- 3 :
◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:33:41.97 ID:6TiVCVvG0
- 主な登場人物まとめ
( ^ω^) ブーン(19)
普段は大学生。
携帯FF版をプレイ中になぜかFFの世界へ飛ばされ、光の戦士となる。
おとなしい性格だが、やるときゃやる。
('A`) ドクオ(18)
普段は最先端のファッションをキメる童貞。
ブーンと同じ大学に通っている。だが、FFの世界ではブーンを知らない。
職業は白魔術師で、パ〇ウェーブ信者みたいな格好をしている。
父を越す白魔導師になるべく、修行中。
真面目な性格の熱い男。英語でホットガイ。
- 5 :
◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:35:04.96 ID:6TiVCVvG0
- /\___/ヽ
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| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
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,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
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ダディ=クール(35)
王を護る『近衛兵』の隊長。ガーランドに次ぐ剣の腕の持ち主。
口が達者でなかなか付き合いにくいイメージがあるが、
面倒見の良い性格のため、部下からの信頼は厚い。
ガーランドに首を刎ねられ、殺される
- 7 :
◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:36:38.84 ID:6TiVCVvG0
- /::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:,/フ,/ノ:ノ!:ノ
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ガーランド(27)
コーネリア国の親衛隊隊長で、コーネリアいちの剣の腕前を持つ。
国を大事に思う気持ちが誰よりも強かったが、突如セーラ姫をさらう。
おでこの生え際を気にしている。
- 8 :
◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:37:00.12 ID:6TiVCVvG0
- ( ゚∀゚) ジョルジュ長岡(21)
『サスケ盗賊団』の一員。
仲間への闘争心から、お宝を求め『きれいなお城や古い遺跡がある』南方へ旅立つ。
船が沈んだり、サスケから託された刀を海底に落としたり、ガーランド事件に巻き込まれたりと不運な男。
けっこう馬鹿。
- 9 :
◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:38:10.43 ID:6TiVCVvG0
- 第六話
ガー「……」
( ^ω^)「絶対に負けないお!負ける訳にいかないお!!」
カオス神殿の大広間。
死体だらけの地獄の様な光景が広がるこの部屋で今、最後の闘いが始まろうとしていた。
現在までに生き残っているのは五人。
ブーン・ガーランド・セーラ姫・ジョルジュ、そしてドクオ。
- 10 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:40:20.62 ID:6TiVCVvG0
- セーラ姫は、妙な体勢で気絶している。
顔には紫色の痣があり、口からは血が零れている。
ガーランドが気絶した姫を起こす際に、顔を蹴ったことが原因だろう。
他に外傷はみられない。
ジョルジュには外傷は全くみられない。後頭部に一撃を食らったことで、ムチウチになった可能性はあるが、それ以外は問題ないだろう。
問題はドクオである。
ガーランドによる左胸への一撃。
これは回復魔法により治癒しかけていたが、その後に食らった、その傷口を狙った蹴りは左胸の骨を砕き、再び傷が開いてしまった。
ドクオはすでに虫の息だった。ここのまま何も施さずに放っておいたら、間違いなく死ぬだろう。
- 11 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:40:54.88 ID:6TiVCVvG0
- ( ^ω^)「おおっ」
ブーンは剣を振り上げ、ガーランドに斬りかかった。
ガー「ふん。馬鹿の一つ覚えとはこのことだな」
ガーランドはそれを軽々避け、カウンターをブーンの顎めがけ放った。だが…
( ^ω^)「それはお前のことだお!」
ブーンは即座に振り向き、そのカウンターを避けた。そして振り降ろした剣を斜めに振り上げた。
ガー「何!?ぐっ…」
剣はガーランドの頬を掠めたにとどまったが、彼の顔には明らかに驚きの色が浮かんでいた。
ガー「素晴らしい…。私の体術をもう見切ってしまうとは…流石は光の戦士だ…」
( ^ω^)「…」
- 12 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:41:28.90 ID:6TiVCVvG0
- ( ^ω^)(それはいくら何でも無理だお。ガーランドの拳の一撃はとても速い…とても一回二回じゃ見切るのは無理だお…。
でも、『左手か蹴り、どちらかのカウンターが来る』のがわかっていれば、話は別だお。…後は、僕がカウンターを食らわせてやるだけ…)
- 14 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:44:14.79 ID:6TiVCVvG0
- ガー「ならば、もうハンデをつける理由はない」
ガーランドは、兵士の死体が握っている剣を拾い上げ、構えた。
そして、ブーンに凄まじいスピードで襲い掛かった。
ガー「シャッ!」
( ^ω^)「おっ!」
二人の剣が激しくぶつかり合う。ガーランドは左手一本。ブーンは両手。
互角の勝負だ。
- 15 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:45:50.82 ID:6TiVCVvG0
- だが…、三分…四分…と時間が過ぎるごとに、徐々にブーンが押されてきた。やはり経験や体力の差はどうしようもないのだろう。
ブーンは一度身を引き、間合いを取り直した。
(;^ω^)「ハァ……ハァ……」
ガー「フフフ…もう疲れたのかね?」
(;^ω^)(く…ガーランドは全然息があがってないお…。やばいお…このまま長期戦になれば、やられるのは間違いなく僕だお…)
( ^ω^)「ならば、やることは一つだお…」
- 16 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:47:11.90 ID:6TiVCVvG0
- ブーンは新たな構えをとった。
剣を持った両手を頭上に掲げ、剣先を少し斜めに傾ける。
剣道で言う、いわゆる『上段の構え』である。
胴部分ががら空きになるのが難点ではあるが、剣を振り上げる分の時間が短縮されるという利点がある。
( ^ω^)「ガーランド!この一撃が僕の最後の攻撃だお!勝とうが負けようが…」
そう。ブーンは、この構えで最後の賭けにでたのだ。
ガー「フフフ…。長期戦は不利とみたか?上出来な判断じゃないか。では、私も本気を出すとしよう…!」
(;^ω^)「なっ!今までは本気じゃなかったのかお!?」
ガー「どう思うかは君の勝手だ。さあ、どうするかね?」
(;^ω^)(ハッタリかお…?いやでも…。…どちらにせよ、このまま闘いが長引いたら、負けるのは僕だお…!)
- 17 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:47:44.29 ID:6TiVCVvG0
- ブーンは剣を強く握りしめた。そして…
( ^ω^)「おおおおおおっ!!」
走り出した!
ガーランドは顔を大きく歪ませ、大声で笑い始めた。
ガー「ハーッハハハハハ!!!面白い!!!さあ、来い!!!!」
( ^ω^)「―!」
ガー「―!」
(;^ω^)「っ!」
ガー「クク…」
- 18 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:48:20.23 ID:6TiVCVvG0
- 一瞬。二人が交わったのは、まさに一瞬だった。
(;^ω^)「グッッ」
ブーンの右肩がパックリと開き、マグマの噴火のごとく血が溢れ出した。
ガー「ハハハ!見ろ!貴様の剣術などゴミのようだ!!」
(;^ω^)「うぅ…だけど勝ったと思うなお!お前も無事では済まないお!!」
ガー「何だと?」
次の瞬間。
ガー「!」
- 19 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:49:44.91 ID:6TiVCVvG0
- ガーランドの左胸から右わき腹にかけて、鎧ごとパックリと傷が開いた。
一呼吸をおいて、傷から鮮血が噴き出した。
( ^ω^)「お前は左目が見えないお!その死角から攻撃をされたことに気が付かなかったのかお!?」
ガー「ぐ………ぐおおおおお!!馬…鹿な!!こ…の…私が…」
胸を押さえながらよろつくガーランド。その傷はブーンよりも深い。もう長くはもたないだろう。
( ^ω^)「や…っ…たお…!ぐっ…」
だが、ブーンの怪我も決して浅くはない。血を大量に失ったせいか、ブーンの足は安定しなかった。
- 20 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:50:24.93 ID:6TiVCVvG0
- その時。何を思ったのか、ガーランドは急に大きな声で笑い始めた。
ガー「そうか…フフフ…ハハハハ……ハーッハッハッハ!!
そうかそうか…全てを思い出したなど、とんだ勘違いだった訳か…!」
( ^ω^)「…?」
ガー「今こ…そ…本当…に…全てを思…い出したぞ…
フフフ…そうかそうか…」
( ^ω^)「思い出した…?さっきから、一体何なんだお!」
ガー「フフフ…いずれ…わか…る…。その時ま…でに…ゴフッ!君が生き…残って…いれば…の…話だが…」
(;^ω^)「その時…?」
- 21 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:52:02.56 ID:6TiVCVvG0
- ガー「そう…。こ…こで光の…戦士に倒され…ることこ…そが本当の…私の運…命…!
だ…が…、私の肉…体は滅びても、魂は…滅び…ぬ…!何度…で…も蘇るさ…!
そう、私…こそが…新世…界の王な…のだ…から…」
( ^ω^)「ガーランド…!」
ガー「フフ…ではまた会おう…光の戦…士…よ……私の送…り出す部…下を…見…事に…撃破す…る…ことができ…たな…らな…ハハ…ハハハ…ハ……」
ガーランドはそれきりピクリとも動かなくなった。
( ^ω^)「……意味深な発言だお……部下…?蘇る…?」
- 22 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:53:46.39 ID:6TiVCVvG0
- (;^ω^)「!?」
突然、ブーンは膝を付いた。
大量の血を失ったせいか、ガーランドを撃破した安心感からか、体中から一気に力が抜けたのだ。ブーンはその場に崩れ落ちてしまった。
(;^ω^)「うう…目の前が真っ白になってきたお…」
( -ω-)「もう…動けな……いお…何も…見…え……」
- 23 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:54:36.21 ID:6TiVCVvG0
- ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
『おい!こっちだ!』
『これはひどい…』
『姫を発見しました!良かった…生きています!』
『こいつは…ドクオか…?まずい、早く手当を……!』
『この男は…?』
『構わん!とにかく城まで運ぼう!』
『他に生存者は?』
『これで全員の様です』
『ここで一体何が…?』
『ガーランドの仕業か…?ガーランドはどこにいる!?』
- 24 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:55:12.42 ID:6TiVCVvG0
- 『どうやら既にここにはいない様です。死体も見当たりません…』
『そうか…よし、引き上げるぞ!死んだ者には悪いが、埋葬は後だ!』
『『はっ!』』
・
・
・
・
・
それから二日が経過した…
- 25 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:56:15.70 ID:6TiVCVvG0
- ( ^ω^)「…!」
( ^ω^)「ここは…どこだお…」
ふと、ブーンは目を覚ました。
( ^ω^)「…?」
周りを見渡してみる。先程まで死闘を繰り広げていたカオス神殿の大広間ではない。
綺麗に片づいたこの小さな部屋は、自分が横になっているベッドの他に、窓際にちょこんと花瓶が置いてあるだけだ。
花瓶には小さな黄色い花がさしてあるが、花に詳しくないブーンにはそれが何という名前の花かはわからなかった。
ブーンは窓から外の風景を眺めてみた。
見覚えのある風景だ。この美しい町並みは…
( ^ω^)「コーネリアの町かお…」
- 26 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/22(木)
23:57:02.42 ID:6TiVCVvG0
- その時、唐突にドアが開き、部屋に一人の男が入ってきた。
('ハ`)「…目が覚めたか」
( ^ω^)「その声は」
('ハ`)「ここはコーネリア城の一室だ。捜索隊が重傷を負っていた君達を城まで運んできたのだ。」
( ^ω^)「ドクタロウさん…あなたが僕の治療をしてくれたんですかお?」
('ハ`)「うむ。怪我はもう心配はない。あとは君次第だ」
( ^ω^)「王様は大丈夫なんですかお?」
('ハ`)「王様はもう心配ない。姫が生きて帰られたことで、だいぶ元気になられた様だ」
( ^ω^)「他の人は…無事ですかお?ドクオに姫に、知らない誰か…」
- 27 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:02:09.22 ID:SLV1z36l0
- ('ハ`)「……。皆、生きてはいる…が…」
( ^ω^)「?」
・
・
・
ドクタロウの話によると、セーラ姫は、突然のガーランドの裏切りや、死体だらけの光景を目の当たりにしたショックにより、精神を病んでしまったらしい。
これは白魔術ではどうしようもないらしい。ゆっくりと時間をかけて治すしか方法はないという。
突然ブーン達を助けた見知らぬ男(ジョルジュ)は、昨晩まではぐっすりとベッドで眠っていたが、いつの間にかいなくなってしまったらしい。
召使の一人が、町で彼らしき人物を目撃したらしいが、それが本物であるかは定かではない。
- 28 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:02:35.64 ID:SLV1z36l0
- そしてドクオは…
('ハ`)「……傷は塞がったが、危険な状態が続いている。あとは、あいつが生きようとする意志次第だ…」
( ^ω^)(ドクオ…)
('ハ`)「…。…そうだ、ジョーンズ様が君のことを呼んでいたぞ。気持ちが落ち着いたら、玉座の間へ向かうといい」
ドクタロウはそう言い残すと、足早に部屋から出ていった。
( ^ω^)(ドクタロウさん…あの人も辛いはずだお……)
- 29 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:03:23.45 ID:SLV1z36l0
- そして三十分後…
〜コーネリア城・玉座の間〜
(’e’)「うわぁ〜〜〜〜〜」
(;^ω^)「ちょwwwwいきなりどうしましたお?」
(’e’)「ちょっと血が騒いだだけだ。気にするな。そんなことより…」
(’e’)「娘の命を助けてくれたことに礼を言うぞ。おかげで、父の病も回復に向かいつつある。
父も君には礼を言いたがっていたが、安静にしていなければならぬ身。どうか察して欲しい」
( ^ω^)「いえ。でも…」
- 30 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:03:47.24 ID:SLV1z36l0
- ブーンはダディを思い浮かべた。今も蘇る鮮明な記憶。
初対面での発言。簡単な剣術や体術を学んだこと。鬼のような強さを見せた魔物との戦闘。そして、ガーランドとの戦闘での、首が飛ぶ瞬間。
ブーンの目頭は熱くなった。
(’e’)「ダディのことなら、気にすることはない。奴も軍人だ。これも運命だったのだろう…」
( ^ω^)「運命…」
- 31 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:04:24.36 ID:SLV1z36l0
『そう…。こ…こで光の…戦士に倒され…ることこ…そが本当の…私の運…命…!
だ…が…、私の肉…体は滅びても、魂は…滅び…ぬ…!何度…で…も蘇るさ…!
そう、私…こそが…新世…界の王な…のだ…から…』
( ^ω^)「……」
( ^ω^)「…ジョーンズ様、ガーランドのことで、お話したいことがありますお」
(’e’)「…申してみよ」
・
・
・
・
- 32 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:04:50.75 ID:SLV1z36l0
- (’e’)「ふむ…ガーランドはそんなことを言っていたのか…。新世界の王…部下…蘇る…か。」
(’e’)「『思い出した』も気になるな。奴は何を思い出したのかが、今回の事件の鍵となりうる」
( ^ω^)「…」
(’e’)「私も気になることがある。戦士様、あなたの話では、確かにガーランドを仕留めたそうだが…」
( ^ω^)「?」
(’e’)「ガーランドの死体がどこにもないのだ。兵士の死体に紛れていないか何度も確認させたが、結局見つからなかったらしい」
- 33 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:07:58.61 ID:SLV1z36l0
- ( ^ω^)「そんな!?…僕は確かに奴を…」
(’e’)「考えられる可能性は6つだ。
@実はまだ生きていた
A奴の言う『部下』が回収した
B一度は死んだが『蘇っ』た
Cカオス神殿が頑張った
D魔物やコウモリが食べた」
Eうわぁ〜〜〜〜〜
(’e’)「まあ、Dはどう考えてもあり得ないが、他はどれもあり得る。
とにかく、今回の事件はまだ終わっていないと判断すべきだろう」
(;^ω^)「はいお…」(この人にとってEはあり得るのかお?)
- 34 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:10:29.10 ID:SLV1z36l0
- (’e’)「他の地でも、コーネリアと同じ類の事件が起こっているやもしれない。
戦士様よ、どうか世界中へ赴いて、事件を解決に導いてはくれないだろうか」
( ^ω^)「把握しましたお」
(’e’)「まずは隣の大陸へ渡り、港町プラボカを目指してほしい。そこで、船を調達してくれ。
現在、隣の大陸へ渡るための橋を急ピッチで修理している。」
( ^ω^)「修理が完了するまで、あとどれくらいかかりますかお?」
(’e’)「あと一日もあれば終わるだろう。それまで、ゆっくりと体を癒しておくといい」
・
・
( ^ω^)「では僕はこれで失礼しますお」
ブーンは玉座の間を後にした。
- 35 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:12:11.50 ID:SLV1z36l0
- そして、真っ先にドクオがいる部屋へと向かった。
('A`)「…」
( ^ω^)「ドクオ…」
ブーンはベッドの側に立った。
ベッドに横たわり、目を瞑ったままのドクオは、以前よりも幾分か痩せ細ったように見えた。
( ^ω^)「僕は明日、コーネリアを出発するお…。短い間だったけど、ありがとお…」
ブーンは眠ったままのドクオと握手をした。
そして部屋を後にし、明日の出発の準備をするべく、町へと向かった。
('A`)「…」
・
・
・
- 37 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:12:58.99 ID:SLV1z36l0
- ('A`)「…ここはどこだ?」
暗闇。ドクオはどこかもわからないその場所で、一人さまよっていた。
('A`)「ン?向こうに光が見えるな…」
ほんの少しだが、ずっと遠くにポツリと光らしきものが見える。
ドクオは光のある方角へ向かうことにした。不思議と体は綿のように軽く、光の見える場所まで一分かからなかった。
- 38 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:16:53.70 ID:SLV1z36l0
('A`)「おぉ…」
ドクオは思わず感嘆の声を漏らした。
彼は、自分がさまよっていた場所は長い長いトンネルだったということに気づいた。
そして、トンネルを抜けたそこは雪国……ではなく、一面に広がるきれいな花畑だった。
赤・白・黄色…色鮮やかな花々は、地平線の彼方まで続いている。
花の甘い香りは、風に乗せられてドクオの鼻を程よく刺激させた。
歩き疲れたのか、ドクオは花畑の上にゴロリと横になった。今までに使ったどんなベッドよりも寝心地が良く、心が落ち着いた。
('A`)(気持ちいい…)
- 39 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:17:39.40 ID:SLV1z36l0
- そしてドクオは、何処からか水のせせらぎが聞こえてくることに気が付いた。
なぜかその音が気になったドクオは、寝転がったその場所から離れ、その音を頼りに歩き続けた。
そして数分後、彼はついに一筋の川を発見した。
('A`)「これは…」
深さはだいたい30センチくらいだろうか。向こう岸までは約10メートル。幅はあるが、大きな川ではない。
- 40 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:19:14.03 ID:SLV1z36l0
- ふと、じゃぶじゃぶと水をかき分ける音が聞こえてきた。
その方向を見てみると、50代くらいの禿げたおっさんが暗い顔をしながら、素足で川を渡っていた。
おっさん「…」
そしてそのおっさんが川を渡り終えた時、彼の体はまるで異次元にでも吸い込まれるかのように姿を消してしまった。
- 41 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:20:01.74 ID:SLV1z36l0
- ('A`)「…そうか。ここは三途の川か…俺は死んだのか…」
ドクオは川に足を踏み入れた。冷たい。が、逆にそれが心地よい。
ドクオは俯きながら歩を進め始めた。向こう岸を目指して。
('A`)「中途半端に死んじまったな…やっぱり、俺ごときが白魔術を極めようなんて無理だったんだな…」
('A`)「ブーン、頑張れよ。俺はもう…」
???「もう、何だ?」
- 42 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:24:30.91 ID:SLV1z36l0
- ドクオが川を渡り終えようとしたその時。正面――岸の上から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
('A`)「!」
/\___/ヽ
/'''''' '''''':::::::\
. |(●), 、(●)、.:| +
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, .::::|
. | `-=ニ=- ' .:::::::| +
\ `ニニ´ .:::::/ +
,,.....イ.ヽヽ、ニ__ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
「諦めたらそこで試合終了だよ」
- 43 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:25:03.90 ID:SLV1z36l0
- ('A`)「ダディさん…試合って何だよ」
ダディ「言ってみたかっただけだ。気にするな。ところで」
ダディ「ドクオよ、本当にこの川を渡りきるつもりか?」
('A`)「ああ。ここら辺が俺の限界なんだろうな。所詮俺はヒキオタニートだったのさ…」
ダディ「ふむ…では戻る気はないのだな?今からならまだ間に合うぞ?」
('A`)「…いや、いい」
ダディ「…そうか。では聞けドクオ」
('A`)「?」
- 44 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:26:00.45 ID:SLV1z36l0
- ダディ「この川を渡りきったら、お前の肉体は完全に滅び、魂だけがここに残る。残った魂は次の転生までここで待たねばならない」
('A`)「…詳しいな」
ダディ「まあそれを説明するのは面倒だから省くぞ。強いて言えば作者の都合だ。それはとにかくとして」
ダディ「その『転生』がいつになるかは不定だ。明日かもしれないし、1000年後かもしれない。いや、ずっとないかも知れん」
('A`)「…」
ダディ「だが、一つ言えることがある。いくら『転生』が早かろうと遅かろうと、この川を渡り終えた時点で『ドクオ』という男は完全に消えて無くなってしまう」
('A`)「…」
- 45 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:27:13.40 ID:SLV1z36l0
- ダディ「要するに、魂は肉体を形成するための『土台』だ。そして、肉体はその『土台』の上から形作る、意志を持つ『粘土』だな。」
ダディ「即ち、この場には『土台』だけが残る。魂は『土台』だから形が変わることはないが、『粘土』はいくらでも形を変えることができる。
反面、一度その形が崩れてしまったら、同じ作品ができることは二度とない」
('A`)「…」
ダディ「わかるな?要するに、現世に戻れるのは『土台』だけだ。意思を持つのは脳、すなわち『粘土』。この川を渡りきった時点でお前という意思を持った『粘土』は崩れ、二度と存在しなくなる。
…せっかく修行を始めたばかりなのに、勿体ないとは思わないか?」
('A`)「…思わんよ。俺以上の優秀な白魔術師はいくらでもいる」
ダディ「ふむ…見たところ、お前の魂はかなり優れているがな。丈夫な『土台』には丈夫な『粘土』が自然と付いてくるものだ」
('A`)「…」
- 46 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:27:51.63 ID:SLV1z36l0
- ダディ「それに、おまえは死ぬべきではない理由があるだろう」
ダディ「お前が白魔術師の道を進み始めたのは父親の影響だけではないだろう。
忘れたとは言わせんぞ。母親のことをな」
('A`)「…!!ダディさん、なんであんたがそれを!?」
ダディ「どうだ?現世に戻る気になったか?」
('A`)「でも…俺なんか…!もう駄目なんだよ……!」
ダディ「やれやれ…少し荒療治をするしかないようだ。少し痛むぞ」
- 47 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:29:18.27 ID:SLV1z36l0
- ダディは突如、右手でドクオの頭を鷲掴みにした。
(;'A`)「ちょ、いきなり何をするだァー!!」
そしてダディはそのまま力を込めると、彼の手のひらはズブズブと頭の中へ入り込んでいった。
(;'A`)「の…脳を直接いじられ……アッー!ンアッー!ンギモヂワルイッ!」
やがて、ドクオの頭とダディの右手は一体化した。
ダディ「よし、仕上げだ。少しビリッとくるぞ。ふんっ!」
('A`)「オフッ!」
ドクオが妙な叫び声をあげると、彼はそのまま気絶してしまった。
- 48 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:30:50.49 ID:SLV1z36l0
- ・
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・
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・
('A`)「う…」
ドクオは意識を戻した。いや、意識を失っていたのだろうか。
ダディの合図と共に意識が飛んだ気はしたのだが、まだそれから数秒しか経っていない気がする。
だが今、ドクオが立っている場所は、先ほどまで彼がいた場所ではない。
美しい花畑と川は見当たらない。いや、見あたるものさえない。あるはずがない。
なぜならドクオは今、真っ暗で何も見えない場所にいるのだから。
('A`)「……。よく分からんけど、さっきのトンネルに戻っちまったのか?」
そうではなかった。
『生まれましたよ。元気な男の子です!』
('A`)「え?」
- 50 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:31:42.55 ID:SLV1z36l0
- 真っ暗だった周りの風景が一変した。そしてそこは、ドクオには見覚えのある場所だった。
('A`)「確か、ここはコーネリア城の医務室…何でこんな場所に?」
部屋の中には二人の女性がいる。一人は、白衣を身につけた初老の白髪混じりの女性。そしてもう一人は…
J('ー`)し「…」
('A`)「なっ…!カーチャン!?」
- 51 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:32:59.15 ID:SLV1z36l0
- その時、部屋の隅にあるドアがものすごい勢いで開いた。
('ハ`)「ハァハァ…どうだ!生まれたのか?」
女性「おめでとうございますドクタロウ様。元気な男の子ですよ」
J('ー`)し「あなた…」
('ハ`)「よしよし。よくやった…よくやったぞ!」
('3`)「エーンエーン…」
('ハ`)「前から考えていたんだが…この子の名前はドクオ。どうだ!?」
J('ー`)し「えぇ…素敵な名前だと思うわ…」
('A`)「…これは俺が生まれるときの…?」
- 52 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:33:24.62 ID:SLV1z36l0
- そしてまた、周りの風景が一変した。
どこまでも続く草原。そこで、4歳くらいのドクオと両親の三人で、シートの上で弁当を食べている。
('3`)「ねートーチャントーチャン」
('ハ`)「なんだ?」
('3`)「おれもおおきくなったらトーチャンみたいなえらいしろまどうしになるんだ!」
('ハ`)「ハハハそうか!トーチャン楽しみにしてるぞ!」
('3`)「うん!」
J('ー`)し「まぁこの子ったら!白魔導師の意味も分かってないのよ」
('ハ`)「そうなのか?」
('3`)「そんなことないよー。しろまどうしってえらいひとのことでしょ?」
('ハ`)「………ハハハハハ!そうかそうか。ハハハハハ!」
('3`)「えーなんでわらうのー?」
('A`)「…」
- 53 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:35:45.62 ID:SLV1z36l0
- 再び風景が変わった。
('A`)「今度は昔の俺の部屋か…」
J('ー`)し「ドクオ、入るわよ」
母がドクオの部屋に食事を持ってきたようだ。お盆の上には、湯気のたった米やスープが乗っている。
('A`)「…」
J('ー`)し「ドクオ、たまには外に出たら?ずっと家にいるのは体に悪いわよ」
ドクオはマンガを読んでいる様だ。母の問いかけには答えようとしない。
J('ー`)し「ねえ…ドk」
(#'A`)「うるせーな!ごちゃごちゃ言ってないでさっさと俺の部屋から出てけよ!」
J('ー`)し「…ごめんね。それじゃ、ちゃんと食べてね」
('A`)「…ったくうぜーな。親なんて死んじまえばいいんだ」
現('A`)(……)
- 54 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:36:31.10 ID:SLV1z36l0
('A`)「あれ、いつもこれくらいの時間にカーチャンがメシ持ってきてくれるのに…」
(#'A`)「ったく何やってんだよ。文句言ってやる」
現(;'A`)(…!これは確か…)
(#'A`)「おい!メシはどうしたんだy」
- 55 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:36:52.99 ID:SLV1z36l0
- J(*'ー`)し「…う…」
(;'A`)「ちょ!カーチャン!?どうしたんだよ!」
(;'A`)「すげぇ熱だ…!どどどどうすりゃいいんだ…!」
(;'A`)「親父は今どこにいるかわからないし…そうだ…医者…医者を…」
(;'A`)「…医者ってどこにいるんだ?どこに連絡すりゃいいんだ?どうすれば…どうすれば…」
・
・
・
・
- 56 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:40:40.24 ID:SLV1z36l0
- __
母 |
の |
墓 | ∴ ('A`)カーチャン..........
──┐ ∀ << )
結局、ドクオの母は助からなかった。
ドクオは自分を責めた。もし自分がヒキオタニートでなかったら、外へ頻繁に出ていれば、病院がどこにあるかも把握していたかもしれない。
もし自分が父から白魔術を学んでいれば、病気は治らないにしても、命は助かったかもしれない。
父はドクオを責めたりはしなかったが、それが逆に辛かった。
現('A`)「そう、だからこそ俺は白魔術の道へ進むことを決めた。もうこんな思いはしたくないから。
そして、カーチャンのような病気の人を助けたいから」
- 57 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:41:49.33 ID:SLV1z36l0
ダディ「どうだ?戻る気になったか?」
ドクオははっとして周りを見渡した。いつの間にか、元の場所、三途の川に戻っていた。
('A`)「ありがとうダディさん…俺やっぱり戻ることにするよ」
ダディ「そうか。その気になったか」
('A`)「でも、一つ疑問があるんだ」
ダディ「何だ?」
('A`)「どうして俺にここまでしてくれるんだ?特に親しかったわけじゃないのに」
そう。二人とも、以前からお互いのことは知ってはいたが、顔を合わせて話をすることはなかった。
ダディは少し遠くを見つめながら答えた。
- 58 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:42:37.36 ID:SLV1z36l0
- ダディ「……。いくら戦場とは言え、自分より年下の者が死ぬというのはとても心が痛むものだ。
それに、まだ半日ちょっとの付き合いでしかないが、ドクオ、お前は私の仲間だ。仲間として、当然のことをしただけだ」
('A`)「ダディさん…」
ダディ「そしてもう一つ、私の他にもう一人、お前に死んで欲しくないと言っている者がいてな」
('A`)「?」
- 59 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:43:24.26 ID:SLV1z36l0
- ダディ「来い、ショボ」
ダディが名前を呼ぶと、どこからともなく、しょぼくれた顔をした男が現れた。
(´・ω・`)「どうも、ショボです」
('A`)「…誰?」
ダディ「ガーランド捜索隊第二部隊の隊長をしていた男だ。
カオス神殿でガーランドに殺され、あまりの悔しさに自縛霊になったそうだ。
だが、ドクオ、お前の戦いっぷりに惚れ、お前の背後れ…いや、守護霊になるために、成仏してここまで来たそうだ」
('A`)「いや、惚れたって…」
(´・ω・`)「宜しく。ショボちゃんって呼んでね☆」
('A`)「呼ばねーよ」
- 60 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:44:28.65 ID:SLV1z36l0
ダディ「さて、私の役目はここまでだな…。さらばだドクオ。ブーン君によろしくを言っておいてくれ」
('A`)「ダディさん…」
ダディ「ブーン君は新たな目的地を求め、既にコーネリアを出発したようだ。早く追いかけねば間に合わんぞ」
ダディは微笑んだ。そしてだんだんと体が薄くなり、やがて消えた。
ドクオは拳を握りしめた。目からは大粒の涙がこぼれた。
('A`)「ダディさん…ありがとう。あなたのことは一生忘れない…!」
(´・ω・`)「俺がいることも忘れないでねー」
('A`)「お前さ、ちょっとは空気嫁」
- 61 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:46:56.15 ID:SLV1z36l0
〜コーネリアの町〜
武器屋「まいどありー!」
( ゚∀゚)(よし。まぁ、こんなもんでいいか)
ここはコーネリアの町の武器屋。ジョルジュが、買い物を済ませ店から出てきたようだ。
盗賊であるジョルジュが買い物とは少し妙な話ではあるが、彼はそれなりの理由を持っていた。
(; ゚∀゚)「だってこの町の武器って、どれもポーションより安いんだぜ…。あまりに気の毒すぎて盗む気になれねーよ…」
- 62 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:48:55.12 ID:SLV1z36l0
- ( ゚∀゚)「さて、昼飯を食ったらもっかいあの神殿に行……む…あいつは…」
ふと、ジョルジュは見覚えのある人物に目が留まった。
( ^ω^)「と……………お?」
兵士「そ…………………か…」
ブーンである。兵士と何やら会話をしている様だが、距離があるので内容はよく聞き取れない。
だが、二人は町の外へ向かっているということはわかった。
( ゚∀゚)(この前の奴か…どこ行くんだ?)
オバサンA「ちょっと奥さん、知ってます?あの方が光の戦士様なんですって」
オバサンB「やだAさん、冗談きついわ。あんなショボい男が光の戦士様の筈がないじゃない」
オバサンC「いーえBさん、本当みたいよ。あのガーランドをやっつけちゃったらしいわ」
オバサンB「まあ、ガー様を?」
オバサン達「あーだこーだ」
( ゚∀゚)「……」
- 63 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:50:06.83 ID:SLV1z36l0
- ( ゚∀゚)「へぇ…奴が光の戦士とはね…そういやあのメガネ野郎、そんなこと言ってたっけ…」
( ゚∀゚)「…!そうか…!あの時の砕けない宝石は伝説の…」
( ゚∀゚)「あのクリスタルなら、盗賊Aの妖精なんて曙のチンカスみてぇなもんだな…」
( ゚∀゚)「よし。予定変更だ…へへ…昨日の友は今日の敵とはよく言ったもんだぜ。隙を見つけて奪い取ってやるぜ!
覚悟しとけよ?光の戦士様よぉ…」
・
・
・
・
- 64 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:51:08.91 ID:SLV1z36l0
- ・
・
・
兵士「ここが隣の大陸へ渡るための連絡橋です。それでは、自分はここで失礼します。光の戦士様、どうかお気をつけて…。」
( ^ω^)「ありがとうだお。気を付けて帰ってお」
案内役の兵士に別れを告げ、ブーンは橋に足を踏み入れた。
急いだ工事は無理があったのだろうか。木造のこの橋は、一歩一歩と歩く度にギシギシと音をたてた。
( ∀)(ふーむ…こうギシギシと音がなるんじゃあ俺の存在がバレちまうな…。もう少し距離をとって様子見だな…)
- 65 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:53:43.42 ID:SLV1z36l0
- ・
・
・
そして数分後、ブーンは長い長い橋を渡り終え、新たな大陸に足を踏み入れた。
そしてジョルジュも、ブーンに気付かれずに橋を渡り終えた。
( ゚∀゚)(食らえ!)
ジョルジュが懐からナイフを取り出し、今にもそれを投げようとしたその時。
後ろの橋がギシギシと大きな音をたてていることに気が付いた。
( ゚∀゚)(何?こんな時に別の誰かが来やがったみてぇだな……しょうがねぇ)
彼は人が一人隠れられそうな草むらを見つけ、そこに飛び込んだ。だが…
('(;゚∀゚∩「うわっ!?」
(;゚∀゚)「うおっ!?」
- 66 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:55:16.35 ID:SLV1z36l0
- その草むらでは、ゴブリンが野糞の真っ最中だった。
ジョルジュはゴブリンの短刀を素早く取り上げ、首に突きつけた。
(;゚∀゚)「だだ、黙れ!ししし静かにしてろ…」
('(;゚∀゚∩「ひいいいいいい!?」
( ^ω^)「…」
(;゚∀゚)(ふう…気付かれてねぇみたいだ…)
そして、草むらの前を一人の男が駆け抜けていった。
- 69 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
00:56:43.69 ID:SLV1z36l0
( ^ω^)「地図によると、プラボカへ行くには東に向かうそうだお」
(;^ω^)「あれ?東ってどっちだっけお??確か日が沈む方向だったような…」
???「おいおい。そりゃ西だよ」
( ^ω^)「えっ!?」
突然、後ろから声が聞こえてきた。
ブーンは驚いて振り向いた。そう。この声は紛れもなく…
('A`)「そんなんじゃこれから先の旅が思いやられるぜ?」
- 70 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
01:01:45.32 ID:SLV1z36l0
- ( ^ω^)「ドクオオオオオオオオオオオ!!目を醒ましたのかお!?」
('A`)「ああ。おかげさんでな」
( ^ω^)「うはwwwwwwwwおkwwwwww」
ブーンはドクオの両肩を叩きながら喜んだ。
そしてドクオは、ブーンの腕を掴み、懇願する様な顔をした。
('A`)「ブーン、頼みがある。俺も連れてってくれないか?」
ブーンは迷わず答えた。
( ^ω^)「もちろんいいお!来てくれて嬉しいお!」
その回答を聞いたドクオの表情はみるみる笑顔に変わった。
('A`)「ブーン…ありがとな…。改めて、宜しくな!」
( ^ω^)「宜しくだお!」
二人は堅い握手を交わした。
- 71 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
01:02:35.61 ID:SLV1z36l0
(´・ω・`)「俺もいるよー」
二人ははっとして振り向いた。そして、何もない空間から突如ショボが現れた。
(;^ω^)「ぎぃゃあああああああああああああああああ」
('A`)「ちょ、お前出てこれんのかよ」
(;^ω^)「あ…悪霊だお!怖いお!」
(´・ω・`)「それは違うな」
(;^ω^)「ひいいいいいい喋ったああああああああああああああああああ」
(´・ω・`)「君が悪霊と思っているのはドクオの生命エネルギーが作り出すパワーある像(ビジョン)なのだ!
そばに現れ立つというところからその像を名づけて……幽波紋(スタンド)!」
( ^ω^)「え!マジかお?」
('A`)「んなわけねーだろ。ただの背後霊…」
- 72 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
01:03:21.18 ID:SLV1z36l0
- (´・ω・`)「そんな、ひどいわ!私を弄んだのね!?」
('A`)「さて、今の俺たちの位置はだいたいここら辺だな。プラボカはここ。
地図によるとかなり深い森を越えなきゃならんみたいだな」
ドクオは、ショボを無視して地図を指差した。
( ^ω^)「何があっても突破するのみだお!さあ、港町ブラポカに向けて出発だお!」
('A`)「だな。よし行こう!」
(´・ω・`)「おー」
(;^ω^)「……」
- 73 : ◆0q32MjEv.A :2006/06/23(金)
01:06:08.40 ID:SLV1z36l0
- それを見守る影が一つ。
( ゚∀゚)(チッ……。まあいいぜ。チャンスはいくらでも…)
('(;゚∀゚∩「…」
( ゚∀゚)「おぉっと、逃げんなよ?お前は何かに使えそうだ」
('(;゚∀゚∩「ひいいいいいい!」
( ゚∀゚)「お前、名前は?」
('(;゚∀゚∩「ももも、もつにです…」
( ゚∀゚)「モツ煮か。よーしモツ煮、俺はジョルジュ長岡だ、宜しくな。まあ楽しくやろうや。
ほら行くぞ。奴らを見失っちまう」
('(;゚∀゚∩「ちょ、おいらまだけつふいてな…いたいいたいひっぱらないで!!」
第六話 終