(# Д )「ゆるさねぇ。」 (;><)「!!!」  ブーンの胸に雄雄しく生えたその刃は、プギャーの腕から直接生えている刃だった。プギャーの両腕は 白銀の刃とかし、皮膚は刃と同じく銀色に輝いていた。  瞳だけは燃える様な真っ赤に染まっていた。まるでその感情を代弁しているかのように。 (川゚ω゚)「あ、ああ…お。」 ξ゚听)ξ「あ、あ、ブー、ン?」  プギャーはそのままゆっくりと刃を抜き取った。自らの足の力はとうに抜けていたブーンは、ささえを 失ってそのまま地へとひれ伏す。 (# Д )「あぁ、切れちまったよ。全部狂わされちまった。……もう俺はだめだな、自分を合成につか っちまったんだから。後は死ぬのを待つだけだ。だがな……。」  自らの刃をこすり合わせながらプギャーは静かに言い放つ。 (# Д )「俺はてめぇをぶっ殺す!!」 ξ川゚听)ξ「いや、ブーン! ブーン! しっかりしてよ!」  私は即座にかけよる。コレは何かの悪い夢だ。夢なんだ。  だって私たちはただの高校生で、危険な世界なんてずっと遠くて。  いつもばかやって笑い合って。それだけでよかったのに。  だから死ぬとかそんなの関係ないはずなんだから。  でも、触れたブーンの体から流れる赤い赤い液体は。  嫌でもソレが現実なんだとまざまざと見せつけてきた。 ξ;;)ξ「ブーン! おきなさいってば!! 何でそんなところで寝てるのよ!」  でも、私はソレを拒否する。 ξ;;)ξ「風邪引いちゃうでしょ! それにこんな暗い中女の子を一人で家に帰らせるつもりなの!!」  私は現実を拒否する。 ξ;;)ξ「なんとか言いなさいよぉ!!」  コレは夢で。  あっちゃいけないことなんだ。 (  Д )「黙れクソアマ。」 ξ`听)ξ「アウッ!!」  体が宙を浮く。  世界がぐるぐると回る。  瞬間、体が痛みの信号を脳に送る。  そして私は深い闇に引きずり込まれた。  ああ、体が冷たい。どんどんどんどん冷えていく。  なんだか胸の真ん中が空っぽになったみたいだ。  さっきから誰かが呼んでるような気がする。  でも僕は眠いんだ。まぶたが重いんだ。  だからもうこのままどっかに消えちゃうんだ。  声が、途絶えた。  とたんに不安になる。  僕は耳を澄ます。でも声は聞こえてこない。  ああ、どうしてなんだ。  あの子の声が聞こえないんだ。それだけで不安になるんだ。  僕はあの子の為に立ち上がった。  ならもう一度。もう一度。  きっと立ち上がれるはずだ。  じゃなきゃ、あの子の笑顔を見れないじゃないか。  ならやることはひとつしかない。 (  Д )「ビロード、つぎはてめぇだ。」 (;><)「くっ……せめてちんぽっぽさんが起きてくれれば……。」 (*-ω-*)「……。」  かなり眠りが深いのか、ちんぽっぽさんが目を覚まさない。寝息は規則正しく聞こえてくるので 重体というわけではないが。それでもこの状況は危機的だ。  僕はこのまま死んじゃうのかもしれない。でも、ちんぽっぽさんだけは、守りたい。  ならここじゃだめだ。 (;><)「くっ……。」  でも僕は動けなかった。あまりの威圧感に動くことが出来ない。 (  Д )「どうした。逃げろよ? じゃなきゃ、死んじまうぜ。」 ( ゚ω゚)「させないお。」 (  Д )「ガフッ!!」  突如プギャーが吹き飛ぶ。地面を何度か跳ねながら転がっていく様は格闘マンガを思い起こさせる。  そして衝撃の発信源を見ると、そこにはブーン先輩が立っていた。 (;><)「先輩!?」 ( ゚ω゚)「……。」  だが彼は何も答えない。倒れているツンさんを見つけるとその瞳は鋭さを増した。 (  Д )「てめぇ……やっぱぶっ殺す。」 ( ゚ω゚)「ソレはコッチの台詞だお。ツンの痛みを何倍にもして返してやるお。」  そういうと先輩は腰を低く構えて――消えた。 (  Д )「がふぁ!?」  と、同時にまたも転がっていくプギャー。 ( ゚ω゚)「まだまだ行くお!」  瞬間、現れてからまた消えた。  と、同時に今度はプギャーが急に軌道を変え、上に飛ぶ。  そのときにゴキッっという音が聞こえた気がした。  飛んでいくプギャーの軌道の先に、いつの間にか先回りした先輩がいた。  先輩はそのまま両腕を組み合わせて思いっきり振り下ろした。 ――バキャッ  今度はそんな痛々しい音が聞こえた。  プギャーは逆方向に吹き飛ばされ、地面に思い切り叩きつけられた。 ( ゚ω゚)「……。」  ゆっくりと着地する先輩。 ( ゚ω゚)「どうしたお。そんなもんかお?」 (# Д )「くっ……くそがぁ!! なめやがってぇ!! ふざけんじゃねぇえっ!!」  叫び声は大きくても、その体はボロボロだった。まさに鉄のように体のあちこちはベコベコと凹んでい たり、ひしゃげていたりする。両腕の刃は折れて使い物にならなくなっていた。  それでもなお、立ち上がる。僕はただ見ていることしか出来なかった。 ( ゚ω゚)「痛いかお? ……でもツンはもっと痛かったんだお!!」  また消える。いや、消えているわけじゃない。ただ、目に見えない速度で走っているだけだ。 ( ゚ω゚)「僕は風になるお!! 音の壁を超えるお!!」  かろうじて聞き取れる声。早すぎて耳が追いつけない。  プギャーはまるでボロクズみたいに吹き飛ばされた。 (# Д )「くそっ!! くそくそくそくそっ!!!」  吹き飛ばされている間はずっと何かうめいていた。 (;><)「…!? せ、先輩!! もうそれ以上は無意味です!! そいつ死んじゃいます!!」 ( ゚ω゚)「……。」  ビロードは眼前の状況に気圧されていたが、なんとかわれを取り戻し、叫ぶ。  ブーンはその声にぴたりと動きを止めた。  攻撃の手が止まったため、プギャーは地面に打ち捨てられることになった。もう足は両方とももげ、  腕も片方だけになっていたが、血は出ていなかった。 (;><)「ツン先輩はきっとブーン先輩に人殺しになって欲しくないはずです!!」 ( ゚ω゚)「!!!」  ブーンの表情が変わった。 ( ^ω^)「そ、そうだお。」 (;><)「それにツン先輩は怪我をしてるはずです、早く病院に連れて行かないと!」 (;^ω^)「急ぐお!!」  ブーンは一気にツンのそばまで駆け寄る。 (;^ω^)「ツン、しっかりするお!! ……ちょっとだけだけど頭から血が出てるお!!」  そのまま背中に背負い込み、校門へ向かって走り出す。  ビロードもソレに習い、ちんぽっぽを背負って走り出した。 (  Д )「待てよ!! 俺は、まだ!!」 ( ^ω^)「今はお前なんかに構ってる暇はないお!!」  そう言い捨てて、二人は校外へと消えていった。 (  Д )「くそぅ……くっそぉ!! 死ぬまでまだ23時間ぐらいはある!! 絶対ぶっ殺しにいっ てやる!!」 ???「ソレは無理な話だ。」 (  Д )「!?」  どこからとも無く現れる人影。  月明かりがその人物の背中を照らし、顔は影になってプギャーからはよく見えなかった。 (  Д )「てめぇは……誰だ?」 ???「こんばんは、プギャー。いい月が出ていると思わないか。」  ひょうひょうとした言い方で空を見上げている。 (  Д )「質問に答えろや。」 ???「これから死ぬ人間に答えることなんて何一つも無いな。いや、君はもう人間ですらないか。」  そういうと懐から一本の棒のようなものを取り出した。  人影は棒の片側をつかむとゆっくりと引っ張る。すると間からは黒々と光る刃が現れた。刀だ。 (  Д )「まさかてめぇが!?」 ???「話すことなど何もない。       じゃあ                 さよならだ」  黒い閃光がきらりと宙に舞う。  刀身を鞘におさめる、パチンという音が鳴ると、プギャーだったものはサラサラと砂のように静かに 崩れ去っていった。  そしてその砂はやわらかい風に乗って空に舞い上がり、どこかへと飛び去っていった。 ――プギャー死亡、残り3人―― 7話END