178 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 21:23:39.52 ID:k85xm4QKO
第二十話



〜一ヶ月後〜




( ^ω^)



秋だお。昼はまだ諦めの悪い夏が戻ってくることもあるけど…
夕方からは、完全に秋だお



いつものようにパートのおばちゃん達の仕事の後処理、


それが終わったら片付けを済ませて伝票処理

あとはタイムカードを通して着替える
180 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 21:28:48.22 ID:k85xm4QKO
( ^ω^)「皆さんお疲れさまですお、

お先に失礼しますお」

「おつかれさーん」


先輩や上司に軽く手を振りながら外に出る


夏が過ぎたせいか、ドアを開けると少し物寂しい空気を感じるお


一ヶ月前までは…ここから臨海モノレールの駅まで歩いていたけど

…今、目の前にはシルバーのZ31が僕を待っていた


( *^ω^)ニコニコ

181 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 21:40:31.64 ID:k85xm4QKO
( *^ω^)ニコニコ

思わずニヤケてしまうお。

今のぼくにはZがある。

ただそれだけのことだというのに



エンジンを掛ける。

キュルルル…ブォオオアア!


( ^ω^)「……」
…この音と共にぼくの目も輝いてしまうのが自分でもよくわかるお…

( ^ω^)「…さて、たまにはカーチャンにケーキでも買って帰るお」

湾岸地帯の閑静な工場街を、ぼくはZ31で帰っていった

182 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 21:54:26.44 ID:k85xm4QKO
( ^Д^)



( ^Д^)「ようモララー、しばらく顔だせなくて悪かったな」


( ・∀・)「いやいや、そっちこそ仕事が大変だったんだって?」


( ^Д^)「…まあな」

オレはモララーといつものファミレスに来ていた。

いつもの…と言っても一ヶ月くらい来てなかったんだがな。

911のナラシは終えて、ジョルジュにある程度調整もしてもらっていた。

クルマは完調だが、オレの都合が合わなかったんだな、仕事で

なんの仕事してるのかって?秘密に決まってんだろそんなもん
184 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 22:00:46.57 ID:k85xm4QKO
( ・∀・)「…じつはな、私は一ヶ月くらい前にあのZ32とバトルになったんだ」


オレはスパゲティを頬張りながらモララーの話に耳を傾ける

( ^Д^)「……ほう、どうだった?」


( ・∀・)「断トツで一人勝ちさ」


( ^Д^)「………」

( ・∀・)「まあそれは冗談だ。

ヤツはなんかマシントラブルだかなんだかわからんが途中で減速しちまってな。

一応私の勝ちは勝ちだが」
186 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 22:20:17.61 ID:k85xm4QKO
( ^Д^)「実際は勝負を預けられてるって感じか?」


( ・∀・)「まあ…そういうことだ」
モララーはエビフライをかじりながら返事をする


( ^Д^)「そうか…じゃあ今度はオレも出張って本当にケリをつけなきゃ…てことだな」


( ・∀・)「その通りだ。いつがいい?」


モララーがナプキンで口の周りを拭きながら尋ねてくる



( ^Д^)y ̄~「…今夜からでも湾岸を回ってみようじゃねえか」


オレはタバコに火をつけて答えた。

善は急げ、って言うからな。ハッハッハ

187 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 22:31:11.68 ID:k85xm4QKO
('A`)




あー…クルマを持たなくなってから…早二ヶ月くらいか…



うん、俺もまたクルマ買いたいと思ってるんだけど

…今度は70スープラか80スープラかで迷ってるんだよね…両方とも程度が良くて安いのは見つかりにくいし…



それに…最近クーさんやブーンに会ってないな…

どうしてるんだろう?
190 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 22:35:49.63 ID:k85xm4QKO
('A`)


とかなんとかそんなことをついつい考えてしまう仕事中の俺、

印刷工場の社員はけっこう肉体労働だからあんまりボヤボヤしてらんないんだけどな



そんなこんなで午後六時に勤務終了、

次はスーパーでバイトだ。

うん、なんで俺こんなに働いてるんだろうな?

やっぱりクルマが欲しいと思うと頑張れるからかもしれない。


…と、ケータイに着信だ

…非通知?


('A`)「はいー、」
194 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 22:57:00.56 ID:k85xm4QKO
川 ゚ -゚)「もしもし、クーだ」



(*'A`)「クーさんでしたか!どうしたんです?」

クーさんからの電話は始めてだった。

そのせいか声を聞いた瞬間に、驚きとときめきと…いろいろな気持ちが胸を去来した


川 ゚ -゚)「うむ、時にドクオ、今夜はヒマはあるか?」


('A`)「え〜と…10時くらいまでバイトですが…そのあとはヒマですね」


川 ゚ -゚)「そうか、じゃあ10時にスーパーまで迎えにいく。それじゃ」


(*'A`)「………」


自分のクルマはなくなっちゃったけど、俺の生活は充実し始めた…

間違いない


さ〜て!これからバイト頑張らないとな!
195 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 23:20:09.02 ID:k85xm4QKO
(´・ω・`)




やあ、ようこそバーボンハウスへ、このコーヒーはサービスだからまずは飲んで落ち着いて欲しい、

うん?お酒はないのかって?ええ、一応ありますよ。

なにがいいですか?

テキーラ?はいはい、ちょっと待っててね。

珍しいねお客さん、ウチでお酒頼むなんて


うん?聞きたいことがある?

どうぞ…

ふむ…ふむ、なるほどね、僕のクルマはマーチですよ。

ええ、平成14年式の、オートマのフツーのやつ、

196 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 23:21:12.16 ID:k85xm4QKO
(´・ω・`)



え?違うだろって?そんなこと言われても困っちゃうなぁ。


とりあえずもう一杯飲んで落ち着いてくださいよ



え?新制首都高?たまに食材の仕入れとかで使うこともありますけどね。

そんな夜中にマーチで走りに行くなんてことはありませんよ。




まあまあまあ落ち着きましょうよお客さん、ね?

もう一杯テキーラ飲んで…どうです?お分かりいただけたかな?


え?この店は何時まで営業してるかって?

夜の九時までなんだよね、すまない。酔っぱらいの顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思わない。

だからお酒はあくまで『一応』置いてるだけなんだよね。
199 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/10(土) 23:27:33.61 ID:k85xm4QKO
(´・ω・`)


ん?酒はもういい?把握した。

ところでお客さんはどうして僕にそんなに質問するんだい?


…ふむふむ、確かに僕は昔は相当ムチャをやらかした時代もあったよ。

kwskは話せないけどね。

うん、今はもう走るなんてことは…ね、

もうこのへんで勘弁してくれないかな、質問は…

お客さんそんな飲み方したら体に毒だよ…、え?もう一杯?…仕方ないな、これで最後にしたほうがいいよ…

え?なに…?

…………

……

黙れ、ぶち殺すぞ


第二十話  完

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