- 2 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:06:29.31 ID:sfR05tbr0
- ピザノブーン以外決まった持ち馬がいないブーン。
冬が過ぎ、春が来るのはあっという間だった。
去年は6年間の騎手人生で最も注目を浴びた一年であった。
一億円ホースピザノブーン。
この馬がブーンの知名度を一気に上げた。
そして、その馬、ピザノブーンは競走馬で最も花のある三歳になった。
二歳戦終了時のこの世代の状況は、無敗の朝日杯馬、スーパークオリティ
暮れのラジオニッケイ杯二歳Sを五馬身さのウザニートの二強。
その二頭に続くのが朝日杯二着のピザノブーン。
そして、ガキノジュウシマツ、クールダンディ、アンカースレーの三頭がその下にいて、
地方馬のチホーツンツンという有力馬もいた。
三歳戦が始まり、シンザン記念はアンカースレー、京成杯はガキノジュウシマツと
既存勢力が勝った。
二月、共同通信杯は関西から遠征してきたワイリーシャウト。
きさらぎ賞も関西馬、ホームヒッキーが勝ち、相変わらず西高東低が囁かれた。
そして、三月、皐月賞トライアル弥生賞。
ピザノブーン、ガキノジュウシマツ、ワイリーシャウト、チホーツンツン。
重賞ウイナーのニ頭とピザノブーン、地方馬チホーツンツンが激突する。
- 3 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:07:45.43 ID:sfR05tbr0
- ( ^ω^)「あっという間に三月だお。F先生が乗せないからだお」
(F)「あれ?お前調教助手じゃなかったの!?」
( ^ω^)「ちょっwwwwwwwお得意の冗談は止めるお」
(F)「何はともあれ弥生賞だ。そろそろ二勝目がほしいところだな」
( ^ω^)「頑張るお」
(F)(それにしても、クラシック路線にのるなんて、騎手も馬も予想以上に強かったな)
- 4 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:08:22.53 ID:sfR05tbr0
- 土曜。
もちろんブーンは調整ルームにいた。
('A`)「ピザノブーンはどうなんだ?勝てるかよ?」
( ^ω^)「わからないお。でも、勝ちにいくお」
('A`)「まあ、そうだよな」
( ^ω^)「それにしても、ドクオも人が悪いお。スーパークオリティなんて
強い馬を隠していたなんて」
('A`)「いや、あそこまでやると思わなかったんだ。だからこそN先生も乗せてくれたんだ。
ん?あれツンじゃないか?」
( ^ω^)「ああ、ツンだお。おーい」
ブーンの声に振り返るツン、しかし誰が呼んだかわかると去っていった。
( ^ω^)「あれ?いちゃったお」
('A`)「・・・だいぶ叩かれていたからな。・・・次負けたら乗り代わりかもしれない、
プレッシャーがかかっているんだろ」
( ^ω^)「・・・それはブーンもドクオも、他の騎手も一緒だお」
('A`)「・・・まあな」
- 5 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:09:42.60 ID:sfR05tbr0
- (穴)「こんにちは。ハイパー競馬の時間です。今日のレースは皐月賞トライアル、
弥生賞です。トライアルだけあって、メンバーそろいましたね
それに、いい天気ですね」
(Y)「そうですね」
(穴)「三着までに皐月賞の優先出走権が与えられます。地方馬のチホーツンツンは
三着までに入らなければ皐月賞に出走できません。ではスタートです」
(´・ω・`)「今日は徹底マークさせてもらうよ」
ショボンとガキノシュウシマツが近づいてきて、言った。
( ^ω^)「望むところだお。返り討ちにしてくれるお」
( ゚∀゚)「へっ!俺も今日はお前のマークだ。ダンディは負けたがワイリーで
勝ってやるよ」
ワイリーシャウトとジョルジュも話の輪に入ってくる。
リーディングジョッキーのジョルジュはクールダンディ、ウザニート、ワイリーシャウト
と、お手馬が豊富であった。
( ^ω^)「二人とも返り討ちにしてくれるお。おっ、ブーンのゲートインの順番だお」
- 7 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:10:20.57 ID:sfR05tbr0
- 弥生賞
2番 ガキノジュウシマツ (´・ω・`)
5番 チホーツンツン ξ゚听)ξ
11番 ピザノブーン( ^ω^)
13番 ワイリーシャウト( ゚∀゚)
(穴)「さあ、ナンカが入ってゲートイン完了。スタートしました!!
綺麗な横並びのスタートです。さあ、内から押して押してチホーツンツン!」
( ^ω^)(ツンがいった。逃げのチホーツンツンはしぶといお)
ピザノブーンの左右に馬が寄ってきた。
右に寄ってきたのはガキノシュウシマツ、左に寄ってきたのはワイリーシャウトだった。
(´・ω・`)「宣言どおりいくんだよね」
( ゚∀゚)「へへっ!わざわざ関西からきたんだ。勝たせてもらうぜ」
( ^ω^)(本当にきたお。さて、どうするお?)
- 8 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:11:33.75 ID:sfR05tbr0
- (穴)「逃げるのはチホーツンツン!二馬身離れてナンカ!続いてアレ!
注目のピザノブーンは六番手!その内にガキノジュウシマツ、
外にワイリーシャウト!人気三頭が中盤より前で競り合いを始めました!」
(´・ω・`)「さて、チホーツンツンはこのままいいのだろうか?」
( ^ω^)「・・・それはブーンも考えていたお」
( ゚∀゚)「2004年の春の天皇賞みたいになったら最悪だな・・・」
(´・ω・`)(いけ!仕掛けてしまえ!)
( ^ω^)(わざとらしいお!そんな手に引っかかるお!)
( ゚∀゚)(このハイペース、今仕掛けたら潰れるっての)
(´・ω・`)「遅くないかい?1000メートル通過タイムは1分2秒くらいか?」
(´・ω・`)(どうみてもハイペースですありがとうございました)
( ^ω^)「それはまずいお!早く仕掛けなきゃだお!」
( ^ω^)(あからさまだお!駄目ジョッキーのブーンでもこれがハイ
だってことくらいわかるお)
( ゚∀゚)「くそ!もう我慢できない!俺はいくぜ!」
( ゚∀゚)(どっちかいけ!)
- 9 :
◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:13:31.62 ID:sfR05tbr0
- (穴)「1000メートル通過タイムは58秒。早めのタイムです。
快調に飛ばすチホーツンツン!三馬身離れて・・・」
ξ゚听)ξ(勝たなきゃ!勝たなきゃ!)
相変わらず並んで走る3頭。
( ^ω^)(本当に徹底マークかお。でも、そろそろ本当に仕掛けどきなんだお
・・・いくお!)
馬を追うブーン。
(´・ω・`)(いまだ!いくよ!ジュウシマツ!)
( ゚∀゚)(へへっ!いくぜワイリー!!)
馬を追うブーンを見て、ほぼ同時に馬を追う二人。
- 10 : ◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:14:14.13 ID:sfR05tbr0
- (穴)「3コーナー入って人気馬三頭同時に仕掛けた!!外から三頭がまくりぎみに
上がってくる!先頭チホーツンツンは直線に入る!」
ξ゚听)ξ(勝たなきゃ!勝たなきゃ!勝たなきゃ!勝たなきゃ!)
鞭をいれ、馬を追い、また鞭を入れるツン。
(穴)「チホーツンツン後続を突き放す!・・・しかし外から三頭!
ガキノシュウシマツ!ピザノブーン!ワイリーシャウト!!
内で粘るチホーツンツン!それに三頭が並びかけ、四頭の追い比べになる!」
- 11 : ◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:17:40.81 ID:sfR05tbr0
- (´・ω・`)「ここは勝ちたいんだよね!」
( ^ω^)「勝ちたいのは一緒だお!」
( ゚∀゚)「重賞50勝目はもらうぜ!」
(´・ω・`)「これだからリーディングジョッキーには勝たせたくないんだよね!」
( ^ω^)「むかつく!!ブーンは一勝もしてないお!
ジョルジュさんには絶対勝たせないお!!!」
( ゚∀゚)「スターが勝たなきゃクラシックは盛り上がらないんだよ!」
ξ゚听)ξ「五月蝿い!うるさい!ウルサーーーイ!!!!!!!!
負けない!あんたらには負けない!」
(穴)「鞭にこたえてもう一度伸びるチホーツンツン!二段ロケット!」
(´・ω・`)(まだそんな力が残っていたのか!・・・でも、ガキノ牧場のエースが
ここで負けたらブランドが泣くんだよね!)
( ^ω^)(まだ手ごたえは十分だお!いけ!ピザ!)
( ゚∀゚)(ワイリーーーーーーーーーーーーーーーー!)
- 13 : ◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:19:56.86 ID:sfR05tbr0
- (穴)「中山の坂を最初に駆け上がったのはピザノブーン!!
半馬身、一馬身抜け出した!!これは決まりだピザノブーン!
接戦を制してクラシック候補に名乗り出た!!!
二着争いは大接戦!三頭並んでゴールしました」
( ^ω^)「やったお!!勝ったお!」
愛馬の首を軽く叩くブーン。
(ピザ)「ぶるるるるるる」
馬もそれにこたえ、軽く頭を振り、勝利の咆哮をあげた。
(´・ω・`)「う〜ん。これは微妙なんだよね。秋に大きいところ出るためにも
賞金プラスしておきたいんだよね」
( ゚∀゚)「・・・皐月賞はどいつに乗ろうかな」
( ^ω^)「・・・やっぱむかつくお」
( ゚∀゚)「へへっ!本番は譲らないぜ」
ξ゚听)ξ(・・・)
- 14 : ◆t47SwsVd1k :2006/10/07(土)
16:22:51.89 ID:sfR05tbr0
- 装鞍所
二着争いをした三人は発表を待っていた。
長い写真判定が接戦を物語っていた。
ξ゚听)ξ(お願い!お願い!)
ボードに係員がきた。
一着から番号を書いていく。
一着 11
二着 13 1馬身
( ゚∀゚)「よっしゃー!とりあえずOK」
ξ゚听)ξ(お願い!出走権!あんたらはなくても出られるじゃない!)
(´・ω・`)(賞金プラスにできなかった・・・本番勝てばいい)
三着 2 ハナ
四着 5 ハナ
ξ゚听)ξ(!!!!!!!!!!!!)
見るからにショックを受けているツン。
あまりの悲愴さに誰も声をかけられなかった。
( ^ω^)(・・・ツン・・・でもこれは勝負の世界だお)
弥生賞〜皐月賞トライアル〜
0.1秒に明暗がはっきり分かれたレースだった。