214 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 23:57:50.92 ID:S7R1gvyq0
ツンの部屋は──やっぱり、ツンらしかった。
決して汚い訳ではないが、綺麗でもない。
ただ、妙に凝った部分があるのは確かだ。

( ^ω^)「ごめんだお、ツン。悪いことはしないお」

最も、僕を裏切るようなことがなければ。
だけど。

( ^ω^)「君は、僕の事をどう思ってるんだお?」

随分長い間、一緒にいたお。
幼稚園から、高校1年まで。
高校2年になって、初めてクラスが別れたお。

( ^ω^)「僕は、ずっと君のこと好きだったお」

君なら気付いていたよね。
同じように、僕も気付いていたよ。
221 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:01:16.36 ID:fvMI99xr0
君も、僕のこと好きなんだって。
僕と話している時の君の顔、すっごく綺麗だって。
知っているよ。

( ^ω^)「ねぇ、ツン」

僕は知っているよ。
君は、僕の事好きなんだ。
相思相愛って奴だよね。良かった。

( ^ω^)「ねぇ、ツン──」

僕、いじめられてたんだ。
でも、今日、お返ししたよ。
もう、僕は弱くないんだって。

( ^ω^)「ねぇ──」

──ツン、どうして君の部屋には、僕への感情が一つもないんだい?
230 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:03:38.93 ID:fvMI99xr0

まさか、君も僕を裏切る訳じゃないよね。
ごめんね、疑ったりして。

( ^ω^)「あ、分かったお!」

きっと、クーの姿で驚かしたから、混乱しているんだ。
部屋の中が、ちょっとごちゃごちゃなんだね。

( ^ω^)「それじゃ、僕が整理してあげるお」

大丈夫。
みんなみたいに、変な風には改造しないから。

( ^ω^)「ただ……僕への気持ち、作ってあげるお」

とっても大きく。
僕への好意を、すっごく大きく。
作って、あげるから。


233 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:05:20.49 ID:fvMI99xr0
──……・・
─……
…・・
・・


川 ゚ -゚)「お邪魔しました」

僕はツンの部屋から出てすぐ、教室を出た。
向う場所は、"僕"を隠した男子トイレ。

川 ゚ -゚)「……」

カギのかかった個室。
隣の部屋から上を伝って、そこに入る。


( ω)

川 ゚ -゚)「随分と長く寝てたお?僕」

235 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:06:53.34 ID:fvMI99xr0
意識のない僕。
いや、正しくは意識はここにあるのだけれど。

川 ゚ -゚)「もう、いじめる人はいなくなったお」

だから、安心して僕に戻れる。

川 ゚ -゚)「ツンは、僕を愛してくれてるお」

だから、安心して傍にいれる。

川 ゚ -゚)「もう、僕は弱くないんだお」

だから、安心して。



川 ゚ -゚)「……ただいま──」

237 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:07:43.03 ID:fvMI99xr0
───……・・
──……
─…・・
…・・
・・











241 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:11:18.96 ID:fvMI99xr0
暗闇に、僕はいる。
何も見えない、本当の闇。

ここは、どこ。
僕の心の部屋は、どうなっている?

何で何も見えない。
これじゃ、何をすることも出来ない。

そうだ。
一旦出よう。
一旦部屋を出て、クーに戻ろう。




でも……扉は、二つある。
245 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:14:11.83 ID:fvMI99xr0
一つは、外に出れる。
今の僕の体、クーに戻ることが出来る。

もう一つは、部屋の奥へと進む。
そして、この部屋。僕の体に入る。


どちらに入るかなんて、分からない。
真っ暗な部屋。
何も分からない。


でも、行かなきゃ。
この闇に飲み込まれる前に。
僕は

行く。


( ^ω^)「お邪魔しましたお」


・・
……
─……
──……
254 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:19:21.09 ID:fvMI99xr0
※10日後

川 ゚ -゚)「……ジョルジュ、来てたのか」

( ゚∀゚)「あいにく、遊べる友達はみんな狂っちまったもんでね」

早朝の教室。
そこに、二人の男女がいた。

川 ゚ -゚)「……どうやら、今日クラス替えのようだ。
     ウチのクラスが半分以上駄目になったせいで、再編成らしい」

( ゚∀゚)「だろーな。みんな狂っちまった」

川 ゚ -゚)「ああ……」

( ゚∀゚)「腰振るわ喘ぐわ泣くわ叫ぶわ……。ショックで引きこもるわ……」

川 ゚ -゚)「一人、完全に意識が無くなったしな」

( ゚∀゚)「ほんと……何だってんだよ……」

257 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:22:35.68 ID:fvMI99xr0
川 ゚ -゚)「私も、気付いたら男子便所にいたしな」

( ゚∀゚)「俺だって、何か変なとこで倒れてたし」

二人は顔を見つめあい、また溜息をついた。
いくら考えても、結論には辿り着けないらしい。

ξ゚听)ξ 「……」

そこに、一人の少女が現われる。
髪が金色の、可愛らしい少女。

ξ゚听)ξ 「……ねぇ、ブーンは?」

川 ゚ -゚)「隣のクラスのツンさんだったかな?今日は私達のクラス以外は休みだぞ」

ξ゚听)ξ 「ねぇ、ブーンは!?」

川 ゚ -゚)「……来ていない。来られない」


262 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/27(日) 00:25:35.30 ID:fvMI99xr0
ξ゚听)ξ 「ブーン?どうしたのかな……。
       私、ブーンがいないと駄目なのに……」

少女はいかにもさびしげな目で、また歩き出す。
未だに、独り言を続けて。

ξ゚听)ξ 「ブーン……愛してる。あなたがいなかったこの10日間、私死にそうだった。
       お願いだから、出てきて?私にはあなたしかいないの。
       何でもしてあげる。すっごい愛しているの。おねがい……」

教室から姿を消した彼女。
残された二人は、もう一度顔を見合わせて息をついた。

川 ゚ -゚)「彼女も……」

( ゚∀゚)「だな……」

それでもまだ、彼女は言葉を続ける。
彼女の心を埋め尽くす、ブーンという人物を求めて。

ξ゚听)ξ 「愛しているの。愛している。お願いだから、出てきて。ブーン……」



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