8 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:32:06.01 ID:pWwTgN5A0
第五話


(;^ω^)「おお…」
(;'A`)「…」
ダディ「何だこれは…たまげたなぁ…」
( ゚∀゚)(また何か来た…)
血の臭いを辿り、大広間にやってきた三人はそのあまりに酷い光景に言葉を失った。
血の海。死体の山。まさに地獄絵図だった。
(メ´゜ω::)「…」
ダディ「ショボ………
    やはり先に出発した兵達だ…ググッ…!」
そして三人は、その死体だらけの部屋の中に立ち尽くす一つの影を認めた
10 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:35:58.67 ID:pWwTgN5A0
真っ赤な剣。返り血で染まった鎧。
常に緩んでいる口元。チャーミングな色眼鏡。
後退しかかったおでこの生え際を隠した七三分けの髪型。

      /  ,                \
    /   / l                 ヽ
  ,r'    /  ヾ,、                  l!
. /   イ/    ` \                 }
 { i   | ゙      、,,`‐、 ,           j
 レ'、,  |     _,r''"''‐ `'゙、  ,、‐‐、      l
   ゝ」、 、 , ,,r''ヅ~゙'、-――t'''/ / l .     |
    ,ゝ=、_/l  ( O }    V .( ゙,, j     l
    l  (iソ '、__, ‐'       / /     j
      ゙‐レ゙               ,r'    ノ
      l` `      、     i'´ `ヽ、,/
.      ゙i  _,, -‐'"       ノ    ヽァ、
       ゙i'´ _       ,r'     ノ ヾ^゙ヽ、
        ヽ         /    ,、r'  /   \
        !、     /  ,、r'"   /      /`'ー- ,,_
         `'''´入 ̄ ,、r ''"   ,、/      /
          く  .Y'"   .,、r'"/      /
         /" \', ,、r''" /_____/
     ,、 - ''"´ ̄ ̄`゙l zz,,,/ \
   ,r'"  ,r ''"    | /    \ 

('A`)「ガーランド…!」
( ^ω^)「こいつがガーランドかお…」


11 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:38:14.05 ID:pWwTgN5A0
ガー「ほう、ドクオが来るとは。半人前の分際でよくここまで来れたね。上出来じゃないか。
   そしてその横にいるのは…フフ…ダディか」
ダディ「ガーランド…貴様…」
ガー「フフ…何を怒っているのかね?ゴミの掃除なら君もするだろう?
   ゴミが襲いかかってきたからそれを返り討ちにした。それだけさ。
   そして…君は見掛けない顔だね…
   フフ…そうか。フフフ…!光の戦士だね…?」
(;^ω^)「な、何でわかったんだお?」
ガー「フフフフ…君がわかるはずも無いことさ…」
笑いを堪えているのだろうか。ガーランドの声は話すたびに震えていた。
13 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:39:09.93 ID:pWwTgN5A0
('A`)「ガーランド…お前、何故姫をさらったりした!?
   お前は誰よりも国を思う気持ちが強かったじゃないか。何故だ!答えろ…!答えてくれ……!」
ここでドクオが、ガーランドに向かって叫んだ。
そう。未熟なドクオが危険を冒してまでここまで来たのは、この男の口から真実を直接聞くためなのだから。
ガーランドはいつもの表情を崩さず、平然と答えた
ガー「フフフ…それについても、君がわかるはずも無いことさ。
   一言で言えば『運命』さ。そう…私は全てを思い出したのだ…!」
('A`)「運命…だと?」
16 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:40:20.61 ID:pWwTgN5A0
ダディ「姫はどうした!?まさか殺したのではないだろうな!?」
ダディが二人の会話に割り込んだ。
ガー「君の目は節穴かね?見たまえ。姫ならそこで眠っているよ」
ガーランドが指差した方向。そこには、セーラ姫が妙な体勢で横たわっていた。
白目を剥き、少しだけピクピクと痙攣をしている。
口からは血がこぼれ、頬を伝って地面に小さな血溜りを作っていた。
ダディ「おお姫…
    貴様…!姫に何をした!?」
ダディの額には、ミミズの様な青紫色の血管がはっきりと浮いていた。
ガー「是非とも素晴らしいショーを見せたくてね。眠っていた姫を蹴り起こしたのだよ。」
ダディ「素晴らしいショーだと…!?」
(;^ω^)「顔を蹴るなんて…信じられないことをするお…」


17 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:43:24.53 ID:pWwTgN5A0
ガー「さあ、おしゃべりは終わりだ!君達も私を殺しに来たのだろう?
   姫は渡さん!返り討ちにしてやろう…!」
ガーランドは剣を構えた。
構えただけ。それだけで三人を圧倒するのは充分だった。
すさまじい殺気がピリピリと走る。並大抵の人間ならばこの時点で降伏してしまうだろう。
(;^ω^)「…!す、すごい威圧感だお!見ているだけで潰されそうだお…!」
(;'A`)「空気が…ピリピリと震えている…」
ダディ「く…来るぞ…!!」

ガー「シャッ!」


18 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:44:48.23 ID:pWwTgN5A0
(;'A`)「!」
ガーランドは真っ先にドクオへ向かった。
回復役を絶つつもりなのか、一番弱い相手から潰していくつもりなのか。
いずれにせよ、相手はダディすらも威圧する男。接近戦が不得意なドクオがまともに闘える相手ではない。
(;'A`)「うわあっ!」
ドクオはとっさに、父から譲り受けたミスリルハンマーで頭部を守った。
(;゜ω゜)「!」
ダディ「!」
ハンマーは、ガーランドが放った一閃をガギィという鈍い音と共にはじいた。


19 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:45:39.87 ID:pWwTgN5A0
(;'A`)「ハアッ…ハアッ…」
   (助かった…昨日まで使ってたハンマーだったら、間違いなく御陀仏だった…親父、礼を言うぜ…
    だが…次は無い。間違いなく殺される…!)
(;゜ω゜)(ゴブリンや馬とはレベルが違うお…今の一瞬、何が起こったのかさっぱりだったお…
      僕達はこんな奴に勝てるのかお…?)
ダディ(速い…!以前よりも速くなっている…!)

ガーランドは一歩下がり、間合いをとり直した。
ガー「素晴らしい。それはミスリル製じゃないか。
   コーネリア地方では採取できないと聞くが…」
ガー「どうでもいいことだ。次は逃さんっ!」
ガーランドは再びドクオに襲いかかった。が、
ダディ「させんっ!」
ダディが二人の間に割り込み、ガーランドの一閃を受け止めた。
( ^ω^)「僕もいるおっ!」


20 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:46:46.16 ID:pWwTgN5A0



ブーンも加わり4Pが始まる。ヤラれるばかりだったブーン一行が一転、攻勢に出て、
ガーランドを下にして犯し始める。小刻みに剣を振りながら、「アッー、アッー、逝ケ!」
と叫んで、ダディもガーランドの腹に勢い良く一撃。

by『アッーの由来』コピペ

ガー「クッ…」
ガーランドは腹を押さえながら後退した。
( ^ω^)「やったかお!?」
ダディ「いや、浅い…!」


21 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:48:31.69 ID:pWwTgN5A0
( ゚∀゚)(おお、すげえ…あのメガネを押してる…
    あいつらなら倒せるかもわからんね)
ガー「フフフ…素晴らしい。これは王から頂いた特別製の鎧なのだ。
   それを貫いて私に傷をつけるとは…上出来じゃないか」
ガー「それに…魔法…だね?インビジをかけているな?」
インビジ。分身を作り、回避率を上げる白魔法。ドクオは神殿内に入る前に、あらかじめこの魔法を二人にかけていたのだ。
ガー「だが、その程度の下級魔法。私が見切れないとでも思ったのかね?」
(;^ω^)「!」
ダディ「!」
(;'A`)(マジかよ…昨日習得したばっかだぜ…)


22 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:49:24.55 ID:pWwTgN5A0
再び、ガーランドは剣を振りかざして襲ってきた。
ダディ(私かっ!)
ガー「シャッ!」
ダディ「むう…」
これをダディが受け止める。しかし…
ダディ「何!?速いっ…」
間髪を入れず、第二撃がダディを襲った。
ダディ「ぐっ…」
必死で剣を動かし、それを何とか防御した…………つもりだった。
(;^ω^)「ダディさーーーーんっ!!」
ダディ「なっ……!!!」


23 ◆0q32MjEv.A 2006/05/18(木) 23:59:11.81 ID:pWwTgN5A0
ボドッ、と重い物が落ちる、にぶく低い音。続いて、金属が地面に落ちる高い音。

 
27 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:04:24.70 ID:RpQRg++E0
修正

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

                               /\___/ヽ
                             /''''''    '''''':::::\
..                             |(◯),   、(◯)、.:| 
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        __                   |   `-=ニ=- ' .::::::| 
      ,../;;::;:;:;;;;;\               . \   `ニニ´  .:::/ 
      (T::::;;:_ノ;;:: Tヽ        , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、   ./|  .
       ヽ¬.   / ノ`ー-、ヘ<ー1´|  ヽ | :::::::::::::ト、 \ (  ./ヽ
        \l__,./       i l.ヽ! |   .| ::::::::::::::l ヽ   `7ー.、‐'´ |\-、
          レ|        ヽ | { l   l ::::::::::::::::l ヽ  ,ヘ,',',',ヽ  l:::::::::

ダディの右手は、手首から先が無くなっていた。
25 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:01:08.94 ID:RpQRg++E0
ガーランドの怪力と目にも留まらぬ振りによって、防御した剣ごと斬り落とされたのだ。
ダディ「ぐおおおおおおおおおお!!!」
ダディの悲鳴が大広間に響き渡る。
さらにガーランドはダディの腹に蹴りを放ち、追い討ちをかけた。
ダディ「ゴブッ!」
鎧の胴の部分が砕け、ダディの口からは大量の血が溢れた。
ダディ「う…ゴボッ」
   (奴は体術もできるのか…何という強烈な一撃…!
    な…内蔵をやられたらしい…左腕の血も…と…止まらん…)
28 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:05:56.06 ID:RpQRg++E0
('A`)「ダディヤナザァーン!」
ドクオは回復魔法をかけるべく、ダディに近寄った。が…

('A`)「…っ」
ドクオは自分の左胸に違和感を感じ、目線を下にずらした。
自分の左胸に、剣が深々と刺さっているのが見えた。
ガーランドが放った突きだった。不思議と痛みは感じなかった。
ガーランドは剣をゆっくりと引き抜いた。
('A`)「あァッ」
( ゜ω゜)「……!」
ダディ「ぐっ…!」
( ゚∀゚)(!!)
左胸からは血がドバッと噴き出し、ドクオはゆっくりと前のめりに倒れた。
('A`)「…」
( ゜ω゜)「ド…クオ…?」
ダディ「お…おのれ…!」


29 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:08:18.19 ID:RpQRg++E0
ダディは鬼の様な形相で立ち上がった。
そして、折れた剣を拾い、それを頭の後ろまで振り上げた格好で、ガーランドに襲いかかった。
(;^ω^)「ダディさん!無茶だお!!」
ダディ「うおおおおおおおおお…!!」

どう見てもヤケクソの特攻です。本当にありがとうございました。

ダディにはブーンの声など全く耳に入っていなかった。そして、
…その姿は哀れなくらいスキだらけだった。こんな攻撃をガーランドが食らう筈がない。
ガー「見苦しい…」
ガーランドは剣を斜めに振った。
ガー「君はもうゆっくり休みたまえ」
ダディ「おおぉぉぉォォ     ぼ」

( ゜ω゜)「あ…お…!」
(; ゚∀゚)(ううっ)


30 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:15:22.06 ID:RpQRg++E0
     :/\___/ヽ .
   ..:/''''''   '''''':::::::\:
   :.| (◯),   、(◯)、.:|:
   :.| " ,,ノ(、_, )ヽ、,,"".::|:   
   :.|   ´,rェェェ、` .:::::::|:   
   :.\  |,r-r-|  .:::/
     ヽ、ニ__ ーーノ゙

    /;::;:;;;;;;::;;:::;;:;ヽ
,,.....イ.ヽ;::::::::::;;:;::::;;;;;:::;;::;-、.
:   |  '; \_:;:;:;:;:: ノ.| ヽ i
    |  \/゙(__)\,|  i  |
    >   ヽ. ハ  |   | |



ダディの首が、飛んだ。



31 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:16:45.04 ID:RpQRg++E0
崩れ落ち、倒れる体。弧を描きながら地面へ落ちる首。そして噴き出す大量の血。
ブーンには全てがスローモーションに見えた。

ダディは、死んだ。

(;゜ω゜)「ダディさーーーーーーーーーーーん!!!」
ガー「フフフ…さて、残るは光の戦士様、君だけだね」
ほんの僅かではあったが、一緒に旅をした仲間。
ブーンは怒りで体中が震えた。
だが、その震えの原因は怒りだけでは無かった。
それは、恐怖。あれほどまでに強かったダディが、あっけなく死んだのだ。
それも、首を刎ねられて。
怒りと恐怖の割合は、次第に後者が段々と大きくなっていった。
33 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:17:15.10 ID:RpQRg++E0
(;^ω^)「う…お…お…」
ガー「フフフ…光の戦士様たる者がそのザマかね?
   ………そうだ。いいことを思い付いたぞ」
ガーランドは何を思ったか、剣を鞘に戻した。
(;^ω^)「…?」
ガー「フフフ…安心したまえ。なにも、私のケツにションベンをしろと言っているのではない」
ガーランドはゆっくりとブーンに近付いた。
ガー「私と組めば、世界の半分をやろうと言っているわけでもない」
(;^ω^)「………!!!やばいおっ!!」


34 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:18:42.71 ID:RpQRg++E0
ガー「しゃあッ!」
ガーランドはいきなり、ブーンの顔を目掛けて拳を放った。
事前にただならぬ殺気を感じていたブーンは、これを間一髪で避けた。
ガー「フフフ…上出来じゃないか。
    さあ、私は素手で闘おう。君は剣でかかってきたまえ。これくらいのハンデがなくてはつまらないな…」
ガーランドはゆっくりと構えをとった。スキの無い、見事な構えだ。
(;^ω^)「ハンデ…?馬鹿にするなおっ!」
そうは叫んだものの、ブーンの剣術は一夕一朝で身につけたもの。差は歴然だった。
( ^ω^)「おっ!」
ガーランドの首を狙い、剣を振り下ろす…
が、あっけなくかわされてしまった。
そして、ガーランドのカウンターがブーンの顎を捉えた。
(;゜ω゜)「ぐべおっ」


35 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:19:22.84 ID:RpQRg++E0
ガー「もう終わってしまったか…あっけないものだ」
ブーンは白目を剥き、ゆっくりと地面に崩れ落ちた。
( ゜ω゜)「……」
ガー「フフフ…ハーハッハッハ!!ついに伝説の戦士をも倒したぞ!!
   もう私に敵う者はいない!!私は新世界の王になるのだ!!!ハーハッハッハ!!ハーハッハッハ…」
38 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:20:30.25 ID:RpQRg++E0
ジョルジュはこの光景を、黒い塊の影で、冷めた表情で見守っていた。
( ゚∀゚)(ケッ…あんな野郎が新世界の王だなんてゴメンだぜ…)
( ゚∀゚)(こうなったら、スキをみて攻撃してやる。俺が先生きのこるにはそれしかねぇ。)

( ゚∀゚)(それに…あのメガネ、まだ気付いてねぇみたいだな…。)







( ゚∀゚)(あの痩せた男はまだ死んじゃいねぇってことによ)



39 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:22:45.46 ID:RpQRg++E0
そう、ジョルジュは知っていた。
ドクオは実は死んでいないこと。
ガーランドのスキをついて、自分自身に回復魔法をかけていることを。

('A`)(へへ…ガーランドの奴、俺の心臓は右にあるってことを知らなかったみたいだな…
   今日は運が良いぜ。だけど…)

('A`)(ここからの位置じゃよく分からんが、ダディさんは殺されちまったみたいだ…
   それに…ブーンもやられちまったのか?クソッ)

('A`)(傷は想像以上に深かった。自分の治療だけで精一杯だ…)

('A`)(もう魔法力は残ってない。これでも傷はほとんど塞がってないってのに…)

('A`)(魔法が使えない俺にできることはただ一つ。スキをみて、ハンマーでガーランドをブッ叩くこと。それだけだ…)

('A`)(幸いにも今は剣を鞘に戻してるみたいだ。失敗は許されない…!)


40 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:24:49.94 ID:RpQRg++E0
ガー「さて…伝説によると、光の戦士は綺麗なクリスタルを持っているそうだね」
ガーランドは、気絶しているブーンから荷物を取り上げ、漁り始めた。
そして、綺麗に透き通った4つのクリスタルを取り出した。
ガー「おお…素晴らしい…これが…」
ガーランドはその4つのクリスタルを地面にバラまいた。
クリスタルは音を立てながら何度かバウンドして、やがて動かなくなった。
ガー「フフ…伝説の宝石が道端の石ころの様だ…」


41 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:25:42.38 ID:RpQRg++E0
そして、地面に転がったクリスタルを思い切り踏みつけた。
ガー「光の戦士の象徴とも言えるクリスタル…私の手で粉々にしてくれるッ!」
何度も何度も踏みつけた。





………が、クリスタルにはキズ一つついていなかった。

42 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:27:47.18 ID:RpQRg++E0
ガー「何…馬鹿な?!おのれ…!」
今度は腰から剣を抜き、思い切り振りかぶってクリスタルを叩きつけた。
ガー「オラッ!どうだ!どうだ!」
(;'A`)(; ∀)(うう…あいつまともじゃねぇ…)

………それでも、クリスタルにキズが付くことはなかった。
逆上したガーランドは力任せにクリスタルを叩き続け、そのうちに剣はバキッと折れてしまった。


43 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:28:30.56 ID:RpQRg++E0
ガー「ハァハァハァー…うおおおおおおおおおおおおお!!なぜだああああああああああああ!!」
プライドが傷ついたのだろうか。ガーランドは凄まじい声で叫び始めた。
その姿はスキだらけだった。ドクオの目がキラリと光った。
('A`)(今だ!)
ドクオは起き上がろうとした、その時。
ガー「うぐっ…?」
ガーランドは急に叫ぶことをやめた。


44 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:29:35.08 ID:RpQRg++E0
('A`)(何だ…?…あ…ああっ!)
よく見ると、ガーランドの右肩には小さなナイフが深々と刺さっていた。
ガー「ぐぅ…一体どこから…飛んできた…?」
ナイフが刺さったそこは、鎧の微妙な隙間。少しだけ生身の肉体が露出している。
どこからか飛んできたナイフは、そのわずかな隙間に刺さったのだ。
見事としか言えないコントロールである。

そして、部屋の奥から大きな声と共に、一人の男が走ってきた。


45 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:30:51.51 ID:RpQRg++E0
( ゚∀゚)「うおおおおおおおお!!」
言うまでも無くジョルジュである。彼はそのまま、ガーランドに体当たりを仕掛けた。
ナイフに気をとられていたガーランドは、それをもろに食らってしまった。
ガー「な…うぐっ」
(;゚∀゚)「今だーーッ!!起きてんだろテメーーーーッ!!!!!」
(;'A`)(だ、誰だよ!?とにかく、チャンスだ!)


46 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:31:50.77 ID:RpQRg++E0
(;'A`)「うわあああああああああ!!」
ドクオは起き上がり、近くに転がっていたハンマーを拾い上げ、ガーランドの顔を思いきり殴った。
ゴシャっ!という鈍い音と共に、ガーランドの鼻はグシャグシャに潰れた。
ガー「おごっ……な…何だと?貴様…!死ん…」
ガーランドは左手で鼻を押さえながら、信じられないといった表情でドクオを見た。

そこに、再びスキが生まれた。

(;'A`)「もいっぱつ!食らええええええええ!!」
ドクオは再びハンマーを振りかぶり、顔を狙って殴った!
パキン、とメガネが割れる音がした。


47 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:32:41.39 ID:RpQRg++E0
          /::::'.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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ガー「ぐっあ…目が……目がぁぁぁぁァァァ!!!」


48 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:35:13.37 ID:RpQRg++E0
左目に命中した様だ。ガーランドは目を押さえながら悶絶している。
(;'A`)「や、やったか?」
だが、いずれの攻撃も急所には当たっていない。
ガーランドは目から手を引きはがし、ドクオを睨んだ。
(;'A`)「うう…」
左目は青紫色に腫れあがり、完全に塞がっている。鼻はグシャグシャに潰れ、見る影も無い。口は、憎悪に満ち、歪んでいる。
ガー「よくも…私に…!」
そして、目にも止まらぬ速さで、ドクオに蹴りをいれた。
ガー「この汚らしい阿呆がぁーッ!!」


49 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:35:44.29 ID:RpQRg++E0
(;'A`)「ぐべっ」
ドクオは後ろに吹っ飛ばされ、壁に激突した。
ドクオは胸を押さえながら上体を持ち上げた。
(;'A`)(ぐぐ…骨が何本かイカれたみたいだ…さっきの傷も開きかけてる…
    クソ…これまで…か…。だが…やれ…る…こと…はや…った…。ブーン、後は…た…の…)
そして、そのまま意識を失った。起き上げていた上体は、そのまま地面に沈んだ。


50 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:37:42.12 ID:RpQRg++E0
ガー「さて、次は君だね。いきなり出てきてビックリしたよ。いつからあそこに居たのかね?」
ガーランドはジョルジュを見据えながら言った。
(;゚∀゚)(ぐ…ぐ…。どさくさに紛れて逃げようとしたのに…)
ガー「君のナイフは実に見事だったよ。右腕の筋は切れてしまったみたいだ。腕が上がらないのだよ」
ガーランドはゆっくりとジョルジュに近付いてくる。
(;゚∀゚)「おらあっ!!」
ジョルジュは兵士の死体から剣を拾い上げ、ガーランドに襲いかかった。
…が、あっけなくかわされ、後頭部に一撃を食らった。


51 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:40:57.04 ID:RpQRg++E0
(;゚∀゚)(つ…強ええ…敵わねぇ…
    クソ…親分がいれば…こんな奴……)
その時、ジョルジュは、ブーンの腕が微妙にピクピクと動いているのが見えた。
(;゚∀゚)(あいつ…意識が戻りつつあるな…。あとはあいつに賭けるっきゃねえ…
     メガネ野郎は片目が見えないし、右腕も使えない…あいつなら勝てる見込みはある…!
     そうだ…まだあと…あと一本あったはずだ…!)
遠のく意識の中、ジョルジュは必死でポケットをまさぐり、一本の青い瓶を取り出した。
(;゚∀゚)「後は頼んだぜ!!受け取れーーーっ!!」
そして、その瓶をブーンに向かって投げた。
瓶はブーンのおでこに命中し、地面にコロコロと転がった。

( ^ω^)「痛おっ!!」
その衝撃で、ブーンは目を覚ました。

52 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:42:03.72 ID:RpQRg++E0
ガー「何!?」
( -∀-)「よっしゃ!さすが俺…だ…ぜ…」
そしてジョルジュは気を失い、地面に崩れ落ちた。

( ^ω^)「これは…」
ブーンは瓶を拾い上げ、瓶の銘柄を見た。
(;^ω^)「かの伝説の飲料水、ポーション!」


53 ◆0q32MjEv.A 2006/05/19(金) 00:43:38.21 ID:RpQRg++E0
そして瓶を裏返し、原材料を調べた。
(;^ω^)「しっかりと青色4号が使われているお…
      正直飲みたくないお…」
だが、発した言葉とは裏腹に、ブーンの手は既に瓶の蓋を外していた。
そして、それを一気に飲み干した。
( ^ω^)「よっし!!元気百倍だお!!誰にも負ける気がしないお!!」
ブーンは剣を拾い、ガーランドに向き直った。
( ^ω^)「ドクオ…見知らぬ人…ありがとお!後は僕に任せてくれお!!」


第五話 終
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