36 : ◆PdFSeGF7kA :2007/01/13(土) 17:36:29.42 ID:1X3iMroi0
書き溜め止めとこうwww
落ちるかも知れないwwww




( ^ω^)2ちゃんねるが無くなって一年経ったようです。




早朝七時。
ネットカフェで朝を迎えた僕は途中のコンビニでパンを買い、出社した。

( ^ω^) 「おはようございますおー」
ξ゚听)ξ 「あら? 今日は早いのね。内藤君」
(;^ω^) 「恥ずかしながら。昨日残業で終電逃がしたんですお」
ξ゚听)ξ 「それで近くのホテルに泊まった……と?」

ホテルじゃなんですけど……、と愛想笑いを返した僕は席に着く。
会社のツン先輩は小さい溜息を吐くと、僕に暖かいお茶を出してくれた。

ξ゚听)ξ 「まぁ……仕事熱心なのは良いけど……大概にしなさいね」

ツンはお茶を啜る僕を微笑みながら見つめている。
僕はなんだか恥ずかしい気分になって、逃げるように目をそらした。

40 : ◆PdFSeGF7kA :2007/01/13(土) 17:40:04.32 ID:1X3iMroi0


ξ゚听)ξ 「お母さんの具合。どうなの?」

心配そうな声。

( ^ω^) 「相変わらず。寝たまんまですお」
ξ゚听)ξ 「そう……大変ね」
( ^ω^) 「僕を女手一つで育ててくれたカーチャンですお。恩返しですお」

ツンは微笑みながら頭を撫でてくれた。
僕は先程以上に恥ずかしくなって、顔を赤らめた。

ξ゚听)ξ 「偉い偉い。じゃあ今日も頑張っていこうね」

飲み終えたお茶のビンを片手に、ツンは去っていく。
僕はそんな背中を見つめながら、寂しげに笑った。
42 : ◆PdFSeGF7kA :2007/01/13(土) 17:46:13.59 ID:1X3iMroi0

2ちゃんねるが閉鎖する数ヶ月前。母が倒れた。
原因は過労による心機能の低下。一命は取り留めたものの、今も意識は戻らない。

( ^ω^) 「カーチャン……なんでだお……」

ニートだった僕を、女手一つで育ててくれたカーチャン。
引きこもりで金ばかり吸い取っていく僕を、励ましながら育ててくれたカーちゃん。






J( 'ー`)し 「今日カーチャンお給料貰ったからね、新しいゲーム買ってあげる」
(*^ω^) 「マジかお!? カーチャン太っ腹だお!!」
J( 'ー`)し 「ふふふ。かわいい息子の笑顔の為ですもの。何が欲しい?」
(*^ω^) 「じゃあ……じゃあ発売したばっかりのPS3が欲しいお!!」

あの頃ゲーム史上最高価格を記録していた新型ゲーム機。
今では道端に捨てられているような機体だけど、あの頃はとても欲しかったんだ。

J( 'ー`)し 「分かったわ。今から買いに行きましょう」

カーチャンは財布に4万円を詰め込むと、僕をゲーム屋につれていってくれた。
45 : ◆PdFSeGF7kA :2007/01/13(土) 17:51:26.92 ID:1X3iMroi0


J( 'ー`)し 「プレイステーション3ください」
( ■■) 「おっ。奥さん太っ腹だねぇ。息子にプレゼントかい?」
J( 'ー`)し 「まあそんな物です」
( ■■)  「はっはっはっ。優しいお母さんだね?」
( ^ω^) 「だお」

ちなみに言っておくが。この時僕は23歳である。
店員はニヤリと笑いながら店の奥に引っ込むと、巨大な箱を持って現れた。

( ■■) 「はいよ。PS3お待ち!!」
J( 'ー`)し 「どうも。はい。40000円」

その差し出された金額に、店員の顔は訝しげに曇る。

( ■■) 「あのーお客様?」
J( 'ー`)し 「あー、カードとか入るのかしら?そしたら今作りますけど?」

店員の顔はいよいよ不穏に染まる。

( ■■) 「こちらの商品は……60000円となっておりますが……」
J(;'ー`)し 「えぇ!?」

カーチャンはあわてながら、僕の手を引いて店を出た。


46 :閉鎖まであと 10日と 3時間:2007/01/13(土) 17:56:03.56 ID:1X3iMroi0



(#^ω^) 「PS3買ってくれるって言ったお!! 嘘ついたのかお!?」
J(;'ー`)し 「ごめんね。60000円なんて……本当にごめんね……」
(#^ω^) 「もういいお!! どうせカーチャンは嘘しかつかないお!!」

僕は家に帰るや否や。すぐに部屋に閉じこもった。
ニートである僕がこんな行いをする事に怒りもせず、カーチャンはずっと謝っていた。

J(;'ー`)し 「ごめんね……本当にごめんね……」

それからと言うもの。
カーチャンは狂ったように働き続けた。必死で、僕のためにお金を集めていた。
この頃から丁度一ヵ月後、カーチャンは道端で胸を押さえて倒れた。

49 : ◆PdFSeGF7kA :2007/01/13(土) 18:04:55.90 ID:1X3iMroi0

('A`) 「よう内藤。はやいな」

暫く思い出に耽っていると、僕と同期のドクオが出社してきた。
彼と僕は同じ穴のムジナ。と言うヤツで、コイツも2ちゃんねる脱退者である。

( ^ω^) 「おいすー」
ξ゚听)ξ 「おはようドクオ君。胃腸の具合はどう?」
('A`)    「相変わらずですけど……外の空気吸うようになってマシになりましたね」

ドクオはツンに軽く会釈すると席に付いた。
鞄に張られているハルヒのシールが朝日に眩しい。
53 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:12:14.74 ID:1X3iMroi0

('A`)   「内藤。昨日のファイルどうだった?」
(#^ω^) 「お前が僕に押し付けたせいで終電乗り逃がしたお」
('A`)   「そりゃ結構」

ドクオはニヤッと笑ってPCを立ち上げた。
僕はそれを恨めしい目で睨みつけると、昨日纏めたファイルを開く。
不可思議な文字列が並び、昨年の僕ならば文字化けの判断しただろう。

( ^ω^) 「…………………」

PCに目を向けると無言。これが僕のクセ。
2ちゃんねるで養われた。「笑ってはいけない」スレの弊害。

('A`)    「……………………」

同じくドクオも無言を貫く。
まぁ彼の場合。
「ガキ使」を見てピクリとも笑わなかった武勇伝を持つ所を見ると、根っからのポーカーフェイスなのかもしれない。

60 :閉鎖まであと 10日と 2時間:2007/01/13(土) 18:20:49.10 ID:1X3iMroi0

出社時間が迫ると、沢山の社員達が駆け足で入ってくる。
そんな奴等を傍目に見ながら、僕は作業を黙々と続けていった。

( ^ω^) (うるさい奴等だお……仕事ぐらいさっさと来いお)

そんな事を考える僕。そんな僕も何時もは遅刻組。
始業時間の放送が流れる。単調なリズムは社員達の耳に始まりを伝えた。

( ^ω^) (さぁて……今日は早く片付けてカーチャンのお見舞いに行くかお)

己に喝を入れた僕は、ピンと背筋を伸ばすと、PC作業に打ち込んだ。

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