- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 10:58:15.77 ID:67i0D3Yt0
- 学校からの帰り道、7月も半ばで蝉の声が何処からか聞こえ、時計は12時を指し太陽は真上に昇っていた
ξ゚听)ξ「じゃあまたあとでね」
从 ゚∀从「おー、じゃーな」
( ^ω^)「だおー」
('A`)「ちょいまち」
分かれ道に一人進もうとするツンをドクオが引き止めた
ξ゚听)ξ「何?」
('A`)「んー・・・あー、アレだ、一応護衛としてブーンをついていかせよう」
( ^ω^)「お?」
('A`)「得体の知れない能力を手に入れた奴がそこらじゅうに居るんだ、犯罪に使う奴が必ず出てくる」
从 ゚∀从「そうだな」
('A`)「ブーンはこっちからでも帰れるだろ?ツンを送っていけよ」
( ^ω^)「おー、なるほどお」
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:07:03.95 ID:67i0D3Yt0
- ξ*゚听)ξ「ぶ、ブーンがいいならいいけど・・・」
( ^ω^)「おー、了解したお、ツンを護衛するお」
('A`)「おう、頼んだ」
( ^ω^)「じゃー後でだおー」
ξ*゚听)ξ「またあとでー」
軽く手を振りながらツンとブーンは違う道に進んでいった
从 ゚∀从「何か?ドクオがアタシをおいしいコーヒーをどうにかして守ってくれんのか?www」
ブーンたちが塀の影に消えると、ハインがドクオの脇腹をヒジでつつき始めた
(;'A`)「えーと・・・そのへんはハインさんの電気ビリビリでですね・・・」
从;゚∀从「普通逆じゃねーのかよw」
(;'A`)「コーヒーは武器にあらず」
从 ゚∀从「まぁいいけどなwww後でコーヒー飲ませろよ」
('A`)「把握した」
- 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:15:24.19 ID:67i0D3Yt0
- 街路樹のある道を10分ほど歩くとドクオのアパートの前に着いた
('A`)「じゃーまたあとで、護衛どうもな」
从 ゚∀从「あ、もう家にいちいち帰るのめんどいからお前んちにいていい?
(;'A`)「え」
从 ゚∀从「なんだ?見られてまずいもんでもあんのか?」
('A`)「いや、買い物に行こうかと思ってたから」
从 ゚∀从「あー?コンビニか?」
('A`)「近所のスーパー、学生さんは金がない」
从 ゚∀从「しゃーねー、そんぐらいなら付き合うわ」
('A`)「帰れよ」
从 ゚∀从「ウチはさらに向こうだから帰って戻ってくるのがめんどいんだよ」
- 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:19:48.92 ID:67i0D3Yt0
- (;'A`)「もう勝手にしろよ・・・」
从 ゚∀从「じゃあとりあえず荷物置かせてくれ」
ドクオが部屋のドアをあけると、籠もった熱気が噴出してくる
('A`)「あっつ・・・・」
ドアの隙間から玄関に荷物を放り込む
从 ゚∀从「じゃー行くか」
('A`)「うぃ」
- 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:25:07.96 ID:67i0D3Yt0
- ('A`)「あー、やっぱこの時間は混むのか・・・」
从 ゚∀从「結構人いるな」
寂れた様子の小さなスーパーだが、今日は何時にも増して盛況のようで、レジには結構な列ができている
('A`)「一応缶詰とか買い込んでおこうとおもってたんだが」
从 ゚∀从「まだ結構のこってるぜ?」
ハインが陳列棚の下の方を指差す
('A`)「じゃあ買えるだけ買います」
从;゚∀从「マジか」
('A`)「荷物・・・」
从;゚∀从「なんだオメーか弱い乙女に缶詰なんて重いもん持たせる気か」
('A`)「カヨワイ?」
ドクオが大げさに首をかしげる
- 118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:29:22.36 ID:67i0D3Yt0
- 从 ゚∀从「喧嘩を売ってらっしゃる?」
('A`) 「すんまっせんアイス奢るんでまじお願いします」
从 ゚∀从「ハーゲンな」
(;'A`) 「たけぇよハーゲン」
そんな会話を交えつつ30個ほどの缶詰をカゴに放り込んでいく
('A`) 「みかん、みかん、みかん、みかん、白桃、白桃、白桃、黄桃、黄桃、黄桃、パイン、パイン、パイン」
从 ゚∀从「呼んだか?」
('A`)「えっ」
从 ゚∀从「えっ」
- 119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:33:06.28 ID:67i0D3Yt0
- ('A`)「あとはカロリーメイトを大人買いしてー、袋ラーメンも4パックほど」
从;゚∀从「お前はどんな事態を想定してるわけだ?」
買い物籠に山積みにされていく保存食を見ながらハインが呆れたように言う
('A`)「最悪の事態って奴」
从 ゚∀从「最悪の事態ねぇ」
从 ゚∀从「お前マジで戦争が起きると思ってるn」
('A`)「あっコーヒー豆も買い込んでおこう」
从;゚∀从「聞けよ」
- 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:43:12.38 ID:67i0D3Yt0
- その後、すさまじい重さになった買い物袋を両手に持って夏の日差しの照りつける道を戻ると、
すでにドクオの部屋の前にはブーンとツンが待っていた
なにやらツンがブーンの前で小さな竜巻を作っているようだ
('A`)「なにやってんの?」
ξ゚听)ξ「あらドクオ、どこ行ってたのよ」
( ^ω^)「ツンに扇風機代わりを頼んでたんだおww」
从 ゚∀从「便利だなwww」
( ^ω^)「便利だおwww」
('A`) (俺の力も何か平和的に使えないだろうか・・・?ゴミ処理?エコロジィ?)
ξ゚听)ξ「で、その馬鹿でかい買い物袋は何?」
ツンがドクオとハインが両手にぶら下げている袋を見て言う
('A`)「非常食とか、一応そろえとこうと思ってな」
ξ゚听)ξ「ふーん、まぁ用心に越した事はないものね」
- 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 11:48:01.68 ID:67i0D3Yt0
- ( ^ω^)「まぁ寄り腰苦労になるに違いないからブーンが頂くお」
('A`)「取り越し苦労だろ・・・あと非常食を食うなよ・・・」
从;゚∀从「どうでもいいからこれ重いし暑いし早く中はいってクーラー入れてゲームしようぜ」
ξ゚听)ξ「あたしも竜巻で若干疲れたわ」
('A`)「じゃーやりますか」
( ^ω^)「cod4、3対1だお」
从 ゚∀从「ドクオ、まずアイスな」
こうして、人類に変化が訪れて1日目は、大きな事件もなく過ぎていった
- 146 :以
下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05/11(火) 12:51:16.58 ID:67i0D3Yt0
日本時間7月19日午前7時8分31秒
再び、全人類が理解した
敵が来る、それもちょうど2時間後に
絶対悪としか言い様のない、異形の生物たちが、空から、水中から、地中から湧き出てくる
異形の者たちは近世地球上に天敵となる生物が存在し得なかった人類の最大の敵となるだろう
人類は抗わなければならない
戦争が始まる
- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 12:58:44.76 ID:67i0D3Yt0
- ドクオはその報せをまたも制服のワイシャツに袖を通しながら受け取った
(;'A`)「敵・・・」
敵が来る、戦争が始まる
いずれ発生すると思っていた戦争が、思いもよらない形で勃発する
人類 対 敵 である
(;'A`)「・・・っと、まずは情報収集が大事だよな」
あわててテレビのスイッチを入れてみる、どの局も臨時のニュースを始めている、テレ東すら緊急放送が始まっている
(;'A`)「流石に今回は2ch見てる余裕はないな」
- 156 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:04:06.46 ID:67i0D3Yt0
- 5分ほどテレビにかじりついて見ていたが、一向に有用な情報が入ってこない
『敵襲』まであと110分ほどだろうか
(;'A`)「自衛隊とか・・・2時間で準備できるもんなのか?」
(;'A`)「それより今は避難か・・・!」
自治体やらは動き出したのだろうか?避難場所は?どこへ?
安全な場所など存在するのだろうか
『敵』はどこからでも沸いてくる、それは知っている
(;'A`)「ならこのボロアパートに居たらすぐに死んじ・・・」
('A`)「死ぬ?」
- 163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:11:38.57 ID:67i0D3Yt0
- ふと昨日手に入れた自分の力を思い出す
('A`)「これで死ぬ?」
(;'A`)「コレ、俺が死ぬより先に全人類が絶滅するんじゃねぇの?」
一人呟いてふと我に返る
(;'A`)「いや、俺が死ぬと全人類が絶滅する?」
いつの間にか、全人類の希望にされている?
地球の全人類の命が自分の肩に乗っかっている?
それに気がついた瞬間、目の前が真っ暗になった気がした
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:19:05.57 ID:67i0D3Yt0
('A`) 「どうすんだこれ・・・・・・」
('A`) 「どうすんだ・・・・・・」
自慢じゃないが責任のかかる役目なんて、生まれてこの方飼育委員くらいしかやったとこがない
呆然としていると、ドンドンと窓を叩く音が聞こえた
(;^ω^)「ドクオー!開けるおー!なかにいるのかおー!」
カーテンを開けるとブーンが宙に浮いていた
(;^ω^)「ドクオ、いたかお、とっとと逃げるお!こんなアパートにいたらイチコロだお!」
窓をあけるとブーンが土足のまま部屋のなかに着地する
('A`) 「・・・っ」
(;^ω^)「さっさと荷物をまとめるお、避難しなきゃだお」
('A`) 「避難って・・・何処にだ?」
(;^ω^)「お?それは・・・、体育館とか公民館だお?」
- 167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:30:09.70 ID:67i0D3Yt0
- ('A`) 「体育館、公民館、そんな施設で身を守れるか?『敵』は地面と水と、そして空の何処からでも沸いてくる、お前も知ってるだろ?」
(;^ω^)「お・・・」
('A`) 「核シェルターでもあるんなら別かもしれんがな」
(;^ω^)「そんなもんはこの町には無いと思うお・・・」
('A`) 「と、言うわけで避難は非現実的だ」
('A`) 「無差別攻撃を全地域に同時多発的にかけてくる敵に対しての避難方法なんて、あるわけも無い」
('A`) 「現実的な対処法で言えば、篭城しかないな」
(;^ω^)「篭城するにしてもこのアパートは無いお、いいから荷物まとめて出られる用意はするお」
( ^ω^)「・・・あと100分も無いお」
- 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:43:30.71 ID:67i0D3Yt0
- ('A`) 「分かった、とりあえずここは出よう、5分で用意するから待っててくれ」
( ^ω^)「分かったお、なるべく早くするお」
ドクオは少しの着替えと医薬品、そして昨日買い込んだ食料品を大きなスポーツバッグに詰めていく
('A`) 「よし、4分30秒!」
(;^ω^)「わかったからはやくするお、ドクオは飛べないお」
ブーンが急かすので、窓から外の道路を見てみると、すでに避難者の波でひどい渋滞になっていた
(;'A`) 「こりゃひでぇ・・・」
(;^ω^)「とりあえずブーンの家に行くお?カーチャンたちと合流しないとだお?」
(;'A`) 「わかった、裏道でも人んちの庭でも何処でもいいから通って最短で行こう」
(;^ω^)「把握だお、ドクオがその荷物持ってると遅いからブーンによこせお」
(;'A`) 「悪いな」
(;^ω^)「いいから急ぐお」
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 13:58:26.42 ID:67i0D3Yt0
- 人ごみを掻き分けてなんとかブーンの家に着いたのは、残り時間あと1時間と少し、といったところだった
そこからブーンの両親と合流し、とりあえずの避難場所として、ドクオたちの通う高校に逃げ込んだのが『敵襲』20分前の事だった
避難民で混雑する校舎の中を移動していると、見知った顔も非難してきていた
( ^ω^)「ツン!ちゃんとたどり着けたのかお!」
ξ゚听)ξ「ブーンもなんとか間に合ったわね」
( ^ω^)「ドクオもちゃんと連れてきたお」
('A`)「おう」
ξ゚听)ξ「ハインもさっき見かけたわ、結構みんな学校に来てるみたいね」
(;^ω^)「でも学校に来たはいいけどこれからどうするかが問題なんだお」
(;'A`) 「あと20分か」
- 178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 14:04:20.18 ID:67i0D3Yt0
- 避難しに来た人たちは、皆一様に窓から離れたがる
敵が校舎の中に入ってくるならまず窓からだろう、
人の塊から押し出されたドクオが窓の外を見てみると、グラウンドの真ん中に見慣れた人影が一つ
ぽつんと立っているのが見えた
- 182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 14:10:41.37 ID:67i0D3Yt0
- (;'A`)「アイツ・・・何やってんだ!」
(;'A`)「おいブーン!ツン!ハインのバカがあんなところに居やがるぞ!」
ドクオの声にブーンとツンも窓の外を見る
(;^ω^)「ハインー!なにやってんだおー!校舎に入れおー!」
ξ;゚听)ξ「ハインー!早くしなさいよー!」
声に気づいたのか、グラウンドのハインが校舎の方を振り返る
从 ゚∀从ノシ
(;'A`)「あのバカ手ぇふってやがる・・・!」
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/05 /11(火) 14:14:09.84 ID:67i0D3Yt0
- (;'A`)「あのバカ連れ戻してくる!」
(;^ω^)「ブーンも行くお!」
ドクオとブーンが階段を駆け下り始めたそのとき
時間が来た
全員がそのことを察知し、場の空気が張り詰める
1拍ほど間を置いて、異変が起こり始めた
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