1 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:28:37.44 ID:Sh0BO94f0
今日は第十一話です


まとめサイト
#
http://boonsoldier.web.fc2.com/index.html

避難所
#
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/6178/

2 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:29:47.46 ID:Sh0BO94f0
( ^ω^) ブーン(19)
普段は大学生。
携帯版FFをプレイ中になぜかFFの世界へ飛ばされ、光の戦士となる。
おとなしい性格だが、やるときゃやる。

('A`) ドクオ(18)
普段は最先端のファッションをキメる童貞。
ブーンと同じ大学に通っている。だが、FFの世界ではブーンを知らない。
職業は白魔術師で、パ〇ウェーブ信者みたいな格好をしている。
父を越す白魔導師になるべく、修行中。
真面目な性格の熱い男。英語でホットガイ。


3 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:30:02.72 ID:Sh0BO94f0
( ゚∀゚) ジョルジュ長岡(21)
『サスケ盗賊団』の一員。
仲間への闘争心から、お宝を求め『きれいなお城や古い遺跡がある』南方へ旅立つ。
船が沈んだり、サスケから託された刀を海底に落としたり、ガーランド事件に巻き込まれたりと不運な男。
ブーンが持つクリスタルを狙っていたが、ツンに惚れ、仲間になる。

('( ゚∀゚∩ モツ煮(13)
ゴブリン。ジョルジュに脅され、無理やり仲間として同行させられることに。
性格はかなりチキンで、自分より強い者に「NO」と言えない。


4 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:30:21.10 ID:Sh0BO94f0
(´・ω・`) ショボ(享年21)
元コーネリアの兵士。
セーラ姫が誘拐された際に、捜索隊の一員として参加。第二部隊の隊長を務めるも、ガーランドに惨殺される。
その後、ドクオの闘いっぷりに惚れ込み、ドクオの守護霊としてブーン達の旅に付いてくることになる。
自分のことをドクオのスタンドと言い張っているが、その存在のウザさは背後霊以外の何者でもない。

ξ゚听)ξ ツン(17)
黒魔術師。
伝説と言われた魔女、マトーヤの孫にして、ダディの娘。
ドクオが絶賛するほどのすさまじい魔力を持つ。


5 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:32:41.20 ID:Sh0BO94f0
             ,_ - " `"  ヽ、
            /   _      ヽ
      ┐第 /    ミー" ̄"`ヽ、 |
   光 海 一 {      ヽ、    ヽ"
   の 賊 章/      ,シ"  、__ !
   戦 脅   { rー-、、  ミ  / __  ト
   士 迫   { (!⌒ ヽ i    `'ー`'、     
   た     ヽ ヽ`-  ""  メ   ノ-ヽ___
   ち    ,、ノ  \___メ,-ー'' " ̄ ̄   | "!
 ̄ ̄の ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄               |  |
   逆            /           |  |
   襲            /           |  |
  └            /            |   |

TNOK(28)

MTNK海賊団の幹部。鉄砲を武器に闘うホットガイ。
一部からは『ホモの申し子』や『ガチホモのTNOK』などと呼ばれており、その地位と>
>893の様な凄みのある風貌で、ノンケを脅し、四つん這いにさせるのが趣味。
TNOK: #
http://web.archive.org/web/20030417111959/globalgaydiscs.com/babylon3401.jpg
川井俊一: #
http://www.fujitv.co.jp/sports/volley/fns_caravan2005/photo/s_kawai.jpg

6 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:32:59.17 ID:Sh0BO94f0
    ,;'"             ` 、
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             l,. l.Yユj  ヽ_____゙'_>;,!、,ヘ`",.:::'"  ! j`"..'
             .\ ヾ .`i,, ;--‐‐‐" `" `--‐‐",;イ (;;",.'
              ,l`,_ , l ゙!   _,,,.ヘ'"/` ...,,,  l-‐'"
                 "l   ',,,,,,,!´、l,.`j_;y^j;;  l
                  l  l ;'ヘ三三二ニ-'',;  l
                   \ !;;   .,;;,.   ; .j',;
..                    \    l!    /   
                      .\..,____"_,.../

オーガ

プラボカ地方一帯に広がる森を縄張りとする巨人族の魔物。
縄張りに立ち入る者を容赦なく攻撃する。
ナッパ。


7 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:33:31.47 ID:Sh0BO94f0
   ' , \、 、|       ヽ   l / /    ヽ,   / /  /
  ``ヽ  ヽヽ! ,      ヽ  i/ , '     !/ /  /
  、 ヽ\ ` l_/ /`ヽ、   ヽ/ / ,. ' ´ヽ l ,'/'´   /__
  、 ヽ、 ,へ、/ ,ヘ``ヽ、ヽ. ` / /,. -‐,´ _!,-、 / /'´/
 ヽ\`` l l^ヽ,',  ',  oヽ`、} レ/o   ,'  〉"^l//'´/
   \、 l l r' ',  ー―‐",`ー´`ー―‐'  //_',/_,. -;ァ
    ,.ゝ-\ー、 ','"""""  ノ_ ゛゛゛゛` /'_j /  /
    ``,ゝ-ゝ、_',      _____,    /-/_/
     ´ ̄``ー,ヘ    `====    /=''"´
          ,'、 `ヽ、,:' -‐-  , '``>、
         ノ`::ー-、_\__,/_,. ::'´:::::冫二ニ77ー-
  ,...-、‐ニ二{{:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ニニニ〃::::::::
  :::::::::ヽニ二ヽ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/二二ニ〃:::::::::::

オーガチーフ

プラボカ地方のオーガ達をまとめる存在。
縄張りに入った者を攻撃する点はオーガと同じだが、時には使えないと判断した仲間の命をも簡単に奪う。
ぶっちゃけ緑色のベジータ。ピッキータ。
参考:#
http://kei6255.fc2web.com/nounai/24.htm


8 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:35:08.20 ID:Sh0BO94f0
  ,.vvWv,,             ,,,,   ,,,
  ミ,シー-ミ           /""メ"''y'"__"';,
  6! ー 、-}           {   !  Y'_、,_;
   iヽ =ノ         ,. -{, ,-、 ,,..人 _3ノ
-ー' ̄(` "! ̄`ヽ    / ̄| ({ ="i=リ ̄ヽ'ー、
  `ーY" ̄  |   /    ーヽ -リ'   ヽ }
ヽ      y  |   |   y    Y  、/  ヽ|
 !      |  |  |   |       ハ   }
_|      トーi"  ケ、_!       ト、_/
 |      |  |   〈  〈        リ .ハ
 ヽ_____| |   ヽ  !      // /!、;、
ヽ ヽ    | |     \ ヽ ̄ ̄ ̄ フ / !),)
 ヽ ヽ   ! ヽ     ヽ、`ー、  / 〈  ̄

アズマ(26)

『アズマ食堂』を経営する男性。
TNOKに掘られそうなところをブーン達に助けられる。
ちなみに両隣は、同じくアズマ食堂の従業員、イサキ、カシワギ。


9 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:36:08.87 ID:Sh0BO94f0
          トv'Z -‐z__ノ!_
        . ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
      ,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
    rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|:::  ,.、
    、  ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ   ミ ∧!::: .´
      ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf::::  ~
    r_;.   ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
       _  ::\,!ィ'TV =ー-、_メ::::  r、
       ゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ:::  ._´
       ;.   :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.::  ,.
       ~ ,.  ,:ュ. `ヽニj/l |/::
          _  .. ,、 :l !レ'::: ,. "
              `’ `´   ~
ヤム(25)

MTNK海賊団の幹部。青龍刀を武器に戦い、その剣の腕はブーン達を遙かに凌駕する。
ボロクズになりやすいのが欠点。


10 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:37:44.78 ID:Sh0BO94f0
ヽ(・∀ ・)ノ 斉藤またんき(14)
港町プラボカを占領した『MTNK海賊団』の二代目団長。
モンク職に就いているが、腕前はまだまだ未熟。

門番兵A

塀に囲まれたプラボカの町の、たった一つの門を守る男。
性格は内気。TNOKからの恐喝を常に恐れている。

門番兵B
プラボカの門番。Aと同じく、TNOKを恐れている。


11 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:39:56.04 ID:Sh0BO94f0
      /´       _、、             `、         
     |´      ,-  ̄   ̄|            |             
     |´       ヽ、 ・  ..ノ    .,─ ̄ \    .|     
    .|         ──.'´ /. / .__...--ヽ    |         
    |   -´ ̄` -_ \   / / /ヽ、      |  ,-─ヽ,      
      |  |  --_`ヽ、     / /   |      |/./ヘ |     
     .| レ´ ,.- `ヽ、ヽ、) (/ /・   .|      .| /|  | .|  
   ,- ._|   .ヽ、    ・ .、.|ヾ `'´ヽ_,.--- ̄___   .| |, 、ヽ  |       
   |   .ヽ、  \  ___| .,  ヽ_-  ̄ ̄ ̄ ̄   .| 丶 .|   |    


天津飯(てんつめし)

プラボカの門番兵。この日はは非番であったが、Aから町の危機を知らされ、門に駆けつける。
DBとは関係がない。

      ◯
    / ̄ ̄ ̄ ̄\
    /______ヽ
  /     \   / |
(∂|     (●) (●) |
 ヽ|     ""   "" |
   |   ●  ___ ●|  
   \    /__/ / 
   /ヽ       /\ 

餃子(ぎょうざ)

同上。
やっぱりDBとは関係がない。

12 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:42:12.72 ID:Sh0BO94f0
第十一話


津波のようにプラボカ押し寄せる紫色のナッパ――オーガ達。
それを迎え討つべく、武器を構える三人の男、門番兵B・天津飯・餃子。
オーガ達の数はおよそ千。たった三人で立ち向かうのでは、誰の目から見ても勝ち目がないのは明白である。

だが、彼らにも希望はあった。

それは、光の戦死、ブーン達とその一行。
光の戦士なら…光の戦士ならなんとかしてくれる…(AAry。
その思いを一心に、彼らは命懸けでオーガの大群を迎え討つ覚悟を決めたのだった。

13 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:43:21.24 ID:Sh0BO94f0
町の周りは強固な塀で囲まれており、彼ら三人が守る門を通る以外に、町に出入りする手段はない。
港町である故、船で出入りすることも可能だが、オーガ達が船を使うとは到底思えない上に、中途半端な船では、ここ最近の荒れた海ではあっという間に沈んでしまう。
だが、この塀が破壊されてしまっては話は別である。
魔物や他国からの襲撃に備えかなり頑丈につくられてはいるものの、力自慢のオーガ達が一度にかかればあっと言う間に破壊されてしまうだろう。
もってせいぜい十分程度。これが天津飯の見解だった。
門番兵B「俺ら三人…どれだけ時間稼ぎできるだろうな」
天津飯「さあな」
門番兵B「……」
天津飯「とにかくやるだけやるしかない。俺らが命を落とそうともな。それに…」

天津飯「俺にとっておきの技がある」


14 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:44:40.56 ID:Sh0BO94f0
門番兵B「!?」
Bは思わず声を裏返し、言葉にならぬ声を発した。
餃子「天さん、あれを使う気だね?」
天津飯「ああ。とっておきだが、この状況じゃ出し惜しみするわけにもいかないだろう。それに」
天津飯「これが成功すれば奴らの人数と士気をかなり削ぐことが出来るはずだ」
門番兵B「それほどの…?」
天津飯「うむ。早速準備に入る」
天津飯は手にした槍を餃子に任せると、目を閉じ、両手の指の先をお互いにくっつけ、オージービーフのような手の形を作った。
そして何やらぶつぶつと呟きながら念じ始めた。
それを二人が心配そうな顔で見守る中、なんと天津飯の手が光を帯び始めた。
門番兵B「……?」


15 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:45:52.89 ID:Sh0BO94f0
その間にもオーガ達は門との間合いを詰めてくる。既にお互いの距離は100Mを切っていた。
門番兵B「まずい…もう来る…」
天津飯「いや、大丈夫だ。準備はできた……」
天津飯は光る両手を前方に向けた。
天津飯「下がってろ。巻き添え食らうぞ」
一歩下がるB。それを見た餃子は更に注意を促した。
餃子「もっと下がれ!死んでもいいのか!」
門番兵B「あ……ああ」
天津飯「…うむ」
天津飯は二人が自分から充分離れたのを確認し、前方を見据えた。


16 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:46:41.02 ID:Sh0BO94f0
オーガ達との距離は更に縮まり、既に50Mを切っていた。
視力の良い天津飯ならば、オーガ達の細かな表情も読み取れる距離だ。
『獲物は目前だ!』『おお食料だ!』『食ーべちゃーうぞー』『三つ目とキョンシーきめぇwwwww』……。
どのヒゲもそんな顔をしている。
天津飯「ぬん!」
天津飯は自らのタコ頭に血管を浮かべ、そして叫んだ。


天津飯「  気   孔   砲   !!」


17 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:47:02.16 ID:Sh0BO94f0
瞬間。天津飯の手から、眩い光の柱が発せられた。
光は天津飯の正面へ一直線に伸び、またたくまにオーガ達を飲み込んだ。

オーガ「!?」






18 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:50:32.06 ID:Sh0BO94f0
同時刻……

(;゚∀゚)「はぁはぁ…もう少し…」
ξ゚听)ξ「ええ」
('(;゚∀゚∩「……」
門を目指し、走るジョルジュ達。
ドクオの治療により、先ほどの傷は見あたらない。着衣の所々が破けてはいるが、特に問題はなさそうだ。
だが、傷は治っても体力は回復しない。
既に息をきらせているジョルジュ。反面、ツンは汗一つ流していない。
(;゚∀゚)(この人、やっぱただ者じゃねーな)
先ほどの闘いで見せた、ツンの度胸と冷静さ。ジョルジュは改めて彼女を惚れ直すのだった。

そして門が見えてきた、その時。

(;>∀⊂「うっ」
ξ;>ο<)ξ「きゃっ!」
一瞬。眩しい光が辺りを包む。
三人は思わず目を瞑ったが、すぐに気を取り直し、門のある方向を見た。
ξ゚听)ξ「今のは…魔法…?」
( ゚∀゚)「よくわかんないけど急ぎましょう!!」






19 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:52:35.56 ID:Sh0BO94f0
門番兵B「……」
声が出ない。絞り出そうとしても、この目の前の光景を目にしているうちは出せる気がしない。
天津飯が放った光。余りの眩しさにBは思わず目をつむった。
そして目を開いた時には既に、目の前のこの光景が広がっていた。
いや、これは『光景』と呼べるのだろうか。
日本語で純粋に表現するならば『光景』に違いはないだろうが、『感情を持った人間』という立場で見るならば、『光景』と呼ぶには語弊を感じてしまう。

天津飯から正面の一直線上には何もない。草も、木も。ただ土がえぐれ、露出している。
前方の丘陵地帯も、光が走った場所だけがぽっかりと削れている。
光に飲み込まれたオーガは塵残さず消し飛んだ。中途半端に体が削れ、手や足を失った者、あるいはその逆もいる。
それを目の当たりにしたオーガ達は、突撃をやめその場に立ちすくんでいる。
恐れをなして、棍棒を捨てて逃げ出す者もいた。


20 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:53:41.02 ID:Sh0BO94f0
門番兵B「す…凄いじゃないか天津飯!こんなことができるなんて!」
ようやくBは声を絞り出した。
餃子「やっぱり天さんは凄いね!!」
天「…ふう」
天津飯は軽くため息をつき、B達のいる方へ向き直った。
天「見ての通り恐ろしい技だ。生きているうちに使う機会があるかと思っていたが…。」
そして額の汗を手で拭いながら、餃子から槍を受け取った。
門番兵B「しかしどこでこんなのを覚えたんだ?」
天「昔いろいろあってな…。一応、理論としては、魔法力をああしてなんちゃらしたり、あの魔法とこの魔法を応用させたり、
    といった具合なんだが、詳しい説明は省く。とにかく出たもんは出たのだ。文句あるか?」
B・餃「ないです」
天「うむ。ものわかりのいい奴らだ」


21 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:55:15.80 ID:Sh0BO94f0
( ゚∀゚)「おい。何だ?今のは」
Bは突然聞こえてきた声に振り向き、そして顔を輝かせた。
門番兵B「おお!来た!お前ら、光の戦士だよな!?」
ジョルジュは目を下に向けた。
( ゚∀゚)「…あいにくだが、俺らは戦士様の連れさ。ただの平凡な人間だよ」
門番兵B「そ…そうなのか…」
( ゚∀゚)「だけどそれなりに戦えるぜ。あの大群をどうにかするには一人でも多い方がいいだろ?」
門番兵B「ああ、確かにな…」


22 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:56:10.08 ID:Sh0BO94f0
ξ゚听)ξ「ねえ、さっきの光…尋常じゃない魔法力の放出量だったわ。誰がやったの?」
天「俺だ」
天津飯を見るツン。
なるほど、彼のいる場所から正面にかけ、肉眼では確認できないほど遠くまで『道』ができている。
ξ゚听)ξ「その魔法って…まさか」
天「…お喋りは後だ。見ろ」
喋りかけのツンを制し、天津飯は『道』の先を指差した。


23 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:56:51.97 ID:Sh0BO94f0
(;゚∀゚)「げっ!」
その指の先にいるのは、『道』の上をこちらに向かって歩く、二匹の大小のオーガ。
オーガの大群に見送られるように二匹連れ添って歩くそれはまるで、バージンロードを歩く花嫁と父親さながらの光景であった。
バージンロードと違うのは、お互いがオス(?)であること、片方の小さなオーガが相手の腕ではなく首根っこを掴んで引きずっていること。
(;゚∀゚)「あいつ昨日の…」
('(;゚∀゚∩「……」
緑色の肌にM字ハゲ。ジョルジュとモツ煮にはその小さなオーガに見覚えがあった。
そして、小オーガは大オーガを掴んだままま自らの頭上に掲げ、叫んだ。


24 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:57:39.84 ID:Sh0BO94f0
チーフ「貴様らよく聞け!!」
門番兵B「くうっ!」
小さなオーガの大きな声が草原から町にかけ、ビリビリと響きわたる。
Bは思わず両手で耳をふさいだ。
チーフ「こいつは先程の人間の攻撃に恐れをなし、逃げ出そうとした愚か者だ。
    我々の顔に泥を塗った者の末路をよく見ておけ!」
オーガ「ひ…ゆ…許してくれ…」
掲げられたオーガは、涙と鼻水と涎で顔をくしゃくしゃにしながら、足をばたばたさせ必死の抵抗をしている。
オーガ「おげ」
だがその抵抗も虚しく、一呼吸後には不快な音と共に肉片と血煙、そして生首が宙を舞った。
チーフ「我々の闘いの目的は既に言ったはずだ。
    腰抜けの仲間などいらん!逃げ出す者は一人一人この俺が殺す。覚悟しておけ!」
チーフは手に残った肉片を捨てながら、それを目の当たりにしているオーガ達に向かって叫んだ。


25 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 22:58:40.33 ID:Sh0BO94f0
縮みあがるオーガ達。チーフはさらに続けた。
チーフ「あの門にいる者の相手は俺がする。お前たちは二手に分かれ、別の場所から町に侵入るがいい。行け!」
これを聞いたオーガ達は、『道』を隔て、一斉に二手に分かれ、去っていった。
門番兵B「まずいな…」
天「いや、好都合だ」
門番兵B「え?」
天「あいつはオーガ達を指揮する存在…総大将に違いない。奴の統率力があってあのオーガ達がまとまっている。
  奴を倒せられれば、恐らくオーガ達は総崩れになるだろう…」
門番兵B「なるほど…」
(;゚∀゚)「だけどよ…奴はやばいぜ…」
ジョルジュの脳裏に、昨晩の出来事が浮かび上がる。
ξ゚听)ξ「やるしかないわね」
ツンは『道』の先を見据えた。
オーガチーフがこちらへゆっくりと歩み寄ってくるのが見える。
杖を握りしめた手に、汗がにじむ。

チーフ「久々に楽しめそうだな…」


26 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:00:02.94 ID:Sh0BO94f0



場面変わり、門に向けて必死に走るブーンとドクオ。
(;^ω^)「おっ?」
(;'A`)「くっ…」
天津飯が放った光は、当然ブーン達の目にも届いた。思わず立ち止まる二人。
('A`)「…」
( ^ω^)「何だお…今のは…」

この時ドクオは、幼少時代に父から聞いたあることを思い出していた。

('A`)「…」
( ^ω^)「急ぐおドクオ!」
('A`)(凄まじい魔法エネルギー…まさか…今のは…)
( ^ω^)「ドクオ?」
('A`)(もし、使い手が敵側だとしたら…)
( ^ω^)「…」
('A`)(だとしたら…まずい…)
( ^ω^)「ドクオッ」
(;'A`)「おあっ!」
( ^ω^)「どうしたんだお。早く行くお!」
('A`)「ああすまない。行こう」


27 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:01:10.52 ID:Sh0BO94f0




ヽ(・∀ ・)ノ「あいつら足はえーなー。どっち行ったんだ?」
(´・ω・`)「ばっかもーん!それがルパンだー!追えー!」
ヽ(・∀ ・)ノ「うっひょーい追え追えー」

28 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:02:43.10 ID:Sh0BO94f0




天「…」
(;゚∀゚)「…」
チーフ「ほう。たったこれだけの人数で我々を迎え撃とうとしたのか」
('(;゚∀゚∩「ひいい…」
チーフ「だが我々の兵の数十人は一瞬にしてやられてしまったわけだ。人間にしてはやるようだな」
餃子「…」
チーフ「あの光線を放ったのは誰だ?そこの魔術師の女、貴様か?」
ξ゚听)ξ「あら、光栄ね。でも残念だけど私じゃないわ」
天「俺だ」
天津飯が名乗りをあげ、チーフの前に立ちはだかった。


29 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:04:05.70 ID:Sh0BO94f0
チーフは一瞬、目を丸くさせた。
チーフ「ほう…貴様か。…これは意外だな」
天「人を見かけで判断するものではないぞ。来るなら来い。町には一歩たりとも入れんぞ…」
天津飯は槍を構えた。
( ゚∀゚)「お…おい…あんた…。奴を槍で倒そうってんじゃ…」
天「ああ。そのつもりだが」
(;゚∀゚)「駄目だ!奴はそんなんじゃ…倒せない…」
天「ただではやられんさ。まあ見ていろ。さあ、来い…」
チーフ「……」
天津飯の額に汗が光る。
天「どうした…。来ないなら俺から行くぞ?」


30 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:07:00.11 ID:Sh0BO94f0
チーフ「ふん。武術は大した腕ではないようだな」
天「何だと…!?」
天津飯は三つの目を大きくさせながら、額に皺を寄せた。
天「や…やってみなければわかるものか!」
チーフ「やらなくともわかる。例えば…その構えだ。全くなっていない。それに目つきから自信が感じられん。どうやら貴様ではこの俺を楽しませてくれそうにないようだな…」
天「う…く…」


31 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:07:36.45 ID:Sh0BO94f0
図星だった。
気孔砲の特訓に時間を費やした天津飯には、槍術を訓練するほどの余裕はなかったのである。
天「かあっ!」
天津飯は半ばやけでチーフに刺しかかった。…が、簡単にかわされてしまった。
チーフ「やはりな…。もう貴様には興味ない。恥を捨てて逃げるか俺に殺されるか選べ」
天「お、おのれ…!」
更に天津飯は槍を振り回し、チーフに襲いかかった。
チーフ「もっとも…」
天「な…!」
今度はチーフは避けようともせず、槍は腹に深々と突き刺さった。
チーフ「もっとも…いくら槍術が優れていたところで、俺を殺すことはできんがな」


32 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:08:39.17 ID:Sh0BO94f0
当然、意に介した様子はない。チーフは手刀で槍をへし折り、自らの体に刺さった刃を引き抜いた。
天「う…あ…」
チーフ「貴様にはがっかりした。もう死ね」
そして、その刃を天津飯に向かって投げつけた。
天「む……無…念…」
うなだれ、目を瞑る天津飯。
が。
次の瞬間の音は、肉に刃が刺さる音ではなく、金属と金属がぶつかり合う甲高い音だった。
( ゚∀゚)「そうはさせねえ。俺たちを忘れてもらっちゃ困るぜ」

33 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:12:18.02 ID:Sh0BO94f0
地面には槍の刃、そして小さなナイフが転がっている。
チーフ「ほう…なかなかやるな。…どこかで見た顔だな」
( ゚∀゚)「昨日会ったばかりだ馬鹿」
ジョルジュは少しムッとしながらも答えた。
チーフ「昨日……あの時のか。それは悪かったな。なにぶん暗かったものでな」
( ゚∀゚)「はん、今度はきちっと顔を覚えてもらうぜ。あの世に行っちまう前によ」
チーフ「笑えない冗談だな」
ξ゚听)ξ「冗談かどうかは」
チーフ「む…」
ξ゚听)ξ「私達に勝ってから判断して欲しいわね」
チーフ「ほう…」
餃子「僕もたたかう!」
門番兵B「た…TNOKの相手するよりゃマシ…かな…?」
天「俺もまだ…やれるぞ…!」
('(;゚∀゚∩(にげちゃだめだにげちゃだめだにげちゃ……)

その場にいる各々が戦闘態勢に入り、空気が張りつめる。

チーフ「ふん。さっきよりは楽しませてもらえるか…」


34 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:13:32.13 ID:Sh0BO94f0





その頃…。

町人A「おい!聞いたか!?」
町人B「ああ…オーガの大群がこの町に攻めてきてるとか…」
町人C「たいへんたいへん!どうしよぉ!」
町人D「まだこんなところで死にたくないだスよ!」
町人E「メタナイト様、いかがいたしましょう?」
町人F「え?あ、いや…どうしましょう…」

プラボカに異変が起こりつつあった。
アズマと門番兵Aによって知らされた、プラボカの危機。
海賊の横暴を避けるために家に閉じこもっていた人々であったが、家を飛び出し、真相を確かめるべく、同じく外に出ている者と情報交換を始めたのだった。
また、未だそれを知らされていない町人も、やがて外の異変に気づき、情報収集のために家を出たのだった。

36 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:14:22.06 ID:Sh0BO94f0
このような状況において、噂が拡がるのはとても早い。

異様な叫び声、凄まじい足音を耳にした者、実際にオーガ達の行軍を目撃した者…
噂はやがて事実と認定され、人々は町を守るべく、闘いの準備を始めるのだった。

勿論、この男達も例外ではない。


37 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:16:03.12 ID:Sh0BO94f0
海賊某「オーガ・・?“上等”だぁ・・!」(ギリッ
海賊某「こかぁ俺らの“町”(シマ)だ・・誰にも“献上”(クレ)てやるつもりぁねぇなァ・・!?」(ヒクッ
海賊某「オゥ・・木刀持って来いや・・!?」


TNOK「へへっ。こいつらも随分“ゴキゲン”みてぇだな。よぉしヤムよ、一発“ビッ”と決めてくれや」
ヤム「団長はどうしたんだ?」
TNOK「さっきの奴らを追って行っちまった。だからよ、頼むぜ。おぅ早くしろよ」
ヤム「わかったからせかすな」


38 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:17:51.14 ID:Sh0BO94f0

              「おぅテメェら!!」

海賊「!?」

ヤム「これから俺らぁオーガ相手に“ブッ込”みにいくんで夜露死苦ゥ!」

海賊「夜露死苦ゥ!」

ヤム「俺らがこの町を守っていくんで夜露死苦ゥ!」

海賊「夜ォ露死苦ゥ!!」

ヤム「よーし!それじゃ“出発”(デッパツ)すんぜ!気合い入れて着いて来いやぁ!」
海賊「オオゥ!!」


39 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:18:45.85 ID:Sh0BO94f0




(;^ω^)「はぁ…はぁ…もう少しだお!」
('A`)「ああ…」

('A`)(さっきの光…。あれが、親父が昔言ってた、最上位白魔法『ホーリー』…なのか?いや、白魔法にしてはどこか違和感が…。一体…)






40 名前: ◆0q32MjEv.A 2007/02/12(月) 23:20:39.58 ID:Sh0BO94f0
(´・ω・`)「俺とぉこの子のすとぉりぃ〜〜〜〜〜パート1」
ヽ(・∀ ・)ノ「静かにしてぇ!静かにしてぇ〜〜!」


第十一話 終わりましたよ

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