- 39
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 20:55:14.68 ID:5s73NyC70
- 第三話
コーネリアの町を出てから何時間が経っただろうか。
三人は、足下のぬかるむ沼地を進んでいた。
( ^ω^)「すごく…歩きにくいです」
('A`)「うわっ」バシャ
ダディ「大丈夫か?」
辺りは腐った水の匂いが漂い、疎らに生えた木々は養分を失い枯れていた。
また、所々に魔物や野生の動物と思しき骨が泥の中から姿を覗かせていた。
足をとられ、脱出ができぬまま死んだのだろう。
- 40
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 20:57:48.77 ID:5s73NyC70
- ('A`)「くっせえなこの水…装束に匂いが残っちまうじゃねーか」
ドクオは二人から手を借りて立ち上がった。そして、白装束に付いた泥を落としながら悪態をついた。
ダディ「昔はこの辺りの土壌も綺麗だったのだがな…」
ダディはそう言いながら頭上を見上げた。
既に太陽は高い位置まで昇っている。だが、薄い雲が空を覆っていたため、日差しは強くなかった。
そのため、ここが沼地であることも相俟って、じめじめとした気持ち悪い空気がここら辺一帯を支配していた。
ダディ「さあ、この沼地を抜けるまでにあと10分はかかるまい。
抜けたら昼飯を食おうではないか。さあ行くぞ」
・
・
・
- 41
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 20:58:36.77 ID:5s73NyC70
- ・
・
ここに来るまでに、三人は何度か魔物と出会い、闘った。だが、それほど労をせずにそれらを撃退していった。
ダディは強かった。王が呆れながらもこの男を認めていただけはあった。
今までに出会った魔物の中で、ダディの放った一閃の先を生き続ける者はいなかったからである。
特にブーンが印象に残ったのは、一時間ほど前のこと。突如襲ってきた、クレイジーホース二匹との闘いでのことである。
- 42
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:02:26.33 ID:5s73NyC70
- ・
・
・
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| ・ U A | <ひひーん
| |ι |つ
U||  ̄ ̄ ||
 ̄  ̄
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| ・ U B | <ひひーーん
| |ι
|つ
U||  ̄ ̄
||
 ̄  ̄
(;^ω^)「象に見えるのは気のせいかお?」
('A`)「何言ってんだ?どっからどう見ても馬じゃないか」
(;^ω^)「んーどうでしょう」
ダディ「何を喋っている。
そっちの奴はお前らに任せるぞ」
ダディは背中に手をかけ、剣を抜いた。ブーンも慌てて剣を抜く。
- 43
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:04:49.88 ID:5s73NyC70
- ( ^ω^)「ほおっ」
ブーンは真っ先にクレイジーホースに斬りかかった。
…が
どかーん!
(⌒⌒⌒)
||
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| ・ U A | <なめるんじゃないぞう!
| |ι |つ
U||  ̄ ̄ ||
 ̄  ̄
クレイジー(ryはブーンの剣撃をかわすと、後ろ足の蹄(ひずめ)でブーンを思い切り蹴っ飛ばした。
ブーンは5メートルほど吹っ飛び、腹を抱えながら地面に転がった。
そして、血反吐を出しながら悶絶した。
- 44
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:08:54.88 ID:5s73NyC70
- (ii|^ω^)「オフッ!アッー!アッー!」
('A`)「大丈夫か?ケアル!」
ドクオはブーンに近寄り、すかさず回復呪文を唱えた。ブーンは腹の痛みが引いていくのを感じた。
( ^ω^)「すまないお。
しかし今回の相手は強いお。どうすれば…」
|
\ __ /
_ (m) _ピコーン
|ミ|
/ /⌒ヽ \
(^ω^)
ノヽノヽ
くく
- 45
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:11:10.28 ID:5s73NyC70
- ('A`)「どうした?やっつける策があるのか!ブーン!」
( ^ω^)「ああ…あるお」
('A`)「ええ!それはいったい?」
( ^ω^)「足を使うんだお!」
('A`)「足だって!足をどうやって!」
/⌒ヽ
⊂二二二(^ω^ )二⊃
| / ブーン
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
( ^ω^)「逃げるんだよォ!ドクオーーーーッ
どけーッ クレイジーホースッ!!」
(;'A`)「わあーーッ!!何だこの男ーッ」
( ^ω^)「追ってこいクレイジーホース」
( ^ω^ )「JOJO風にやってみましたお。
詳しくは6巻のストレイツォ戦を読もう!」
- 46
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:13:19.76 ID:5s73NyC70
- どかーん!
(⌒⌒⌒)
||
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| ・ U A | <くそう、にげるんじゃないぞう!
| |ι |つ
U||  ̄ ̄ ||
 ̄  ̄
突然のことで唖然としたクレイジー(ryは、ブーンが20Mほどまで逃げた時点で我に返り、
すぐ側にいたドクオを無視して追いかけ始めた。
( ^ω^)(まだだお)
ブーンは逃げながら、策を実行に移す機をうかがっていた。
( ^ω^)(もう少し…もう少し…!)
- 47
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:25:14.07 ID:5s73NyC70
- 馬A「ひひーん!」
( ^ω^)「ここだおっ」
クレイジ(ryとブーンの距離が3Mまで近づいたその時、ブーンは手にした剣を地面と水平になるように持ち上げ、剣先をクレイ(ryの頭に向けた。
っ
/⌒ヽ っ
( ^ω) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
三
/ヽ_つ∪┼─―― |・ ;U A |
三
/ /、ヽ ..| |ι
|つ
/ / 、ヽ U||
 ̄ ̄ || 三
 ̄  ̄
馬A「ちょwwwwwwwwwきゅうにはとまれないぞうwwwwwwwww」
スピードのついたク(ryは急に止まることができる筈もなく、そのままブーンが手にした剣に頭から突っ込み、自ら串刺しになった。
(;^ω^)「ふう、なんとか倒すことができたお」
( ^ω^)(ダディさんはどうなったのかお)
ブーンは30Mほど向こうにいるダディを見た。
- 48
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:26:26.36 ID:5s73NyC70
- ダディ「……」
馬B「うう……」
( ^ω^)(あれ?まだ倒してないのかお?)
ダディは構えたまま動かない。
馬B「ひひーん!!」
ダディの威圧感に耐えきれなくなくなったのか、ク(ryはダディに飛び掛かった。
障害走で調教された馬もびっくりな、素晴らしい跳躍だった。
勝負がついたのは一瞬だった。
- 49
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:30:03.32 ID:5s73NyC70
- / _|_. / ヽヽ
_|_  ̄ ̄/
_/| | / \ | /
| ――
| ノ / ヽ / . ノ
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
三
| ・ U |
三
| |ι
|つ
U||  ̄ ̄
|| 三
 ̄  ̄
∩
⊂/ ノ >
/ /ノV
し'⌒∪
ダディは上体をブリッジの様に反らし、ク(ryの突撃をかわした。そして
- 51
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:39:22.77 ID:5s73NyC70
- / l O /
──┐O ┼─┐ |
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/ l | _ノ ノ
_/ _ノ |
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⊂コ二Lフ^´ ノ, /⌒) | ,,,ノ(、_,
)ヽ、,, .::::|
⊂l二L7_ / -ゝ-')´
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| ・ U | | |
|
|ι | | |つ
U||
 ̄ ̄ ||
 ̄  ̄
ク(ryの股間辺りを目掛け、思いきり剣を振り上げた。
馬B「あ…あああああおげ」
ク(ryの体は、鮮血を飛沫ながら二つに別れた。
。
二つの肉塊はしばらくピクピクと動いていたが、すぐに動かなくなった。
(;^ω^)(すごいお…僕とはレベルが違うお…)
・
・
- 52
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:41:33.13 ID:5s73NyC70
- ・
・
・
・
・
ダディ「さあ、昼飯にしよう」
('A`)「うう…しばらくは沼地はごめんだな」
( ^ω^)「昼食♪昼食♪さっさと昼食♪腹減ったお♪」
沼地を無事に抜けた三人は、適当な場所を見つけ、昼食をとる準備をしていた。
食料を運ぶ役を任されていたブーンが背負っていた布袋を下ろし、
干し肉や乾パン、途中の森で採取した果物などを広げた。
- 53
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:42:51.15 ID:5s73NyC70
- ダディ「カオス神殿まではあと少しだ。夕暮れ前には到着するだろう」
('A`)「カオス神殿か…実際に行くのは初めてだわ」
( ^ω^)「そういえば聞くのを忘れてたけど、カオス神殿って何なんだお?」
ダディ「何千年も昔からある神殿らしいが、詳しくはわからないな。
ドクオ、知っているか?」
('A`)「俺も知ってるってったらそんなもんだ。
誰が、何のために造ったかはまるっきり謎らしい」
( ^ω^)「へぇ…カオス神殿…かお」
( ^ω^)「……!」
- 54
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:46:09.97 ID:5s73NyC70
- ('A`)「チッ。こっちは腹が減ってるってのによ」
ダディ「文句を言うな。戦場では敵は待ってはくれん」
三人が見ている方向。そこには、3匹のゴブリンが短刀を舌でペロペロとなめながらニヤついていた。
('(゚∀゚∩F「あれあれにんげんがいるよ」
('(゚∀゚∩G「ひさしぶりににんげんがたべられるね!きょうはごちそうだ!」
('(゚∀゚∩H「やっちまいますか!」
- 55
: ◆0q32MjEv.A
:2006/04/06(木) 21:46:47.48 ID:5s73NyC70
- 三人は溜め息を吐きながら立ち上がった。
( ^ω^)「やっちまう?馬鹿を言うなお」
('A`)「全くだ。そりゃこっちのセリフだってんだ」
ダディ「油断はするなよ?行くぞ!」
第三話 終