- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:03:36.91 ID:S7R1gvyq0
- <ヽ`∀´> 「ニダニダーwww ブーン菌が移ったニダーwwwww」
ミ,,゚Д゚彡「ちょwwやめぃwwwwうはwwwうつったwwww」
('、`*川 「キャーwww」
(;^ω^)「や、やめてくれお!僕は汚くなんかないお!」
<ヽ`∀´> 「黙るニダ!ボッカガッシ!」
ミ,,゚Д゚彡「ブーン菌を絶滅させてやる!」
(;^ω^)「い、痛いお!やめてくれお!」
('、`*川 「きもーいw」
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:04:51.47 ID:S7R1gvyq0
- どうしてみんな、僕をいじめるんだお?
僕が、何か悪いことをしたかお?
僕が、君たちを困らせたかお?
僕は一体
何を、したんだお?
〜( ^ω^)ブーンが"入る"ようです〜
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:08:56.05 ID:S7R1gvyq0
- ( ;ω;)「うっう……」
誰もいなくなった教室で
僕は一人泣き続ける。
( ;ω;)「おーおー……」
ニダーに殴られた横腹が、また痛みを増す。
フサギコに蹴られた足が、また痛みを増す。
誰にも助けたもらえない悲しみが増す。
( ;ω;)「……」
このまま僕は死んでしまうのだろうか。
そう思えるほど、痛みは直らなかった。
( ;ω;)「もう……疲れたお」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:12:00.32 ID:S7R1gvyq0
- 静かに目を閉じると、少しは痛みが和らいだ気がした。
このまま、目を閉じていたい。
動きたくない。
( ´ω`)「……」
呼吸の音が、ゆっくりになる。
やっぱり僕は、死ぬのだろう。
( ´ω`)「……」
思い残すことは、ないと思う。
母親だって、こんな馬鹿息子がいなくなってせいせいするだろう。
( ´ω`)「おやすみ、だお」
僕は、たった一人の教室で意識を失った。
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:14:05.85 ID:S7R1gvyq0
- ──……・・・
─…・・・
……
・・
・
パシャッ!
パシャッ!
( ´ω`)「……?」
何か物音が聞こえて、僕は目を覚ます。
何だ、僕は死ねなかったのか。
( ゚∀゚)「うぇwww起きたwww居眠りブーンwww」
( ´ω`)(ジョルジュかお……)
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:16:34.19 ID:S7R1gvyq0
( ゚∀゚)「何学校で寝てんだよwww」
( ´ω`)(うるさいお。お前等のせいで疲れてるんだお)
( ゚∀゚)「あるぇー?シカトォー?」
( ´ω`)(うるさいお)
( ゚∀゚)「おい、ブーンーー!」
( ´ω`)「……さぃぉ」
( ゚∀゚)「あ?何だって?聞こえねーぞ!」
( ゚ω゚)「うるさいお」
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:23:12.44 ID:S7R1gvyq0
- 僕は、小さな部屋にいた。
そこには、転がった野球道具と、顔のない女の模型がある。
他には、小さな男の人形が落ちているくらいだろうか。
( ^ω^)「……」
最初は混乱していた僕だが、
この部屋を眺めるうちに、色々と思い出してきた。
ここは、ジョルジュの部屋だ。
それも、ただの部屋じゃなくて、ジョルジュ自身の部屋。
僕は、彼の部屋に"入った"のだ。
(;^ω^)(何でそんなこと分かるんだお?)
理由は分からない。
ただ、なんとなく。初めからそれが当然のように、僕は知っていた。
昔から、知っていたかのように。
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:25:17.78 ID:S7R1gvyq0
- ( ^ω^)「……」
知っているのは、ここがどこかだけではない。
ここで、何が出来るのかも、僕は知っている。
( ^ω^)「……」
部屋のドアがある。
一つは、外に出れるであろうドア。
もう一つは、部屋の奥に進めるであろうドア。
( ^ω^)「……」
迷うことなく、僕は奥に進むことを決めた。
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:27:35.68 ID:S7R1gvyq0
- ──……・・・
─…・・・
……
・・
・
( ゚∀゚)「……」
目の前に、僕が倒れこんでいた。
意識はない。
僕は、今ここにいるのだから。
( ゚∀゚)「……」
とりあえず、誰かが来たらまずい。
僕を、どこかに隠すことにしよう。
僕の体を持つと、意外にも軽かった。
( ゚∀゚)(いや、僕の筋肉が強くなってるだけかお……)
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:29:39.51 ID:S7R1gvyq0
- 僕の体を引きずりながら、トイレへと運ぶ。
個室に座らせ、カギをしめ、自分は上から脱出する。
これで、しばらくは隠せるだろう。
( ゚∀゚)「……」
トイレにある鏡を見ると、案の定僕はジョルジュになっていた。
りりしい顔立ち、野球で鍛えた筋肉。
いつも、僕をあざ笑う顔。
( ゚∀゚)「……ぶっ殺してやりてーお」
誰に言うでもなく、ただ、呟いた。
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:32:28.30 ID:S7R1gvyq0
- 教室に戻ると、すぐに生徒が集まってきた。
男子生徒、女子生徒。
まだ、誰も僕の異変には気付いていない。
<ヽ`∀´> 「ジョルジュ、おはよーニダww」
一番に話し掛けて来たのはコイツだった。
今なら、ケンカしてでも余裕で勝てるだろう。
( ゚∀゚)(……でも、そんなんじゃ意味がないお)
せっかく、"入る"ことが出来るのだ。
どうせなら、もっと。
もっと、苦しめて終わらせてやりたい。
( ゚∀゚)「おはよう、ニダー」
<ヽ`∀´> 「テラ真面目wwwwなんか調子狂うニダーw」
( ゚∀゚)「野球の朝練で嫌な事あってな。ちょっとテンションが低いんだお」
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:34:17.89 ID:S7R1gvyq0
- <ヽ`∀´> 「だお?」
( ゚∀゚)「……あー。そういや、今日ブーンみねぇな」
<ヽ`∀´> 「昨日たっぷりいじめたニダwww」
( ゚∀゚)「へぇー。どんな感じだった?」
<ヽ`∀´> 「いつもどーり、泣いて泣いてばっかりニダwwww」
違う。
僕が聞きたいのは、そんな事じゃない。
( ゚∀゚)「お前は、どんな感じだったんだ?」
<ヽ`∀´> 「どういう意味ニダ?」
もういいや。
聞くのも面倒くさい。
自分で、確かめることにしよう。
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:38:42.22 ID:S7R1gvyq0
- 小さな部屋に僕はいた。
ここは、ニダーの部屋。
失礼ながら、勝手に"入ら"せてもらった。
( ^ω^)「やけに明るい部屋だお」
どうやら、相当楽しい学校生活なのだろう。
全く曇りが見えない。純粋に楽しんでいる。
( ^ω^)「……」
色々部屋をあさくって見ると、色々なものが見つかった。
韓国の国旗、お金、そして、輝く玉のような物体。
( ^ω^)「……」
輝く物体を手に取ると、僕には久しい感情が流れてきた。
随分と、感じたことのない、懐かしい感情。
( ^ω^)「友情なんて、糞食らえだお」
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:42:24.68 ID:S7R1gvyq0
- 僕をいじめているくせに、他の人との友情は強いらしい。
どうやら、かなり友達を大事にしているようだ。
( ^ω^)「……お……」
強く念じると、その人の過去の事がわかるようになってきた。
流れ込むように、記憶が入ってくる。
( ^ω^)「なんだお。こいつ、僕と同じかお」
かなり昔、こいつも僕と同じ立場にいたようだ。
それも今じゃ、正反対の立場だが。
( ^ω^)「それじゃニダー。ちょっと昔に戻ってもらうお」
僕は、もう一度、輝く球体を手にした。
そしてそれを、思いっきり、地面に投げつける。
音を立てて、その球体は崩れた。
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:44:44.58 ID:S7R1gvyq0
- ( ゚∀゚)「……っと」
ニダーの部屋から出て、ジョルジュの体に戻る。
目の前のニダーは、どこか抜けた顔で、僕を見ていた。
<ヽ`∀´> 「……」
( ゚∀゚)「……」
お互い、何も話さない。
彼の心の「大事な物」を壊したのはいいが、どうなるかは僕自身も分からない。
<ヽ`∀´> 「……」
すると、彼は何も言わずに立ち去った。
"友達"である僕に対して、何も言う事なく。
( ゚∀゚)(友情、無くしたみたいだお)
ジョルジュの顔で、僕はニヤリと唇を上げた。
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:47:48.20 ID:S7R1gvyq0
- ジョルジュの……いや、自分の席に戻る。
そこからニダーを観察すると、なんとも面白かった。
ミ,,゚Д゚彡「おいーっすニダー!」
<ヽ`∀´> 「……」
ミ,,゚Д゚彡「おりょ?朝からつめてーなーwwwどうしたぃ?」
<ヽ`∀´> 「……」
ミ,,゚Д゚彡「おいおい、いい加減しつけーよw」
<ヽ`∀´> 「うるさいニダ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
<ヽ`∀´> 「僕に関わるなと言ってるニダ」
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:50:16.16 ID:S7R1gvyq0
- ミ,,゚Д゚彡「おいおい……オメーも面倒くせー野郎だなぁ」
<ヽ`∀´> 「お前にあいさつするほうが面倒ニダ」
ミ,,゚Д゚彡「あ?」
フサギコの手が、ニダーの首元を掴む。
普段の彼らからは考えられない、異様な光景。
<ヽ`∀´> 「離すニダ」
ミ,,゚Д゚彡「テメー……次なんか言ったらマジだかんな」
フサギコは、それだけ言ってニダーから手を離す。
荒れた様子で自分の机に鞄を置き、そのまま僕のところに来た。
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/26(土) 20:53:27.13 ID:S7R1gvyq0
- ミ,,゚Д゚彡「なぁ、ニダーどうした?」
( ゚∀゚)「しらない。俺にも、あんな感じだった」
ミ,,゚Д゚彡「……お前も機嫌悪そうだな」
(;゚∀゚)「そ、そんなことないぉ…ぜ!ちょっとテンション低いだけだ」
相変わらず、人の微妙な変化に気付く。
何だかんだ言って、彼らは仲がいいのだろう。
少しだけ、うらやましくも思う。
それと同時に、憎しみも。
( ゚∀゚)(フサギコの部屋にも入るかお……)
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