事さ」
('A`) 「つまり……ソイツもネラーって事ですか?」
(´・ω・`) 「その通り。まぁ伝説上の人物となっているけどね」
ショボンは少し酔ったのか、顔を赤らめながら言う。
( ^ω^) 「誰なんですかお?」
('A`) 「wktk」
内藤の拳に力が篭った。
ドクオはかつての記憶がよみがえったのか、手をF5の位置に持ってきている。
(´・ω・`) 「鮫島事件の伝説を生み出した人物……スカルチノフ」
- 199 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:33:27.35 ID:dVRgBGsP0
スカルチノフ。
鮫島事件を最初に書き込んだ人物。
今や誰もが知る鮫島事件だが、その発端は彼から始まっている。
(´・ω・`) 「彼は警視庁の人間らしくてね。今は塩沢とツルんでいる」
( ^ω^) 「鮫島事件……これまた懐かしいお」
(;'A`) 「消される消される消される消される」
ショボンは一息入れると深呼吸をした。
今夜の出来事はもうニュースになっただろうか。そんな事を考えた。
- 200 :第四章 ◆PdFSeGF7kA :2007/01/14(日) 01:33:36.86 ID:dVRgBGsP0
( ^ω^) 「何で塩沢と警視庁が?」
(´・ω・`) 「犯罪撲滅を詠っているが……正直思想は丸分かりだ」
('A`) 「何なんですか?」
ショボンは二人に少し顔を近づけた。
そして、小さく言った。
(´・ω・`) 「古参……つまり「2ちゃんねらー」の排除だよ」
続く
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