ある町のある学校、そこに一人の少女がいました。
ξ゚听)ξ「先生、プリント全部集め終わりました。」
(*;゚;ж;゚;)「フヒヒ、いつもすまないねぇ、津出さん。」
ξ^ー^)ξ「いえ、当然のことをしただけです。」
その少女はとても良い生徒だと先生たちから評判でした。
(*゚ー゚)「津出さーん、一緒にからおけいかなーい?」
ξ゚听)ξ「ごめんなさい、私、あなたたちと遊びたくないの。さようなら。」
(*゚−゚)「なにあれー……。」
('、`*川「だからほっときなって言ったのよ。どーせ来ないんだから。」
その少女は生徒たちからは嫌なやつだと嫌われていました。
ξ゚听)ξ「……。」
ξ゚听)ξ「これで、いいんだよね……、お母さん。」
( ^ω^)「……。」
ツンデレは嘘をついているようです
夕暮れの学校の生徒用玄関に一人。
少女が意識を過去に飛ばして、ぼうっと地面を見つめていると、廊下の先から
一人の少年がやってきた。
( ^ω^)「おーい、津出さーん。」
ξ゚听)ξ「え? あ、内藤君。」
内藤という少年に声をかけられ、意識がここに帰ってきたようだ。
しかしその表情はまだ虚ろだった。
( ^ω^)「今帰るところかお? 良かったら一緒に帰ろうお!」
ξ゚听)ξ「またそれ……? 結構よ。私はひとりで帰りたいから。」
津出は内藤の申し出を、先ほどのしぃにしたようにあっさりと断るとスタスタ
と歩き出す。
(;^ω^)「ちょ、まっ!! うわ!!」
あわてて津出を追いかけようとした内藤は、ちゃんとはけていなかった靴のせ
いで足をもつらせ、派手に地面とキスをした。
ξ--)ξ「はぁ、なにやってるんだか……。」
( ;ω;)「いたいただおー……。」
津出はそんな内藤を放ってさっさと歩き出してしまった。
内藤は痛みでそれに気づかずに、自分の汚れた顔を必死に払っていた。
ξ゚听)ξ「悪いこと、しちゃったかな。」
一人という自由を得て、口から本音をこぼす。
津出は別に内藤のことが嫌いなわけではない。変わり者だとは思っているが。
クラスメートのほとんどに嫌われている自分に唯一声をかけてくるからだ。
ξ゚听)ξ「なんであんなに私にかまうのかしら。」
一人で思案してもわかることのない答えを探すことを帰り道の一人遊びに選ぶ。
ああでもないこうでもないと考えるのが彼女の楽しみだった。
ξ゚听)ξ「……でも考えたってわかんないし、どうでもいいよね。」
いつも最後はここに落ち着くことになる。
('A`)「おーおー、またも見事に振られたなブーン。」
場所は戻って学校。転んで鼻をすりむいた内藤を親しみを込めて「ブーン」と
呼ぶ彼は毒尾。内藤の悪友である。
( ^ω^)「ふられたって……別にそういうつもりじゃないお。」
すりむいた鼻に絆創膏を貼り付け、膨れ面をしている内藤。
痛々しい傷跡は、それほど深いものでもなさそうだ。
('A`)「ほほぅ、じゃあどういうつもりだったんだよ。」
組んでいた腕を内藤の肩に回し、首根っこを引き寄せる。
(;^ω^)「そ、それはいえないお!」
('A`)「やっぱ惚れてるんじゃねぇかwwww」
ゲラゲラと笑い飛ばす毒尾。
(#^ω^)「だから違うって言ってるお!!」
それを必死に否定する内藤。必死に否定すればするほど逆に怪しいという墓穴
にはまっていることに、当人はまったく気づいていないようだ。
('A`)「へぃへぃ、わかりましたよ。じゃあこれからゲーセンでも行くか?」
( ^ω^)「今月は金無いからパスだお。」
夕日を背に、ダラダラと歩きながらしゃべくる二人。
日はゆっくりと沈んでいった。
ξ゚听)ξ「ただいま。」
誰もいない家に虚しく声が響き渡る。
脱いだ靴をきれいに並べてから中に入り、奥の部屋の仏壇の前に座る。
ξ゚听)ξ「おかあさん、今日も一日元気に過ごせたよ。」
遺影には穏やかに微笑む母の顔。その顔はやせこけていて、命のともし火の
燃え上がる姿とは縁遠い様子だ。
その写真は母が亡くなる1ヶ月ほど前にとられたものだ。
ξ゚听)ξ「さてと、ご飯作るね。」
帰りに買った食材を台所に広げ、夕食を調理し始めた。
それからしばらくして。
ξ゚听)ξ「あー、疲れたー! 宿題も楽じゃないわね。」
イスに座ったまま大きく伸びをする。片付いた宿題をさっさとカバンに仕舞い
込み、ベッドへと身を投げる。
ξ゚听)ξ「明日もまた学校か……。面倒くさいなぁ。」
枕に顔をうずめ、なんとなしに足をパタパタさせてみる。
ξ゚听)ξ「そういえば内藤君、あの後どうなったのかな。ちゃんと宿題やって
るのかしら。」
なんとなしに想像してみる。擦り傷の鼻を書きながら今も必死に宿題をこなす
内藤の姿を。
いや、彼の場合は宿題なんて面倒でほっぽりだしたままぐっすり眠っているか
もしれない。
ξ゚听)ξ「私も寝よっと。おやすみ、お母さん。」
そのまま静かに眠りに落ちていった。
そのころの内藤はと言うと。
(*^ω^)「ハァハァハァハァハァ……ウッ!!」
次の日の朝。学校へとやってきた津出。
クラスメートたちから妙な視線を感じるが、いつものことなので無視をする。
そしていつものように席に着こうとして自分の机を見て、思わず思考がとまっ
てしまった。
津出の机は落書きでいっぱいだった。
死ね キモイんだよ!!
カ
ガッコーくんな。 エ
キ レ
何で生きてるの? エ ブス
ロ
コロス殺すころすコロス
言葉の暴力が、津出の心をズタズタに引き裂いていく。だがそれを悟られぬよ
う、いつもと変わらない平然とした表情をつくろって席に着く。
クラスの端々からはクスクスと彼女を笑う陰険な音が響いてくる。
( ;゚;ж;゚;)「おーい、席付けよぉ。HRはじめるんだからな。」
担任の教師が入ってくる。クラス中をぐるりと見回し、最後に津出に目をやり、
ニヤリと笑みを浮かべる。本人にしてはさわやかにニッコリと笑ったつもりなのだ
ろうが、傍から見ているものからすれば醜悪な顔でしかなかった。
この担任教師は見た目が悪いだけでなく、性格も歪んでいる為に生徒たちにもっ
とも嫌われている存在である。えこひいきはしょっちゅうで、面倒くさいことから
は逃げ出す。だれがそんな相手を好きになろうか。
しかし、津出はそんな担任相手でも愛想よく接していた。だからこの担任は最近
調子に乗っているようだ。
それも津出が生徒たちの神経を逆撫でする一因であった。
ξ゚听)ξ「(……おかしいな、お母さんに言われたとおりにやってるだけなのに。
何でこうもうまくいかないんだろ。)」
津出は一人、自分の席で孤独を感じていた。クラスメートたちは当然近寄ってな
ど来ない。
否、それも自分が選んだ道なのだ。そうやって生きていくと決めたのだ。
( ^ω^)「津出さん!! ちょっとこの問題がわからないんだお!! 教えてく
れお!!」
瞬間、クラス中の視線が内藤と津出に走る。
そしてクラスメートたちは、「ああまた内藤かよ。」「空気読めてねぇな。」と
そんな目で内藤を見るのだった。
ξ゚听)ξ「知らないわよ、そんなこと。自分で何とかして。私に近寄らないで。」
( ;ω;)「そ、そこまで言わなくてもいいじゃないかお……。」
ξ--)ξ「だから泣かないでよ……。」
そんなやりとりをクラスメートたちは冷ややかな目で見ている。だから私に近寄
らないほうがいいのに。
内藤はやがてあきらめたのかすごすごと自分の席へ戻っていった。
ξ゚听)ξ「先生、来ましたよ。」
( ;゚;ж;゚;)「お、来たね来たね。」
放課後、担任に呼び出されて資料室へとやってきた。
(;゚;ж;゚;)「早速だけどこの資料を片付けるのを手伝って欲しいんだぁ。」
面倒くさいな、と津出は思っていた。でもそれを表に出すことなく、にこやかに答
えた。
ξ^ー^)ξ「はい、喜んで。」
それからは乱雑に散らばったプリントをキレイに整頓したり、ホッチキスでとめ合
わせてまとめたりと、作業をこなしていた。
担任の教師は作業中何度も話しかけてきて、他愛のない話題をふってきた。津出は
なるべく愛想良く振舞い、なるべく担任が望んでいるであろう返答をした。
そして。
ξ゚听)ξ「先生、大体終わりました。」
( ;゚;ж;゚;)「そっかぁ。お疲れさん。」
しかし担任はなぜか出入り口の前に立ちふさがり、津出を外に出そうとはしない。
子一時間もたっているから、室内は薄暗さに包まれていった。
ξ;゚听)ξ「せ、先生。なんのつもりですか?」
(* ;゚;ж;゚;)「フヒヒヒ、わかってるくせにぃ。僕の口から言わせる気かぃ?」
出入り口の鍵をゆっくりと閉める担任。津出の背筋に冷たいものが押し当てられた
ような感覚が走る。危ない。
(* ;゚;ж;゚;)「ちなみにもう大体の人は帰っちゃってるから誰も来ないよ。二人っき
りだよぉ。」
その事実に興奮しているのか、一人息を荒くし、目を丸くさせている。
今、津出は危機に直面していた。
(:^ω^)「……遅いお。今日こそ一緒に帰ろうと思ったのに。」
生徒用玄関の下駄箱にたたずむ内藤。落ち着かないのか、しきりに足をゆすぶって
いる。
('A`)「お、ブーン。お前まだ残ってんのかよ。」
そこへ通りかかる毒尾。背中には自分の名前入りの竹刀を背負っている。
先ほど練習が終わったばかりなのか、汗で額がテラテラしている。
('A`)「ははーん、さてはまた津出を待ってるんだな。」
(:^ω^)「そんな人をストーカーみたいに言うなお……。」
('A`)「大してかわんねーじゃねーかwww」
またゲラゲラと笑い出す。純情な少年の心を笑い飛ばすなんてひどい奴だ、と内藤
は内心思っていた。
('A`)「でも津出はまだこねぇと思うぜ。なんか担任のやろーに手伝い頼まされてたみ
たいだからな。」
(;^ω^)「それは本当かお!!?!」
(;'A`)「あ、ああ。なんでも資料室にいるとか。」
何でそこまで詳しく知っているのか。内藤はそれを聞きたかったが、とにかく嫌な
予感がしたので走り出していた。
(;'A`)「あ、おい!!」
(* ;゚;ж;゚;)「フヒヒヒ、さぁ津出さーん。いや、玲子ちゃーん。僕とお楽しみの時
間だよ。」
ξ;゚听)ξ「な、何の冗談ですか先生? 今はエイプリルフールじゃないですよ?」
じりじりと近寄ってくる担任の姿に恐怖を覚え一歩ずつ後ずさる。
(* ;゚;ж;゚;)「何言ってるんだよぅ。さぁさぁ、僕とスウィートな時間を過ごそうじ
ゃないかぁ。」
荒い鼻息。気色悪くうごめく手。膨らんだ股間。すべてが醜悪だった。そしてすべ
てが凶器だった。
ξ;゚听)ξ「(……私このまま犯されちゃうのかな。そしたらどうしよう……。)」
恐怖のあまり思考がおかしくなりそうだった。
そんなことおかまいなしに脅威は迫りくる。
( ;゚;ж;゚;)「さぁさぁ、そんな邪魔な服なんか脱いじゃいなよ!!」
手が津出の服に伸び、強引に引き剥がされる。ボタンのいくつかははじけとび、白く
透き通った無防備な柔肌が露出する。
その行為に興奮を覚えたのか、さらに鼻息を荒くする教師。
ξ ;;)ξ「いやぁ!! やめて!! 触らないで!!」
恐怖が臨界を突破し、ついに叫び声をあげる津出。しかし誰も来ないここではただ虚
しいだけだった。
虚しいはずだった。
だが――
――ガコーン!!
(#^ω^)「津出さんに何するおー!! この糞野郎ぉおおお!!」
激しい音を出して扉が吹き飛び、廊下から部屋に一人、人影が駆け込んでくる。その人
影は津出がよく聞きなれた声だった。
( ;゚;ж;゚;)「ブヒ!?」
ξ;゚听)ξ「な、内藤君?」
内藤は駆け込んだ勢いでそのまま教師に体当たりをかます。
ろくな受身も取れなかった教師はそのまま吹っ飛ばされ、そばにあった資料棚にぶつ
かり、意識を失った。
(;^ω^)「津出さん!! 大丈夫かお!!」
ξ゚听)ξ「……なんで?」
( ^ω^)「お?」
ξ´凵M)ξ「なんで、助けに来てくれたの? 私、いつもひどい事言ってたのに……。」
津出にはわからなかった。この少年がなぜ自分のためにここまでしてくれるのか。
だから思わず聞かずに入られなかったのだ。
( ^ω^)「それは……津出さんがいつもさびしそうな顔をしてたからだお。」
ξ゚听)ξ「……私が?」
その問いかけにゆっくりとうなずく内藤。
( ^ω^)「僕にはそう見えたお。苦しそうで悲しそうな顔だお。先生に笑顔を向けて
いるときも。誰かに厳しく当たっているときも。一人ぼっちでいるときも。」
そんなにも。そんなにも自分の事を見てくれていたのか。
( ^ω^)「津出さんは自分に嘘をついてるお。」
二人の間に沈黙が流れる。しかしそれは気まずいとか、そう言った類のものではなか
った。
ξ゚听)ξ「……。昔話をしていい?」
唐突に切り出す津出。
( ^ω^)「? いいお。」
内藤は良くわからなかったがとりあえず聞いてみようと思った。それが彼女のために
なるなら、と。
そして彼女、津出は初めて自分の過去を誰かに語る気になった。
それはまだ津出が幼かったころの話だ。
津出の母親は自分ひとりの手で幼かった津出を育てていた。
津出の父親は悪い男で、酒びたりにギャンブルびたり。働かず、金貸しに金ばかり借
りてその日暮らしをしていた。
そんな父親との生活に疲れた母は、深夜に津出を連れて家を出た。
当然、頼れるものなどない。離婚したなんて知ったら母の両親は激怒するだろう。
津出の母には友達はいなかった。彼女がそういう道を選んだからだ。
津出の母は正直な人だった。そして真っ直ぐな人だった。それゆえ人に利用され、裏
切られ、見捨てられてきたのだ。
そんな生き方をしていた彼女は自分の娘に同じ思いをさせたくはなかった。だからい
つも娘にこう言い聞かせてきた。
「嘘をつきなさい。」
正直に行き過ぎた母が思いついたことは自分の進んだ道とはまったく正反対の道だっ
た。それならば娘はひどい目にあわないだろう、そんな安易な考えだった。
大好きな母親がいつも言い聞かせてきた言葉を、津出は素直に信じた。そしてその言
葉どおりに嘘をついた。
嫌いな先生に愛想良くし、友達を作らないために自分の気持ちにふたをして人を遠ざ
けた。
母親がそれでうまくいくと教えてくれた。だから津出はそうした。
そうやって今までやってきたのだ。
ξ゚听)ξ「でも……それも間違いだったのかな。こんな目にあうなんて。」
(#;ω;)「そうだお! 自分に嘘をついてていいことなんてあるわけないお!」
津出の話を聞いていた内藤は涙と鼻水で顔をぐちゃぐちゃにしながら泣いていた。そ
して泣きながら津出をしかっていた。
そんなぐちゃぐちゃな顔で起こる内藤がおかしくて、津出は思わず笑ってしまった。
(#;ω;)「笑うなんてひどいお! 僕はまじめに言ってるのに!!」
ξ^∀^)ξ「ご、ごめんね。あまりにもおかしくて……w」
( ^ω^)「……でも、笑ってくれたからいいお。」
ξ゚听)ξ「……。」
内藤は心底うれしそうに微笑んでいた。自分のことじゃないのに。
( ^ω^)「もうこれからは自分に嘘はつかないで欲しいお。見ているととてもつらい
お。」
ξ゚听)ξ「……うん。」
( ^ω^)「良かったお!! じゃあそろそろ帰るとするお!! もうこんなに暗いお
!!」
ξ゚听)ξ「ええ、そうね……ってそういえば服……。」
(;゚ω゚)「あああ!! ごごごごごめんお!!」
跳ね上がるように津出から飛びのき後ろを向く内藤。耳まで真っ赤にしている。
ξ///)ξ「そ、そんなに過剰に反応しないでよ……余計恥ずかしくなるじゃない。」
(;^ω^)「と、とりあえず僕の上着を着るお……。」
そういっていそいそと自分の上着を脱いで渡す。
ξ///)ξ「あ、ありがと……。」
静かにその袖に腕を通す。ちょっと、いやだいぶブカブカだ。
ξ///)ξ「き、着たからもうこっち向いても大丈夫よ。」
( ^ω^)「わかったお……!!」
くるりと振り返る内藤。その視界には黒い影が津出の後ろでうごめいているのが見え
た。
(;^ω^)「あぶなーい!!」
ξ><)ξ「きゃあっ!?」
内藤は勢い任せに飛び出し、津出を突き飛ばした。そのまま黒い影が振り下ろした椅子
をその背に受けた。
(;゚ω゚)「うぐぅっ!!」
激しい痛みが全身を貫く。その痛みで悶絶し、声が出ない。
ξ゚听)ξ「な、内藤君!!」
何が起こったかわからない津出は、黒い影の顔を見た。
( ;゚;ж;゚;)「フシュー……ゆゆゆるさないからな!! お前ら二人ともコココロしてや
る!!!」
そう言ってまたも椅子を振り上げる教師。いや、もう教師ではない。憎悪の塊だった。
ξ><)ξ「いやぁあっ!!」
――――バシィッ!!
激しい打撃音が響く。
ξ;゚-)ξ「え?」
しかし津出の体には痛みは無かった。
('A`)「ふぅ、間一髪だったぜ。」
そこには竹刀を構えた少年がたたずんでいた。その竹刀は憎悪の額を見事にたたき、地に
ひれ伏させていた。
('A`)「おい、ブーン! 大丈夫か!?」
ξ゚听)ξ「そ、そうだ! 内藤君!! しっかりして!!」
(;^ω^)「う、うーん。痛いお……。」
内藤は何とか起き上がったようだが、しきりに背中をさすっている。
('A`)「とりあえず警察呼んどいたから、もうすぐ来ると思うぜ。」
そう言いながらどこからとも無く縄を取り出し、倒れた担任のからだをぐるぐるに縛り付
ける。
(;^ω^)「毒尾いいとこどりしすぎだお……。これじゃ僕格好悪すぎだお。」
('A`)「だってよ、津出。」
ξ゚听)ξ「え? な、なんで私にふるのよ?」
二人の視線は津出に向かう。
二人に見られて、観念したかのように津出は言う。
ξ///)ξ「さ、さっきの内藤君は格好良かったよ。あ、ありがとね。」
(*^ω^)「そ、そうかお? うれしい事言ってくれるお!!」
それからしばらくして警察がやってきて津出の証言と現場の状況から判断され、担任は逮
捕された。
(,,゚Д゚)「事情聴取を行いたいが、今日はもう遅いから明日改めてうかがうぞゴルァ!!」
威勢のいい刑事にそう言われ、三人はとりあえず帰路につくことにする。
('A`)「いやぁ、大変だったなぁ。」
(;^ω^)「いや、大して大変なことはなかったお。」
ξ゚听)ξ「そうよねぇ。」
なんて他愛の無いボケや突っ込をしながら道を行く。
津出の表情はとても穏やかなものだった。
ξ゚听)ξ「そういえば。」
( ^ω^) ('A`)「?」
唐突に話題を切り替える津出。
ξ゚听)ξ「なんで内藤君は「ブーン」なの?」
('A`)「ああ、それはだな。こいつのガキのころの口癖が「僕は大きくなったら空を飛ぶんだ
お!!」ってやつでな、よく両腕を広げて「ブーーーンッ!!」なんてやってたんだ。」
( ^ω^)「そうだお。そしたらいつの間にかブーンって呼ばれるようになったお。でもまぁ
小学生のころあだ名だから今じゃそうやって呼んでくれる奴も少ないお。」
ξ゚听)ξ「ふーん。」
('A`)「それがどうかしたか?」
至極当然の疑問を問われ、なぜか狼狽する津出。
ξ///)ξ「え、あ……わ、私もブーンって呼んでみようかなって……。」
(*^ω^)「いいおいいお、大歓迎だお!!」
('A`)「……しかしまるで別人みたいだな、津出。」
ξ゚听)ξ「私、もう少し自分に正直に生きてみようと思ったの。誰かさんの言葉のおかげで
ね。」
( ^ω^)「僕のおかげだお!!」
すると津出は軽く内藤を小突いた。
ξ゚听)ξ「自慢することじゃないでしょ。」
( ^ω^)「フヒヒ、すいません。」
('A`)「(……なにこのばら色空間。)」
三人がそれぞれ別の道へと分かれる交差点。
('A`)「じゃあな、俺は疲れたからさっさと帰るぜ。」
( ^ω^)「うん、ばいばいだおー!!」
毒尾はそのまま背を向けるとさっさと帰っていった。
( ^ω^)「気の早いやつだお。」
ξ゚听)ξ「ブーン。」
不意に呼ばれ、振り返る内藤。
( ^ω^)「なんだお?」
ξ゚听)ξ「その……明日からよろしくね?」
( ^ω^)「……こちらこそよろしくだお。」
そういって二人は軽く握手をかわした。
お母さん、私、明日から楽しく毎日を過ごせそうです。
END
えー、某総合に投下した奴です
せっかくなので自分で保管してみました