1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:51:18.28 ID:8U2OhLcE0
( ゚∀゚) 罰ゲーム!

(;・∀・) マジかよ!

( ^ω^) うはwwwモララーアホスwwww

( ´∀`) いい気味だモナー

( ゚∀゚) だから言っただろ。俺は大富豪で負けたことないって

(;・∀・) 言ってねえよ!

2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:52:21.94 ID:8U2OhLcE0
('A`) 早く罰ゲームカード引けよ…

ミセ*゚ー゚)リ はーやーく! はーやーく!

( ・∀・) わかったって…たく


( ・∀・)つ□ 引いたぞ

3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:53:21.87 ID:8U2OhLcE0
( ゚∀゚) ふむふむ

('、`*川 おーこれは…

(;^ω^) いいのかお?

(;'A`) この罰ゲームカード書いたの誰だよ…


(;・∀・) なに? なにが書いてあるの?
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:55:36.82 ID:8U2OhLcE0
( ゚∀゚) モララー。1から10までの好きな数字を一つ選べ

(;・∀・) ? じゃあ…2

( ゚∀゚) 2に1から10までの好きな数字を一つ掛けろ

( ・∀・) じゃあ6掛けて…12

( ゚∀゚) お前の誕生日の日にちをそれに足せ

( ・∀・) 21日だから、33か

( ゚∀゚) えーと…じゃあそれに…俺の尻にあるほくろの数を足して36な

(;・∀・) なんだよそれ?
7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:56:36.51 ID:8U2OhLcE0
( ゚∀゚) 出席番号36番ってことでいいか?

ミセ*゚ー゚)リ いいんじゃなーい?

( ^ω^) うはwwwwみなぎってきたwwww

(;'A`)ドキドキ

(;・∀・) なーいい加減教えてくれよー

( ゚∀゚) 告れ

( ・∀・) …?

8 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:58:17.66 ID:8U2OhLcE0
( ゚∀゚) 罰ゲームは、クラスの女の誰かに告ること

( ゚∀゚) 今さっき偶然決定した出席番号のやつに告れ。いいな?

(;・∀・) ちょ…それはまずいだろ!?

('、`*川 なんで?

(;・∀・) だって…可哀想じゃん

ミセ*゚ー゚)リ まーまー。あとでネタバラシすればいいじゃん?

(;・∀・) よくねえよ!
10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/09(木) 23:59:22.61 ID:8U2OhLcE0
(*'A`) こーくーれ!

( ^ω^) こーくーれ!wwww

(;・∀・) おまえら他人事だと思って…

( ゚∀゚) 罰ゲームだからちゃんとやれよ

(;・∀・) ちなみに…誰なの?

( ´∀`) 36番っていうと…

11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:00:58.90 ID:pO6wuQh10
( ・∀・) ゚∀゚) ´∀`)セ*゚ー゚)リ('A`(^ω^ ('、`*川





            川д川





( ・∀・)モララーがゲームをやらされるようです

12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:05:43.91 ID:pO6wuQh10
罰ゲームの相手は貞子さんだった。
クラスの中でも地味な方で、体育はいつも休みがち。
昼休憩は一人で何処かに消えて、授業が始まる直前に戻ってくる。
普段喋る相手はちょっとオタクっぽい女の子のグループと、国語の先生だけ。

(;・∀・) あの…

川;д川 は、はい…

悪いなーとは思っていたが、その場の雰囲気に流され、俺は貞子さんに告白することになった。
出来れば振ってくれればいいと思った。つい最近彼女と別れたので、寂しい気持ちもあった。
しかしそれ以上に、彼女に対して申し訳無かった。

(;・∀・) あー、あのさ、良かったら付き合ってくれないかな…

昼休憩に、彼女を人気のない美術室近くの廊下に誘った。
彼女は浮かない顔で俺を待っていた。
14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:10:16.46 ID:pO6wuQh10
付き合ってくれと俺が言うと、彼女は長い前髪の下で目を見開き、それから下を向いた。
驚くのは当たり前だ。今まで一度も話したことの無かった俺から、急にこんなことを言われれば誰だってそうなる。

川;д川 あ…えと…

(;・∀・) 嫌だったら、別にいいんだ
俺もその、ほら付き合いたいっていうより、自分の気持ちを伝えたいってだけだから
保留でもいいし、そのまま返事せずに無視してくれてもいいからさ

川;д川 あ…うん…あ…え…

彼女は混乱仕切っていた。
しばらくの間貞子さんは、髪をいじったり、膝下まで充分に伸びたスカートをつまんだり、忙しなく辺りを見渡したりしていた。
遠くの方から教室の喧騒が廊下の壁を伝わって届いていた。
早くその空間に戻りたいという気持ちが一番強かった。
16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:15:32.05 ID:pO6wuQh10
こんな罰ゲームをやらされるはめになるなら、ジョルジュの話に乗るんじゃなかった。
いつもビッグマウスで猛々しいやつの鼻を折ってやりたかっただけだったんだ。
俺だけが罰を受けるならまだしも…これでは貞子さんにとってだって罰ゲームだろう。
彼女はこれから俺たちのグループの、笑いの種にされてしまうんだから。

川;д川 …モララーくん。私…

彼女の性格からして、きっとどうやって振ろうか迷っているんだと思った。
奥ゆかしいというより内気で、冷静というより地味で、思慮深いという鈍くさい印象の彼女。
ただ優しい人なんだなということは、何となくだけどわかる。

( ・∀・) え?

その時貞子さんが顔を上げて小さく呟いた言葉が、とても信じられないものだったので、俺は聞き返した。
彼女は瞬時に顔を赤くし、もう一度俯くともうなにも喋らなかった。
昼休憩が終わる五分前のチャイムが聞こえた。

17 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:16:42.76 ID:pO6wuQh10

*****

('、`*川 どうだった?

( ・∀・) あー?

ミセ*゚ー゚)リ 告白

( ・∀・) 振られた振られた

('A`) つまんねーの

( ・∀・) ほら、5限始まるから席戻れよ

ミセ*゚ー゚)リ モララーくんがつめたーい

18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:18:14.82 ID:pO6wuQh10
( ゚∀゚) 嘘付けバーカ

(;・∀・) え?

( ^ω^) 嘘? 嘘?wwwマジで?wwwww

(;・∀・) いいから帰れ。マジで

('、`*川 あとでたっぷり聞かせてよ!

( ´∀`) レポートにして提出して欲しいモナ

(;・∀・) 野次馬うぜえ…!

19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:19:52.21 ID:pO6wuQh10

*****

爪'ー`)y‐ よーし! 10分休憩!

( ゚∀゚) うーす!

( ・∀・) ふぅ


( ゚∀゚) なあなあ。それでどうだったんだよ

( ・∀・) なにが?
21 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:21:13.86 ID:pO6wuQh10
( ゚∀゚) 貞子さんのこと

(;・∀・) 振られたよ。振られた

( ゚∀゚) じゃあ貞子さんに確認とろっかな

( ・∀・) それはマジでやめろ

( ゚∀゚) 本当のこと言えよ

(;・∀・) ………………

22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:22:28.20 ID:pO6wuQh10
(;・∀・) なんか…まあ…オッケーだった

( ゚∀゚) …ぷw

( ・∀・) なにがおかしいんだよ

( ゚∀゚) どうすんのお前?

(;・∀・) 俺がききてえよ…

(,,゚Д゚) 先輩、ドリンクっす

( ゚∀゚) ありがとう

23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:23:18.10 ID:pO6wuQh10
( ゚∀゚) なあなあ。聞けよギコ

(,,゚Д゚) はい?

( ゚∀゚) こいつさ…

(#・∀・) ジョルジュ。おまえ…

( ゚∀゚) 冗談だよ

(,,゚Д゚) 何スか何スか?

( ・∀・) なんでもねえよ…

24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:24:41.46 ID:pO6wuQh10
爪'ー`)y‐ そろそろ休憩おわっから二人組つくれ!

(,,゚Д゚) ちゃーす

( ・∀・) はあ…

( ゚∀゚) 罰ゲームはまだ終わってねえぞ

(#・∀・) あぁ?

( ゚∀゚) 終わらせるタイミングはお前で決めろよ

( ・∀・) …
26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:26:32.76 ID:pO6wuQh10
( ・∀・) わかってるよ…


*****

その日の夜は眠れなかった。
部活でくたくたになってるはずなのに、貞子さんのことが気になって中々寝付けなかった。
どうやったら円満に終われるだろうか。
考えることはそればかりだった。
もうこんなことになった以上、円満な解決というのは望めないのかもしれないが、考えずにはいられなかった。
28 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:28:01.35 ID:pO6wuQh10

*****

ミセ*゚ー゚)リ どうすんの?

('、`*川 どうすんの?

( ^ω^) セクロスしろセクロスwwwwwwww

(*'A`) 濃厚なセックスシーンktkrwwwwww

( ´∀`) レポートにして提出するモナ

(;・∀・) もう縁切ろうかなおまえらと…
31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:29:16.92 ID:pO6wuQh10
( ゚∀゚) もてる男は辛いねーw

(#・∀・) ばらしたやつがなに言ってんだ

( ゚∀゚) いいなーモテモテで。お前くらい顔が良かったらなー

('、`*川 ジョルジュくん、別に不細工じゃないよね

ミセ*゚ー゚)リ ねー私もそう思う

( ゚∀゚) 俺もそう思うー

ミセ*゚ー゚)リ ばーかw

32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:30:29.89 ID:pO6wuQh10
( ・∀・) はあ…

('A`) ドンマイモララー

( ^ω^) 他人の不幸はウマいおwwwwwwww

(;・∀・) 不幸なのは……っ

( ゚∀゚) おまえじゃないよなー?

(;・∀・) ………………

33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:32:30.70 ID:pO6wuQh10
('、`*川 モララーくんたち応援するよ

(;・∀・) 応援されても…なあ

ミセ*゚ー゚)リ いいじゃん。あの子さー、絶対処女じゃん? 「俺色に染めてやるぜー」とかさw

( ・∀・) ……

ミセ*゚ー゚)リ 怒ってる?

( ・∀・) …トイレ行ってくる

ミセ*゚ー゚)リ あー怒ってるー

( ゚∀゚) モララーくんこわーいw
35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:34:24.37 ID:pO6wuQh10

*****

トイレを済ますと、教室には戻らずに用もなく学校を歩き回った。
今は一人になりたかった。
あいつらは、悪いやつらじゃないんだけど、少し度が過ぎるところがある。
本当に悩んでいるときにあいつらを構っていると、余計に疲れる。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:38:11.42 ID:pO6wuQh10
暗い渡り廊下を通り、美術室の前まで歩いた。
ここから下に降りると、理科室と準備室がある。
そこから中庭に出たら部室棟のすぐ前だ。
部室には鍵がかかっているが、窓に細工がしてあり、ちょっとしたコツで開くようになっている。
サッカー部の連中が持ち込んだ漫画が置いてあるので、そこで暇を潰そうとした。

( ・∀・) あ…

美術室のドアが少しだけ開いていた。
中に貞子さんがいるのが見えた。
無視しようと思ったが、知っているのに無視するのがとてつもなく悪い行いに思えた。
見てしまったからには、行かなくてはいけない気がした。
しかしなにを話せばいいかわからないし、もの凄く気まずい。
迷っている内に、部屋の中から声が聞こえた。
39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:42:49.65 ID:pO6wuQh10

*****

絵を描くのは、それだけに没頭出来るというのが一番の理由だった。
仕上がればそれなりに充実感があるし、キャンバスに描かれた景色は私の目で見るそれより美しく映えている。
今日も昼休憩になった途端にこの美術室を訪れ、画材道具を長机一杯に広げて絵を描いていた。
ただ今日は絵の具の混ざり具合がおかしくて、筆の運びが固かった。
キャンバスを見ているはずの目が、いつの間にか窓を向いていることもあった。
集中出来ない原因はわかっていたけど、なるべく頭で考えないようにしていた。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:45:16.00 ID:pO6wuQh10
それでも出来の悪い頭は、昨日の出来事をすり込ませるように思い出させるのだ。
昨日はとても驚いて、それから訳の分からない感情に悩まされて大変だった。
放課後に、人気のないトイレの中で一人で吐いた。
トイレの中で吐き気を催すことは以前なら何度もあったことだ。
でも中学校に入り、美術部に入部してからそれは無くなっていた。
高校に上がってからも、一度も吐いたことは無かった。
昨日の出来事は、私の体の機能を一部麻痺させてしまうほどの衝撃だったのだ。
42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:49:22.91 ID:pO6wuQh10
筆を置き、額に手のひらを当てた。
熱は無いはずだった。
しかし胸の奥からわき上がってくるような熱が、体を高揚させ、頭をぼんやりと焼いている気がした。
少女漫画を読んでいるときの興奮と似ている。
あの目が大きくて、かわいらしい主人公のような恋がしたいなどとは、一度も考えたことはない。
ただあの漫画の中の世界に、脇役でも、瞬きするような一瞬でもいいので、入り込んでみたいと思ったことはある。
ただそれだけの私だった。
その私が、昨日、モララーくんに…。
44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:54:11.31 ID:pO6wuQh10
全身が震えた。
頭痛がしたような気がしたが、痛みは体を駆け巡り、胸を通過してお腹にきた。
筆を持っていたら落としていたところだ。
考えれば考えるほど、昨日の告白は奇妙な出来事だった。
誰かに告白したり、ましてや誰かから告白されるなんて、私の想定した日常ではあり得ないことだった。
恋愛に興味が無いのではなく、最初からそんな世界とは別の場所で生きているという自覚があった。
しかし夢から覚めるような――正確に言えば、夢に引き込まれるような告白だった。

川д川 ん…?

ドアの前で、誰かの気配がした。
顧問の荒巻先生かと思って、声をかけた。
足音や衣擦れの音はまだ聞こえているが、気配は返事をしてくれない。
椅子から立ち、ドアのところへ歩いていった。
忙しない気配は、ずっと隠れてはいなかった。
ドアの影から、無表情のモララーくんが現れた。
46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:56:39.25 ID:pO6wuQh10

*****

( ・∀・) …

川;д川 …

( ・∀・) よ!

川;д川 よっ…こ…んにちは

(;・∀・) …

(・∀・;)(今のは違ったなあ…)

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 00:57:59.92 ID:pO6wuQh10
川;д川 …………

( ・∀・) あのさ

川;д川 はいっ

( ・∀・) いつもここで絵描いてるの?

川;д川 …はい。昼休憩は、ここで、大体。放課後も、はい

( ・∀・) 美術部だよね?

川;д川 あ……え、はい

( ・∀・) 凄いなー

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:00:53.89 ID:pO6wuQh10
川;д川 えっ

( ・∀・) え?

川;д川 なにが?

( ・∀・) だって、俺絵とか全然描けなくてさ
絵を描けたり音楽出来たりする人見ると、凄いって思うんだよ
趣味と特技な訳だろ。俺にはそういうの無いから

川;д川 別に…だって、美術部だもん

( ・∀・) いや、凄いよ。絵を見せてくれない?
52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:02:45.83 ID:pO6wuQh10
川;д川 あ…はい…あ、どうぞ、これ

( ・∀・) おー! これって数学のクー先生!?

川д川 うん…似てないけど

( ・∀・) 似てる似てるwwこの人常に無表情だよなw

川д川 ううん…ちゃんと笑ったり、怒ったりするよ

( ・∀・) うそ。マジで?

53 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:04:34.58 ID:pO6wuQh10
川д川 うん…。笑ってると、少し目が優しくなる。目尻が下がってるっていうか
怒ってると、口が完全に閉じるの。いつもは少しだけ開いてる

( ・∀・) よく見てるね

川д川 うん…

( ・∀・) …………

川;д川 ………………

( ・∀・) なあ

川;д川 …はいっ
56 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:06:23.01 ID:pO6wuQh10
( ・∀・) 良かったら、今度俺の絵も描いてよ

川;д川 え…

( ・∀・) あー駄目?wごめん、無理ならいいよwモデルは選びたいよね

川;д川 描く!…描きたいです

( ・∀・) ほんと!? ありがとー!

川*д川 ん…………うん

57 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:08:35.52 ID:pO6wuQh10
( ・∀・) そろそろチャイムだから戻ろうか。その絵はどうする?

川*д川 …このままで、いいよ。別にしまわなくても
どうせすぐ部活だし…

( ・∀・) じゃあ俺トイレ行ってくるから、先帰ってなよ

川*д川 うん

( ・∀・) じゃあね。また

58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:10:31.53 ID:pO6wuQh10

*****

早足で廊下を駆けていく彼女を見送ってから、トイレに入った。
顔を水で洗い、目の前の鏡を見る。
相変わらずの俺がそこに映っていた。
優柔不断で中途半端な俺。
絵の話をしにいったんじゃなかっただろうが。アホ。
63 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2009/07/10(金) 01:18:27.64 ID:pO6wuQh10

*****

カッターシャツの下に手を入れると、肌がじんわりと汗をかいているのがわかった。
モララーくん、汗臭いとか思わなかったかな。
でも彼と話していると、高揚と緊張のせいで汗が止まらなくなる。
息も切れていたきがする。きもいって思われたかもしれない。
でも、そんな些細なこと、どうだって良い。
彼に絵を褒められた。どんな災厄が降りかかろうと、軽く振り払ってくれそうな幸運だ。
今までぱっとしない感じだったけど、もしかしたら私は、変われるかもしれない。
教室に着くまで、頭の中でこの思考がループを続けた。

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