('A`)「うー、さびぃ。」
冬も深まる12月の上旬。久々に家から出た俺は当ても無く街中をうろついていた。
通りに人は無く、しんしんと寒さが身にしみこむばかりであった。
こんな日はコンビニにでも行って暖かい肉まんでも頬張りたいところだ。
ふかふかの皮に包まれたあつあつの具材。そのジューシーな肉汁は軽い空腹を満たす
のにぴったりだろう。
('A`)「あ、やべ。想像してたらよだれが……。」
なんてくだらないことをしながら歩いていく。
('A`)「本当にコンビニ行こうかな。」
そう考えていた矢先のことだった。
――ヒタヒタ
異質な音が耳に届いた。
――ヒタヒタ
二度目の音にぎょっとして足を止める。
その音は俺の遥か後方から響いてくる。
繰り返すようだがあたりに人影は無い。
('A`)「べ、別になんともねぇよな。」
軽く心を奮い立たせ、またゆっくりと歩き出す。
――ヒタヒタ
――ヒタヒタ
音は少しずつ、少しずつ近づいてくる。
(;'A`)「……。」
恐怖と好奇が織り交ざった異質な感覚が腹の底からふつふつとわきあがってくる。
俺は振り返りたい衝動に駆られた。
だが脳みそはさっきから必死に危険信号を飛ばしている。
(;'A`)「どうしよっかな……。」
正直悩んだ。このまま何も知らないふりをして去るべきか否か。
だが、俺は自分の好奇心に負けてしまったようだ。
ゆっくりと
おそるおそる
振り返った
(ω^ )
⊂二]℃】⊂ ノ
(_( ) ..........ヒタヒタ
俺の後ろには異質な生き物がいた。
純白と呼ぶのにふさわしい真っ白な体。
もこもことしたその表面のさわり心地は干したての布団のようにやわらかそうだ。
そしてその手にはかわいらしい姿には不釣合いな銀色に輝く殺意が握られていた。
(;'A`)「う、うわぁ!?」
思わず、声を上げる
これが、いけなかった
(^ω^)<・・・・・
⊂二]℃】⊂ ノ
(_( )
白い生き物が俺に気づいた。視線が交錯する。
その時間、10秒か10分かはたまた1時間か。
とにかくその間の時間の感覚は無い。
(゚ω゚)<・・・・・
⊂二]℃】⊂ ノ
(_( )
目が見開かれる。
ヤバイヤバイヤバイヤバイ。
脳みその中を危険信号が駆け巡る。
俺はそのままがむしゃらに走り出した。
(゚ω゚)っ
(彡つ【℃]二⊃
i_ノ┘ ギュィィィン!!
ギュィィィン!!
⊂二]℃】⊂( ゚ω゚ )
⊂ ミ )
(⌒) |
三 `J
後ろから激しい機械音が迫る。
怖い。怖い。怖い。
もつれそうになる足を無理やり引っ張り、息も絶え絶えに走る。
ここ最近家にこもっていたせいで体は鉛のように重く感じた。
さらに迫る恐怖からの緊張感で心臓は激しく狂い叫び、血の巡りが激しくなる。
――ギュイイイイイイイイン!
音はまだも追ってくる。
俺は変則的なルートを通って奴をまくことにする。
心臓破りの階段と呼ばれる急な段差を駆け上がる。当然俺もきついのだが、奴は
得物を持っているから、手すりにつかまれず四苦八苦していた。
俺はその隙に一気に引き離す。音はどんどんと遠ざかっていった。
さらに用心をかねて、雑木林の中を抜けてから家へと帰る。
鍵を乱暴に開け放ち、なだれ込むように部屋に駆け込み、急いで施錠をする。
(;'A`)「ハァ……ハァ……、もう、ここ…ハァ…なら大……丈夫だ……。」
急に激しい運動をした体は激しい悲鳴を上げている。
(;'A`)「とりあえず、水だ……。」
「はい、水だお。」
('A`)「おお、すまねぇ。ゴクッゴクッゴクッ!? ブハェ!!」
(^ω^)<・・・・・
⊂二]℃】⊂ ノ
(_( )
なんでなんでなんでなんで!!
なんでここにあいつが!! あいつがいるんだ!!
ここは俺の家だし、ちゃんと部屋の鍵だってかかってたし!!
あ、窓が開いてる。
なんだ、そんなことか。
ハハ、最後の最後でどじtt――――
ギュイイイイイイイインギャリギャリギャリギャリ!!!
END
ああ、またなんだ、すまない。