- 28 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:24:01.56 ID:nJPlYQ9TO
- 第二話
深夜のVIP市、首都高速湾岸線。車の往来は、皆無。
風を切り裂きふと現れた4つの光源。2台分のヘッドライトが闇を切り裂き疾走していた。
2台がとんでもない速度でカッ飛んでいく。
先頭は‥白いR33スカイラインGT-R、少し離れてついていくのは赤いFC3S型RX‐7だ。
RX-7‥FCのスピードメーターはすでに260キロ近くを指していた
しかし水温102℃、油音134℃‥温度が上がりすぎて危険な状態だ
その時、エンジンルームから僅かな破壊音‥それと同時にRX-7はマフラーから白い煙をブワアッと吐き出しはじめた
「ぐぅ‥やっちまった‥」
RX-7のバックミラーからは煙しか見えない。エンジンブロー。さすがに無理な力がかかりすぎていたようだ
失速するRX-7
そんなことなど意に介さないかのようにみるみる離れていくGT-R
- 29 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:25:45.78 ID:nJPlYQ9TO
- ( ,,゜Д゜)「くそっ‥!今日こそ勝てると思ったのに」
男は唇を噛み締める。走りたくても、もう走れない‥
モクモク煙を上げながら高速の路肩にRX-7が止まる。もうエンジンは使えない‥
( ,,゜Д゜)「覚えてろよ‥次こそは‥」
彼─ギコはクルマから降りてタバコを取りだし、いまいましそうに火をつける。そしてケータイで「ジョルジュオート」に電話をかけた
( ゜∀゜)「はいこちらジョルジュオート‥ああ、なんだギコかい。どうした?またクラッシュでもしたから車載トラック出してくれとか?」
( ,,゜Д゜)「クラッシュじゃなくてブローだけどな‥とにかく早く来てくれ。場所は湾岸のVIP東行きの方向だ。頼んだぞ」
- 30 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:27:13.38 ID:nJPlYQ9TO
- ( ゜∀゜)「がってん!お安くしとくよ〜」ガチャ
( ,,゜Д゜)「ちっ‥」
舌打ちをするとタバコを投げ捨て、クルマに座る。
( ,,゜Д゜)「心臓の動かないクルマがこんなにお荷物だとは‥
三ヶ月前にわかっていたはずなのに‥」
そう、ギコは三ヶ月前もこの高速道路であのGT-Rに遭遇していた。ついつい熱くなってガンガンに追いかけていたらエンジンがオーバーレブしてしまい、今日と同じパターンになってしまった
( ,,゜Д゜)「また同じことしちまった‥いろんな意味で痛いぜ‥」
トラックがホーンを鳴らしながらギコの横を走り抜ける。
朝日はまだ、昇りそうもない
- 32 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:30:36.45 ID:nJPlYQ9TO
- ( ,,゜Д゜)
またブローさせちまったか‥だいたい今ジョルジュの車載ローダー呼んだからこれで2万くらいかかるし‥エンジンオーバーホールで今度はいくらかかっちまうんだ‥くそっ!三ヶ月前も壊したというのに‥しかもあの時もあのGT-Rとバトルしていた時だった
しかしな、頻繁に壊してるといってもべつにオレはクルマを粗末に扱ってるわけじゃない。洗車もオイル交換もマメにやってるし結構大事にしているほうだと思っている。
今のブローだっていつもの、昼間のオレだったら絶対回避できたはずなんだ。冷静に考えていれば水温や油温、油圧、クルマが発するこういった危険信号を見失うはずがない。
- 35 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:32:34.00 ID:nJPlYQ9TO
- でも、さっきまでのオレは冷静じゃなかった。オレの目の中にはあのGT-Rしか写らず、頭の中はGT-Rの前に出ることしか考えてなかった。
熱くなりすぎたんだ‥今日も、三ヶ月前も‥悪い癖だ。そのせいで、大事にしてるクルマが動けなくなってしまった‥
なんかここから見える街の明かりが眩しすぎる。手を伸ばせば届きそうなのに、無理だ。ここは高速道路だから
そよ風が顔に当たる。
目を閉じると俺はすこし涙ぐんでいたことに気がついた。
涙が出てきてしまうと、もう止まらねぇ、次から次へと溢れてきやがる‥
- 36 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:33:45.11 ID:nJPlYQ9TO
- クルマは単なる機械‥だけどその機械に申し訳なく思ってくる‥なにも周りが見えていなかった自分のせいで‥
壊してしまったから
動けなくなってしまったから
もう一度‥直そう‥、絶対走れるようにしてやろう‥、
しぃに少しお金を借りてでも‥
オレはあのFCを直す‥
‥ん?
( ゜∀゜)「やあ待たせたね。それじゃあチャチャッと済ませちゃおうか。」
そこには4トン車を運転してきたジョルジュが現れていた
- 37 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:36:12.82 ID:nJPlYQ9TO
- 「おう、来てもらってすまねぇな」
やっと来てもらえて嬉しいのはやまやまだが、アイツに涙を見られるのは恥ずかしい。
( ゜∀゜)「なんのこれしき、お金だってキッチリ取るわけだからさ」
お金‥!金欠なのに‥‥いかん、また涙が出そうだと思ったとき
「ブォオアアアアアア!」
これでもかというくらいの爆音で目の前をGT-Rがすごいスピードで走り抜けた。まちがいない、さっきのヤツだ。もうこの高速を一周回ってきやがったってことか‥
胸になにかがフツフツとみなぎってきた
なんだかわからねえがやっぱりオレは単純らしい。気がついたときには後ろから叫んでいた
「いつかまた勝負だ!今度こそFCでお前をチギってやる!」
オレの声は夜空に響いてトラックの喧騒に掻き消された
( ゜∀゜)(どうやらまた熱くなりすぎたってパターンらしいね‥てか早くクルマ積むの手伝ってほしいんだけど‥)
- 38 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:40:00.40 ID:nJPlYQ9TO
- 数日後‥
オレは今ジョルジュの工場にいる。運ばれてきたオレのFCはすでにエンジンを降ろされ、オーバーホール(分解清掃)に入っていた。
( ゜∀゜)「うーん‥今回はそんなに激しい損償は無いね、まあガスケットとかゴム類変えて‥あとは保器類の見直し考えてみたら?インタークーラーとラジエターの交換とかさ、いままでのやつだと水温さがりにくいし」
ジョルジュはメカニック兼工場長兼社長‥要はこいつ一人でやってる会社ってことだ。
いつも『おっぱい!おっぱい!』とか言ってるくせに‥まあいつもオレのクルマ見てもらってるから感謝してるけどな。
ちなみにオレとは中学時代からの付き合いだ。
なんて考え事してる場合じゃない、オレのクルマの方が問題だ!
- 39 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:40:41.03 ID:nJPlYQ9TO
- ( ,,゜Д゜)「そうか‥たしかにそれは考えなきゃいかんな。ぜひとも容量アップしたいところだがいかんせん先立つものが‥」
そう、オレは愚かにも三ヶ月前もブローをやらかしたのであんまり金がない‥てかそんなことぐらい察しがつくだろうよ
( ゜∀゜)「そうか‥でもお前さんは運がいいよ。ちょっち待ってな」
‥?
これは期待?していいのか知らんがジョルジュは工場の奥から段ボール箱を三つばかり抱えて持ってきた‥もしや
( ゜∀゜)「ほれ」
空けてみると‥そこにはまさにFC用の大容量インタークーラー、アルミ三層ラジエターが入っていた
- 40 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:43:41.28 ID:nJPlYQ9TO
- これをオレのクルマにつければかなりの戦力うpにつながる!しかしこれ二つ合わせて新品なら30万近い値段になるはずだが‥
( ,,゚Д゚)「すげえな‥でもオレこんなの買う金ねーぞ」
ああ情けない‥これだけの品を前にして‥マジでしぃに金借りようかな‥
( ゜∀゜)「ん?ああそれなら心配いらない。これは三日前夜逃げした同業者んとこから失敬したものだからね。限りなくタダに近い値段で譲ってあげよう」
( ,,゚Д゚)「mjd!!?(火事場ドロしてやがるこいつw)」
( ゜∀゜)「でもFCに組むなら工賃だけは頂くよ。もちろんエンジンオーバーホールとは別料金で」
( ,,゚Д゚)「なにい?だったらオレも組むの手伝うからその分安くしてくれよッ!」
( ゜∀゜)「はは、わかったわかった。冗談だよ。友情価格ってことで、出世払いでいいさ、」
そう言うと、ジョルジュはおもむろにエンジン組付け作業にとりかかった。
ジョルジュのさりげない優しさに‥オレは胸が熱くなってきた
- 42 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:46:45.47 ID:nJPlYQ9TO
- さらに数日後─
FCのエンジンが組み上がりボンネット内に収まった。ついでにインタークーラーとラジエターも
相変わらずジョルジュは作業が早い
( ゜∀゜)「このくらい余裕だっての!」
( ,,゚Д゚)「そうか‥ところでシェイクダウン(試走)はいつごろ出来そうだ?」
( ゜∀゜)「ん〜‥とりあえずしばらくオレが預かってもいいか?まだ見直したいとこもあるし‥まあ三日後にはギコに渡せると思う」
( ,,゚Д゚)「そうか、わざわざすまん‥じゃあ、オレは歩いて帰るから、またな」
そう言ってオレはジョルジュオートをあとにした。
- 46 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:48:56.93 ID:nJPlYQ9TO
- 騒がしい国道を歩く。ひさしぶりに徒歩という手段を使うといつもとは違う道に感じられるから不思議だ
ちょっと喉が渇いていたのでいつもの喫茶店に寄っていくことにし、道を外れる。
カランカラン…ドアを開けると
(´・ω・`)「やあ、ようこそバーボンハウスへ‥ああ、ギコ君じゃないか」
( ,,゚Д゚)「やあマスター、元気してたか?」
(´・ω・`)「うん、それなりにね、花粉症の人には厳しいけどこの季節はしのぎやすいよ。それじゃ‥注文を聞こうか」
- 47 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:50:20.12 ID:nJPlYQ9TO
- ( ,,゜Д゜)「ああ、じゃあエスプレッソを頼むよ。ところでマスター、クルマぶつけられたんだって?」
(´・ω・`)「ああ、知ってたの?そうなんだよ。僕のマーチが知らない間にへこんでたんでね。板金で5万くらいかかっちゃったよ」
( ,,゜Д゜)「そうか‥でもオレなんかこないだエンジンやっつけちゃったからなぁ‥友情価格じゃなかったらすごい値段になってるだろうよ」
- 48 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:53:25.65 ID:nJPlYQ9TO
- (´・ω・`)「うふふ‥そういえばFCってヤツに乗ってるんだよね?RX-7の」
( ,,゚Д゚)「ああ、いま修理中なんだ。それより聞いてくれよ、しぃとこないだデートしてたらペニサスが‥」
オレはマスターと話し始めるとついつい夢中になってしまう。それもマスターが聞き上手で、とても話がしやすいからだろう。すっかり話しこんでしまった。
気がついたらあたりはすっかり暗い。そろそろ帰ろう。
( ,,゚Д゚)「じゃ、マスター、これコーヒー代420円ね、それじゃまた来るよ」
(´・ω・`)「ああ‥待ってるから今度は
や ら な い か ?」
( ,,゜Д゜)「だが断る」
バタンッ!
いかん、つい扉をバタンと閉めてしまった。あのマスター、人はいいんだがたまにふざけたことを言う‥
('A`)「‥‥スイマセン」
前から人が来てるのに気がついていなかったオレ。あわててよけてお互いに会釈しながらすれ違う。
バーボンハウスの駐車場に通りかかるとさっきまで停まっていなかった70スープラがある。じゃあさっきすれ違った男のだろうな‥
まあどうでもいいか
そんなこんなでオレは帰路についた
- 52 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:57:47.54 ID:nJPlYQ9TO
- 三日後‥
( ゜∀゜)「待たせたな。やっと完成だ」
ジョルジュオートの工場内にはピカピカの紅いRX-7が停まっていた。ひさしぶりに見るオレの愛車。
( ,,゚Д゚)「ありがとよジョルジュ‥それで仕様は?」
( ゜∀゜)「ああ、とりあえずシャシーダイナモ(馬力測定機)のっけてみたらだいたい380馬力くらいかな。この年式のFCにしちゃいい方だろ。
交換したのはインタークーラーとラジエターくらいだ。エアクリとプラグはサービスだからな」
( ,,゚Д゚)「そうか‥すまない」
オレはFCに関しては毎度毎度こいつに世話になってばかりだ‥いや、ほかにも世話になった人がいる‥
- 53 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/23(金)
23:59:32.48 ID:nJPlYQ9TO
- 〜二年前〜
(*゚ー゚)「ねぇギコ君。次のクルマなににするの?」
それまでオレのクルマはマークUツアラーVだった。しかし、色々と事情があったために手放した。そこで次にどんなクルマにしようか迷っていたときのこと
( ,,゚Д゚)「ん?まだ決めてないなぁ‥しぃはどんなのがいいと思うんだ?」
(*゚ー゚)「え?わたし?そうね〜、こないだ中古車屋で見掛けたカッコいいやつがいいなぁ」
( ,,゚Д゚)「‥‥?
‥どうせ車名わかんないだろ?なんなら今から見に行ってみるか」
- 54 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:01:17.87 ID:1gFwOpTfO
- オレはそのとき本当にどんなクルマにしようか決めきれてなかった。こういうときは身近な人間の意見が極めて反映されやすい
(*゚ー゚)「えっほんとうに?じゃあ行こうよ〜」
と、しぃに手を引かれてどこかの国道沿いにある中古車屋に連れて来られた。そこで出会ったのがあのFCというわけだ
(*゚ー゚)「ほら!あの赤いクルマ!どう」
( ,,゚Д゚)「RX-7‥ロータリー車か‥なるほどね。しぃ、お前なかなかセンスいいかもな」
たしかにロータリーエンジン搭載のRX-7には一度乗ってみたいと心のどこかで思っていた。ロータリー独特のフィールとやらに興味もあった
(*゚ー゚)「そう?わたしのよりこのクルマの方がセンスいいんじゃない?」
( ,,゚Д゚)「ハッハッハ‥わかった。でもこのクルマはマークUほど乗り心地はよくないと思うぞ?いいのか?」
(*゚ー゚)「わたしは構わないよ!いいじゃない。ホラ、わたしの貯金少し降ろしてきたから遠慮なく足しにしてね?」
しぃが1万円札を十数枚オレの手に差し出す‥
( ,,゚Д゚)「しぃ‥」
- 55 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:02:41.87 ID:1gFwOpTfO
- (*゚ー゚)「いいのいいの!前のマークUの時はギコ君いつもわたしのこと乗せてくれてたしすごい助かってたんだから、これぐらいさせて、ね?それで今度はこのクルマでいっぱいドライブしようよ!」
オレはその場でFCを買った。しぃのサポートのおかげだ‥
あの頃のしぃはそんなにお金に余裕があったというわけではなかったのに‥オレのためになんとかやりくりしてくれたに違いない‥
なのに近頃はしぃとドライブすら行っていない‥
( ,,゚Д゚)「じゃあジョルジュ、オレは帰るぞ。またよろしくな」
缶コーヒーの空き缶を捨て、立ち上がって呟く
( ゜∀゜)「おう、またな」
‥今夜あたりしぃをドライブに誘ってみよう。
そう決めてFCのエンジンを掛け、工場をあとにするのであった
- 57 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:06:21.09 ID:1gFwOpTfO
- (*゚ー゚)「おまたせギコ君!ひさしぶり」
ここはしぃの家の近所、オレがFCで迎えに来たのだ
( ,,゚Д゚)「ようひさしぶり!最近あんまり連絡とれなくて悪かったな、まあとりあえず乗ってくれ」
しぃが助手席に乗ってドアを閉めたのを確認してクルマを前進させる
(*゚ー゚)「あれ?なんかしばらく見ないうちにこのクルマいろいろ変わってる?」
おそらく、マフラーの音が大きくなってたり、足回りの強化、メーター類の追加をしたからだろう
( ,,゚Д゚)「ああ‥最近すこしずつイジってるんだ。ところでこれからどこに行こうか?」
(*゚ー゚)「ん〜‥特にこれと言ってないかも‥どうしようか?」
う〜ん、そういう返事だとコッチは困るんだけどな、まあいいや
( ,,゚Д゚)「海でも見にいくか?」
- 58 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:07:23.42 ID:1gFwOpTfO
- (*゚ー゚)「うん」
クルマを南に向けて走らせる。
それにしてもジョルジュによって再び組まれたこのエンジン、すげえ調子がいい。やっぱりアイツは腕がいいってことか、こんないい仕事してくれて出世払い可‥なのか、
などと考えていると海がもう近い。そこらの海浜公園の駐車場にFCを入れる。
ほかにはクルマが一台だけいた。青い70スープラ‥もしかしたらこないだバーボンハウスにいたやつかもしれないな。まあどうでもいいけど
( ,,゚Д゚)「着いたぞ、しぃ」
(*゚ー゚)「うん、降りて散歩しよっ」
- 59 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:09:05.31 ID:1gFwOpTfO
- やっぱり夜の海沿いはいいもんだ‥ひさびさに来るとついついずっと散歩していたくなる
そういえば今日は街でもう桜が咲いていた。この公園もどこかに桜があるかもしれない
(*゚ー゚)「ねえ、ギコ君」
( ,,゚Д゚)「ん?どした?」
(*゚ー゚)「仕事…調子はどう?」
( ,,゚Д゚)「ああ…ちょいキツイな。でも頑張って稼がなくちゃ、しぃはどうなんだ?」
オレは食品会社勤務、しぃは出版社勤務、二人の職業はバラバラだ。だからお互い忙しい時期になるとなかなか連絡がとれない
- 60 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:12:05.91 ID:1gFwOpTfO
- (*゚ー゚)「そっかぁ‥わたしも最近ちょっと疲れてきたかも‥ギコ君ともあんまり会えない日が続いてるし‥」
そうか‥本来弱音を吐かない性格のしぃが疲れてきたって言ってるってことはかなりのストレスなのだろう‥
( ,,゚Д゚)「無理は‥するなよ。なにかあったらオレに相談してくれ。気を使うことなんてないんだからな」
(*゚ー゚)「うん‥ありがとギコ君」
オレは‥しぃをそっと抱き寄せて唇にキスをした
(*///)「ん‥う」
しぃは軽くあらがいつつも唇を離そうとはしなかった
┃A`)ジー‥
┃ω)ジー‥
なにやら物陰に不韻な気配を感じ、オレは唇を離した
┃≡サッ
┃≡サッ
(*゚ー゚)「どしたの?ギコ君」
なにやら気配を感じたのだが‥誰もいないようだ‥でもしぃに言って無闇に不安にさせる必要もあるまい
( ,,゚Д゚)「ん‥そろそろ出ようか」
(*゚ー゚)「‥うん」
オレとしぃはFCに乗ってそのままどこへとともなく夜の闇へと消えていった
- 61 : ◆rHi47N9WYc :2007/02/24(土)
00:14:11.49 ID:1gFwOpTfO
- ('A`)「大佐殿、なにか見えましたか?」
( ^ω^)「うむ、問題はこのあとどこに消えたのかということだお」
('A`)「激しく同感であります大佐」
( ^ω^)「時にドクオ、あの赤いスポーツカーはいかなる物なのだお?」
('A`)「はっ!あれはマツダの旧型RX-7、通称FCと呼ばれるロータリーエンジン搭載のピュアスポーツカーにございます」
( ^ω^)「把握したお、してこれからどうするお?」
('A`)「家に帰って眠るべきかと」
( ^ω^)「残念だが同意だお」
第二話 完
戻る