- 14 :愛のVIP戦士:2007/02/10(土)
13:12:59.04 ID:n766GXUk0
- 《第三話 ハローハルシオンデイズ2》
ツンは雨の日が好きだったとか、
前髪を気にするとき上目遣いになる癖だとか、
ふで箱は僕が中三の時にあげたものをまだ使ってくれていただとか、
自転車に乗ることがあまり得意でなかったことだとか、
理科が得意だったとか、
炭酸系の飲み物はダメだったとか、
とりとめもない事が僕の横を通り過ぎてはまた向かってきて。
そしてまた、僕の意識は浮上(あるいは、また沈んだのかも知れない)して、鮮明な夢が僕を迎える。
- 15 :愛のVIP戦士:2007/02/10(土)
13:13:13.85 ID:n766GXUk0
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失恋のきっかけは案外簡単なものだった。
ツンが他県の国立大学に受験して、そして通った。合格したんだ。
そしてツンの合格を喜ぶ友人と、ツンの真直ぐな目を見た時だった。
あっけない。そう思う。
まあ現実なんてこんなもんだろうと僕は打算した。
漠然と、ああツンは未来を見据えて歩いているのだろうと確信して、僕とツンの遠さに絶望した。
それは何も僕らは丁度対角線で教室の端にいるとか言う物理的なものではなく、
心理的な、未来的な、結果的な。色々の要素を敷き詰めたもので。
そして自然とツンは、彼女は僕から離れていくのだろうと理解した。
そしてそれが4ヶ月後、現実に起っただけの話。
《ハルシオンデイズ》と言う薄皮一枚で結ばれていた僕たちが
「進学」と言う転機を機に切れただけ。
ただ、それだけ。
そしてここで僕の夢はお終い。
目を覚ませばとりとめもない《ハルシオンデイズ》が僕を出迎えてくれる。
ああ、そう言えば、この言葉にはもう一つ意味があって、
それは僕自身が体験してから知ったんだけど――――
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