あれからだいぶ時間がたった。クラスのみんなは僕がツンをつれて帰ってくることを期待してた みたいだけど、僕が見つけられなかったというとしょんぼりしていた。  それからみんなが僕の手を見て、怪我をしていることに気がついた。僕自身も言われるまで気づ かなかった。だいぶ頭にきてたんだと思う。でも、みんながそれで騒いだことで僕は逆に冷静にな れた。  そして、授業が終わってもツンが帰ってくることはなかった。プギャーの話は本当だった。出来 ればうそであって欲しかったけど。  みんなが僕に励ましの言葉をくれた。「明日はちゃんと謝れよ!」とか「ツンちゃん、意地っ張 りだけど話せばわかってくれるよ!」とか。その言葉一つ一つがうれしかった。  教室にポツンと一人取り残された僕。食べ損なった弁当を一人で食べ、これから始まるであろう 戦いに備えた。下手したらコレが最後の晩餐になるかもしれないな。 ( ^ω^)「……戦う前からそんな事考えてちゃだめだお。絶対ツンを助けるんだお。」  しかし正直不安は残る。未だに開花しない異能。2体1とはいえ、プギャーに対して数で攻めよ うにも、プギャーは合成でいくらでも味方を出せる。 ( ^ω^)「そろそろ行くかお。」  席を立ち上がり出口に向かう。途中かばんがさがったままのツンの机のそばを通った。  僕は静かに教室を後にした。 ( ^Д^)「……来たか。」  まだ蒸し暑い初秋の深夜九時。校庭に一人たたずむプギャー。見据えた視線の先には肩を並べ歩 いてくる人影が二つ。 ( ^ω^)「来たお。」  静かな表情を見せるブーンと対照的に怒りの表情をありありと見せ付けるビロード。 ( ^Д^)「よく来t――」 (;><)「ちんぽっぽさんとツンさんはどこですか!?」 (#^Д^)「人の話は最後まで聞けよタコが。」  凄みを利かせてビロードを睨む。電灯である程度照らされているとはいえ、暗い夜の校庭。その 表情は普段よりも鋭く見えた。 ( ^Д^)「人質さんならあそこでぶらさがってるぜ。」  プギャーの指差す方を見るとツンとちんぽっぽがロープで縛られてバスケットゴールからつるさ れていた。  見たところ怪我しているようにも見えないし、無事のようだ。 ( ^ω^)「ただで返してくれ、とはいかないかお。」 ( ^Д^)「ったりめぇだ。返して欲しけりゃ――」  瞬間、プギャーの両手が輝く。手のひらに握られていた”何か”が混じりあってひとつになる。 ( ^Д^)「力づくで来いや。」  輝く月下に巨大な怪物が現れた。 (;^ω^)「で、でかいお!」  現れた怪物は巨大な体躯で、頭は二つ。黒々とした毛に覆われ、六本の足を持つ狼だった。ぎらぎ らと輝く瞳を彼らに向けていた。悠に高さ3メートルはありそうだ。 ( ^Д^)「おい化け物。てめぇのえさはそいつらだ。好きなだけ遊んで食っていいぜ。」 狼「グオオオォォォオ!!」  激しい吼え声をあげ、鋭い爪で襲い掛かる。ブーンとビロードは後ろに跳躍し回避、すかさず化け 物に飛び掛る。 (#^ω^)「うぉぉおぉぉ!!」  強化された肉体で放つ攻撃はいかに巨大な生き物だろうと大きなダメージを与える。その一撃で狼 はひるむ。 (;><)「空間接続!」 巨大な孔が開く。ビロードはソレをくぐりプギャーの前に飛び出し、殴りかかる。プギャーはソレ を見越していたかのように拳を受け止め、逆の手でパンチを放つ。 (;><)「うわぁ!」  体重を乗せたパンチを放ったため、スキができていたビロードはプギャーの拳かわしきれずに、モ ロに拳を受ける。 ( ^ω^)「びろーdうげぇは!!」  余所見をしているうちに激しい斬撃を受けるブーン。そのまま吹き飛ばされる。狼は爪についた血 液をペロリと舐めあげるとまた激しく吼えた。 ( ^Д^)「バカが。てめぇの心配でもしてろ。」  プギャーの後ろに黒い孔が開く。ビロードだ。思い切り蹴りを放つ。 (;><)「うわぁああああ!!」 (;^Д^)そ「ぐがっ!」  背中に蹴りを受ける。ビロードは続けざまに左右の拳でラッシュをかける。  なんとか体制を取り直し、プギャーは防御に入る。 (#^Д^)「クソが!!」 (;^ω^)「うぐぐ……僕も負けられないお! おい、犬コロ! お前の相手は僕だお!!」  痛みに耐えつつも起き上がる。腹からは鮮血が流れていたが、強化された体にはそれほど大きなダ メージでもない。 狼「グォォオオオォ!」  挑発が聞いたのか、怒り狂って襲い掛かってくる。 ( ^ω^)「(所詮でかくてもただの狼だお。能力がない僕が戦う方が得策だお!)」  思案している間にも鋭利な爪はブーンを狙い何度も飛来する。 (;^ω^)「うぐぅっ!」  素早い身のこなしでかわすものの、それを上回る速度で放たれる斬撃に切り裂かれる。せめても、 とダメージを軽減するために体を後方に浮かせて攻撃の勢いを殺した。  そのままバク転をして瞬時に攻撃態勢に移行する。 狼「グルルウゥ・・・」  どちらも互いを見つめて動かない。互いの一瞬の隙を狙って硬直しているのだ。戦いは動から静 へと移行した。 (;><)「くっ、ガードが固い!!」  ブーンが怪物と戦っているうちにビロードはプギャーと死闘を繰り広げていた。空間接続を使った四方八 方からの攻撃をプギャーはやすやすと防いでいった。 ( ^Д^)「どっちから打ってきたって無駄だ!」  プギャーの背中には巨大な目玉と長い節足をいくつも持つ奇怪な生物がとりついていた。  先ほどからこいつの活躍により、プギャーはビロードの攻撃を防ぎきっていたのだ。 ( ^Д^)「ホラホラどうしたぁっ!?」  背中の生物はその長い足を使ってプギャーを空高く跳ね上げる。空中で大きく身をひねったプギャーはそ のまま足を下に向け蹴りの構えを取る。  重力に引かれて高速で落下しビロードを狙い打つ。 (;><)「甘いです!」  ビロードはプギャーの落下軌道上に孔を展開し、その出口をブーンと戦っている狼へと向けた。プギャー はそのまま孔へと吸い込まれてその勢いを乗せたまま狼のほうへと飛んでいく。 ( ^Д^)「おい家畜! 俺を後ろにけりとばせぇ!!」  主人からの命令を受け取った狼はその太くしなやかで強靭な足を用いてプギャーを蹴り飛ばす。プギャー はけられる瞬間に足の裏を狼の足裏にあわせ、自らのひざのばねをさらに加速へと乗算させた。  落下速度をはるかに上回る速度でビロードへと飛び掛るプギャー。これにはビロードも反応しきれずにも ろにダメージを受けて吹き飛ばされた。 ( ^ω^)「いまだお!」  ブーンは狼が一瞬プギャーに気を取られた隙をついて、サイドステップで狼の右サイドに回りこんだ。  ブーンはすかさず駆け出す。強烈な爪をスライディングでかわし、そのまま腹の下に入り込む。  勢い良く飛び起き、さらに飛び上がって腹に蹴りをぶち込む。ひねりこまれたけりは骨や毛皮に守 られていない腹は蹴りの衝撃をダイレクトに内臓に伝える。 狼「ウガァアアアァ!!」  痛みに苦悶の鳴き声をあげる。さらにブーンは追い討ちとばかりに腹を拳で打つ。 (#^ω^)「オラオラオラオラオラオラァ!!!!」  ラッシュラッシュラッシュ、ボクサーも真っ青なスピードで拳を繰り出し続ける。激しい拳はやがて 表皮を突き破った。破れた皮膚からは内臓や鮮血、体液などが噴出す。ブーンはそれを避けもせずにひ たすら殴り続ける。  ブーンの攻勢がぴたりとやむ。と同時に怪物が体躯がぐらりと傾く。  横っ飛びに腹の下から飛び出し、くるりと回転して着地する。怪物はフラフラと右往左往し、ついに 倒れこむ。 狼「グルル……」  狼はそのまま息絶えた。 (;><)「うぐ・・・くっ!」  襟首をつかまれ、持ち上げられるビロード。首が圧迫され、空気が巡らなくなる。 ( ^Д^)「へっ、こんなもんかよ。てめぇ、弱すぎるぜ」   右腕にかかる体重をいともたやすく締め上げ、そのまま絶命させようとするプギャー。 ( ^ω^)「弱かったら二人がかりでいけばいいおっ!!」  突然ブーンがプギャーのサイドから飛び蹴りをしながら現れた。不意を疲れてプギャーはあっさりと蹴り 飛ばされる。 (;^Д^)「ぐぐ……もうやつはやられちまったのか。使えねぇ……。」  プギャーは受身を取って勢いを殺し、片膝をつきながら呼吸を整える。 ( ^ω^)「ビロード大丈夫かお!?」 (;><)「結構やられてます……。」  見れば体の各所に切り傷や痣が刻み付けられている。致命傷といえるような傷はないがあまり無茶はさせ られない。 ( ^Д^)「正直おめぇらのことを舐めすぎてたかも知れねぇ。やっぱアレを使うっきゃねぇな。」 ( ^ω^)「アレ?」  プギャーは懐から小さな小瓶を取り出した。そして先ほど倒した怪物から脳を引きずり出す。 (;^ω^)「グロイお……。」 (;><)「今の先輩の姿も十分グロイですよ。」  確かにブーンは血やら内臓やらをかぶってグチョグチョになっている。 ( ^Д^)「この瓶にはな、クロオオアリの女王アリがはいってんだよ。それでさっきの犬と組み合わせるん だ。どうなるかわかるか?」  唐突に二人に問う。二人は意図の読めない行動に困惑した。 (;^ω^)「犬アリになるのかお?」 (;><)「ソレそのまますぎです……。」 ( ^Д^)「女王アリの生産力はすげぇぞ。ガキをポコポコ生みやがる。獰猛で従順でチームワークバッチリ な犬と合成すりゃあガキもその特性を持って生まれてくるわな。」 (;^ω^)(;><)「!?」 ( ^Д^)「つまりは……。」  手に持った二つを光が包む。 ( ^Д^)「最強の兵隊の誕生ってわけだ。」  ――合成完了 (;^ω^)「またまたデカイお……。」  先ほどの狼を悠に超えるサイズの化け物アリが校庭に出現した。表面をふさふさに毛に覆われ、異常に長い 腹を持つ以外は普通のアリとかわらない。が、その子供の成長スピードがあまりにも異常だった。  生まれてまだ数秒しかたっていないのにもう孵化し、産声を上げている。  かと思えばすでにサナギになっているものもいる。そのサイズは人間とさして変わらないほどだった。 (;><)「まずいですよブーンさん! 早くあの女王アリをつぶさないと!」 ( ^ω^)「よし、行くお!!」  瞬時、僕らは駆け出す。が―― ( ^Д^)「とーぜん邪魔はさせねぇよw」  目の前に奴が立ちはだかる。 (#^ω^)「邪魔だお!」 (#^Д^)「はいそうですかって通すわけねぇだろうがぁ!!」  同時に繰り出した右ストレートは互いの拳を打つ。拮抗した力で打ち合われたため、その場でぴたりととど まらせられる。拳への衝撃はすさまじいがこんなことで音を上げられない。 (;><)「この隙に!!」 ( ^Д^)「させるかよぉ!!」  背中からはやした節足がビロードを切り裂く。 (;><)「ぐあぁっ!」  モロにわき腹に爪が入った。大丈夫だろうか。 ( ^Д^)「そろそろガキどものお目覚めの時間だぜ!!」  プギャーの背後でサナギの背がゆっくりと開かれていく。    ずるり。  異形の生命が目を覚ます。 アリ「ギュルルルルァァァ!!」  ひとつ。ふたつ。みっつ。兵士たちは次々と羽化し、あごをギチギチと鳴らしている。  その目は僕をじっと睨みつけて、離れない。親同様ふさふさした黒い毛を生やした体にはするどい牙や爪 が備わっていた。 (;^ω^)「やばいぉ……。」 (;><)「う、ぐぐ……。」 ( ^ω^)「大丈夫かお!?」  ビロードにかけよってみるが、その傷はひどかった。わき腹の肉をえぐられ、赤々とした肉がちらついて いる。 (;><)「ちょっと今のはききました……回復まで時間がかかりそうです。」 ( ^ω^)「しょうがないお、僕が時間をかせぐお!」  僕は走り出す。ソレを見て兵士たちもいっせいに動き出した。 ( ^Д^)「まぁせいぜいがんばってくれやぁ!!」  余裕綽々の表情で女王アリの背中に立つプギャー。悠々と観戦するつもりなのだろう。  だがそんな事いちいち気にして入られない。目の前に迫った黒山をいかに崩していくかということに意識 を集中する。 ( ^ω^)「うらぁあああ!!」  結局何も思い浮かばずにただひたすらに殴りかかった。一番手前のアリンコの頭をつかみ強引に引きちぎ る。緑色の体液が噴出している残りの体を思い切り持ち上げて後ろの集団に投げつける。  左右から別の個体が迫ってくるのを確認し、しゃがみこむ。そいつらは互いの爪で互いを引き裂き、苦悶 の声を上げている。僕はそばに落ちていた鉄パイプを拾い上げ、くるりと回りながらそいつらに横薙ぎに一 撃加えてやる。  その攻撃で胴体をあっさりと砕かれた二匹は息を引き取った。  さらに僕は前からやってくる奴にけりをぶち込み倒れさせ、首に鉄パイプを突き立て、力を込めて押し込 む。  バキン、と音がしてそいつの首は砕け散った。 (;^ω^)「くぅ、狩っても狩ってもキリが無いお!!」  まだ、眼前には黒い怪異が迫っていた。  ブーンが黒い兵隊と戦っているさなか、吊り下げられているツンとちんぽっぽに近づく人影があった。 ξ--)ξ「……。」 (*-ω-*)「……。」 ???「ふう、まったく。こんな風につるしたら大事な肌に傷がつく。よいしょっと。」  謎の人影はロープをきりさくと二人をゆっくりと地面に降ろした。 アリ「ギシヤァアア!!」  生まれたばかりの兵士が一匹、人影の存在に気づいたようだ。人影に向かって走り出す。 ???「やれやれ、低脳な生き物だな。主人の命令も守れないのか?」  そういうと謎の人影は兵士の前から”消えた”。 アリ「???」  突然標的を見失ったアリはキョロキョロと周囲をうかがう。 ――ドゴッ  次の瞬間、兵士の命はあっさりと途絶えた。 ???「雑魚が……甘いんだよ。もっとも聞こえてなんかいないだろうけど。」  言葉ともに再度姿を表す人影。 ???「さてと、お手並み拝見と行こうか。」 (;^ω^)「ハァッ、ハァッ、ハァッ……。多すぎるお……。」  すでに狩った数は40を超えた。だが、依然兵隊は数を減らすことなく、ブーンに襲い掛かる。  その鋭い爪やアゴはブーンの体を少しずつ少しずつ傷つけていく。  さらに一対多数の戦闘による不利な状況で精神的にも追い詰められていく。 (;><)「ブーンさん!!」  傷も多少いえたビロードが戦線に復帰する。それでも状況がさして良くなったわけではない。 ( ^ω^)「大丈夫なのかお?」 (;><)「なんとか。それより先輩、ちょっと作戦があるんですけど。」 ( ^ω^)「まじかお?」 (;><)「耳貸してください。」   ゴニョゴニョゴニョ。 ( ^Д^)「何やったって無駄だって言うのにwww」  二人が相談するさまをあざけり笑う。 ( ^ω^)「わかったお。」 (;><)「じゃあ行きますよ。」  敵の攻撃をいなしながら「作戦」を開始する。 (;><)「空間……接続!!」  ブーンの前に巨大な孔が姿を表す、ブーンはソレに向かって勢いよく飛び込んだ。  その孔はプギャーの後ろにつながっており、ブーンはそこから飛び出す。 (#^ω^)「うぉおおぉぉ!!」 ( ^Д^)「よめてんだよぉ!!」  プギャーは待ってましたといわんばかりに振り向きざまにけりを食らわせる。 (;><)「隙ありです!!」  と、いつの間にかプギャーの背中側にビロードが現れ、プギャーにパンチを―― ( ^Д^)「だからよめてんだってよぉ!!」  叩き落とされる。ビロードはそのまま地面に叩きつけられてしまう。 (;><)「うぐっ!?」  落ちてきたビロードのそばには黒い兵士が集まってきている。 ( ^Д^)「だから無駄なんだよ。お前らごときの脳みそじゃ。」 (;><)「どうでしょうかね。」 ( ^Д^)「何?」 ( ^ω^)「おおおおおお!!」  はるか空中からひとつ、星が落ちてくる。  だがプギャーは気づかず、声の主の所在を確かめようと左右をせわしなく見回している。  星はそのまま加速し、足を下に向ける。 ( ^Д^)「っ! 上か!!」 ( ^ω^)「遅いお!」  もうすぐそこまで迫っている。プギャーはこの場は回避と判断し、横っ飛びに女王アリから飛び降りる。  緊急回避だったのでロクに受身も取れず地面を転がるプギャー。背中に張り付いていた化け物はその衝撃 でバラバラに崩れ去ってしまった。 ( ^ω^)「やったお!」 ( ^Д^)「な……にぃ!?」 (;><)「僕らの狙いは最初からあなたじゃありません……。」  ブーンの落下による加速で何倍にも威力の増幅された蹴りは   あっさりと女王アリの体を貫いた。  断末魔の叫びがあがる。その咆哮は校外にも響き渡るんじゃないかと思えるほどだ。その心配はないのだが。  モララーはどこかでこの戦いを見て楽しんでいるのだろう。  兵士のアリたちは自分の親アリが崩壊すると同時に砂のようにさらさらになって消えてしまった。 (;^ω^)「やったお!」 (;><)「上手く行きましたね。」  そんなことよりは、僕らの作戦が上手く行ったことの方がよっぽど関心が高い。  あのプギャーをうまく騙せたのだから興奮しても当然だろうか。 ( ^ω^)「さぁ、プギャー! 次はどうするお?」 (  Д )「……。」  何も答えない。よっぽどショックだったのだろうか。 ( ^ω^)「もう終わりかお? なら二人は返してもらうお。」 (;><)「そうですね。そうしましょう。」  僕らはきびすを返し、ツンたちの元へ向かう。  いつの間にやら二人は地面に横たわっていた。ロープが千切れたのだろうか。 ( ^ω^)「ツン、しっかりするお! ツン!」  僕は横たえているツンをゆっくりと抱き起こし、ゴールにもたれさせてから肩をゆする。 ξ゚-)ξ「え? あ……ブーン?」 ( ^ω^)「無事でよかったお。さぁ、家に帰るお。」  まだ意識がはっきりしていないツンは何度か目をしばたかせ、キョロキョロと辺りを見回していた。 ξ゚听)ξ「あれ、何で私こんなところで?」 (;^ω^)「あ、えっと、それはその……。」  まずい。事件に巻き込まれたなんて言えるわけがない。  なにか良い言い訳はないk――――― ドスッ  あ、れ……?  胸から、何か、銀色の、モ、ノ、g 6話END