3 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:10:42.64 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「ついに僕の携帯にも初代FFが対応したお!早速始めるお!!」
♪チャララララララララララララ…
( 0^ω^)「wkwktktk」
( ;^ω^)「さて、ニューゲー…あれ…?何か急に眠くなってきたお…」
( ; -ω^)「う…あうあう…」
( -ω-)「zzz…」


4 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:11:41.48 ID:B03Pt4rA0



(:::)「おいあんた!おい!おい!!」
( ^ω^)「…う」
ブーンは誰かの自分を起こす声で目を覚ました。うっすらと目を開けてみる。眩しい。蛍光灯の光ではない。
(:::)「おお目を覚ましたか!大丈夫かあんた」
聞き覚えのある声が響く。
ブーンはゆっくり上体を起こし周りを見回してみると、そこは雪国………ではなく、一面に広がる緑の大地…草原だった。
空は雲一つない青空だ。草の香りのする風が心地良い。
(:::)「良かった…回復魔法が効いてきたか」
( ;^ω^)「えwwwwwちょwwwwwwwwwwwwwwここどこwwwwwwww」


5 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:13:32.55 ID:B03Pt4rA0
ブーンは男の声など全く耳に入っていなかった。とにかく頭の中が混乱していた。
ここは何処か?これは夢なのだろうか?
記憶がなくなる前までのことを思い出そうとしてみるが、焦っているせいかなかなか思い出す事ができない。
( ;^ω^)「落ち着け僕…素数を数えて落ち着くんだお…1、3、5、8…いや、7……よし」

( ;^ω^)「あれ?素数ってこれだっけかお?まぁいいお」


6 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:15:14.58 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「確か僕は自分の部屋で携帯をいじってた筈だお。
それで僕の携帯に初代FFが対応したから、wktkしながら始めようとして…そこからの記憶が無いお…」
ブーンは改めて周りを見渡してみた。そこで初めて、自分の服装も部屋に居た時と違うことに気が付いた。
部屋に居た時は、ゆったりしたスウェットを上下に身につけていたが、今ブーンが身につけているのは、
テカテカした頑丈そうな素材…おそらくは革でできた鎧だった。腰の左側には剣がささっている。反対の右側には布袋がぶら下がっていた。
(:::)「おい!聞こえてんのかあんた!?」
ようやくブーンは男の声に気がついた。この声は…
('A`)「おい!!」


7 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:17:11.15 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「ドクオ!ドクオかお!?」
そう、ブーンの親友であるドクオ。思わずブーンは声を荒げた。
だが、いつもファッションをキメている(けど年齢=彼女いない歴)彼が、どういうわけか服らしい服を着ておらず、体中に白い布を纏っているだけだった。
(;'A`)「は、はぁ?何であんた俺の名前知ってんだよ」
( ;^ω^)「ちょwwwwww僕だお僕!ブーンだお!つーか何だおその格好。締めつけ痴漢ビームババァの信者になったのかお?」
(;'A`)「いや、知らねーよ。ブーンなんて名前初めて聞いたぞ。てか何だよ、締めつけ痴漢ビームって」
その後、二人は数分ほど会話を交わしたが、ドクオは本当にブーンを知らない様子だった。


8 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:18:53.99 ID:B03Pt4rA0
( ;^ω^)「????」
('A`)「まぁいいや。あんたは俺のことを知ってるみたいだが、一応自己紹介だ。俺はドクオ。よろしくな。
    んであんたは…ブーンでいいんだな?」
( ^ω^)「そうだお。よろしくお。(別人ってことかお…?)」
('A`)「まぁ、こんな場所で話すのもなんだ。魔物も出る事だし、とりあえず町に戻ろうじゃないか」
( ^ω^)「町?」
('A`)「ああ。向こうの方角だ。」
ドクオが指差した方向に、うっすらと城の様な建物が見えた。きっと城下町があるのだろう。
('A`)「よし。じゃあ行くぞ。」
そう言うとドクオは城の見える方角へ歩き始めた。ブーンも慌ててついていく。



9 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:19:37.45 ID:B03Pt4rA0
('A`)「それにしても危なかったなあんた。俺が通らなきゃ絶対に死んでたぞ」
( ;^ω^)「え?それどういうことかお?」
('A`)「歩いて来た方角からちょうど反対側の方に森があるんだが、そこに用事があってな、そこから帰る時の事だ。」
11 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:21:06.69 ID:B03Pt4rA0
('A`)「倒れてたあんたにゾンビが群がってたんだよ。8匹くらい」
( ;^ω^)「ゾンビ!?テラバイオwwwwwwww」
('A`)「俺は腕力には自信が無いんだが、対ゾンビ用の魔法を覚えててな。何とかあんたを助けることができたわけだ。」
( ;^ω^)「そうだったのかお…ありがとお」
('A`)「礼には及ばないさ」
( ^ω^)(ゾンビや魔法まで…訳のわからない事ばかりだお)
('A`)「ところで…」
13 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:25:34.77 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「何だお?」
('A`)「あんた旅人か?珍しいな。この島に来る手段は少ない筈だが…」
( ^ω^)「それが自分でもいまいちわからないお。目を覚ましたらあそこにいたって感じで」
('A`)「ほう…記憶喪失かもわからんな」
( ^ω^)「いや、意識を失うまでの記憶はあるんだけど…」
('A`)「?kwsk」


14 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:26:56.40 ID:B03Pt4rA0
ブーンは今までの経緯をくわしくドクオに話した。だが、彼はさっぱりわかっていない様子だった。
('A`)「??携帯?FF?さっぱりだな。頭をうって変な記憶ができちゃったんじゃないのか?」
( ^ω^)「いやその理屈はおかしい」
('A`)「その腰からぶら下がった袋は?中に自分の手掛かりになる物が入ってるんじゃないか?」
ドクオはブーンの腰を指差した。
( ^ω^)「ああ、それもそうだお。それじゃ袋を開けてみるお」
そう言うと、ブーンは腰から袋を外し、紐をほどいた。袋を逆さまにして中の物を出してみる。

中から出てきたもの。それは綺麗にカットされた、4つの透明な宝石だった。



15 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:27:50.61 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「なんだお…この宝石は」
('A`)「…!?それはまさか…」
( ^ω^)「知っているのか雷電!」
('A`)「言い伝え通りだが…いやしかし…」
ドクオは何やらぼそぼそと独り言をつぶやき始めた。
( ;^ω^)「一体どうしたってんだお…」
('A`)「あぁすまない。そのクリスタルについて思い当たることがあってな。」
( ^ω^)「…?どういことかお?」
('A`)「この世界には昔から言い伝えがあってな、」


16 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:29:07.56 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「ちょ、待って。長いのは嫌だから産業で頼むお」
('A`)「・土が腐ったり海が荒れたり魔物が人を襲ったりします。怖いです><
   ・そんな時、4つのクリスタルを持った『光の戦士』が現れます
   ・あとは光の戦士が何とかしてくれると思うよ!!!!」
( ^ω^)「やっぱり産業はわかりやすいお!」
( ;^ω^)「あれ?でもそれってもしかして、僕が光の戦士ってことかお?」
('A`)「ってことになるな。まあ、単なる偶然かもしれないが…ん?」
急にドクオはハッとした様子で周りを見回した。
( ^ω^)「どうしたお?」


17 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:30:38.94 ID:B03Pt4rA0
('A`)「どうやら敵さんがおいでなすったようだ。」
( ^ω^)「敵?魔物かお?」
('A`)「ああ。向こうの草むらの影に隠れてこっちのスキをうかがってる様だが…バレバレだっつーの」
ドクオは顎で前方の草むらをさした。
( ;^ω^)「凄いお…全然わかんないお…」
('A`)「おいおい大丈夫か?光の戦士さんよ。」
( ;^ω^)「あうあう…」
('A`)「おそらく、向こうは俺達が気付いている事を知らないだろう。敵は一匹じゃなさそうだ。油断するなよ」
( ;^ω^)「把握した」
そうは答えたものの、ブーンはとても緊張していた。
刃物など滅多に触ったことのない自分が剣を手にして、得体の知れない魔物と闘わなねばならないのだから。
('A`)「よし奇襲をかけるぞ。準備はいいか?…って馬鹿!まだ早い!」
( ;^ω^)「え?」
あまりの緊張のせいか、ブーンは無意識に剣の柄に手をかけていた。
???「キエーーーッ!!」
それが合図かの様に、草むらから角を生やした魔物が一斉に飛び出してきた。手には短刀が握られている。
('A`)「ちっ!迎え撃つぞ!!」
20 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:35:56.04 ID:B03Pt4rA0
                   ∧∧∩
                   ( ゚∀゚ )/                   どんなによわくても
             ハ_ハ   ⊂   ノ    ハ_ハ        
           ('(゚∀゚ ∩   (つ ノ   ∩ ゚∀゚)')               しゅうだんでおそったら
       ハ_ハ   ヽ  〈    (ノ    〉  /     ハ_ハ                
     ('(゚∀゚∩   ヽヽ_)        (_ノ ノ    .∩ ゚∀゚)')              かてるよ!
     O,_  〈                      〉  ,_O
       `ヽ_)                     (_/                   


('A`)「ゴブリンか。雑魚だが、確かに群れて出られるとうぜえな」
ドクオはそう言うと、懐に手を突っ込んで大振りのハンマーを取り出した。
('A`)「ったく…ゾンビなら楽なんだがな。さて、光の戦士さんよ、お手並み拝見させてもらうぜ」
ブーンも鞘から剣を抜いた。始めて見るその刀身は新品そのものでキズ一つ無く、太陽の光を受けて不気味に光っていた。

('(゚∀゚∩A「まずはよわそうなやせたおとこからだ!」
('(゚∀゚∩B「とつげきー!」
ゴブリン達はそう叫ぶと、一斉にドクオに襲いかかった。
('A`)「くっ」
肉弾戦が得意でないドクオは、5匹いっぺんに襲われては成す術が無く、メッタ斬りにされてその場に倒れ込んだ。
23 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:40:05.98 ID:B03Pt4rA0
( ;^ω^)「ドクオーッ」
('(゚∀゚∩C「やせたおとこ、しぼうかくにん!」
('(゚∀゚∩D「かくにん!」
('(゚∀゚∩E「おつぎはよろいのおとこだ!」
ゴブリン達は今度はブーンに矛先を変え、一斉に飛び掛かってきた。
( ;^ω^)「あうあう…」

ブーンは逃げだしたい衝動に駆られた。だが、ドクオはまだ生きているかもしれない。
ここで逃げてしまったら野晒しになってそのまま死ぬことは間違いないだろう。
恩を仇で返す訳にはいかない。ブーンは覚悟を決めた。


24 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:42:23.77 ID:B03Pt4rA0
ゴブリン達の動きは決して素早いものではなかったが、容易に避けられるものでもなかった。
それも5匹を相手にしている。気を抜いたらドクオと同じ末路を辿るだろう。
(;^ω^)「ほっ!うわっ!おっ!」
('(;゚∀゚∩C「くそ!ちょこまかと」
('(;゚∀゚∩E「しねっ!」
焦れったくなったのか、一匹が一気に前に踏み出してきた。うまい具合に1対1の状態になる。
ブーンはこのチャンスを見逃さなかった。
ゴブリンがブーンの腹目掛けて短刀を突いたところを横にステップして避け、
がら空きになった後頭部に向かって一閃!
ゴブリンの頭は半分に割れ、断末魔をあげる間もなくその場に崩れ落ちた。
26 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:46:11.32 ID:B03Pt4rA0
(;^ω^)「や、やったお…」
('(。|:.:::д゜∩E「…」
('(;゚∀゚∩B「Eーーーッ!きさまよくも!」
再び一匹が前に飛び出してきた。
今度は突き出してきた短刀を腕ごと切り落とし、そこでできたスキを狙って首に一突き。
ゴブリンはそのまま倒れ込み、動かなくなった。
('(;゚∀゚∩A「あ、あわわ…」
('(;゚∀゚∩D「に、にげよう!たろうさんもはなこさんもそういいました!」
('(;゚∀゚∩C「は、はやくにげごへぁっ」
真っ先に逃げようとした1匹が声を上げ、その場に倒れ込んだ。
頭が割れ、鮮血がクジラの潮吹きの様に噴き出していた。

('A`)「やれやれ。これだからゴブリンは嫌いなんだよ」
(;^ω^)「ド、ド、ド、ド、童貞ちゃうわ!……じゃなくてドクオ!」
ドクオの手にしたハンマーからは血が滴っていた。


27 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:51:00.91 ID:B03Pt4rA0
('(;゚∀゚∩A「な、なんで!?」
('(;゚∀゚∩D「そ、そんな!たしかにころしたのに!」
('A`)「簡単だよ。俺は死んでなかったのさ。生きてりゃ回復魔法で何とでもなる。それに…」

('A`)「王大人の真似はマズかったな。あいつが死亡確認しても実際に死んでた試しがねーだろが」

              三   ハ_ハ  
                  ∩ ;゚∀゚)') 
               三   〉  / 
                 .(_/ 丿
              三 
                 ハ_ハ  
             三  ∩ ;゚∀゚)') 
                 〉  / 
               .(_/ 丿


('(;゚∀゚∩A「うわーーーーーにげろーーッ!」
('(;゚∀゚∩D「お、おぼえてろよ!」

残った2匹のゴブリン達は捨て台詞を残すと、どこかへ走り去っていってしまった。


28 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:52:37.71 ID:B03Pt4rA0
( ;^ω^)「だ、大丈夫かお?」
('A`)「ああ。回復魔法が効いてる。それに、こんなことは初めてじゃねえ」

('A`)「しかしあんた強いな。見直したぜ。やっぱりあんたは光の戦士に間違いないみたいだ」
( *^ω^)「そんな、照れるお」
('A`)「さて、血の匂いを嗅ぎ付けたウルフやゾンビ共が来る前に、さっさとこの場から離れよう。
   町まであと一時間かからないだろう」

二人は再び歩を進め始めた。


29 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:53:34.70 ID:B03Pt4rA0
ゴブリンとの闘いから30分ほど経った。
あれからは魔物に出会う事もなく、小さく見えていた城も幾分か大きくなって見えてきた。

( ^ω^)「ところで」
('A`)「あ?」
ずっと無言だった二人だが、ブーンによって沈黙が破られた。
( ^ω^)「ずっと気になってたんだけど、その格好は何なんだお?」
白い布を体に纏っただけの格好。一昔前に起こった『パナ〇ェーブ事件』の連中を彷彿とさせる。
('A`)「あぁ…これは白魔術師の正装さ」
( ^ω^)「白魔術師?」
('A`)「ああ。傷を癒す魔法や、不死者の呪いを解く魔法などを専門的に修めている職業のことさ」
( ^ω^)「ほー」


ドクオは自分について語り始めた。


30 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:55:32.88 ID:B03Pt4rA0
ドクオは自分について語り始めた。


('A`)「俺の親父は王様の側近の白魔導師でな、俺も小さい頃から色々と王様にお世話になったもんだ。」
( ^ω^)「王様って…あそこに見えるお城のかお?」
('A`)「ああそうだ。俺は親父の後を継ぐべく修行中の身だ。
   今はレベル1の弱い呪文しか使えないが、いつかは親父を越してやる」
( ^ω^)「じゃ、さっきの用事ってのは修行に関する事なのかお?」
('A`)「ああ。新しい魔法を習得するために必要な薬草を取りに行ってたのさ」
( ^ω^)「へぇ。で、白魔導師と白魔術師って何か違うのかお?」
('A`)「習得できる呪文がかなり違う。白魔導師ならハイレベルな白魔法も使いこなす事ができる」

31 : ◆0q32MjEv.A :2006/03/32(土) 00:56:58.44 ID:B03Pt4rA0
( ^ω^)「白魔導師になるにはどうすればいいんだお?」
('A`)「いや…そこらへんについては俺もよく分からん。
   親父は30年前に修行の旅に出て、帰ってきた時には既に白魔導師に変わっていたらしい。
   親父曰く『バハムート様から称号を頂いた』らしいが、さっぱり意味が分からん」
( ^ω^)「バハムート様…詳しくは聞かないのかお?」
('A`)「詳しく聞いたら負けかなって思ってる(19)白魔術師」
( ^ω^)「かっこいいお!」

('A`)「さて、そうこう話しているうちに町が見えてきたぜ」
100メートルほど向こうに石塀で囲まれた町が見えてきた。辺りは既に夕日に包まれ、
TDLのシンデレラ城に似た大きな城を赤く染めていた。

第一話 終
inserted by FC2 system