3 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:17:28.44 ID:b/MaS/aA0
( ^ω^) ブーン(19)
普段は大学生。
携帯FF版をプレイ中になぜかFFの世界へ飛ばされ、光の戦士となる。
おとなしい性格だが、やるときゃやる。

('A`) ドクオ(18)
普段は最先端のファッションをキメる童貞。
ブーンと同じ大学に通っている。だが、FFの世界ではブーンを知らない。
職業は白魔術師で、パ〇ウェーブ信者みたいな格好をしている。
父を越す白魔導師になるべく、修行中。
真面目な性格の熱い男。英語でホットガイ。

4 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:18:30.04 ID:b/MaS/aA0
( ゚∀゚) ジョルジュ長岡(21)
『サスケ盗賊団』の一員。
仲間への闘争心から、お宝を求め『きれいなお城や古い遺跡がある』南方へ旅立つ。
船が沈んだり、サスケから託された刀を海底に落としたり、ガーランド事件に巻き込まれたりと不運な男。
ブーンが持つクリスタルを狙っていたが、ツンに惚れ、仲間になる。

('( ゚∀゚∩ モツ煮(13)
ゴブリン。ジョルジュに脅され、無理やり仲間として同行させられることに。
性格はかなりチキンで、自分より強い者に「NO」と言えない。

5 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:19:44.23 ID:b/MaS/aA0
(´・ω・`) ショボ(享年21)
元コーネリアの兵士。
セーラ姫が誘拐された際に、捜索隊の一員として参加。第二部隊の隊長を務めるも、ガーランドに惨殺される。
その後、ドクオの闘いっぷりに惚れ込み、ドクオの守護霊としてブーン達の旅に付いてくることになる。
自分のことをドクオのスタンドと言い張っているが、その存在のウザさは背後霊以外の何者でもない。

ξ゚听)ξ ツン(17)
黒魔術師。
伝説と言われた魔女、マトーヤの孫にして、ダディの娘。
ドクオが絶賛するほどのすさまじい魔力を持つ。
8 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:28:43.02 ID:b/MaS/aA0
>>6はミス。見なかったことにして。修正。
    ,、                            ,,r‐---、,_ .,=@ 
    .|`゙'ー、,、                        ,/゜    ,/”,メ-,,、 
    l゙   `'''ー、,,,                _,,,,,,―ー'''",,,-┤ .,/ .│  │ 
    `''ーi、    │广''ー、  __,,,,,-‐'''゙二r‐-x、  .l゙  l ,i´ 丿   | 
      |  .广''''","   ゙l-ーl" .│ ,/゜_,,,,、 │ l゙  | ,/ /′  ,i´ 
.,,,,,,,,,,,,,,,,,,|  ,ド''゙゙゙`l゙ .,、 ││ │ ,/` ,r'"  ゙l  │ l゙  l,i´ .,/   ,,i´ 
     │ l゙   .l゙ .l゙|  .|.l゙  l゙ /` .,/   ,!  .l゙ ,l゙  ″ /`  .,,i´  
     .l゙ .l゙   ,l゙ / ゙l  .″ / .l゙  l゙   ./  ,l゙ ,i´ .,、 │ .,,r″   
     l゙  |   .|  |  |   ,i´ |  ゙l_ ,,/ ,ん┤ /゙l  .T"`     
    .|  l゙   l゙ .l゙  │  /  \,、 `^ ._,/` │ .│ |  |      
    l゙ .|   .|  l   .―''″._,,,,--'““''~`   .(,,,,_l゙  ゙l  .|      
    │ .l゙   ←″ _,,,,―¬"゛           `  !,,、.|      
   ,,,|,,-←―''''" ̄^                     ゙゙''"     

TNOK(28)

MTNK海賊団の幹部。鉄砲を武器に闘うホットガイ。
一部からは『ホモの申し子』や『ガチホモのTNOK』などと呼ばれており、その地位と
>>893の様な凄みのある風貌で、ノンケを脅し、四つん這いにさせるのが趣味。
腸を鍛えるのが日課。結果、銃弾を食らっても平気なまでになった。
“クルルァ”が口癖だが、ベンツは持っていない。
しゃぶれだァ!?コノヤロウ!!てめぇがしゃぶれよ!!
TNOK: 
ttp://web.archive.org/web/20030417111959/globalgaydiscs.com/babylon3401.jpg
川井俊一: 
ttp://www.fujitv.co.jp/sports/volley/fns_caravan2005/photo/s_kawai.jpg
7 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:25:57.27 ID:b/MaS/aA0
                 ,;'"             ` 、
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             l,. l.Yユj  ヽ_____゙'_>;,!、,ヘ`",.:::'"  ! j`"..'
             .\ ヾ .`i,, ;--‐‐‐" `" `--‐‐",;イ (;;",.'
              ,l`,_ , l ゙!   _,,,.ヘ'"/` ...,,,  l-‐'"
                 "l   ',,,,,,,!´、l,.`j_;y^j;;  l
                  l  l ;'ヘ三三二ニ-'',;  l
                   \ !;;   .,;;,.   ; .j',;
..                    \    l!    /   
                      .\..,____"_,.../

オーガ

プラボカ地方一帯に広がる森を縄張りとする巨人族の魔物。
縄張りに立ち入る者を容赦なく攻撃する。
ナッパ。
9 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:30:20.43 ID:b/MaS/aA0
   ' , \、 、|       ヽ   l / /    ヽ,   / /  /
  ``ヽ  ヽヽ! ,      ヽ  i/ , '     !/ /  /
  、 ヽ\ ` l_/ /`ヽ、   ヽ/ / ,. ' ´ヽ l ,'/'´   /__
  、 ヽ、 ,へ、/ ,ヘ``ヽ、ヽ. ` / /,. -‐,´ _!,-、 / /'´/
 ヽ\`` l l^ヽ,',  ',  oヽ`、} レ/o   ,'  〉"^l//'´/
   \、 l l r' ',  ー―‐",`ー´`ー―‐'  //_',/_,. -;ァ
    ,.ゝ-\ー、 ','"""""  ノ_ ゛゛゛゛` /'_j /  /
    ``,ゝ-ゝ、_',      _____,    /-/_/
     ´ ̄``ー,ヘ    `====    /=''"´
          ,'、 `ヽ、,:' -‐-  , '``>、
         ノ`::ー-、_\__,/_,. ::'´:::::冫二ニ77ー-
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オーガチーフ

プラボカ地方のオーガ達をまとめる存在。
縄張りに入った者を攻撃する点はオーガと同じだが、時には使えないと判断した仲間の命をも簡単に奪う。
ぶっちゃけ緑色のベジータ。ピッキータとは関係ない。
参考:
ttp://kei6255.fc2web.com/nounai/24.htm
10 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:36:36.36 ID:b/MaS/aA0
第十話


コーネリア地方からプラボカ地方にかけて深く生い茂る森。
その中で半径20Mほどの、ぽっかりと穴が開いたように木々が途切れ、ただ土のみが存在する空き地がある。

ここは、プラボカ地方一帯に生息するオーガの専用の集会場。
森中(もりじゅう)から続々と紫色のナッパ――オーガ達がここに集まり、集会場の中心に立つオーガの長、オーガチーフを囲み、演説の始まりを今かと待ちわびている。
――いや、オーガ達が待ちわびているものは、演説の『開始』ではなかった。

この日の早朝に森中に響き渡った、チーフによる『集合』の雄叫び。
この雄叫びが意味するのは、たいていはだらだらと長い退屈な演説があるということ。


11 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:37:18.62 ID:b/MaS/aA0
一度、チーフは何をとち狂ったか『おいしいお好み焼きの作り方』なる演説をしたことがあった。
チーフがハイテンションかつ熱くお好み焼きについて語るというものだったのだが、結局はそれも退屈に変わりはなく、山芋を入れると美味しいという無駄な知識が身に付いたに過ぎなかった。

当然、今回もそれらを思い出していたオーガ達の足取りは重く、会場では既に居眠りする者もいた。
そう。オーガ達が待つものは演説の『開始』ではなく、退屈の『終了』であった。

その間も、オーガ達は続々とやってくる。
空き地は既に紫色で埋まりつつあり、会場に入れぬ者は場外からの立ち見を余儀なくされた。


12 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:39:04.46 ID:b/MaS/aA0
やがてチーフは頃合いを見計らい、おもむろ口を開いた。

チーフ「さて…貴様ら、よく集まってくれた」
チーフの声が会場中に響き渡る。彼にはマイクも拡声器も不要だった。
ざわついていた会場は、水を打ったかのように急に静かになった。
チーフ「…今回貴様等に集まってもらったのは他でもない。昨晩の事件についてだ…昨晩、我等の同朋が三名、人間によって殺された」
会場にどよめきが起こった。
チーフ「人間如きにやられるのも情けない話だが、重要なのはそんなことではない」
チーフは目の前にいるオーガを指差した。
チーフ「そこの貴様。我々には人間の住む里を簡単に滅ぼせる力がありながら、あえて人間社会には一切干渉していない。何故か知っているか?」
14 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:42:19.81 ID:b/MaS/aA0
指名されたオーガは、突然のことに少し動揺しながらも答えた。
オーガ某「あ、ああ。昔、人間と協定を結んだんだっけか?俺らは人間の住む地には干渉しないから、人間達も俺らの縄張りを荒らすなって」
再び会場がどよめいた。この場でこの事実を知った者は少なくないようだ。
チーフ「そうだ。反戦派だった俺の先祖が人間との話し合いで決めたことだ。お互いの平和を尊重してのことらしいが…
     当時は批判の声が大多数だったようだ。考えてもみろ。暴れることを好む我が種族から暴力を取ったら何が残る?
     結果、我らオーガは弱体化し、腑抜けになった。こんな協定がなければ、今回の事件でも人間などに殺されることはなかったはずだ」
会場「……」
チーフ「だが、今回の事件は人間が協定違反を犯したことを意味する。……俺はこのような事件を心待ちにしていた」
オーガ某「…まさか」
会場に今までにない大きなどよめきが起こった。
チーフの顔に笑みが浮かぶ。


15 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:44:18.25 ID:b/MaS/aA0
チーフ「これほどの好機はない。こんなクソッタレな協定を白紙に戻すためのな。……これより、我々は人間の里へ報復に向かう」
どよめきは更に大きくなる。
チーフ「俺は思う!我々オーガは今の状況に甘んじたままでいいのだろうか!違う!
     我々は常に暴力を好み、弱者から搾取する立場でなければならない!その弱者にやられるなど以ての外だ!異論はあるか!?」

……異論を唱える者は現れない。

チーフは大袈裟な手振りで更に続けた。
チーフ「そしてこれから行う行為は協定違反を犯した人間への報復であり、我々の同朋の復讐であり、そして我々の本来の姿を取り戻すための正当な闘いだ!!
    てめぇら、何の遠慮もなく暴れやがれ!溜まりに溜まった鬱憤を吐き出せ!そして腹一杯人間を食らうがいい!!」
どよめきはやがて歓声へと変わった。興奮を抑えきれずに立ち上がる者もいた。
チーフ「一時間後にここを出発する!準備を整えたら再びここに集合しろ!では解散!!」

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!

会場のテンションは最高潮に達した。
半径20Mは総立ち状態となり、大歓声が湧き上がった。地響きが起こり、木々が大きく揺れた。

ブーン達がプラボカに到着する四時間前のことだった。


16 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:46:47.07 ID:b/MaS/aA0
???「待ってたぞコノヤロウ!」
( ゚∀゚)「っ!この声は…」

場面と時間は戻る。
ここは、港町プラボカを支配した海賊団のアジト前。

宿屋の扉が開き、二人の男が出てきた。
TNOK「よおてめぇら。さっきはクルルァで世話になったな」
一人は、先ほどあずま食堂の前で一戦を交えたTNOK。額には包帯が巻かれ、血が少し滲んでいる。
TNOK「部下に任せてみりゃ…このザマだ。さっきの闘いっぷりといい、おめぇら多田野…いや、ただ者じゃないな?」

TNOKは先ほどより1.5倍の大きさはあろう、ごつい鉄砲を手にしている。


17 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:47:19.79 ID:b/MaS/aA0
そしてもう一人は、初めて見る顔。
(´・ω・`)「あら…いい男じゃない…」
ショボは思わず声に出して呟いた。
無理もない。その男は稀に見る美形なのだから。

('A`)(…でも何でオネエ言葉なんだ?)
川´・ω・`)「あら…?文句ある?」
(;'A`)「な…?!いや、っつーかそのカツラどっから持ってきた?」


18 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:49:30.83 ID:b/MaS/aA0
            ___   ,,.......、 ヽ, 、
          / r''`,r'"    `ヽ) ヽ , - 、
         /   レ"          '"∠⌒`
       , -、!                 、゙ヽ
     /                     ヽ`!
    /⌒>                     ゙、
     /                       ',
    /                         !
    i  /       ,i! ハハ   ,!i        ,'
    '、 {!, i      ,! l l l .l  /! l  ,ィ     /
    `ヽ! ヽj、     H,,!、! .l /'! l ,!-j/jノ  i
         `'!,   i !r',.、\l/  jノ∠゙`'l i   '、  )ヽ
     /(   j  (i i `''゚`''` ー'''"゚-" / l)   `'''゙ノ
    (  `''-'"   '! ハ     j     /l .!     `ヽ
     `>      V ゙\  ー - ,/ V       `ヽ
  ,r''~ ̄    / ,'    | `''− ''" |  _ ヽ  `:、   !
 /,r'7     ,' ハ(ー'゙r`┘、__  __,, ゙くノ ヽ__i   !  ハj
 '、! !____r''T"!、 ! `ー' l----------/   ,/  ,イト:、 ノ

とがった顎。綺麗に通った鼻筋。釣り上がった、狼のような鋭い目。ウェーブした癖毛を肩まで伸ばした髪型。
どれを取っても文句のつけようがない容姿だ。


19 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:50:09.18 ID:b/MaS/aA0
男「俺はヤム。MTNK海賊団の幹部だ」

ヤムと名乗った美青年は、TNOKに『任せろ』とだけ言い、長髪をなびかせながらゆっくりとブーン達の側に近付いてきた。
近付いてきただけで分かる、強者が放つ独特のオーラ。ブーン達は皮膚を通して敏感にこの男の強さを感じ取った。
ヤム「さっきはTNOKが世話になったみたいだな。礼をさせてくれよな」
ヤムは背中に担いだ大ぶりの片刃の刀――青竜刀を鞘からゆっくりと抜き、ブーン達一人一人を見据えた。
ヤム「さて、誰から遊んでやろうか…な」
ヤムの顔に笑みが浮かぶ。
( ^ω^)(………)
( ゚∀゚)(鋭い目をしてるな…)
('A`)(ぬう…)
('(;∀∩(ううっ…)
川´・ω・`)(美青年≦ガチムチ兄貴)
ξ゚听
)ξ「ここは私に任せて」


20 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:51:16.62 ID:b/MaS/aA0
「え?」

皆の視線が一斉にツンに集まる。
その視線を押しのけ、ツンはヤムの前に立った。
(;^ω^)「ちょ、ツン!?」
ξ゚ー゚)ξ「大丈夫よ。任せて」
ヤム「……悪いが俺には女を一方的にいたぶる趣味はないんだがな」
ヤムは腕を軽く前に突き出しながら手首を上下に動かし、ツンを払うそぶりをした。
だがツンは下がろうとしない。
ξ゚-゚)ξ「何よ。もう勝った気でいるの?闘ってみなきゃわからないでしょ」
ヤム「ほう。女、お前はそんなに天国を旅したいか?」
ξ゚听)ξ「案内人があなたじゃ役者不足ね」
ヤム「ふう…」
ヤムはやれやれといった表情と手振りををした。
ヤム「そうか…。それじゃこれを見てからでも同じことが言えるか?いくぞ!!」
ξ゚听)ξ「…?」
22 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:53:00.44 ID:b/MaS/aA0
ヤムは掛け声と共に突然、ヒュンヒュンと空を切る音を響かせながら、目の前の空気を相手に様々な形で刀を振るい始めた。

ヤム「フン!フン!シッ!ヤッ!!ハッ!ハハッ!フッフッ!アーイ!!」

(;^ω^)「……」
(´・ω・`)「カプンコの黒歴史ktkr」

相手が目の前にいるかの如く刀を振るうヤムのそれは、剣道や空手で言う、決まった動作を行う『型』よりはむしろ、相手がどう動くかをその場で想定し動作する『シャドウボクシング』に近い。
ヤムの刀さばきはまるで、少林寺を題材にした映画の主人公の如く速く、力強く、それでいて華麗だった。
ブーンは思わず、そのあまりの美しさにため息をついてしまった。

(;^ω^)「す…凄いお……!」(なんとなくダサかったのはとにかく)
(;゚∀゚)「ツ…ツンさん…」
24 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:55:15.32 ID:b/MaS/aA0
ヤム「ふぅ…。どうだ女。これでも俺とやるつもりか?」
ヤムは勝ち誇った顔でツンを見下した。
ブーン、ドクオ、ジョルジュ、そしてモツ煮はヤムに完全に圧倒されていた。
あのガーランドやダディほどの衝撃はなかったものの、ハンデ無しの闘いで彼らがこの男に勝てるかは疑わしいだろう。

しかし、ツンは表情一つ変えない。

ξ゚听)ξ「いいからかかってきなさいよ。空気と闘ってて楽しい?」
ヤム「な……!?」


25 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/01(佐賀県職員) 23:56:04.32 ID:b/MaS/aA0
ヤムは絶句した。

一見して普通の少女が、これを見ていながら何故ここまで平静を保っていられるのか。
やせ我慢をしている様子はない。していれば、それは必ず体の何処かで異変が表れる。
体中が小刻みに震える、常量ではない汗が流れる、顔が強ばる、等。
だが、目の前の少女にはそれが一切ない。
ならば、少女には自分に並ぶ何かを持っているのか。あるいは、“見慣れて”いるのか。

ヤムは、思わず大声で笑い始めた。
27 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:11:24.76 ID:B5qoUZYl0
ヤム「ふふ……ははははーーーっ!!面白い!!!気に入ったぞ女!!!俺の刀さばきを見て驚かなかったのはお前が三人目だ!!!
   いいだろう!!普段なら女相手じゃサマにならないが…特別に俺の最高の必殺技でお前をあの世に送ってやろう!!!!」

必殺の構え。刀を右手に持ち頭上へ掲げ、左手を前方に軽く突き出す。
ヤムはそのまま一気に突っ込み、ツンに襲いかかった。

ヤム「食らえぇぇぇ!!!!必殺、狼牙風風」

ξ゚听)ξ「ファイア」

          トv'Z -‐z__ノ!_
        . ,.'ニ.V _,-─ ,==、、く`
      ,. /ァ'┴' ゞ !,.-`ニヽ、トl、:. ,
    rュ. .:{_ '' ヾ 、_カ-‐'¨ ̄フヽ`'|:::  ,.、
    、  ,ェr<`iァ'^´ 〃 lヽ   ミ ∧!::: .´
      ゞ'-''ス. ゛=、、、、 " _/ノf::::  ~
    r_;.   ::Y ''/_, ゝァナ=ニ、 メノ::: ` ;.
       _  ::\,!ィ'TV =ー-、_メ::::  r、
       ゙ ::,ィl l. レト,ミ _/L `ヽ:::  ._´
       ;.   :ゞLレ':: \ `ー’,ィァト.::  ,.
       ~ ,.  ,:ュ. `ヽニj/l |/::
          _  .. ,、 :l !レ'::: ,. "
              `’ `´   ~

TNOK「や、ヤムーーーーっ!!!」


28 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:13:41.96 ID:B5qoUZYl0
(;^ω^)「……」
(*'A`)「ぷっ」
(´・ω・`)「おい、汚いから片付けとけよ、そのボロクズを(笑)」

TNOKはショボの言葉を耳にもせずヤムの側に走り寄り、しゃがみ込んだ。
体中黒こげで白目を剥いたままのヤムは、傍目では生きているのか死んでいるのかははっきりしない。
だが、どうやらTNOKの反応を見るに、辛うじて息があったようだ。
TNOK「……きっとヤムはいやな予感がしていたんだ…だから(以下略
   クソ…頭になんて言やいいんだよ…」
TNOKは立ち上がり、銃口をツンに向けた。
TNOK「先ずはそっちのてめぇと決着を付けたかったが……女、てめぇが先だ!!行くぞコノヤロウ!今度はさっきのようにはいかねぇ!」

――パァン!

ξ゚听)ξ(大丈夫…!この男の攻撃はもう見た。ブリザドで壁を作れば…)

…ブーン…ブーンブーンブーン…

 ブ ー ン ブ ー ン ブ ー ン

   ブ   ー   ン

ξ゚听)ξ「…!」


29 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:15:06.06 ID:B5qoUZYl0



同時刻…



チーフ「……」
オーガD「はぁ…はぁ…」
オーガE「あとどんぐらい歩くんだ…?」

オーガチーフを先頭に列を成し、歩き続けるオーガ達。
千人以上にも及ぶオーガ達が連なって歩く様は、まるで交通渋滞さながらの壮観な光景であった。

彼らは既に森を抜け、現在はなだらかな丘陵地帯を進んでいる。休みもなしに歩いてきたため、オーガ達には疲れの色がはっきりと浮かんでいた。

やがて、先頭を歩くチーフの目は、遠くにうっすらと浮かぶ人間の住む集落を捉えた。
チーフ「よし…止まれッ!!」
チーフは振り向き、列に向かって叫んだ。同時に行軍をピタリとやめるオーガ達。
チーフ「あと30分ほどで目的地に到着するだろう。到着次第、我々は奇襲をかける。これより30分ほど休憩をとる。歩き疲れた者は今のうちに体力を回復させておけ!」

オーガ達の到着まで、あと一時間。

30 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:16:08.24 ID:B5qoUZYl0



同時刻…




ここはプラボカの正門。鎧を着込み、槍を手にした男が二人いる。

一人が深いため息をついた。

門番兵A「はあ…。言い出せなかった自分が憎い…」
それを見たもう一人はうんざりとした顔をした。
門番兵B「お前まだそんなこと言ってんのか?いい加減に元気出せよ」
門番兵A「でも…あの時に光の戦士様たちに海賊達のことを言ってれば…」
門番兵B「全く…。お前の口下手っぷりにゃお手上げだよ。おまけに人見知りときた。どもらない喋り方ってのをを教えてやったってのに全然役に立ってないじゃねえか。
    まぁ、伝説の光の戦士様のことだ。この町の異変にはすぐ気づくだろ。…いや、光の戦士様じゃなくても気づくと思うぞ」
門番兵A「だといいけど…」


31 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:17:31.51 ID:B5qoUZYl0
しばらく、二人の間に沈黙が流れる。

門番兵A「…そういえばさ」
門番兵B「どうした?」
門番兵A「今日はTNOK来ないね。いつもならこれくらいの時間に来るのに」
門番兵B「そういやそうだな。…まぁ、来ないにこしたことはないだろ」

Bはポケットからタバコ取り出し、口にくわえ、火をつけた。



32 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:18:05.07 ID:B5qoUZYl0
門番兵B「ふう…。鉄砲があんなに怖いもんだとは思わなかったよな。俺らも今度から導入するべきだな」
門番兵A「そうだね。あれさえあればどんな奴にも負ける気がしないよ」
門番兵B「ハハ…そうだな」

Bはタバコの灰を地面に落とし、再び口にくわえた。

門番兵B「ったくあの野郎も無茶言いやがるよな。『死にたくなけりゃ四つん這いになるか金を出せ』なんてよ」
門番兵A「うん…」
門番兵B「俺はそろそろ金が尽きそうだ。マジで四つん這いにならなきゃならないかも知れないな…」
門番兵A「俺もだよ…。嫌だよ、、、ホモなんて…」
門番兵B「ま、来ないんならラッキーさ。さ、仕事しようぜ仕ご…ん…?」
門番兵A「どうしたの?」

33 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:19:47.03 ID:B5qoUZYl0
その時、何かに気付いたBは、前方に見える丘陵地帯を指差した。

門番兵B「おい…あそこらへんの草原見てみ。なんか色おかしくないか…?」
門番兵A「ほんとだ。なんか紫色に染まってるね…」

Aは双眼鏡を取り出し、のぞき込んだ

門番兵A「うん。オーガの群れだよ。それももの凄い数…」
Bも双眼鏡を覗き込む。
門番兵B「うわ、なんだありゃぁ…。オーガの民族大移動ってか?」
門番兵A「だ、大丈夫かな…。こっちに来たりしないかな…」
門番兵B「…まさかこの町には来ないだろ…。多分…。だけどもし、だ。あれが全部こっちに押し寄せてきたら」
門番兵A「……」
門番兵B「プラボカは終わりだな。海賊達もろともだ」
門番兵A「…うん」
34 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:20:32.16 ID:B5qoUZYl0
門番兵B「万が一にも奴らがこっちに来る可能性はある。俺はここで奴らの動向を探る。お前は今のうちに町人や戦士様に知らせてきてくれ。あと非番の二人も呼んでくれ」
門番兵A「わかった」

BはAが町へと消えていくのを見届けた後、双眼鏡を再び覗き込んだ。

門番兵B(ったく…今日はラッキーだと思ったのによ…。あんな数…俺一人じゃ一分も時間稼ぎできないだろうな…このまま奴らがどっかに消えることを祈るしかない…)
Bは短くなったタバコを地面に捨て、火をぐりぐりと踏み消した。


35 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:21:42.92 ID:B5qoUZYl0
ξ;゚听)ξ「ぐぅっ…」
ツンはわき腹を手で押さえながら、唇を噛みしめた。
TNOK「おいどうしたネェちゃん。さっきまでの余裕はどこ行ったんだ?」
勝ち誇った顔でツンを見下すTNOK。
ツンのわき腹には、光る円盤状の妙な物体――小さな円盤状の塊が刺さっている。
ξ;゚听)ξ(大丈夫…。傷は浅い…)
ツンは立ち上がり、物体をゆっくりと引き抜いた。
ξ゚;-゚)ξ「うっ」
物体は引き抜かれると同時に、空気に溶け込むように消えてしまった。

目の前に張った氷の壁は、確かにTNOKの放った弾を受け止めた。
だが、一度の発砲で噴出された『弾』は、一発ではなかった。
妙な音と共に押し寄せる幾つもの弾――円盤状の塊は、数の優勢により氷の壁を砕き、そしてついにはツンのわき腹に達したのだった。


36 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:27:21.55 ID:B5qoUZYl0
(#゚∀゚)「てんめえええええええええええええ!!!」
ξ;゚听)ξ「!」
その時。
ジョルジュはいつの間にか取り出していたナイフを手に、TNOKに飛びかかった。

               /
  −=≡     _ _ ∩
 −=≡    (#゚∀゚)彡 
−=≡    ⊂--⊂彡
 −=≡    ( ⌒)
  −=≡   c し'


(#゚∀゚)「よくもツンさんをおおお!切り刻んでやるぁぁぁああああ!!」
TNOK「コノヤロウ!お前も餌食になりたいのか!?」
TNOKは銃口をジョルジュに向け、引き金を引いた。
38 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:33:58.16 ID:B5qoUZYl0
…ーン

…ブーン…ブーン…

ブ ー ン ブ ー ン ブ ー ン

先ほどと同じく、鉄砲では有り得ない音が鳴り響く。
(;^ω^)「…!」

  −=≡    _ _ 
 −=≡   (;゚∀゚)   ⊂二二⊃三        
−=≡   ⊂  ⊂                   ⊂二二二⊃三   
 −=≡   ( ⌒)            ⊂二二⊃三
  −=≡  c し'       ⊂二二二⊃三

一瞬、ブーンの脳裏にダディの最期が浮かび上がり、現在の状況と重なった。


39 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:35:25.12 ID:B5qoUZYl0
ξ゚听)ξ「…ブリザドっ!」
ツンは反射的にブリザドの魔法を唱え、自分と同じくジョルジュの前に壁を作った。
( ゚∀゚)「……!」
だが、噴出された弾の数はツンの時よりも圧倒的に多く、氷の壁は難なく突破された。

( ゚∀゚)「ぐほっ……」

次の瞬間、ジョルジュの体には円盤状の塊が無数に突き刺さっていた。

('A`)「まずい!!」
ドクオとブーンは慌ててジョルジュの側に走り寄ろうとした。


40 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:38:52.88 ID:B5qoUZYl0
だが、二人の肩をつかむ手。
   /,r',.-_‐_‐_‐_‐_-_-、ヾ ヽ ヽ丶、`ヾ 、ヽ
  /(.'´_-_‐_‐_‐_-_-、ヾヽヾ ))) ), )) ) )),)))ヘ
 l(i,i'´⌒ヾトヽ、ヾ ヾ ヾ ))_,ィ,'イ」〃川 jノjノjノ}
 !iゝ⌒))}!ヾヘヽ ),ィ_'イ」〃'″  フ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
 ヾ、ニ,,.ノノ〃ィ"::::::::::::::     /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
    ̄`i7 ´   :::;:::、:::.    〈;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!
     〈‐─一''''バ `'''ー─‐ ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;l
      }、_,.-。-、 :::: ,.-。‐-、_,  ヾ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;!    
      !` ̄ ̄´ノ  ` ̄ ̄´   丁j`l;;;;;;;;;;l    
      l    (",、         ''´,/;;;;;;;;;;l
      .l    _...___       `<;;;;;;;;;;;;;ノ
      l   'r二ニヽ      八;;;;;;;;;;;;;〈
       '、   ー- ‐′    / ゙!゙!゙!゙!゙!゙!゙!
       ヽ         /    ゙!゙!゙!゙!゙!゙!
        ヽ、     ∠____゙!゙!゙!゙!゙!゙!

海賊「待てや・・!俺らも“面子”(プライド)ってもんがあってよ・・あれで“終わり”(ジエンド)ってわけにはいかねぇんだヨ・・!」
海賊「遊ぶならよォ・・もう少し俺らと遊んでくれや・・!?(ビキビキ」

先ほど打ち倒したはずの海賊が数名、ブーン達に立ちはだかったのだった。

('A`)「どけ!今はそれどころじゃない!」
海賊を押しのけようと叫ぶドクオ。だが当然、海賊達は道を開けようとしない。
42 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:40:02.13 ID:B5qoUZYl0
仕方なくドクオはハンマーで海賊に殴りかかった。だが…
海賊「オルァ!」
それをかわされ、逆に木刀で額を割られてしまった。
('A`)「な!?…オフッ…」
がくがくと膝を震わせ崩れ落ちるドクオ。深刻なダメージを食らってしまった様だ。
ブーンも剣を、攻めかかる。それを日本刀や木刀で応戦する海賊達。

( ^ω^)(こいつ…さっきとはまるで別人だお…)

気合いが入ったためか、先ほどより数段上の動きをする海賊達。まるで別人の様な相手に、ブーンは驚きを隠せなかった。

(;^ω^)(まさかクリムゾン化…?そうだお!灯油をかけて燃やしておけば良かったのかお…)
(;^ω^)(ってことはこいつらはゾンビってことかお!噛まれたら一貫の終わりだお…!)

冷静さを欠き、明らかに間違った発想をし、一人で納得するブーン。
('(;∀∩「あぅ…」
モツ煮はあっという間にやられてしまっていた。

(;^ω^)「まずいお…。これじゃツンを助けに行けないお…」


43 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:41:41.48 ID:B5qoUZYl0
ξ゚听)ξ「……」
TNOK「へっ。やるじゃねえかあいつら。これでゆっくり止めを刺せるわけだ」
ξ゚听)ξ「……」
TNOK「オメェが男なら、四つん這いになりゃ許してやるんだが、あいにく俺は女には興味ねぇ。残念だったな」

TNOKはゆっくりとツンに照準を合わせた。

ξ゚听)ξ「……」
この時、ツンはあることを思い出していた。








44 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:43:05.69 ID:B5qoUZYl0
        ___  o
       ( ;;;;;_;;;;; )/'''
     丶.-'~;;;;;;;;;;;;;;~'-、
    /~;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;,ヽ、
   ,;';;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヽ、
  ./;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ヘ
  l;;;;;;;;;'   ~''''''''''~    ';;;;;;;;l
  .l;;;;;;;;;;            ;;;;;;;l
  l;;;;;;;;;;'            .;;;;;;l
  k;;;;;;;'  ''''''     ''''''''   ;;;;;l
 ヘ ヽ;;  (●),   、(●)、.::;; ノ
   ∧.   ,,ノ(、_, )ヽ、,,   l 
  / キ   `-=ニ=- '   /ヽ、
 ./   ヽ 、  `ニニ´  /   ヽ
 /    ヽヽ、_ ___ /      |

       `\\//       
マト「いいかいツン。魔法使いってのはね、常に冷静じゃなきゃいけないんだ」


45 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 00:43:58.96 ID:B5qoUZYl0
ξ゚听)ξ「突然どうしたの?おばあちゃん」
マト「魔法使いは戦士と違って、闘いに参加できる回数に限りがある。見境なくただ魔法を連発していても勝利なんて掴めっこない」
ξ゚听)ξ「……」
マト「皆がカッカとしている中でも、常に後ろで冷静な目で周りを見渡し、ここぞというときに魔法を使う。それこそが一流の魔法使いってもんさ。わかったかい?」
ξ゚听)ξ「それ何かの漫画で読んだ気がするんだけど…。確かダイの大…」
マト「さ、ご飯にしようかね。ツンや、手伝っておくれ」





10 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:45:43.04 ID:eEVxmA1W0
ξ゚听)ξ(常に冷静に…か)
TNOK「おい!聞いてるのかコノヤロウ!」
ξ゚听)ξ(この状況を突破する方法は必ずある…何か)
TNOK「……」
ξ゚听)ξ(今からじゃろくな魔法を練れやしない。ならば弱い魔法でどうにか突破する方法を…)
TNOK「舐めやがって…」
ξ゚听)ξ(そうだわ!もしかしたら…)
TNOK「まあいい」
ξ゚听)ξ(リスクが高いけど、やらないよりはマシね……頼むわ)


11 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:46:32.08 ID:eEVxmA1W0
TNOK「死ね!!」
TNOKが引き金を引こうとしたその時。

    (・ω・` ) 
      (⊃⌒*⌒⊂)
        )   )   
       (   )
        \/

(´・ω・`)「呼んだ?」
TNOK「うおっ…!?」(汚い穴だなぁ…)
何もない空間からショボが突如現れ、TNOKの目を塞いだ。


12 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:48:00.14 ID:eEVxmA1W0
ξ゚听)ξ「今だわ!サンダー!」
すかさず魔法を唱えるツン。手にした杖から雷がほとばしる。
TNOK「ぐわおおおおおおおお!!イグッ!イグッ!イグッ!アッー!アッー!アッーアッーァッ-…」

雷はTNOKの体を何度も貫いた。彼は何度か唸り声をあげた後に、そのまま白目を剥いて気絶してしまった。

(´・ω・`)「卑怯とは言うまいね」
ショボの『心を読みとることができる能力』。
それに薄々気が付いていたツンは、心の中でショボを呼びかけ、作戦を伝えていたのだった。
ツンの賭けは成功だった。
14 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:48:52.88 ID:eEVxmA1W0
ξ;゚ー゚)ξ「ふぅ、なんとかなったわ。ありがとショボ」
川´///ω///`)「べ、別にあんたのためにやったんじゃないんだからね!!」
ξ゚听)ξ「ちょwwwwwwwそれ私の専売特許wwwwwwwww」





(´・ω・`)「あぁ、すまない。この作戦はこれが最初で最後だ」
ξ゚听)ξ「えぇどうして?」
(´・ω・`)「どんな敵でも簡単に倒せちゃうからよ。太陽拳+気円斬なみの反則技じゃない」
ξ゚听)ξ「それもそうだけど…勿体ないわね」


15 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:51:23.02 ID:eEVxmA1W0
(;^ω^)「灯油…灯油…ガソリン…ガリクソン…清原…」

海賊達をどうにか倒し終え、夢遊病患者のようにふらふらと歩くブーン。口元からは何やらぶつぶつと独り言が聞こえる。
それに気付いたツンは驚き、慌てて声をかけた。
ξ;゚听)ξ「ちょ、ブーン!!どうしちゃったのよ!?」
(;^ω^)「灯油だお!ゾンビは燃やさなきゃまた起き上がってくるお!汚物は消毒だお!」
ξ;゚听)ξ「ゾンビ?何言ってるの。そんなのどこにもいないわよ!」
(;^ω^)「ひいいいいいいいい!クリムゾン怖いお!赤くなって追いかけてくるお!媚薬使いのクリムゾンとは関係ないおおおおお!!」
ξ;゚听)ξ「……」
(´・ω・`)「駄目だ。この目は完全にイっちゃってる目でごわす」
(;^ω^)「いやあああ来ないでええええええ!!!!」
ξ゚听)ξ「仕方ないわね…。ブーン」
(;^ω^)「何だお!?僕を止めるんじゃないお!ああ!あそこにリッカーが…」

ξ゚听)ξ「サンダー」

(;゜ω゜)「あおおおおおーっ!!?」


16 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:52:27.70 ID:eEVxmA1W0





(;^ω^)「海賊と闘った時の記憶がぜんぜんないお…」
ξ゚听)ξ「まったく…どうしちゃったのよ。クリムゾンがどうとか言ってたわよ」
(;^ω^)「クリムゾン…?全然わかんないお…」
ξ゚听)ξ「ふぅん…」
(;^ω^)「クリムゾンと言えば、GCのバイオでクリムゾン化したゾンビが倒せなくて、何度も何度もゲームオーバーになってトラウマになって、挙げ句の果てには夢の中にまで出てくるようになったことがあるけど…それとは関係ないだろうし…」
ξ゚听)ξ(なるほどね)
( ^ω^)「はっ。そ、そういえばTNOKはどうなったお!?」
ξ゚ー゚)ξ「何とか倒したわ。ショボの助力があってのことだけどね」
( ^ω^)「凄いお!!さすがツンだお!!」
ξ///)ξ「べ、別にあんたに誉められても嬉しくないんだからね!!」
(;^ω^)「……」

(´・ω・`)(やっぱり本場は違うなぁ)


17 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:56:44.07 ID:eEVxmA1W0
( ^ω^)「さ、いよいよ中に突入といきたいところだけど…」
ブーンは仲間一人一人を見た。

ドクオは未だに目を覚まさない。
ジョルジュは体中にTNOKの攻撃を受け、重傷。
モツ煮は海賊にリンチされ、重傷。
ツンは軽傷だが、無理をできる体ではない。

――全員が、何らかの傷を負っている。まともに闘えるのはブーンだけ。ショボ?何それ。おいしいの?
(´・ω・`)「おいしいよ」
(;^ω^)「う…。とにかく、みんなはもう休んでてお。ここからは僕一人に任せて欲しいお」
ξ゚听)ξ「私ならまだ大丈夫よ」
( ^ω^)「駄目だお。軽い怪我とは言っても無理は禁物だお。ツンにはここで休んでるお」
ξ゚听)ξ「でも…」
( ^ω^)「いいからここにいるお」
ブーンは少し強く言うと、ツンは黙り込んでしまった。
勿論、ツンの体を気遣ってのことなのだが

(;^ω^)(僕が主役なのに全然目立ってないお…)

何よりもその思いが強かったからであった。


18 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:58:14.49 ID:eEVxmA1W0

門番兵B(動き出したな…。なんてこった…こっちに向かってきてやがる…)

再び場面は変わり、プラボカ正面門。

双眼鏡を覗くBの額に汗が光る。
門番兵B「やっぱり奴らの目的はこの町なのか…?」

???「B」

門番兵B「…!」
自らの名を呼ぶ声に、Bは振り向いた。


19 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 23:59:44.01 ID:eEVxmA1W0
            _ .- ──── -、..__                    
          _ ─´            `\                
        /´                `ヽ、               
       /´                     ヽ            
      /´       _、、             `、         
     |´      ,-  ̄   ̄|            |             
     |´       ヽ、 ・  ..ノ    .,─ ̄ \    .|     
    .|         ──.'´ /. / .__...--ヽ    |         
    |   -´ ̄` -_ \   / / /ヽ、      |  ,-─ヽ,      
      |  |  --_`ヽ、     / /   |      |/./ヘ |     
     .| レ´ ,.- `ヽ、ヽ、) (/ /・   .|      .| /|  | .|  
   ,- ._|   .ヽ、    ・ .、.|ヾ `'´ヽ_,.--- ̄___   .| |, 、ヽ  |       
   |   .ヽ、  \  ___| .,  ヽ_-  ̄ ̄ ̄ ̄   .| 丶 .|   |    
   .| ´`ヽ,.`、    ̄_-- ヽ   ̄         .| ,L__ノ   /       
   |  .´ |.ヽ --─ ̄   / .|_     - 、      .|    /
    |   /∧ ヽ     ,     ,.-- ̄ヽ、       |   イ´
    .ヽ、 ´ `ヽ.|      / ̄´_--─' .|      | `'´ |、_,--- 、
     `ヽ、  .|     | ̄ ̄  .,.- ─|       |     .|     ̄ ̄─
        `ヽ- .|     `、 / ̄'´   |     /     .|
           \    ヽ_, --─ '    /ソ|     `─---
             |\     , ─-   /  .|
           , -| ` ヽ 、      /     |
         -'´  |     `ヽ---─´      |  |
       ,-´  , '´  ヽ             |   |

「大変なことになったみたいだな」

20 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:00:51.71 ID:UhWLST+D0
      ◯
    / ̄ ̄ ̄ ̄\
    /______ヽ
  /     \   / |
(∂|     (●) (●) |
 ヽ|     ""   "" |
   |   ●  ___ ●|  
   \    /__/ / 
   /ヽ       /\ 

「僕たちも手伝ってやる。けけけ」


21 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:02:19.24 ID:UhWLST+D0
Bは顔をほころばせた。
門番兵B「おお!テンシンハンにチャオズ!来てくれたのか」
テン「違う!俺達の名は“テンツメシ”に“ギョウザ”だ!何度同じ間違いをすれば気が済むんだ!」
門番兵B「ああ、すまんすまん」
テン「全く…。読者が俺のことをどこかのヘタレと勘違いしたらどうするつもりだったんだ」

門番兵B「そんなことよりもあれを見てくれ」
Bは正面の草原を指差し、天津飯と名乗った三つ目の男に双眼鏡を差し出した。
が、天津飯はそれを手で制した。
テン「いや、俺は必要ない。視力は3.0あるからな。それは餃子にでも渡してくれ」
餃子「流石天さん!3つ目は伊達じゃないね!」
B「……」

…お前本当に人間か?とか、それ遠視じゃね?とか思いつつもそれを飲み込み、Bは餃子に双眼鏡を手渡した。


22 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:03:19.86 ID:UhWLST+D0
テン「…凄い数だな」
天津飯は眉間にシワを寄せながら呟いた。
餃子「僕たち3人でどうにかなる数じゃないね…」
餃子の顔にも緊張が浮かぶ。
Bはその緊張をほぐすように明るく言った。
門番兵B「ああ…だけど手はある。今日、光の戦士が仲間を連れてこの町に訪れたんだ」
テン「何だと?あの伝説の?」
門番兵B「ああ。彼らの力を借りられれば…」
テン「で、その戦士様はどこに?」
門番兵B「わからん。今Aが探してる」
テン「そうか…。しかし奇妙な偶然だな…」

門番兵B「あながち偶然じゃないかもな」

Bはタバコに火をつけた。


23 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:04:04.48 ID:UhWLST+D0




( ^ω^)「……」
両開きの扉をゆっくりと開くブーン。扉の先は宿屋の玄関ホール。
???「やはり来たか…。待っていたよ」

そこに、男はいた。

???「よくぞ我が右腕のTNOKとヤムを打ち倒した」
(;^ω^)「なっ、何いいいいいい」


24 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:06:20.36 ID:UhWLST+D0
……ブーンはアズマやジョルジュから聞いた話を元に、海賊団の頭である『斎藤』という男の人物像を膨らませていた。

例えば、30代ほどにも関わらず、威厳を感じさせるオーラの溢れた男。
あるいは、老若男女関わらず魅了させる高倉健のような年配の渋い男。
あるいは、ヤムやTNOKをねじ伏せるほどの力が自慢のガチムチ野郎、等々

だが、目の前にいる男は、そのいずれも当てはまらなかった。
いや、『男』と呼ぶのでさえ違和感を感じる。



25 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:07:00.02 ID:UhWLST+D0
ここまで引っ張ったが、もう既に正体はバレていることだろう。だがあえて続ける。

         ∧ ∧
       ヽ(・∀ ・)ノ 
       (( ノ(  )ヽ ))
         <  >



目の前にいるこの男は、10代半ばほどの少年なのだから。


26 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:07:59.36 ID:UhWLST+D0

ヽ(・∀ ・)ノ「君の想像通り、私が我が海賊団の団長、斎藤またんきだ…!」

( ^ω^)「…全然想像通りじゃねーわけですが」
ヽ(・∀ ・)ノ「うるせーバーカバーカ」
( ^ω^)「お前さっきまでとキャラが違うお」
ヽ(・∀ ・)ノ「読者に散々ヒントを与えてから、『あれ?またんきじゃないの?』ってちょっとでも思わせてみたかったんだよ!文句あんのかよバーカ!」
( ^ω^)「把握」

( ^ω^)(それにしても…こいつどっかで見たことある気がするお…)


27 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:10:20.75 ID:UhWLST+D0
ヽ(・∀ ・)ノ「さて、無駄話はここまでだぜ。お前は俺達を追い出すつもりらしいけどよー」
またんきは腰に刺した剣を抜いた。スラリとした細身の刀身が鈍く光る。
同時に、緊張感のなかった空気が引き締まる。
ヽ(・∀ ・)ノ「俺らにとっても追い出されたら困るんだよ!仕事がないのは死活問題だからさー!」
( ^ω^)「だからって無関係な町の人々を苦しめるのは許さないお!(特にTNOK)」
ヽ(・∀ ・)ノ「だったら死ね!」
( ^ω^)「……っ!」

ヒュン、と空気を切る音と共に一閃が走る。またんきの不意打ちともとれる攻撃。

だが、ブーンはこれをやすやすと避ける。
ヽ(・∀ ・)ノ「結構早いじゃねーか。じゃーこれならどうだ!」
( ^ω^)「……?」


28 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:13:29.41 ID:UhWLST+D0




門番兵A「ハァ…ハァ…」
Aはあてもなく走っていた。

彼は真っ先に天津飯と餃子の元を訪れ、事情を伝え、Bのいる場へ向かわせた。
そして本来ならば、この次にすべき行動は町人に一人でも多く伝えることなのだが、Aはそれをしていなかった。

それは、過度の内気な性格から。

知り合い以外とはまるで話すことのできないAにとって、知らない人間の住む家を訪ねることは勇気が必要なことだった。
ならばせめて道行く人に話しかけるべきなのだが、都合悪く、人々は海賊の横暴を恐れ家に閉じこもっており、外には人っ子一人見かけない。

Aは、一人でも外を歩く人がいれば…との思いを一心に、ひたすら走っていた。

29 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:15:07.07 ID:UhWLST+D0
門番兵A「……あっ!」
そして走り続けること5分、ついに彼は一人の男性を発見した。
門番兵A(やっと人いた…。でもどうしよう…。もし逃げられたら…もし信じてもらえなかったら…もし(ry)
Aの頭に、内気の典型である様々なマイナス思考のifが浮かび上がる。

そんなAのことなど露知らず、男性は歩を進め続ける。

門番兵A(ここで逃げたらBや天津飯が死んじゃうかも…。いや、町ごと………よし…)
Aは5分ほど男性をストーキングした後に、ついに覚悟を決めた。

門番兵A「あっ…あ…あの…」

アズマ「……はい?」





30 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:17:34.83 ID:UhWLST+D0
ヽ(;・∀ ・)ノ「はあ…はあ…ちくしょーなんで当たんねーんだよー!」

またんきの一撃が虚しく空を切る。
( ^ω^)(……)
ブーンは、先程からひたすらまたんきの攻撃を避け続けている。自分からはまるで攻めようとしない。

それは、ある考えがあったから。

( ^ω^)(こいつ…てんで大したことないお)
最初の不意打ちの剣筋を見て、ブーンはこの少年が大した剣の使い手でないことを早々に見切っていた。
( ^ω^)(とても強いって噂は、恐らくは父親の伝説から派生した嘘だお。
      体力も無いみたいだし、こいつをこのまま疲れさせてから屈服させるのが一番だお)
それが、ブーンの目算だった。


31 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:19:49.42 ID:UhWLST+D0
ヽ(;・∀ ・)ノ「く…くそぅ」
( ^ω^)「まだやるかい?」
ブーンは、以前から実際に言ってみたかった某漫画のセリフを口にした。
何とも言えぬ快感がブーンの体中を突き抜ける。
ヽ(・∀ ・)ノ「うるせーバーカ…まだまだ元気いっぱいだぜー…」

再び、またんきの一撃が空を切る。

( ^ω^)「まだやるかい?」
同じセリフを繰り返すブーン。

この後、こんなやりとりが2-3分ほど続く。


32 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:27:47.32 ID:UhWLST+D0
ブーンはカッコイい(と思っている)セリフを何度も口にすることにより自分に酔いしれ、いつの間にか本来の目的をすっかり忘れていた…

(*^ω^)「まだ(ry」(僕カッコよすwwwwwwwwwうぇwwwwwwww)
ヽ(・∀ ・)ノ「はあ…はあ…。あぁもうやめた!馬鹿らしい」
( ^ω^)「観念したかお?」

勝った。
目論見が成功し、ますます自分に酔いしれるブーン。

だが、またんきから返ってきた答えは意外なものだった。

ヽ(・∀ ・)ノ「そうじゃねーよバーカ!もう好きでもないことをするのはやめた、てことだよ!」
( ^ω^)「え?」
ヽ(・∀ ・)ノ「ヤムから『剣も使えるようになったほうがいい』って言われて最近使い始めたんだけどさー、やっぱこんなのいらねーや」


33 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:31:58.23 ID:UhWLST+D0
ヽ(∀ )ノ「俺さー」

               彡┼─
         ∧ ∧    
        (・∀ ・)ノ <実はモンクなんだよね
         ノ(  )
         <  >




34 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:33:57.04 ID:UhWLST+D0
次の瞬間、またんきの目にも留まらぬ正拳付きがブーンの腹をえぐっていた。

(;^ω^)「おぶ…」
思わず後ろによろめくブーン。
突然の一撃。すっかり有頂天になり油断していたブーンにとっては痛恨の一撃だった。
もし鎧が無かったら内臓が破裂していたかもしれない。

ヽ(・∀ ・)ノ「そりゃ!またんきっく!」
間髪を入れず、またんきの回し蹴りがブーンの右手に炸裂する。
ブーンは思わず剣を手放し、甲高い音を響かせながら地面をバウンドした。

ヽ(・∀ ・)ノ「まだやるかい?」
(;^ω^)「くっ…」


35 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:35:41.00 ID:UhWLST+D0
モンク。武具に頼らずに、自らの肉体を武器に戦い抜く、言わば格闘家。拳は岩を易々と破壊し、脚技は鋼鉄すらねじ曲げる。
更にこの職業を極めた暁には、どんな武器よりも強烈な拳を身に付けることができるらしい。

(;^ω^)「…こうなったら肉弾戦だお!」

それを知ってか知らずか、ブーンは半ばやけくそで体当たりをした。
ヽ(;・∀ ・)ノ「うっ…」
それを避けられず、吹っ飛ばされ体制を崩すまたんき。まだまだモンクとしての腕は未熟なようだ。
ヽ(・∀ ・)ノ「くそー!やったなー!?」
( ^ω^)「ぐへっ!このお!」
ヽ(・∀ ・)ノ「おりゃー」
( ^ω^)「うわー」

ひたすら殴り合いを続ける両者。いつしか、二人の顔はアザだらけになっていた。
37 名前: ◆0q32MjEv.A 投稿日:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:47:55.70 ID:UhWLST+D0
それからしばらくして。

('A`)「大変だブーン!」
突然扉が開き、ドクオが入ってきた。
(:::^ω(::)「ドクオ?」
ヽ(・∀:;・)ノ「このやろーよそ見すんじゃねーよ!」
ドクオに気を取られたブーンに、またんきの跳び蹴りが襲いかかる。
しかし…
川´・ω・`)「あら…いけない子ねぇ。ちょっとだけお姉さんが相手してあげるからおとなしくしてなさい」
ヽ(;・∀:;・)ノ「う、うわ…!何だよお前!」
39 : ◆0q32MjEv.A :佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 00:54:06.55 ID:UhWLST+D0
(:::^ω(::)「どうしたんだお?ってか大丈夫かお?」
('A`)「ああ俺は大丈夫だ。それより聞いてくれ!さっきアズマさんが来たんだが、どうやら(ryらしい!」
(:::^ω(::)「な…?それはマジかお…!?」
('A`)「ああ!ジョルジュ達は先に門へ向かった。俺らも行こう!」
(:::^ω(::)「おお!」
ヽ(・∀:;・)ノ「逃げんのかよー!意気地なし!バーカバーカ!」
(:::^ω(::)「どうやらそれどころじゃないようだお!悪いけど決着は後できっちりつけるお」
('A`)「行くぞブーン!」

二人は勢いよく外に飛び出した。



ヽ(・∀:;・)ノ「……」
ヽ(・∀:;・)ノ「俺も行こっと」
(´・ω・`)「俺漏れも」
ヽ(・∀:;・)ノ「まだいたの?一緒に行こっかー」


40 : ◆0q32MjEv.A :佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 01:00:42.70 ID:UhWLST+D0




オーガ「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

地平線を埋め尽くす紫。まきあがる土埃。地を揺るがす雄叫び。

オーガ達はすさまじい地響きを響かせながらこちらに向かってくる。
門番兵B「ついに来やがった…!」
Bは歯ぎしりをした。
体中が震え、槍を持つ手が言うことを聞かない。
餃子「………」
餃子の額にも大量の汗が光る。 目には恐怖の色がありありと浮かんでいた。
門番兵B「なあ天津飯、町を囲む塀はどれくらいもつと思う?」
天津飯「せいぜい10分程度だろうな…。それまでは町人に被害は出ないだろう。
      だがここを突破されたら話は別だ!この門は何が何でも守らなければならん!光の戦士が来るまで俺らで足止めするんだ!行くぞ!」

天津飯は震える手を押さえ込み、槍を構えた。


第十話 終
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