7 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:40:52.10 ID:4m6FfV7U0
主な登場人物まとめ

( ^ω^) ブーン(19)
普段は大学生。
携帯FF版をプレイ中になぜかFFの世界へ飛ばされ、光の戦士となる。
おとなしい性格だが、やるときゃやる。

('A`) ドクオ(18)
普段は最先端のファッションをキメる童貞。
ブーンと同じ大学に通っている。だが、FFの世界ではブーンを知らない。
職業は白魔術師で、パ〇ウェーブ信者みたいな格好をしている。
父を越す白魔導師になるべく、修行中。
真面目な性格の熱い男。英語でホットガイ。




8 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:42:35.66 ID:4m6FfV7U0
( ゚∀゚) ジョルジュ長岡(21)
『サスケ盗賊団』の一員。
仲間への闘争心から、お宝を求め『きれいなお城や古い遺跡がある』南方へ旅立つ。
船が沈んだり、サスケから託された刀を海底に落としたり、ガーランド事件に巻き込まれたりと不運な男。
ブーンが持つクリスタルを狙っていたが、ツンに惚れ、仲間になる。

('( ゚∀゚∩ モツ煮(13)
ゴブリン。ジョルジュに脅され、無理やり仲間として同行させられることに。
性格はかなりチキンで、自分より強い者に「NO」と言えない。

9 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:43:29.54 ID:4m6FfV7U0
(´・ω・`) ショボ(享年21)
元コーネリアの兵士。
セーラ姫が誘拐された際に、捜索隊の一員として参加。第二部隊の隊長を務めるも、ガーランドに惨殺される。
その後、ドクオの闘いっぷりに惚れ込み、ドクオの守護霊としてブーン達の旅に付いてくることになる。
自分のことをドクオのスタンドと言い張っているが、その存在のウザさは背後霊以外の何者でもない。

ξ゚听)ξ ツン(17)
黒魔術師。
伝説と言われた魔女、マトーヤの孫にして、ダディの娘。
ドクオが絶賛するほどのすさまじい魔力を持つ。

10 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:45:25.26 ID:4m6FfV7U0
第九話


( ^ω^)「おっ!見えてきたお!」

マトーヤの洞窟を出て数時間。太陽は既に西に傾いていた。

広大な森をようやく抜け、なだらかな丘陵地帯を歩くブーン達。
潮の香りがする柔らかな風が草木を揺らし、ブーン達の火照った体を癒す。

遠くに、プラボカと思われる集落がうっすらと見える。
その集落の奥には、どこまでも続く水平線――海が見えた。

( ^ω^)「長かったお…」
('A`)「ああ…長かったな…」
(´・ω・`)「嘘つき!大したモノ持ってないくせに!短いくせに!」
('A`)「そっちかよ!」


そして30分後、一行は無事に港町プラボカに到着した。


11 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:46:13.62 ID:4m6FfV7U0
(´・ω・`)「ここがプラボカけぇ…
      なんともチンケな町(とこ)だのう!」
('A`)「うっせ」

町の入り口で、門番の兵がブーン達を引き留めた。
だが、ブーン達が光の戦士一行と知ると、たちどころに態度を変え、ブーン達を町に招き入れた。

その後も門番兵は何か言いたげな様子であったが、結局は何も言わずに仕事に戻っていった。


12 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:47:04.99 ID:4m6FfV7U0
綺麗な街だ。

道路は石畳で丁寧に舗装されており、その両脇には水路が流れている。
街路樹も植えられており、様々な、色とりどりの花が咲いている。

ドクオは、『運が良い』と呟きながらおもむろに街路樹に近寄ると、花を一輪むしり取り、自らの道具袋に放り込んだ。
どうやら、白魔術によく使われる花があったらしい。


13 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:49:35.53 ID:4m6FfV7U0
そして一行は適当な広場を見つけ、荷物を地面に下ろした。

( ^ω^)「ふぅ。んじゃまずは宿を探すお」
このブーンの意見に、ジョルジュが口を挟んだ。
( ゚∀゚)「その前に飯食いに行きません?腹減ったっすよ」
ドクオも続けて口を開く。
('A`)「ああ、それには俺も賛成だ。ブーン、まずは飯食えるとこ探そうぜ」
それらを聞いたブーンは、ほんの一瞬考え込んだ後、口を開いた。
( ^ω^)「うん。そう言われてみれば僕も腹減ったお。ツンはどうだお?」
ξ゚ー゚)ξ「ええ。構わないわ」
( ^ω^)「よっし。決まりだお……ん?モツ煮、どうしたお?」
('(;゚∀゚∩「……」

皆がそれぞれの荷物を持ち、移動をしようとしている中、モツ煮がただ一人浮かない顔をしていた。
15 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:52:49.50 ID:4m6FfV7U0
('(;゚∀゚∩「え…?あ、いや…なんかしずかすぎるな…っておもって…」
( ゚∀゚)「静か?」
('(;゚∀゚∩「うん…。にんげんのすむまちってひるまでもこんなにしずかなの?」


この言葉に全員がはっとした。


('A`)「そう言われりゃ確かにそうだな…」
ドクオはきょろきょろと周りを見渡した。
( ^ω^)「そういえばまだ町の人を見てないお…」
ξ゚听)ξ「前に来たときはもっと賑やかだったと思ったけど…」
('A`)「んー…」
( ^ω^)「………。なんか事件の匂いがするお…」
ξ゚听)ξ「この町にも何かが?」
('A`)「ありえるな」
16 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:54:19.10 ID:4m6FfV7U0
一同のふいんき(ryが重くなる。

しかしただ一人、ブーン達の事情を知らないジョルジュがその考えを否定した。
( ゚∀゚)「いやいやいや、それはいくらなんでも考え過ぎっすよ。田舎町だから、とかじゃないっすか?
    まーそのうち誰かいると思いますよ。さ、早く行きましょうよ」

いろいろと原因は考えられたが、一旦はこの件に関しては保留することとなった。

皆、空腹には耐えられなかったのである。


それからしばらく町中を歩いても、ブーン達は人に出会うことはなかった……
17 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:55:32.18 ID:4m6FfV7U0
やがて、一行は一軒の店を発見した。

看板には『あずま食堂 寿し・定食』と書かれている。
引き戸の入り口には『営業中』のタグがぶら下がっていた。
( ^ω^)「やってるみたいだお」
ブーンは戸を開けた。醤油の香りが一同の鼻をくすぐる。
18 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/21(木) 23:57:51.10 ID:4m6FfV7U0
しかし…。

( ^ω^)「…………?」
('A`)「誰も……いない、な…」

店の中もまた、静寂。
客・従業員、誰一人としていなかった。

( ゚∀゚)「おーーーい、だれかいねえのかぁ」
ジョルジュが店の奥に向かって叫んだ。が、返事が返ってくる様子はない。
(;^ω^)「……?」
ξ゚听)ξ「妙ね。屋内にも誰もいないなんて…」
('A`)「いや。厨房見ろ。鍋から湯気が登ってる」
ドクオはカウンターテーブル越しに見える厨房を指差した。
( ゚∀゚)「あっ!あそこに食べかけのメシがありますぜ」
ジョルジュはカウンターテーブルの、入り口から一番遠い席を指差した。
そこには定食らしきもの――ご飯と味噌汁とお新香、そして揚げ物が乗った大きな皿―が、箸をつけられたまま置かれている。


20 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:01:03.41 ID:uN6QI1A50
これらが示すもの。
それは、つい先ほどまでこの場に人間がいた証拠に他ならない、ということだ。

( ゚∀゚)「……」


その時であった。
22 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:02:35.07 ID:uN6QI1A50
???「正座しろ!」

(;^ω^)「おうっ!!」

突然の大きな怒鳴り声に、ブーンは思わず声をあげて驚いた。
( ゚∀゚)「外からっすね」
('(;゚∀゚∩「なんかやばそう……」
( ^ω^)「とりあえず行ってみるお!」

ブーン達は戸を開け、外へ飛び出した。
24 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:04:48.67 ID:uN6QI1A50
声の主はあっけなく見つかった。

( ^ω^)「アッ、あそこにいるおっ」
('A`)「なんだありゃ。チンピラに絡まれてるみたいだな」

声の主はあずま食堂の裏にいた。

そこにいるのは、四人の男達。
その内の三人は、白衣を着た男。胸に『あずま食堂』と刺繍されているので、この店の従業員であることは間違いないだろう。
なぜか、三人は神妙な顔をしながら正座をしている。

そしてもう一人は、三人を見下すように立っているリーゼントヘアーの男。
芸能人の川合俊一に似た顔を持つその男は、
>>893の様な凄みのある風貌と巻き舌の喋り方から、
カタギの人間ではないことを容易に判断することができた。

ブーン達は物陰からしばらく様子を見ることにした

25 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:07:29.64 ID:uN6QI1A50
川合俊一似の男が口を開いた。
???「この俺が誰だか知らねぇのかてめぇら!マズい飯食わせやがって。クルルァで土下座しろ!」
('( ∀∩(くるるぁ?)
従業員ABC「すいませんでした!!タニオカさん!!」
従業員の男達は両手と額を擦りつけ、深々と土下座をした。
TNOK「けっ、知ってんじゃねぇかこのヤロウ…。おい、真ん中のお前、犬の真似しろよ」
従業員A「え?」
タニオカと呼ばれた男は、真ん中にいる年配の従業員に命令した。
突然の予想外の命令に三人は困惑した表情をしたが、TNOKはそのまま続けた。
TNOK「犬だよ。四つん這いになんだよ!ほら早くしろよコノヤロウ。おぃ許さねえぞ!」
従業員A「やれば許して頂けるんですか?」
TNOK「あぁ、考えてやるよ」

この返答を聞いた真ん中の男性が、しぶしぶと四つん這いになった。

26 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:09:52.74 ID:uN6QI1A50
それを見たTNOKは、下卑た笑みを軽く浮かべながら更に命令をした。
TNOK「おいお前、なに犬のくせに服着てんだよ」
従業員A「は?」
TNOK「おい、後ろのお前ら。こいつを脱がせろ!」
今度は、左右の男性達に命令した。

二人は困惑した顔をした。
だが、四つん這いになった男性は二人に目配せをし、自分の服を脱がさせた。


27 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:11:04.35 ID:uN6QI1A50
(´・ω・`)「ハッテン!ハッテン!」
(;'A`)「な…何させてんだあいつ…」
(;^ω^)「よ…よくわかんないけど止めるお!このままじゃ危険な領域に突入しかねないお…!」
(´・ω・`)「ねえ、もうちょっと様子見ない?」
( ^ω^)「何言ってんだお!駄目だお!」
29 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:12:43.84 ID:uN6QI1A50
TNOK「ワンって鳴いてみろよほら」
従業員A「わ、ワン!」
TNOK「おい、お前初めてかここは。力抜けよ。お前らもよく見とけよ?」

更に、なんか足んねえってことで従業員Aは首輪をつけられ、TNOKの過熟した欲望は更に危険な領域に突入しようとしていた。

(;^ω^)「やめるおっ!」

それを止めるべく、ブーンは物陰から飛び出し、叫んだ。


30 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:14:32.35 ID:uN6QI1A50
( ^ω^)「そこの男、その人達から離れるお!」
TNOK「あ?んだてめえら。俺の楽しみを邪魔する気かコラ?」
TNOKは立ち上がり、ブーンを睨みつけた。自らの楽しみを邪魔されたせいか、かなり機嫌が悪い様子だ。
( ^ω^)「危険な領域から離れてもらうお!」
TNOK「ほぅ…。この俺にケンカ売るってこたあそれなりの覚悟はあるんだよなオイ?」
TNOKは背中から鉄製の長い筒を取り出し、ブーンに向けた。

31 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:17:45.11 ID:uN6QI1A50
               __,__
             /:::}i::::::::\             ________
            ./:::;ィ-'-、::::::::::ゝ、_,      /             \
    TNOK→ /::::::|__  _>;;ヾ::::::z‐'   < そのキレイな顔を
         ノ゙{◎}ri|゙゚'l. ⌒ い::::::::ゝー-  | フッ飛ばしてやる!!
        ハ. `ー' ヽ ワ/|リハヾ::::::::     \________/
        /lミト、   !、`- "::::::::::::::::::::
       /:l_丿:\/:::\:::::::::::::::::::::::
       /:::::::::::::/::\::::::::::::::::::::::::::::::ノ
       /:::::::::::::∧:::::::\:::::::::::::::::::::::{
      /::::::::::::/ ヽ::::::::::::::::::::::::::::::::::|
      |:::::::::::ノ   ト:::::::::::::::::::::::::::::::::ゝ

32 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:19:13.79 ID:uN6QI1A50
(;^ω^)「!」

全てが言い終わらぬうちに、TNOKの持つ筒が凄まじい破裂音と共に火を吹いた。

同時に噴出される、高速の『弾』。

(;^ω^)「おっ…!」
弾はブーンの左肩を貫通し、背後の壁にめり込んだ。
(;^ω^)「ぐぅぅ…」
ブーンは左肩を押さえながらよろよろと後退した。

('A`)「ぬぅ…あの筒は…」
(;^ω^)「う…ぐぅ……し、知っているのか雷電!!…って僕も知ってるけど」


33 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:21:46.25 ID:uN6QI1A50
TNOKが取り出した筒、それは、古代の鉄砲。いわゆる火縄銃。
この世界は、ブーンの元の世界、つまり我々の世界より文明があまり発達していない。
そのため、鉄砲も開発されたばかりで、まだまだ発展途上なのだ。

これは余談だが、この世界では鉄砲があまり普及していない。
理由としては、まだまだ開発途上であるために動作不良が某電機メーカーの初期型並みに多く、使い勝手が悪いこと、
多数の者が、鉄砲などという訳の分からない道具より、自らが操る剣の方が強いに決まっている、
という幻想に囚われているということが挙げられる。
鉄砲を使おうものなら、周りからは怪奇や軽蔑の目で見られることはほぼ間違いない。
そのため、世界中でも銃器を扱っている武器屋はほぼゼロである。


――閑話休題。


34 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:23:18.37 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「兄貴、ここは俺に任せてくだせぇ」
傷ついたブーンを気遣ってか、ジョルジュが前に出てブーンを後ろに退けた。
( ^ω^)「ジョルジュ!」
( ゚∀゚)「任せてくだせぇ。同行してからまだ一度も役に立ってないっすからね」
ジョルジュはコキコキと首を鳴らしながら両手の指を組み、
掌を外側に突き出しながら腕を前方に大きく伸ばした。

( ゚∀゚)「さ、来いよ」
そして、武器を取り出さずにそのまま構えをとった。


35 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:24:54.03 ID:uN6QI1A50
素手で闘うつもりらしい。TNOKは当然の如く激昂した。
TNOK「素手だぁ?コノヤロウ!なめんじゃねぇぞテメエ!」

鉄砲が再び火を吹く。

( ゚∀゚)「はっ。んなもん食らうかよ!!」
しかし、ジョルジュは既に身を低く屈めており、弾は誰にも当たることなく、背後の壁にめり込んだ。
そして狼狽したTNOKをよそに、ジョルジュは既に間合いを詰めていた。
( ゚∀゚)「らあっ!!」
ジョルジュの右脚が唸りをあげる。
TNOK「うぉっ…!?」
前方に蹴り上げられた足はTNOKの持つ鉄砲に命中し、鉄砲はくるくると宙を舞った。


36 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:26:37.34 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「まだだ!オラァ!!」
間髪を入れず、ジョルジュは右脚をそのまま振り下ろした。
TNOK「オフッ!」
TNOKの額は鮮血を飛沫ながらぱっくりと割れ、大きく後ろに吹っ飛ばされながら倒れ込んだ。
そして、勢い余ってまんぐりがえしの体勢になった。
ジョルジュは宙を舞っている鉄砲をそのままキャッチし、
まんぐりがえし状態のTNOKを踏みつけ押さえ込み、そのままアナルに銃口を突きつけた。
TNOK「ぐ…」


( ^ω^)「強いお…!」
(´・ω・`)「…すごい漢だ」


37 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:28:38.44 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「おいホモ野郎。大事なアナルに鉛玉喰らいたくなかったらすぐにどっかに消えろ。
   このオモチャは俺が預かっとくがな」
TNOK「消えろだァ?コノヤロウ!俺が誰かわかってんのか!?」
( ゚∀゚)「知らねーよ。んなことより俺の言ったことが聞こえなかったか?」
ジョルジュは銃口を更に強く押し当て、ぐりぐりと捻った。
( ゚∀゚)「無駄口はいらねぇんだよ。お前はどっかに消えりゃそれでいい。わかったか?」
TNOK「なるほどな。テメエらよそ者だな?道理で俺を知らないわけぐっ!」



38 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:29:37.05 ID:uN6QI1A50
鉄砲が火を吹いた。

同時に、TNOKの右腕から鮮血が飛んだ。
TNOK「アッー!」
( ゚∀゚)「調子に乗んな。俺はブーンの兄貴と違って優しくねぇんだ。
    もっかい無駄口を吐いたら、今度は迷わずケツを撃ち抜くぜ?」
TNOK「調子に乗ってんのはどっちだコノヤロウ!」
( ゚∀゚)「…馬鹿が」

39 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:33:06.20 ID:uN6QI1A50
――ズドン!


(;^ω^)「!!」
(;'A`)「!!」
('(;゚∀゚∩「ひっ…」
ξ;゚听)ξ「……」
(´・ω・`)「これぞ男狩り」
(´・ω・`)9m「
ttp://uraden.hp.infoseek.co.jp/kari.html 一番下のコマを見るべし。閲覧注意。」


言葉通り、ジョルジュは一切の迷いを見せずにTNOKのアナルを撃ち抜いた。
TNOKはピクピクと痙攣した後に動かなくなった。



だがこの時、TNOKが恍惚の表情をしていたことに誰も気が付いていなかった。
40 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:34:23.32 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「…チッ」
ジョルジュは軽く舌打ちをすると、まだ煙が出ている鉄砲をゴミのように放り投げた。
そして、未だに四つん這いになっている従業員Aの前に近付き、しゃがみ込んだ。
( ゚∀゚)「よお、大丈夫か?あんたら」
従業員A「あ…あ…」
なぜか従業員Aは虚ろな目をしている。彼の目線はジョルジュではなく、その後ろに泳いでいた。


41 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:35:13.26 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「おいおい。俺らは味方だぜ?大丈夫だ。安心しなよ」
従業員A「し…し……」
( ゚∀゚)「し?……何だぁ?壊れちまったのか?ブーンの兄貴、どうします?」
ジョルジュはブーンの方を向いた。
だが…

(;^ω^)「あ……」

ブーンもまた、ジョルジュではなく、彼の後方に目を向けている。
( ゚∀゚)「な…なんだ…?」

42 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:35:56.26 ID:uN6QI1A50
ΩΩΩ or2「志村うしろーーーっ!!」
(゚∀゚ )「後ろ?」

(゚∀゚;)「…?!」

振り向いたジョルジュの目に写ったもの。

それは、鉄砲の長い銃身を両手で握りしめ、それを頭の後ろまで振りかぶったTNOKの姿だった。


43 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:37:13.25 ID:uN6QI1A50
TNOK「……フフ」
TNOKの顔には笑みが浮かんでいる。
( ;゚∀゚)「ば…馬鹿な…!」
TNOK「クルァ!!」
振り下ろされる鉄砲。狙いはジョルジュの脳天。
( ;゚∀゚)「はおっ!」
ジョルジュはとっさに横っ飛びをし、どうにかその攻撃を避けることに成功した。
狙いが外れた鉄砲はそのまま勢い良く地面に衝突し、甲高い金属音と共に、温まった飴の如くくにゃりとねじ曲がった。
( ;゚∀゚)「…!なんつー力だ…」
ジョルジュは地面を転がりながら、歪んだ鉄砲を見て呟いた。
44 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:40:12.11 ID:uN6QI1A50
そして彼はそのまま立ち上がり、TNOKを指差し、叫んだ。
(;゚∀゚)「テメー、な…何で…!俺はたたた、確かに……」
ジョルジュの動揺は並では無い。
無理もないだろう。彼は確かに引き金を引いたのだから。
そんなジョルジュをニヤニヤとを見据えながら佇むTNOK。額から流れる血が痛々しい。
TNOK「馬鹿が!ホモの申し子と言われている俺が腸を鍛えていないとでも思ったのか!?
   鉄砲アナニーなんて俺にとっちゃ日常茶飯事なんだよ!!」
(;゚∀゚)「な…何だそりゃ…」
(;^ω^)「……」
(;'A`)(普通は鍛えてるなんて思わねーよ…)


45 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:41:33.32 ID:uN6QI1A50
TNOK「まあとにかく、鉄砲が壊れちまったし、ここは退かせて貰うぜ。てめぇら、覚えてやがれよ!?」
( ゚∀゚)「…!てめぇ、逃げる気か!」
TNOKは後ろを振り向き、そのまま駆け足で去っていった。
(;゚∀゚)「野郎っ!」
ジョルジュはすぐさまTNOKを追う体勢に入る。

( ^ω^)「ジョルジュ!待つお!」
だが、ブーンがジョルジュの肩を掴み、それを引き止めた。


46 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:42:40.16 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「兄貴!何で止めるんすか!?」
( ^ω^)「僕らの目的は“あの人達を助けること”だお。あの男を追う理由はないお」
( ゚∀゚)「でも…!」
( ^ω^)「まずは話を聞くことが先だお!」
ブーンは従業員の男達をちらりと見た。
( ゚∀゚)「…フゥ…。わかりましたよ兄貴…」
ジョルジュは悔しそうな顔をしながらも、ため息を一度つき全身の力を抜いた。
48 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 00:59:23.72 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「…やれやれ、厄介なホモがいたもんだ…。さて、大丈夫かい?あんたら」

ジョルジュは、改めてあずま食堂の従業員に話し掛けた。

従業員A「あ、ありがとうございました。危うく掘られるところでした…」
四つん這いになった従業員は、脱いだ服を着た後、自らを『アズマ』と名乗った。
彼が店長で、自分の名前をそのまま店の名前にしたそうだ。

また、後ろの男達はそれぞれ『イサキ』『カシワギ』と名乗った。
49 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:00:37.41 ID:uN6QI1A50
アズマ「あなた方、旅の人ですか?悪いことは言いません。すぐにこの町から出てった方がいいです」
( ^ω^)「どういうことですお?」
イサキ「それにTNOKにあんな仕打ちをしてしまったんだ。他の奴らが君達を放っておかないはずだ」
ξ゚听)ξ「他の…奴ら?」
('A`)「…詳しく説明してくれ。この町に何が起こってるんだ?」
( ^ω^)「産業で」
アズマ「産業で詳しくですか…えっと…

    ・ここ最近は海が荒れてて困る。これじゃ漁師さんはろくに仕事もできないです><
    ・それは海賊も同じこと。標的が少なくて困った、ある海賊団は港町プラボカを襲撃しました。
    ・平和だったプラボカはあっという間に支配されちゃった。てへ☆」

( ゚∀゚)「長ったらしい産業だな」
アズマ「………」
50 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:01:17.91 ID:uN6QI1A50
('A`)「なるほどな…。てことは、さっきのTNOKって奴はその海賊の一員ってことか?」
アズマ「その通りです。あの男は『ガチホモのTNOK』と呼ばれている海賊団の幹部です。
このあたりじゃ有名ですよ。何かと因縁をつけては相手を四つん這いにさせるってね…」
(;^ω^)「……」
(´・ω・`)「素晴らしいね!!!!」
52 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:02:24.05 ID:uN6QI1A50
( ゚∀゚)「……なぁ、この町を支配したっていう海賊団ってさ、もしかして『MTNK海賊団』っつう奴らじゃないか?」
ここで、しばらく何やら考え込んでいたジョルジュが口を挟んだ。
アズマ「え…?はぁ確かにその通りですが…」
('A`)「知ってるのか?」
( ゚∀゚)「ええ、まあ。俺も職業柄、噂だけは聞いてたんすよ。遠くの地で、そのMTNK海賊団ってのが町を一つ支配したって」
('A`)「ほう…」
( ゚∀゚)「そんで、ここの斎藤ナントカって団長が凄い腕の立つ奴らしいんすよ。下の名前は忘れちゃいましたけど。
    最近、息子に団長の座を譲り渡したらしいんすけど、その息子もまた恐ろしく強いとか…」
( ^ω^)「なるほど…」
54 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:04:56.83 ID:uN6QI1A50
ブーンは少し考え込んだ後、口を開いた。

( ^ω^)「要するに、その斎藤って男を倒せばいいんだお?」
アズマ「……?あなたまさか…」
( ゚∀゚)「そうくると思いましたぜ!」
ξ゚听)ξ「決まりね」
('A`)「ああ」
アズマ「やめて下さい!危険ですよ!!奴らは数十人もいるんですよ!?」
( ^ω^)「それでも行かなきゃならないお」
アズマ「……?」


55 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:05:32.66 ID:uN6QI1A50
( ^ω^)「僕達は船を調達しにこの町に来たお。ここで足止めを食らうのは困るお。それに…」
( ^ω^)「平和だった町に海賊がのうのうとのさばってると聞いては放っておけないお!」

アズマ「………」
イサキ「……」
カシワギ「……」



56 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:07:26.05 ID:uN6QI1A50
それからしばらく、三人に沈黙が流れる。

その沈黙を破ったのはアズマだった。

アズマ「……奴らは、この町にある唯一の宿屋をアジトとして使っています」
( ^ω^)「……?」
アズマ「…案内しましょう。奴らのアジトに…!」
( ^ω^)「アズマさん…!」
アズマ「さあ行きましょう。付いてきて下さい」








57 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:08:29.67 ID:uN6QI1A50





アズマ「着きましたよ。あれがそうです…」

アズマは10M程離れた二階建ての建物を指差した。

( ^ω^)「あれがアジトかお…」
アズマ「そ…それでは私はこれで失礼します。お気をつけて…」
ξ゚ー゚)ξ「ありがと。気をつけて帰ってね」

アズマは来た道を戻っていった。


58 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:10:03.01 ID:uN6QI1A50
('A`)「ん?あいつらは…門番か?」
可もなく、不可もなく…といった印象のどこにでもありそうな二階建ての建築物、プラボカ唯一の宿屋。
その入り口の扉の側に、柄の悪そうな二人の男がいる。
退屈なのだろう。何やら雑談をしている様だ。少し離れたこの場にも二人の笑い声が聞こえてくる。

( ^ω^)「よし、行くお。みんな準備はいいかお?」
('A`)「ああ」
(;゚∀゚)「え?ちょ、マジ?正面突破っすか?」
ξ゚听)ξ「何よ。自信ないの?」
( ゚∀゚)「いやいや何を言ってんすか姐さん!全然そんなことはありませんよ!!
   さ、みなさん、行きましょう!!」

60 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:13:01.82 ID:uN6QI1A50
ブーン達が宿屋に近寄ると、それに気づいた門番の男達は軽くガンを飛ばしながらこちらに近寄ってきた。


                 , .:-‐─‐--、、 
               (:::::::::;;;::-、:::::::::',       
               厂´   l::::::::::!   
            f__;w、_,ィ l:r、::::!       
            {;;;;;ハ;;;;;;厂'ツ:::j          
            ヽ丶    `ヾ       
             、'ニ` /  k       
    |           ヽ-イ   バ`ヽ
               /ス   /  |`ヽ`ヽ、
              ∠_ {‐'  / __|   `ヾ`ヽ、      
             ,イ  < l  / >     厂`ヽ    
              ヽl   ヽ V/MTNK   /     l     
               !l ̄ ̄l  } l ̄ ̄ ̄l  l /l__ヾ
             l l    l  l  l      l  l/ /  l


そして、穏やかに、それでいて凄みを含ませながらブーン達に話しかけた。
62 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:15:31.34 ID:uN6QI1A50
海賊A「ちょっと待ちなよそこの兄ちゃん達‥。何しにここに来たの・・!?この中は“立ち入り禁止”(キープアウト)だヨ・・」
海賊B「ここは俺ら“MTNK海賊団”の”拠点(アジト)“だゼ・・!?それともまさか知ってて“来た”のかナ・・!?」

ブーンは臆さずはっきりと答えた。

( ^ω^)「もちろん知ってて来たお!お前たちの団長に会わせてもらいに来たお」

これを聞いた二人は、額に血管を薄く浮かべながら眉間にシワを寄せた。
海賊B「アァ・・!?頭(ヘッド)にだァ・・!?テメェらもしかして俺らに“上等”ここうってんじゃあないよナ・・!?(ビキッ」

63 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:18:35.22 ID:uN6QI1A50
先ほどに比べ、声が震えている。海賊達に一触即発のムードが漂う。

('A`)「そのまさかだったらどうする?」
( ゚∀゚)「そういうこった。怪我したくなきゃ、おとなしく退くか頭連れてきな」

これを聞いた海賊達は遂にキれ、顔を紅潮させながら今までになく声を荒げた。

海賊A「おもしれぇ・・!!いい“度胸”してるジャン・・!?」
海賊B「かかって来いヨ・・!?ブっ“殺し”てやるからさァ・・!?(ビキキィッ」



64 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:19:43.14 ID:uN6QI1A50
海賊達は各々の武器を取り出した。片方はナイフを、片方は木刀を。

木刀。意外な武器の登場に、ブーン達は驚きを隠せなかった。

( ^ω^)「木刀?」
ξ゚听)ξ「なめられたものね。いい度胸してるのはあなた達の方じゃない?」
ブーン達もまた武器を構え、戦闘態勢に入る。
海賊B「アァ・・!?“木刀”をあんまり“ナメ”んなヨ・・!?“怪我”じゃ済まないゼ・・!?」

ツンに挑発された男は額にミミズのような血管をはっきり浮かべ、更に声を荒らげながらツンにメンチをきった。



その時である。

65 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:27:16.38 ID:uN6QI1A50
    |┃三        __,,,,.. --_─_一_-_-、-、、,,,,__
    |┃.     ,r'´-_-_‐_‐_‐_‐_-_-、`-、ミ`ヽ ヾ`ヽ、
    |┃    /,r',.-_‐_‐_‐_‐_-_-、ヾ ヽ ヽ丶、`ヾ 、ヽ
    |┃   /(.'´_-_‐_‐_‐_-_-、ヾヽヾ ))) ), )) ) )),)))ヘ
 ガラッ.|┃  l(i,i'´⌒ヾトヽ、ヾ ヾ ヾ ))_,ィ,'イ」〃川 jノjノjノ}
    |┃  !iゝ⌒))}!ヾヘヽ ),ィ_'イ」〃'″  フ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
    |┃三  ヾ、ニ,,.ノノ〃ィ"::::::::::::::     /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
    |┃.       ̄`i7 ´   :::;:::、:::.    〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
    |┃三      〈‐─一''''バ `'''ー─‐ ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
    |┃        }、_,.-。-、 :::: ,.-。‐-、_,  ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
    |┃三       !` ̄ ̄´ノ  ` ̄ ̄´   丁j`l;;;;;;;;;;l  
    |┃        l    (",、         ''´,/;;;;;;;;;;l
    |┃        .l    _...___       `<;;;;;;;;;;;;;ノ
    |┃        l   'r二ニヽ      八;;;;;;;;;;;;;〈
    |┃         '、   ー- ‐′    / ゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙!
    |┃         ヽ         /    ゙!゙!゙!゙!゙!゙!
    |┃          ヽ、     ∠____゙!゙!゙!゙!゙!゙!
    |┃          「` ーi '''´ 「:::::::::::::::::::::::::::::::: ̄l
                |_  l  _|::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|__


           “話”は聞かせて貰ったゼ・・!?
 


              “  !  ?  ”

66 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:28:58.40 ID:uN6QI1A50
言い争いの声が中まで届いたのだろう。
宿屋の入り口の扉が勢いよく開き、海賊らしき男達がわらわらと姿を現し、ブーン達を囲んだ。
海賊C「俺らを“潰そ”うだァ・・!?上等だコラ・・!!」
海賊D「オウ・・テメエら・・!?生きて帰れると思うなヨ・・!?」
海賊E「“ヨソ者”は“ゲラウトヒア”・・!」

その数、約20人。手にはそれぞれ武器が握られている。
その大多数が木刀やナイフだが、中には本物の日本刀を持つ者や、火炎瓶を手にした過激な者もいる。

(;'A`)「これは予想外だな」
ξ゚听)ξ「…ええ」
ドクオの頬に一筋の汗が伝う。対して、ツンは余裕の表情を崩さない。
('(;゚∀゚∩「……」
( ゚∀゚)「モツ煮。無理はするなよ?」
('(;゚∀゚∩「う……うん……」


    「死ねやあああああぁぁぁ!!」

( ^ω^)「!!」







67 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:29:43.13 ID:uN6QI1A50




5分後……



68 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:31:25.64 ID:uN6QI1A50
海賊F「つ‥強え‥」
海賊G「これは‥敵わねえ‥」
海賊H「“不運(ハードラック)”と“踊(ダンス)”っちまった‥」

( ^ω^)「…これで全員かお?」
( ゚∀゚)「いや、こいつが最後です。…覚悟はいいか?」
海賊I「い‥いや‥待って下さい‥あ‥た‥助け‥‥(ヒッ」

―ゴシャッ!

わずか5分。20人近くいた海賊達との闘いは、ジョルジュの放った拳を最後にあっけなく幕を閉じた。

( ゚∀゚)「ふぅ…なんでぇなんでぇ。まるで大したことねーじゃねーか」
ジョルジュは拳についた血を拭きながら不満げに呟き、足元に転がっている氷漬けの瓶を蹴飛ばした。
('A`)「まさか俺のパンチ一発で沈むとはな…」
(´・ω・`)「俺のオラオラのお陰だね!!!」
('(;゚∀゚∩(……このひとはなにをいってるんだろう)
(´・ω・`)「じゃあ無駄無駄かな」
('(;゚∀゚∩「ええ!?」(こころをよまれた…!?)
69 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:2006/09/22(金) 01:33:10.58 ID:uN6QI1A50
――結局、海賊達があれほど拘っていた木刀は、大した結果を生むことはなかった。
何を思って木刀に拘っているのかは不明のまま。

また、危険視されていた火炎瓶も、ツンの放つ冷気の魔法の前では全くの無力だった。
投擲される前に氷漬けにされてしまった瓶は、もはやそのまま殴りかかる以外に使い道はなかった。
そして、そんな攻撃を食らうブーン達ではなかった。

( ^ω^)「よっし、中に突入だお!」


第九話  終
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