27 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 21:49:17.00 ID:zM70kwzLO
第十一話


VIP市郊外のマイナーな県道


夜ともなるとほとんどクルマも通らず、ましてや歩行者などひとっこ一人いない


クォォォォー……

そこをゆっくりと黄色いNSXが流していた

ξ゚听)ξ「…あら?」



側道を力無く歩く人影を見つけたNSXのドライバー…ツンはクルマをゆっくり近付けてみた



( ヽ´ω`)「……お?」
側道の男も近付いてくるNSXに気がついたようだ

28 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 21:50:13.24 ID:zM70kwzLO
ξ゚听)ξ「誰かと思ったらブーンじゃない。どうしたの?」


ツンはハザードを焚きながら左サイドウインドウを開け、運転席からブーンによびかけた

( ^ω^)「おっ!ツンじゃないかお!おいすー!」


ξ///)ξ「べ、べつにたまたま通りかかったから声かけてあげただけなんだからねっ!

……なんなら乗っていけば」


( * ^ω^)「それは助かるお」


ブーンを乗せ、黄色いマシンは若干左に傾く
30 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 21:55:44.28 ID:zM70kwzLO
ξ゚听)ξ「…で、なんであんなとこ歩いてたわけ?」

( ´ω`)「それは…クルマ探しにいってたんだお」

ξ゚听)ξ「ふーん…なんかいいのあった?」

( ´ω`)「忘れようとしても思い出せない悲しく切ない展開…
kwskは第九話参照…作者転載許可済だお…」

ξ゚听)ξ「ふむふむ…
あははははっ!なによこの間抜けな展開www」

( ;^ω^)「運転中なのに笑いすぎだお」

ξ゚听)ξ「あははは…だって…あら?」


騒がしい二人を乗せたNSXだが…何かが後ろから突然走り抜けた


『ガルルルゥオオオオ………』


ξ゚听)ξ「うわ」

( ^ω^)「わお」

31 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 21:57:43.95 ID:zM70kwzLO
ツン達の乗るNSXをブチ抜いていったクルマ…白いポルシェ911ターボだった

その姿はものの数秒で視界から消え、排気音だけが遠くから響く…

ξ゚听)ξ「………」

( ^ω^)「………」

一瞬で静まり返る室内…

ξ゚听)ξ「あれは…確かポルシェ?」

( ^ω^)「……そうらしいお」


( ^ω^)「ツン、せっかくだからバーボンハウスでも寄っていくお」

ξ゚听)ξ「…こんな時間までやってたかしら」

ξ///)ξ「…て、な、なんであんたとまたお茶なんか飲まなきゃならないのよっ」

( *^ω^)「プリン・ア・ラモードを奢るお」

ξ*゚听)ξ「もう、仕方ないわねっ」

なんだかんだでまんざらでもなさそうなツンは、NSXをバーボンハウスの方向へと向けるのだった

32 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:00:05.79 ID:zM70kwzLO
〜夜、バーボンハウス〜

( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ「……」


『お盆期間中は勝手ながらお休みさせて頂きます
バーボンハウス・マスター』

店内がやけに暗いと思ったらドアにはこう書かれた張り紙がしてあったのだ

( ;^ω^)「正直すまんかったお」

ξ#゚听)ξ「あーもう!プリン・ア・ラモード楽しみにしてたのに〜!!」

( ;^ω^)「ご、ごめんだお…」

ξ#゚听)ξ「許さない!」
34 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:07:22.75 ID:zM70kwzLO
( ・∀・)y ̄~「…いいんじゃあないかあのクルマ?しかしよく買えたな」

( ^Д^)y ̄~「まあな…しかしノーマルじゃやっぱりキツイだろ。だれか腕のいいチューナーにイジってもらわねぇと」


ここはVIP市内のファミレス。
ポルシェの試運転を終えた二人は軽く夕食をとっていた

( ^Д^)y ̄~「しかしよ。オレの方はこれでいいとしてモララーはどうすんだクルマは?」

( ・∀・)y ̄~「俺か?俺はな…」


「プリン・ア・ラモードもう一つくださーい」

モララーが言おうとしたときに隣のブースから若い女の声が聞こえてきた

35 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:09:03.22 ID:zM70kwzLO
店員「ハイ、かしこまりました〜」


ξ*゚听)ξ「ん〜、やっぱりファミレスのやつは多少質がよくないわね…」

( メメ^ω^)「…………」

ξ゚听)ξ「ブーン、あんたは食べないの?」

( メメ^ω^)「…僕は…コーヒーだけでいいんだお」

ξ゚听)ξ「コーヒー好きねぇ」

( メメ^ω^)「…………そうだお」



( メメ;ω;)「……」
ツンは相変わらずプリン・ア・ラモードに夢中だ

36 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:13:09.39 ID:zM70kwzLO
( ^Д^)y ̄~「へぇ…そんなこと考えてやがったのか」


( ・∀・)y ̄~「実際うまくいくかはわからんがね」


( ^Д^)「とりあえずまた一週間くらいしたら会おうぜ。今日はオレが出しとく」


( ・∀・)「すまんな」


二人はタバコの火を消して席を立った


37 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:14:07.28 ID:zM70kwzLO
ファミレス駐車場


( ^Д^)「黄色いNSXが停まってんぞ」


( ・∀・)「…ふーん、店内にこんなクルマのオーナーがいたってことか。そうは見えない奴らばかりだ」


( ^Д^)「まあいいや、とっとと帰ろうぜ。お前のS15路駐しっぱなしだもんな」


( ・∀・)「…ああ、そうだったな」



二人はポルシェに乗り込み、水平対抗独特の音を響かせてファミレスを後にした



( メメ^ω^)「いまのポルシェ…さっきのやつじゃないかお?」

プリンアラモードを美味しそうに食べるツンを前に、ただボーッと窓を眺めていたブーンは駐車場から出て行く白いポルシェを見て言った

38 : ◆rHi47N9WYc :2007/03/05(月) 22:16:29.01 ID:zM70kwzLO
ξ゚听)ξ「…ん?あら、そういえばそうかも…」


( メメ^ω^)「たぶんさっき隣にいた人たちだお」

ブーンは…隣にいた彼等とはそのうち他人同士ではなくなる予感がしていた。

なんとなく、そういう勘だった。コーヒーのせいで脳が活発化しているというわけでもないらしい

ξ゚听)ξ「偶然ねぇ…あ、ブーン、もうひとつプリン・ア・ラモード追加ね」


( メメ^ω^)(…マスターが休んでるのが全ての原因だお…お盆だというのに…ブツブツ)


第十一話  完

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