- 307 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
21:38:23.66 ID:QL9V9fxhO
- 第七話
('A`)
あの事故から十日が経った。
あのあと救急車が来たり、パトカーが来たり‥思い出すのも面倒くさい。半日入院したり、警察の事情聴取に行ったり、でも、オレは巻き添えをくらった側だから免許が危なくなることはなかった。
体も異常は見られなかった。
スープラは‥あのあとレッカーで運ばれていったんだけど‥やっぱりダメージは酷かったらしい、
もちろん修理するならあのFCの人‥ギコさんの入ってる対物保険が出るからなんとかなるんだけど、
もう…スープラは直らないかもしれないらしい
- 311 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:09:40.95 ID:QL9V9fxhO
- ('A`)
でも、不思議とギコさんを恨むような気持ちは湧かなかった。
やっぱり同じクルマ好きとして、それに、あの人のことはたびたびバーボンハウスや海浜公園で見たことがあったし…
かすかにスポーツカー乗りの先輩(?)として無意識に敬意を払っていたから?かもしれない
それに事故なんて誰が起こすか分からない。俺だってスープラのチューンをしてたんだから、事故を起こす確率は低くない。
まあ今回、ギコさんは全治一週間の怪我だったけど俺とブーンはたいしたことなかったし、
事故の割りには命が助かっただけ良かった。
- 312 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:10:45.97 ID:QL9V9fxhO
- ('A`)
クルマは‥結構重いケガになっちゃったし、これから直すかどうかも正直まだハッキリしないけど
それも仕方がないかな、と思う。修理にしろ買い換えにしろ保険がでるだけラッキーだと思わなくてはならない
でも本当にひとつ、いいこともあった
- 315 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:21:57.32 ID:QL9V9fxhO
- 〜事故当日、VIPブリッジ〜
黒いZ32から降りてきた女が口を開く。
川 ゚ -゚)「…大丈夫か?救急車は‥手配したのか?」
夜の風とともにロングの髪がなびくのが美しい
('A`)(あ…この人は…!)
「あ…はい!大丈夫です。わざわざすみません」
川 ゚ -゚)「そうか、いや、謝ることはないさ。しかし災難だったな、なにか手伝えることはないか?」
('A`)「ええ…特に…ないような‥」
俺はなにを言っていいか分からなかった。そのせいでつい適当に返事をしてから「しまった」と思った
川 ゚ -゚)「うむ、それじゃもうじき警察が来たりするだろうから私はこれで失礼する。べつの機会でまた逢おう。」
彼女はまたZの方へ踵を返し、そのまま去っていった。
- 316 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:23:27.84 ID:QL9V9fxhO
- ('A`)
その後はオレらは病院に運ばれて一応レントゲンなんかとってたりしたんだけど…
待ち時間にロビーに行ったらいたんだよ。あの人が!
川 ゚ -゚)「軽傷で済んだようでなによりだ。もう退院だろう?」
('A`)「えっ?ああ‥はい!」
俺は突然現れたあの人に驚きを隠せなかった。
いっきに心臓がドクドクするのがわかった。
そのせいかあの人が立っている半径3メートル以内に入れなかった‥
('A`)「あ、あの〜、ひょっとして俺らのお見舞いのために‥ここへ?」
川 ゜ー゜)「まあ‥そんなところだ。」
あの人が、初めて少し微笑んだ。
- 320 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:47:30.92 ID:QL9V9fxhO
- ('A`)「そんな‥わざわざ見ず知らずの俺たちのために心配して来てくださってありがとうございます」
川 ゚ -゚)「気にすることはない。まんざら知らない顔でもないし、あの状況で見て見ぬふりなんて出来ないさ」
('A`)「ええっ!?俺のこと覚えてたんですか?」
意外だった。もちろん俺はあの人のことを見るたびに、いや見なくてもいつも意識していたけど、
あの人がこんな俺なんかを覚えてくれていたなんて…
- 324 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
22:57:49.44 ID:QL9V9fxhO
- 川 ゚ -゚)「うむ、たまに海浜公園とか湾岸で君のスープラを見掛けたことがあったんでな。」
('A`)「あ、ありがとうございます!お、おれも、あの黒いZのことはよく覚えてました!」
嬉しかった。こんな綺麗な人が自分のことを記憶してくれていたなんて‥
川 ゚ -゚)「そうか…それは光栄だな。それじゃ、これをお見舞いとして置いてくからあとの二人にお大事にと伝えてくれ、
すまないが私はこれから仕事なので失礼するよ」
あの人は、そう言うとケーキとおぼしき箱を椅子の上に置いてスタスタと去ろうとする
- 331 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/25(日)
23:33:29.86 ID:QL9V9fxhO
- ('A`)「あ‥あの!」
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
足を止め、振り返る。一瞬ハッとしてしまう美しさ
('A`)「お名前を聞かせてもらっても…よろしいでしょうか?」
川 ゚ -゚)「…素直クール、クーとでも呼んでくれ」
(*'A`)「は、はい、クーさんですね、自分はドクオと申します。」
川 ゚ -゚)「ドクオか…覚えておくよ。いつか…また逢おう」
こうして、彼女…クーさんは去っていったわけだ。
さて…とりあえずいま俺が考えなきゃいけないことはこれから先、スープラをどうするか決めること、
だから、今俺はスープラが入庫している工場に歩いているというわけだ
- 339 :愛のVIP戦士:2007/02/26(月)
00:47:11.54 ID:HuL/ZI+YO
ここはVIP市郊外、『流石自動車整備工場』
( ´_ゝ`)「う〜ん…」
(´<_` )「う〜ん…」
そっくりな顔をした二人のツナギを着た男たちが青いクルマの前に立ち、なにやら唸っている
( ´_ゝ`)「これは…全損じゃあないのか」
(´<_` )「どうみても全損です。本当にあ(ry」
スープラの損傷はリヤ周り全般、テールランプは粉ごなに砕け、ナンバーがひんまがり、リヤガラスは割れ、バンパーは直角に近い角度で折れていた
足回りもひどい、事故時に運悪くホイールにも接触があったようで、デフやドライブシャフトにまで損傷が及んでいる
- 340 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
00:49:15.12 ID:HuL/ZI+YO
- もちろん、フレームやフロア下も歪み、これを直すのは至難の技と思われる
よしんば直ったとしてもそれは形だけで、もとのようにまっすぐ走ることはないだろう
そこにドクオが歩いてやってきた
('A`)「どうも…おはようございます…」
( ´_ゝ`)「ああ…君はスープラのオーナーさんだね?おはようございます」
ドクオをガレージに迎えて名刺を渡す流石兄弟
- 374 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
12:39:15.14 ID:HuL/ZI+YO
- ('A`)「え〜と…スープラは、ぶっちゃけ直るんですかね」
(´<_` )「それがどうにも難しい」
( ´_ゝ`)「うむ、金も手間もかかるし、元のように真っ直ぐ走ることは難しい。これが現状だ」
(´<_` )「うむ、これを言うのもなんだが、年式も年式だし、直すくらいなら新しいのを買ったほうが…というのが率直なアドバイスだ」
('A`)「…そうですか、…やっぱりそうですよね」
- 375 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
12:44:32.50 ID:HuL/ZI+YO
- ( ´_ゝ`)「しかし、君の直したい気持ちもよく分かる。修理か廃車、どっちを選ぶかはあくまで君次第だ」
('A`)「少し…考えさせてください」
…クルマ好きとして、惚れた一台と最後まで付き合うか、それとも割りに合わないクルマは避けて新しい選択をするか…
その岐路が、まさに今俺の目の前にあった
( ´_ゝ`)「ああ…そうしてもらいたい」
- 382 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
14:35:09.57 ID:HuL/ZI+YO
- ( ゚∀゚)「もったいねえけど…仕方なかったな」
同じ頃、『ジョルジュオート』でもFC…
いや、元FCだった赤いカタマリを前にしてツナギの男がつぶやいた
( ゚∀゚)「わかってると思うが…これはもう廃車しかねえ、」
( ,,゚Д゚)「ああ…本当にすまん…」
顔に痛々しく包帯をしたギコが申し訳なさそうに答える。
( ゚∀゚)「まあいいって、これだけのクラッシュをしてその程度のケガで済んだんだし。
やっぱり命あってのクルマだしな、次のクルマはどうする?」
( ,,゚Д゚)「……」
( ,,゚Д゚)「じゃあ…スクラップで…頼む。そして、もうオレはクルマには乗らない…」
- 383 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
14:36:41.54 ID:HuL/ZI+YO
- ( ゚∀゚)「…乗るか乗らないかはお前の自由だ…それも有りだろう…」
( ,,゚Д゚)「本当に…すまなかった。お前があんなに頑張って仕上げてくれたFCを…オレは…オレは…」
( ,,゚Д゚)
無理を言ってジョルジュに組んでもらったFCを、自分の不注意で完膚なきまでに潰してしまい、おまけに尻ぬぐいまでさせてしまっている…
オレには、謝罪の言葉しか見付からなかった。こんなオレに、ジョルジュが気をつかってくれているのが、正直辛い
失意と絶望の中、オレは『ジョルジュオート』を後にした
- 384 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
14:38:08.79 ID:HuL/ZI+YO
- ( ,,゚Д゚)
問題は、ほかにもある…オレの巻き添えになってしまったドクオとブーン、そしてしぃにはなんて言ったらいいんだろう
『あんまり…クルマをイジめるドライブはしないほうがいいよ』
いつか、マスターが言ってたことがフラッシュバックされる
こんなにも心が沈んでいるのに、空は馬鹿馬鹿しいほどに青い
オレは、その日…はじめて会社を無断欠勤した
- 394 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
17:35:59.43 ID:HuL/ZI+YO
- ( ,,゚Д゚)
しぃに電話をかけた。アイツは今日は休みのはずだ
3コールほどでアイツは電話に出た
(*゚ー゚)「もしもし〜?ギコくんひさしぶり?どうしたのこんなお昼に電話なんて」
( ,,゚Д゚)「ああ…ちょっとな、お前今日休みだろ?時間あるか?」
(*゚ー゚)「うん、わたしは大丈夫だよー。てかギコ君今日は仕事じゃなかったの?」
( ,,゚Д゚)「ん…今日は休みになった」
嘘だ。オレが勝手に休んだだけだ。だが今はそんなことはどうでもいい…
- 395 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
17:37:16.74 ID:HuL/ZI+YO
- (*゚ー゚)「そうなんだ〜、じゃあわたしの部屋に来る?」
( ,,゚Д゚)「ああ、じゃあ小一時間でいく」
オレはしいとの電話を切ると、今度はジョルジュに電話をかける
( ,,゚Д゚)「…もしもし、すまんな、ちょっと聞きたいことがあるんだが…」
〜午後、しぃの部屋〜
(*゚ー゚)「さあ入って入って!少しちらかってるけど」
( ,,゚Д゚)「ああ…邪魔するよ」
しぃが心配しないように、オレは顔のガーゼを外してきた。代わりにカットバンを貼って…
部屋に薔薇が飾ってある。この前オレがプレゼントしたやつだ。
花はだいぶくたびれて萎れている…下に幾重もの花びらが散っていた
- 397 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
17:38:51.82 ID:HuL/ZI+YO
- (*゚ー゚)「コーヒーでいい?ギコ君」
( ,,゚Д゚)「ああ…すまん」
しいはキッチンへと向かい、オレの好きなキリマンジャロをセットしてくれている。
お湯がもう沸いてるということは、きっとオレが来る時間を見計らって用意してくれていたんだろう、
アイツはそういうヤツだ
オレは…なにから話していいかわからなかった。これからどうすればいいのかも
今、また薔薇が散った
( ,,;Д;)「くっ…」
- 398 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
17:40:00.22 ID:HuL/ZI+YO
- 不意に涙が出てきた
(*;゚ー゚)「どうしたの?ギコ君?」
心配そうに駆け寄ってくるしぃを、オレは、わけもわからず抱き締めた
(*゚‐゚)「ギコ君…なにがあったの?」
オレはその質問には答えず、そのまま押し倒してしまった
- 409 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
19:59:22.98 ID:HuL/ZI+YO
- (*゚ー゚)
午後四時…
私は服を着替えながら少し冷房を弱めた。もう、そんなに掛けておく必要もないだろうし。
紅茶の準備をしていると
不意に、リビングに寝そべってたギコ君が天井を見つめたまま呟いた。
( ,,゚Д゚)「…お前に見せなきゃならないものがあるんだ
…一緒にきてくれるか」
- 411 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
20:00:46.98 ID:HuL/ZI+YO
- (*゚ー゚)
もう、すっかり夕方…
私と、ギコ君は歩いて、町はずれの…スクラッブ屋?
自動車の解体所にきていた
あまりいいものを見せてくれるわけではないみたい…そう感じる
( ,,゚Д゚)「あっちだ…」
奥を見ると…
ホイールが外され、グシャグシャになってる赤いクルマが、クレーンに吊されて頼りなさげに揺れていた。
まるで、操り人形のように
- 413 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
20:18:11.14 ID:HuL/ZI+YO
- (*゚ー゚)「あれって…」
その赤いクルマは、やがて特殊?な、機械の上に置かれ、ゴロン、と、どこか情けない音をたてて転がった。
まるでパンダの寝返りのように
ギコ君は、黙ってその光景を見てた。
私はもう、何も言えなかった。
ただオロオロするだけの、私が居た…
- 414 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/26(月)
20:20:13.77 ID:HuL/ZI+YO
- 赤いあのクルマにプレスが掛かった。
聞こえてきたのは、ガリガリガリッと耳をつんざく音、
そしてキュウウウ〜…という、切ない音。
断末魔
あの、私たちのクルマがみるみるうちに潰れていった
振り向かなくてもわかる。
ギコ君が震えている…
太陽が沈んでも、私たちはその場を動けなかった
- 52 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:12:42.53 ID:EE8yGu6XO
- ('A`)
オレのスープラは、もう直らない…
そう確信した。
直ったとしてもそれは形だけ、もうまっすぐ走ることはないと言われた
クルマはあくまで機械、
クルマはあくまで人間の役に立つもの、
クルマはあくまで…いざというときドライバーをなるべく傷つけないもの…
これらの条件を満たしてやっとクルマとして認められる。これは間違いない
- 53 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:15:11.09 ID:EE8yGu6XO
- ('A`)
だから…もうあのクルマは機械として、ひとつの工業製品として終わりが見えている
…だから、俺はスープラと別れる。
思えば短い付き合いだったが…
これからは俺の歴史の中で生きればいい…
これが、俺に出来る最大限の『いいわけ』だった
名残り惜しいが…これも運命だと思って諦めるしかない…
さらばだ…俺の初めての愛車よ…
そう思って、夕暮れに向き合ってタバコに火をつけた
その結論に至るまで、何箱タバコを吸ったかわからなかった
- 57 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:28:40.86 ID:EE8yGu6XO
- バーボンハウス
(´・ω・`)「ブーン、ここ最近姿を見せなかったと思ったら…なにやら災難だったらしいね」
ξ゚听)ξ「あら、なんかやらかしたの?」
( ^ω^)「僕がやらかしたわけじゃないお。じつはこれこれこういうことがあったんだお」
(´・ω・`)「うん、ドクオから聞いたよ。ドライバーがいくら気をつけててもやっぱりどうしようもないことってあるもんだね…」
ξ゚听)ξ「ほんとに災難じゃない…」
( ^ω^)「そうなんだお、怪我はなかったからまだよかったけど
…ドクオのクルマは潰されてしまったんだお、ツンも気をつけたほうがいいお」
ξ゚听)ξ「………うん」
- 58 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:30:21.23 ID:EE8yGu6XO
- (´・ω・`)「そういえばツンちゃん、最近NSXは乗ってないのかい?」
ξ゚听)ξ「私が乗るのは両親が家を留守にしてるときだけよ。バレないようにね、
だから最近はほとんど乗れないわ。…乗りたいけど」
( ^ω^)「あんまり乗れないのはツラいけど…NSXが家にあるなんてうらやましすぎるお」
その時、ドアの方から『カランカラン…』と来客を知らせるベルが響いた
('A`)「おーっす…て、ブーンじゃないか」
( ^ω^)「おっおっ!偶然だお、ドクオ元気かお?」
- 60 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:40:50.86 ID:EE8yGu6XO
- (´・ω・`)「やあ、いらっしゃいドクオ」
ツンは特に無表情のまま、ドクオを一瞥していた
(;'A`)「あ、あの〜、ブーン殿、そちらの女性は…ひょっとして彼女desuka?」
途端にツンの表情が瞬間湯沸かし器になる
ξ*゚听)ξ「あ、あんたいきなりなんてこと言ってんのよっ!独断と偏見でそんな無責任なこというんじゃないわよっ!
べ、べつにブーンとはそんなんじゃないんだからねっ!」
( * ^ω^)「マスター、これでドクオになにか飲み物を頼むお」
ブーンはポケットから小銭を取りだし、カウンターに置いた
奢らずには居られないようだ
(´・ω・`)「ふふふ…任せておくれ」
- 64 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:49:26.52 ID:EE8yGu6XO
- ( * ^ω^)「ツン、紹介するお、この男はドクオといって高校のころからの友人なんだお。」
('A`)「…よろしく」
ξ*゚听)ξ「…ふんだ」
まだ顔の赤みが退かないツンの反応はかなりそっけない。
( ^ω^)「ドクオ、この子はツンと言って、こないだ教習所で会ってからちょくちょくここに来て一緒にお茶を飲んだりしてるんだお。」
ξ*゚听)ξ「ちょ、ちょっとなにそんな誤解を招くような言い方すんのよっ!付き合ってると思われるでしょっ!」
('A`)「あ〜…この人が前いってた教習所の出会いktkr!…」
その瞬間、ツンの爪が不気味に煌めいた
- 65 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:51:49.89 ID:EE8yGu6XO
- 五分後…
カウンターに女が一人と、ひっかかれて顔を腫らした男が二人
沈黙を保ち、黙ってコーヒーをすすっていた
(メメ^ω^)「………」
(メメ'A`)「………」(正直スマンカッタ)
虚しくクラシックの音楽が響き、時おりズズッ…とコーヒーをすする音
女だけがパフェらしきものを満足気に頬張っている
( メメ^ω^)「…………」
(メメ'A`)「…………」
(;´・ω・`)(なんというか…まあこれも青春だね…)
- 68 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:55:29.85 ID:EE8yGu6XO
- ξ゚听)ξ「ブーン、プリン・ア・ラモードもうひとつ頼んで」
(メメ^ω^)「お…いいけどお…そんなに食べたら太…」
ξ#゚ー゚)ξ「なんかいった?アンタに許された返事は『はい』だけよ?」
(メメ;^ω^)「は、はいだお!いえ、なんでもありませんお!こころゆくまでお召し上がりくださいだお!
というわけで頼むおマスター!」
(;´・ω・`)「…うん、今すぐ作るよ…」
- 71 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/28(水)
00:59:09.35 ID:EE8yGu6XO
- ξ*゚听)ξ「…あ〜、このパフェ美味し〜」
(メメ;ω;)(ツン怖ええお…)
(メメ;'A`)(女っておっかねえええええ…)
(´・ω・`)「おまたせ、プリン・ア・モードが出来たよ」
ドクオとブーンとツン、まだ大人になりきれない三人を、マスターは、うすら生温かい眼差しで見守るのであった
第七話 完
戻る